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第159章 零
14番目の月が美しい秘密
しおりを挟む私は、14番目の月が美しい秘密が分かった。
新月からはじまり、月は、いつも、月の海を作っている。
本当は、まん丸なのに、見えている部分だけを愛でられている。
本当は、違う。
隠された中に、
見えない中に、
本物の美しさが存在していた。
月は、月齢を重ねる度に、その“見えない部分”が輝くことを願う。
月は、その日が来ることを待ちわびる。
上弦の月から、ぷっくりとした形状となり、14番目の月となり、満月となる。
満月になるひとつ手前の14番目の月が、美しく見えるのは、そのせいだ。
カケラが、自分の分身を集めて、最後に丸を目指すように…
少しずつ、少しずつ、月は丸に近づく。
完全な丸である満月よりも、
「あとちょっとで丸になるよ。」っていう時の月…
月も、またその頃が、一番嬉しいのかもしれない。
まん丸になるちょっと前…
“綺麗な満月だと愛でられる月”よりも、
“ちょっとだけ手前の14番目の月”が好き。
月は、見えない部分の本物の美しさを知っているから。
あと少しで丸になれる、丁度その頃、
月は、一番素敵な輝きを見せてくれる。
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