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第151章 神様を理解する。
瞳の色… 灰色であろうが、ブルーであろうが 魂の美を感じた。
しおりを挟むある肖像画、2作品を観て感銘を受けた。
絵を観て感動、解説を読んで、また感動した。
〈身近な人の批評で、人物の、人となりがが分かる。〉
絵から感じるオーラそのものを、その解説が言い表していた。
イリヤ・エフィモヴィチ・レーピン 作
『画家 イワン・クラムスコイの肖像』
1882年 油彩・キャンヴァス
※ 画像掲載出来なくて、すみません。
若き、イリヤ・エフィモヴィチ・レーピンが、アカデミー入学前、最初の師になったのが、クラムスコイだと言う。
レーピンは、クラムスコイとの最初の出会いについて、回想記でこう記している。
「なんという人だ!なんという目だ!小さい目で、落ち窪んだ眼窩の深みにあるというのに、はっきりと目立っている。灰色の目が輝いている。なんて真面目な顔なのだろう。」
レーピンは回想記に、自分の師クラムスコイの「尽きせぬエネルギー」について書き、クラムスコイを「ロシアの偉大な画家」と呼び、画家としても市民としても「国民的記念碑」に値する人物だと記している。
※ 当日も解説を読みましたが、この文章は、図録の解説からの引用です。
レーピンが描いたクラムスコイの肖像から、回想記に書かれているそのものの、真面目さが伝わってきた。
瞳の奥に、何物にも動じぬクラムスコイの強さを感じた。
「それにしても…
弟子にここまで、べた褒めされるクラムスコイって凄い。」
素晴らしい人徳があったんだなぁと感心させられた。
ウラジーミル・エゴーロヴィチ・マコフスキー
『自画像』
1905年 油彩・厚紙
※ 画像掲載出来なくて、すみません。
マコフスキーは貴族の家に生まれた。
同時代人はマコフスキーを、勤勉に制作に励み、音楽を愛好する洗練された知識人として回想している。
彼はヴァイオリンの名手であり、家ではしばしば音楽の夕べが催された。
パーヴェル・トレチャコフの娘ヴェーラ・ジローチは、次のように書いているー 「私が生涯で知るもっとも魅力的で、優しく素晴らしい心を持っていた人物の一人が、ウラジーミル・マコフスキーでした。
彼は外見も魅力的でした。背が並外れて高く、細身で、潑刺とした身のこなしで、エレガントで、波打つ暗い栗色の髪を後ろに撫でつけ、少し顎髭を生やし、明るい色の目をして、魅力的な微笑みを浮かべていました……そして音楽に身を焦がしていました……」。
※ パーヴェル・トレチャコフ
ロシアの実業家・美術蒐集家・篤志家。ロシア美術の保護者として知られ、トレチャコフ美術館やモスクワのトレチャコフスキー大通りに名を遺す。
確かに、マコフスキーは、紳士的な印象だ。
髪は、暗い栗色ではなく白髪が混じっているが、それもまた良い。
絵の具をおとしたパレットを自分の前に置き、
絵筆を握り、「音楽家ではなく、私の職業は画家だよ」とアピールしているようにも見える。
瞳は?…明るく吸い込まれそうなブルー(水色)だ。
瞳の色…
灰色であろうが、ブルーであろうが
魂の美を感じた。
何よりも、私の前に存在する人物が、
“当時に生きていたその人物の身近な人が受けた印象そのものの姿”
であったことに感動をおぼえた。
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