2,458 / 4,110
第145章 2019年10月22日、福音の鐘は鳴る。(Part1)
昭和天皇の素顔 ③
しおりを挟む昭和天皇は、生物学者としても有名という話は、聞いたことがありましたが、ここまで、徹底した、ご研究をされているとは知りませんでした。ただただ、感服するばかりです。
昭和天皇は、新種の生物を沢山発見されました。その数の多さにも、驚かされます。
生物学者としての昭和天皇
https://tanken.com/seibutu.html
より、続きを転載させて頂きます。
※ 画像転載出来なくて残念です。
昭和天皇が見つけた新種ショウジョウエビ
昭和天皇は、数多くの新種も発見しています。貝だけで110、全部で200以上の新種を発見したと言われますが、特に有名なのが、16歳のとき(1918年3月12日)、沼津の海岸で発見したエビで、ショウジョウエビと命名しています(ただし、1982年に新種ではなかったと判明)。
また、1941年1月15日には、江ノ島の海底から新種のクラゲを発見、コトクラゲと命名しています。
コトクラゲは、後に「いちばん面白かった」と語るほど大きな発見ですが、当時は戦時下でもあり、発見者は学者の駒井卓名義になっています。
しかし、こうした生物学研究は、軍部から非常に睨まれていました。皇居内の生物学御研究所にも軍人が常駐し、かなりの圧力が掛けられました。後に、昭和天皇自身が会見でこう語っています。
《あの頃は、もう非常にやかましくって、ええ、私の名前で発見した新種を出さない方がいい、という説が出たくらいで。相当あの時は、やかましかった》(1976年8月23日)
昭和天皇が見つけた新種(左がネダケシャジク、右がヒグルマガイ)
コトクラゲの発見は1941年1月。この年の12月には、南方熊楠の訃報が届きます。
侍従だった入江相政の日記には、《南方熊楠のお話など出て大変お賑やかだった》(12月30日)とありますが、『昭和天皇実録』には一切その記録がありません。
公式記録に書かれているのは、陸軍人事の話や海軍戦果の上奏、戦争映画の鑑賞などキナ臭いものばかり。12月8日の真珠湾攻撃で日米が開戦しているので、生物学の話など表だってすることは不可能だったのです。
弟の雍仁親王と一緒にやった伊香保のオオムラサキ取りは、幼少期で最も印象に残る出来事でした。実はこのとき、昭和天皇は歩兵第15聯隊の演習を見学しています(1911年8月27日)。これが、生まれて初めて見た軍の演習でした。
この日の日記には《私は前から(演習を)一ぺんみたいと思ってゐた所へ今日はじめて見られたからうれしかった》と書きました。
しかし、それから30年後、昭和天皇の生物学研究は、軍に軽蔑され、肩身の狭い思いをしながら細々と続けられていくのです。
昭和天皇の愛用した筆箱
1945年8月15日、終戦。
しばらく敗戦処理が続き、9月21日、中秋の名月を見て、初めて一息つくことができました。
そして、9月24日、軽井沢の皇太后(母)から送られてきた野草を吹上御所に移植します。久しぶりに生物に触れ、このとき詠んだ歌は、こんな感じです。
《夕ぐれのさびしき庭に草をうゑてうれしとぞおもふ母のめぐみを》
制作:2014年12月15日
<おまけ>
戦争が始まると、昭和天皇は軍部に遠慮して、好きだったゴルフも自粛するようになりました。御所には9ホールのゴルフ場がありましたが、これも昭和12年から使われなくなりました。
終戦後、吹上御苑は天皇の意向で、なるべく自然のまま管理する方針が採られています。その結果、最新の調査で、植物711種、動物2737種の存在が確認されました。このうち少なくとも3種は新種だと断定されています。
なお、昭和天皇が長年にわたって収集した標本は、現在、昭和記念筑波研究資料館に保存されています。標本は、変形菌類約3000点、ヒドロ虫類約4000点、貝類などの軟体動物約2万点、甲殻類約4000点、魚類約2000点、維管束植物約1万7000点で、計63000点となっています。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる