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第144章 新しい価値観、新しい世界観
警戒心を持たず、家までついて来たトンボの話
しおりを挟むあの時、私の手に止まったトンボに対する認識も、違ってきた。
たまたま、娘が入院中だった。
トンボにとって、そんなことは、一切関係ない。
ただ、私に対して、トンボは、
ちっとも警戒心を持たなかった。
その辺の枝に止まる感覚で、私の手に、たまたま止まった。
その枝が、よほど居心地が良かったのだろうか?
私の家までついてきてしまった。
ある意味、それは私にとって嬉しいことだ。
トンボは、人間である私に対して、本能として、敵だと感じていなかった。
いわば仲間的な感覚で、私を受け入れてくれていたのだ。
その話をすれば、娘は、決まってこんなことを言う。
「私もあるよ。小さい頃、頭のてっぺんに、トンボが止まってきてくれた。」と…
私は、その話を聞けば、
「前にも聞いたよ。」って言う。
そう言う私も、この話を前にもしたわけで、二人共この経験が、よっぽど嬉しかったとみえる。
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