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第143章 変革
父の口ぐせは、人生僅か50年だった。鈍感な私は、人間が与えられる電磁波の影響を、昨日の夜まで知らなかった。
しおりを挟む私が小学生の頃
父の口ぐせは、「人生僅か50年」だった。
まだ小さい私は、その意味もあまり分からずに
「そっか~。人生は、50年なのか~。」って思った。
父は、人生僅か50年って言いながら、83歳まで生きたら、上等かな?
私は、自分が50歳を迎えて以降、父の口ぐせをよく思い出すようになった。
《小学生の頃、私は、
“人生は僅か50年”なんだと思っていた。
それ以上生きれば儲けものだ。》
私くらいの世代は、まだいい。
人生僅か50年を過ぎたんだから。
私たちの世代より、若い人達の世代が心配だ。
令和以降に生まれる赤ちゃんが心配だ。
今の子供達が大人になって、結婚して、
未来にまた“生命”が誕生する…
その子供達の世代が心配だ。
その次の世代も心配だ。
《何十年か経ち、電磁波と健康被害との因果関係が、表立って証明されるだろうけど…そうなってから、各国で様々な案が出され、規制を検討され、規制プロジェクトが組まれるんだろうけど、それまでの間…盲目的に、どんどん進んでいった世代が一番心配だ。》
目覚めるように思った。
「テクノロジーは、ある意味、麻薬みたいなもんだ。」
「進めば進むほどに、その勢いに陶酔する。」
私は、実際に麻薬を口にしたことはない。
ないけど、こうやってスマホの魔力に、取り憑かれた1人で、
依存症くらいにはなっている。
世界全体が、今、
テクノロジーの魔力に陶酔していて、テクノロジー依存症以上だ。
「最先端の技術は、誇りだ。」
「テクノロジーの発展こそ、全て。」
それを眺めて、新製品を心待ちにしている一般大衆は、いけいけドンドンで、開発者に、声援を送る。
進めば…開発されたら、
拍手喝采だから、各社、競い合い。
「よ~い。どん。」
でかけっこをしたら、誰が一番早いか?
それだけしか見えない。
一番を目指しているのだから、
勢いにのって、走るしかない。
アメリカと韓国が5G世代になったのだから、日本もならなきゃ…
3番手くらいにはなりたい。そうなるのが当たり前だと思う。
現実として、健康被害が、
報告されているというのに。
鈍感な私は、昨日の夜まで、人間の健康被害の話を知らなかった。
(今のところ現実的には、人間にはさほど影響はないと思っていた。)
沢山の電磁波が立ち、鳥だけが迷惑している話だと思っていた。
電磁波の問題は、小さな生き物だけが受けている被害だと思っていた。
報告が伝わっていないだけで、
電磁波の影響、人間は受けてるじゃん。
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