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第142章 概念について
概念の危うさを知る。
しおりを挟む◆日本で、虫の分類が明確にされていない時代、鳴く虫は、全てコオロギ(蟋蟀)と呼ばれていた時代がある。
◆長い距離を早く飛び、大きくて美しい鳥、アルバトロス。アメリカでは、ホールインワンより数百倍 出すのが難しいと言われるアルバトロス (Albatross) 、信じ難い記録として、その名を輝かせる。
しかし、日本では、アホウドリ。
捕獲しやすい阿呆(あほう)だから、その名がついたという。
◆アルマジロは、人間サイドから評価したら、害獣扱い。
アメリカでは、銃殺のやり方まで、細かい指示をされる。
しかし、自然界サイドから見たら、生態系エンジニア、とても役に立つ働きをする。
◆鳩時計で定着している時計、発祥の地はドイツのカラクリ時計。
時刻を告げる鳥は、カッコウだった。日本に伝わった時、カッコウの鳴き声が、鳩の鳴き声に似ているので、鳩時計と言われるようになった。
◆童話「ありとキリギリス」
現実的に見たら、ありの寿命は、2年、キリギリスの寿命は、2ヶ月…
キリギリスは、ある意味、人生を謳歌した賢者である。
(虫を擬人化させ、人生という言葉を使った)
◆ ロシアの至宝「忘れえぬ女(ひと)」は、画家が発表当初、高慢でふしだらな女性を描いたものだとして多くの批判を浴びた。しかし、時代は移り変わり、
人々の芸術観が変化し、今では、『ロシアのモナリザ』とさえ言われる。
国によって
時代によって
判断の仕方によって
見る側によって
時代の価値観によって
“概念”というものは、変化する。
私たちが、当たり前だと思っている“概念”は、他の国に行けば、違う意味となり、別の時代だったら、違う解釈をされ、それを見る側によって、批判されたり、讃えられたり…
概念の危うさを、しみじみと納得した。
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