🌟真理の扉

鏡子 (きょうこ)

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第141章 新しい季節

蝶と蛾 ②

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2009年を思い出す。


「私には、フェルメールの娘だった時代がある。」


それを思い出した時、(青虫から育てていた)蛹が、無事に紋白蝶になった。


私は、胎内記憶や前世の記憶を調査、研究されている池川  明  先生と繋がっていたので、その日も、池川先生宛てにメールを送った。


※『眠る女が目覚める時』より、転載


私は泣きながら先生に、メールをしていた。 
泣くつもりはないのに、自然に涙が出た。 

何故? 

『眠る女』は、フェルメール作品のなかでは、あまり人気がない。


ある絵画評論家には、『鏡』を試行錯誤の表れと評され 
高い評価を得ていない。


そんな作品に、私は 何故? 

こんなにも、心を捕らえられてしまったのか? 


私は、様々な不思議な経験を通して 
フェルメールの娘だったことを、意識するようになった 。

私は、先生に、長いメールを 
明け方早く送信した後で、玄関先に出た。 


娘が、青虫のときから育てていた 
ビンに入った蛹、昨日までは堅いカラに 
覆われていた、 紋白蝶の蛹 

その日は形状が違っていた。 

柔らかな 絹(シルク)のような 

透き通る羽



生まれたばかりの 

かよわい羽 



その羽を、ぷるぷると震わせていた。 

私は、紋白蝶をビンから
出してあげた。 



蝶は、天使の羽ような 
真っ白な羽で、ひらひらと舞った。 

きらきらと舞った。 



蝶は、私のからだの周りを舞いながら 
とても嬉しそうにしていた。 


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