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第138章 宇宙の風に乗る part 4
171年前は、人間が生き物と共存していた。道路は、馬が主役の“みち”だった。
しおりを挟む1848年、ミラクル・ムーンが現れた。
カール・ベンツは、1886年に世界初の自動車として初の特許を取得した。
その年の、38年前(1848年)に現れたミラクル・ムーン…
月は、全てを見ていた。
人間を含む、生き物たちの様子を、
月は見ていた。
38年後に登場する“車という化け物”を、
生き物たちは、まだ知るよしもない。
カール・ベンツが、自動車の特許を取得した頃、自動車の有用性に気が付く者はなく、
「交通の主役である馬を怖がらせる邪魔者」であったという。 Wikipedia情報
車という(彼等にとっての)化け物が現れて以降、生き物たちは、どんどん行き場をなくした。
環境は変化し、彼等にとって、住みよい場所が無くなっていく。
馬が主役だった道は、
車という(彼等にとっての)化け物が主役の道路と化す。
「171年前の月夜を眺める道には、車はなかったんだな。」…
ハッと大切なことに気付く。
171年前は、人間が主役の世界ではなかった。
道路は、馬が主役の“みち”だった。
馬車の時代は、人は馬の力に頼って生活する。
つまり、人と馬は、共存し合って生きていたんだ。
人間と、生き物たちは共存していた。
その道で、みんな、同じ月を見上げていた。
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