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第43章 ダ・ヴィンチの絵画論
ダ・ヴィンチに対する思いを語る。
しおりを挟むある画集にて、各界で活躍された著名人が、それぞれにダ・ヴィンチや、ダ・ヴィンチ絵画に触れ、思いを語っている文章を見つけた。
それぞれの感性に、共感を持ったり、独特な視点にドキッとさせられたり、いずれにせよ、ダ・ヴィンチの絵画に、心を奪われているのは皆、共通だ。
それぞれに進む道は、違っても、感じ方は、異なっても、到達すべく芸術の真髄には、相通じるものがある。
やはり、芸術は、素晴らしい。
芸術は、各々の心に寄り添った、愛深きものなのだ。
※下記は
フランク・ツォルナー著の画集より
レオナルドは、言わば、自分の描く人物像が漂う、壮大で恒久的な宇宙だけを知っていた。
絵という枠の中で、その宇宙は個々の連続的な調和をもたらし、別の宇宙は無限の中から抜粋されたものを示す。
《オズワルド・スペングラー、1917年》
この世の中で、これほど万能で創意に富み、自分に満足せずに無限を切望し、生まれつき聡明で、その世紀そしてその後何世紀も先んじた天才の例はおそらく他にないだろう。
彼の描く人物像には驚異的なほど感受性と人的態度が表れており、言葉にせずとも思想や感情が溢れ出している。
《イーポリート・テーヌ、1866年》
さらに詳しく見ていく前に、レオナルドの人柄と才能についてもう少し述べておかなければならない。
自然が彼に与えた多くの才能は、主に彼の目に集約されている。そのため、彼は何でもできたが、とりわけ画家として最も才能を発揮したようだ。
レオナルドは単に天賦の計り知れない内なる刺激に頼ったのではなく、また絵筆のでたらめな筆触に任せたわけでもなかった。
すべてがじっくりと考え抜かれ、考究されたものでなければならなかった。熱心に研究した純粋なプロポーションに始まり、矛盾に満ちた人の姿から編み出した奇妙な怪物に至るまで、あらゆるものが自然かつ合理的なものでなければならなかったのである。
《ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 1787年 》
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