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第130章 ワタリドリは、飛ぶ。
線引きがなくなった。
しおりを挟む最新のテクノロジーで、細かな絵画の調査が出来るようになった。
テクノロジーによって、絵の謎に迫ることは出来ても、その作品が持つ魂の真髄に迫ることは出来ない。
一番、残念なことは、線引きが全くなくなったことだ。
むかしは、絵全体を観て、専門家によって、
「レオナルド主流か?弟子主流か?、どちらか主流であるか?」の協議がされ、製作者が判断されていた。
『音楽家の肖像』のように、“明らかに”弟子が関わった要素が多い場合、レオナルド工房の作品であることは、間違いないが、作者不詳とされていた。
今は、どうだ⁈
明らかに弟子主流の作品だと分かっていても、テクノロジーで解析をし、レオナルド・ダ・ヴィンチが関わった要素を見つけようと必死である。
明らかに弟子主流だと分かっていても、科学的に、何かレオナルドが関わった要素を見つけ出そうとし、その作品を、レオナルドの真作にさせようとの動きが、あからさま過ぎて、見ていられない。
何故、そんなにも必死になる?
理由が、分かるか?
レオナルド・ダ・ヴィンチ という、ネームバリューが与えられるか?与えられないか?で、マーケティングの効果が雲泥の差だからだ。
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