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第32章 神聖幾何学(フラワー・オブ・ライフ)とダ・ヴィンチ絵画
旅するダ・ヴィンチ、モナ・リザと共に
しおりを挟むモナ・リザが、
77 cm x 53 cm の小さな作品だなんて、数年前まで知らなかった。
そんな小さな作品なら、風呂敷のような大きめの布で、包んで持ち運んだら楽だし、勿論、旅にだって持って行けるだろう。
2009年の6月に、I先生宛てに書いたメールの文章を振り返ってみた。
「旅の間に手直しをして、なかなか完成できなかった作品もあります。『聖アンナと聖母子』です。柱を額縁に見たてた『モナ・リザ』の絵を飾り、それをいつも眺めながら、寝食を共にし、『聖アンナと聖母子』の手直しをしていました。」
柱のあるモナ・リザを想像した。
確かに、柱があれば、
柱さえあれば、額縁なんて必要ない。
遠近感も出て、すごく良い感じになるだろう。
おそらく、ダ・ヴィンチは、自分自身の為にモナ・リザを描いていたから、それで良かったのだ。
77 cm x 53 cm の小サイズなら、いつでもどこにでも、
その絵を持ち運び、その絵を眺め、旅する時も、寝食を共にすること可能である。
一方、聖アンナと聖母子は、168 cm × 112 cm (66 in × 44 in)と、モナ・リザに比べると、かなり大きなサイズ、しかし、それはあくまでも完成作品
この作品に至るまでには、
素描を描いたり、習作をしたり、カルトン等も仕上げただろう。
私が筆記した文章の『聖アンナと聖母子』は、おそらく、素描、習作の段階だったと思う。
モナ・リザを、小脇に抱え旅をするダ・ヴィンチ
そしてそれを壁に、柱のあるモナ・リザを立て掛ける。
モナ・リザは、ちっとも微笑んでいないように見える時もあった。
そうやって、来る日も来る日も、
ダ・ヴィンチは、その絵『モナ・リザ』と語らいながら、幾つかの作品に取り組んだのだ。
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