ありのままに ①

理解不能文章④

　　　

Vol.30,No.3〕 あすか観測拠点と昭和基地間の重力結合 165
次観測隊においてほ，あすか観測拠点の開設，また，第 28次観測隊からは，同地点におけ る越冬観測開始など，今後ますます活発な観測活動が予定されている.
特に，同地域の重力測定に関しては，第 26次観測隊により，あすか観測拠点の西方約 2 km に位置するシール岩に重力基準点が設置され，また，同点を基準としての重力測量も実 施されている(森脇ら， 1985).
しかしながら，あすか観測拠点と昭和基地とを，短期間に直接結んでの重力測定は，いま だ実施されておらず，セールロンダーネ地域での重力基準点を確立する意味で，あすか観測 拠点と昭和基地との重力結合は，早急に実施すべき課題の 1つであった.
幸い，第 27次観測隊では，あすか観測拠点における夏季建設作業期間を利用して，同観 測拠点およびシール岩の重力基準点での重力測定を実施することができ，昭和基地との重力 結合を行うことができた.本報告では，その結果について述べる.
また， 1986年 1月には， Jレンドボークスヘッタにおいて重力測鍼を実施する機会を得た. 同地域における重力測量は今回が初めてであり，測地基準点など 8測点で重力測定を実施し たのでその結果についても報告する.
2. あすか観測拠点と昭和基地間の重力結合
2.1. 測 定
あすか観測拠点における重力測定は， 1985年 12月 27, 28 日の両日に実施した. 使用
した重力計ぱ， ラコステ重力計 G-477 および G-805 の 2台である. 測定手順ぱ，次の通りである. 12月 27日午後，ブライド湾内停泊中の「しらせ」より，
ヘリコプターであすか観測拠点に飛び，直ちに，シール岩の重力基準点およびあすか観測拠 点観測棟内において測定を行った.さらに，翌 28 日，同観測棟内で再び測定を実施した後， 雪上車であすか観測拠点の北約 70km にある 30 マイル拠点まで移動， そこでの測定を実 施し，その後ヘリコプターで「しらせ」にピックアップされた.これらの測定点の位置は図
1に示す.
一方，「しらせ」がブライド湾からリュツォ・ホルム湾に回航した後， 昭 和 基 地 で の 最 初
の重力測定は， 1986年 1月 9 日に実施しており， あすか観測拠点と， 昭和基地との重力 結合は，約 12日間でなされたことになる.
なお，重力測定の方法は，精密重力測定で通常行われているように， 目視による 3回読み 取りにより，また，重力測定と同時に気圧，気温などの測定も実施した.
測定点間の移動に際しては，重力計にショックを与えないように細心の注意を払ったが， 残念ながら，あすか観測拠点から 30マイル拠点に向かう雪上車内において，雪上走行に伴 う車内の激しい振動のため， G-477の読みに，約 4mgalのとびが生じたようである. この
点については，後の解析においても十分に注意をはらった.

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福 田 洋 一