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福井新聞オンライン
福井新聞オンラインより転載
しおりを挟む随筆家の幸田文は明治文学界の重鎮…
2020年9月1日 午前7時20分
【越山若水】随筆家の幸田文は明治文学界の重鎮、幸田露伴の娘。幼くして母を亡くし、厳格な父から家事一切を任されていた。食にまつわる珠玉の作品は「台所帖(ちょう)」(平凡社)に収められている▼その一つ「おにぎり抄」では、震災のときの炊き出し体験を書き残している。「手の皮のひりひりする熱いごはんをひまなく次々と握るのだが、かしらのおかみさんが教えてくれた。にぎりめしってものは、手づかみなんだから、まごまごしてれば汚いもんだよね」▼「だから拍子とってさ、ちゃっきりちゃっきりちゃっきり、ちゃっと三度半に結んじまうもんなんだ」と気っぷがいい。張り板の上に整列したおにぎりは「余震の不安と大火事に煙る不気味な空とをおさえて、見とれるばかり壮(さか)んなけしきだった」と作者は感心する▼この震災はもちろん、1923年9月1日の関東大震災のこと。幸田はくしくも19歳の誕生日に東京向島の自宅で被災、一家を代表して炊き出しに参加したらしい。死者・行方不明者10万人を超える大惨事の教訓を忘れないようにと、後に「防災の日」に制定された▼この時季は台風シーズンとも重なる。示し合わせたように台風9号が沖縄に最接近。さらに熱中症や新型コ○ナの新たな厄介事もあり、防災体制の見直しを迫られている。先の炊き出しのごとく、互いに協力し合い手際のよい対応が不可欠である。
福井新聞オンライン、以前にも繋がったから、気になっていました。
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