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かなしみと共に、謎が解けていく。
覚書
しおりを挟むロシアと朝鮮 ナタリア・バジャノワ
朝鮮半島は、皇帝アレクサンドル 2 世が 1860 年に「隠者の王国 (отшельническое королевство)」と国境を接していた沿海地方を帝国に併合した後に、ロシアの視界に入っ た。その時以来、ロシアは様々な動機や多様な形で、この極東民族の支配をめぐる大国(日 本、中国、米国)間の闘争に参加した。クレムリンの朝鮮半島に対する積極的姿勢は周期 的に弱くなったが、のちにロシアは倍増されたエネルギーをもって再び朝鮮情勢にのめり 込むことになった。
第 2 次世界大戦終結まで、ソ連は朝鮮において、自国の安全保障を確保することや共産 主義陣営の勢力圏拡大、伝統的なロシアの大国主義的野望を満たすという 3 つの基本的な 目的を追求した。ファシスト・ドイツとの血生臭い壊滅的な戦争があったにもかかわらず、 ソ連は海外で忠実な体制を育てるために力を惜しまなかったが、その中には北朝鮮も含ま れていた。1949 年末が近づくまで、スターリンは南朝鮮に対する自国支配の拡大を計画し ていなかった。それとは逆に、彼は南からの侵攻を危惧し、あらゆる手段で北朝鮮指導部 による侵攻の企てを潰した1。
しかしその後、ソ連の指導者の立場は変化し始め、1950 年 4 月、北の南侵を称えた2。 このような政策転換は、中国における共産主義革命の勝利やモスクワの原爆製造、ソ連と 西側間の関係が全般的に先鋭化したこと、そして同時に、米国の公的な立場の人間がワシ ントンは朝鮮半島を同国の軍事的責任範囲に入れない意向である旨を表明したこと(訳 註:所謂「アチソン宣言」)によって触発されたのだ。
後になってスターリンは朝鮮半島の戦争で勝利できないと悟った時、彼は 2 つの課題に 傾注することになった。第 1 に、同半島上で米ソの直接対決に陥らないようにすること、 第 2 に米国が出来るだけ朝鮮戦争に関わり続けるようにすることであった。クレムリンの 指導者は、米国人が朝鮮の泥沼に引きずり込まれるほど、社会主義の諸利益にとり国際的 環境が好都合になると強調した3。
独裁者の死後、新しいソ連指導部は、直ちに朝鮮半島における戦争の終結を急いだが、 それは北朝鮮と韓国間の平和的競争による現状維持政策を目指したものであった4。北朝鮮 にはソ連から幅広い大河のような大量の経済的、軍事的援助が流れた。ところが、1960 年 代初頭にかけて、モスクワと平壌の関係にはイデオロギー的、政治的な対立が生じた。ソ 連の指導者 N. フルシチョフは、当時の北京や平壌を虜にしていた左翼日和見主義的な熱 狂 (ливацкая лихорадка) が極東を戦火に導く可能性を恐れたのである5。次の指導者
1 Наталья Баржанова. Самая загадочная война XX столетия // Новое время. 1996. No6. С.30.
2 Там же. С.31.
3 See Natalia Bazhanova, “Assessing the Conclusion and Outcome of the Korean War”, a
paper delivered at the conference on the Korean War, Washington D.C., July 24-25, 1995, p.7.
4 Ibid., pp.8-10.
5 Хрущев Н. С. Мемуалы. Москва: «Международная отношения». 1991. С.342-345.
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