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この世の権力者たちは、「目には目を」の、本当の意味を知らない人が多い。
サウジアラビアの悪行
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「真理の扉を開く時」より転載
2019.2.13
2019年1月下旬頃より、イエメン、イエメン、イエメン…と言葉が降りて来ていたが、私事でごたごたしていて、なかなか、イエメンについて追求する時間がなかった。
イエメンは、中東の地域ってことくらいしか知識がなかったので、本日ようやく調べてみることにした。
イエメンの子供たちを餓死させるサウジアラビアの「非道」 | この「忘れられた戦争」を見過ごしてはならない | クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/142564/
※ 以下全て転載文 (無料で拝読出来る範囲で)
写真掲載出来ず、すみません。
SOCIETY
Long Read2018.11.7
この「忘れられた戦争」を見過ごしてはならない
イエメンの子供たちを餓死させるサウジアラビアの「非道」
イエメンの医療クリニックで栄養失調の治療を受ける11ヵ月の男の子。この写真が撮影された8時間後に息を引き取った。
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
イエメンの医療クリニックで栄養失調の治療を受ける11ヵ月の男の子。この写真が撮影された8時間後に息を引き取った。
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
ニューヨーク・タイムズ(米国)
ニューヨーク・タイムズ(米国)
Text by Declan Walsh Photographs by Tyler Hicks
「今世紀最悪の人道危機」とも称されるイエメン内戦。暫定政権を支援するサウジアラビアの経済封鎖によって、罪のない市民たちが悪夢のような飢餓に苦しんでいる。
「忘れられた戦争」に世界が目を向けるきっかけになった、NYタイムズ渾身の戦場レポートをお届けする。
飢餓で死にゆく子供たち
息を喘がせ、不安な目つきをした3歳の男の子が、無言で病院のベッドに横たわっていた。
ここはイエメン北西部の山岳都市ハッジャ。痩せこけた男の子が、息をしようと懸命に闘っている。
父親のアリ・アル=ハジャジが心配そうに息子の顔を覗き込む。イエメン全土を襲った飢きんのため、ハジャジは3週間前に息子をひとり亡くしている。いま彼は、2人目を失おうとしているのではないかという恐怖に打ちひしがれていた。
飢餓で息子を亡くしたアリ・アル=ハジャジ(右)
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
この地域で食糧が不足しているわけではない。表通りに軒を並べる店には商品があふれているし、市場も賑わっている。だが、価格が急騰しているせいで、ハジャジの手には届かないのだ。
「カビ臭くなったパンを一切れ買うのがやっとです。そのせいで子供たちが目の前で死にかけているのです」
サウジのもう一つの悪行:イエメン
イエメン内戦のすさまじい惨状に最近ようやく注目が集まりはじめている。イスタンブールで起きた反体制派ジャーナリスト、ジャマル・カショギ殺害事件に端を発し、サウジアラビアの国外での悪行にスポットライトが当たっているからだ。
関連記事:カショギ記者、最後のコラム「アラブ世界に言論の自由を」
最も大きな非難を浴びているのはサウジ主導でおこなわれているイエメンでの空爆だ。結婚式場や葬儀会場、スクールバスなどが標的となり、これまでに何千人もの民間人が犠牲となっている。しかも米国は、この空爆を支援している。
空爆によって廃墟と化した首都サナア
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
だが、支援団体や国連関係者の話によると、さらに狡猾な「策略」が水面下で繰り広げられているという。
「経済戦争」だ。
その結果、多くの民間人が犠牲となり、イエメンは破滅的な飢餓に陥っている。
脳性麻痺と栄養失調に苦しむバッサム。首都サナアの病院にて
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
ムハンマド皇太子の旗下、イエメンの暫定政府とそれを支援するサウジ主導の有志連合は、北イエメンを支配する武装勢力「フーシ派」を駆逐するために多くの報復的な経済政策を課している。
頻繁に通行を遮断したり、物資の移入を厳しく制限したり、およそ100万人にのぼる公務員の給与を凍結したりといった具合だ。だが、こうした措置は民間人の暮らしを圧迫している。国内経済は荒廃し、何百万という人が重度の貧困に苦しんでいる。
イエメン市民の暮らしは、もはや瀬戸際まで追いつめられているのだ。
空爆で交通インフラも寸断され、イエメンの人々は「監獄」のような生活を送っている
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
重大な飢餓がイエメンを飲み込む
生活インフラは破壊され、職を失い、通貨価値が下落する一方で物価は高騰している。とりわけ、ここ数週間で経済の崩壊が加速し、国連の幹部は飢餓の進行予測を再検討することを余儀なくされた。
「いままさに、重大な飢餓がイエメンを飲み込もうとしています。その徴候がはっきりと現れています」
2018年10月23日、国連で人道問題を担当するマーク・ローコック事務次長は安全保障理事会でこう報告した。
イエメンではすでに800万人の国民が緊急食糧支援にすがって命をつないでいる状態にあり、その数はまもなく総人口の半数に当たる1400万人に達するという。
近年の人為的な飢餓を分析した『集団飢餓(Mass Starvation)』の著者アレックス・デ・ヴァール教授はイエメンで起きていることを次のように説明する。
「飢餓は、単純に食糧が足りないだけの状態だと一般的には考えられているかもしれません。ところが、イエメンでは経済戦争が危機を引き起こしているのです」
その証拠はいたるところに見られ、階級、部族、地域の境界を越えて影響を及ぼしている。
給与を払ってもらえない大学教員らは、ソーシャルメディアを通じて必死に援助を訴えている。医師や教師は、貴金属や土地や車を売って何とか家族を養っている。首都サヌアの街頭では、ザハラ・バジャリという名の年配の婦人が拡声器を使ってほどこしを求めていた。
「助けて下さい! 私には病気の夫がいるんです。家を貸します。だから、どうか助けて下さい……」
「骨と皮しかないの」
静まり返った病棟では、飢えた乳幼児が生死の境をさまよっていた。
イエメンには栄養失調の子供が200万人近くいて、そのうち40万人は重篤な状況にあると言われている。しかもこの数は、これから数ヵ月のうちに4割も増えると予測される。
「病院は手一杯の状態です」
アスラムの医療クリニックで働く女性医師メッキーヤ・マハディは言う。北西部の貧困地域であるアスラムには、約145km南にある港町フダイダから戦火を逃れた避難民が押し寄せている。
アスラムで治療を受ける生後5ヵ月のアフメド
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
簡素なクリニックで、マハディ医師はベッドの間を忙しく行き交い、母親たちをなだめたり、助手に指示を与えたり、弱々しい乳幼児にスプーンでミルクを飲ませたりしていた。
なかには手遅れの子供もいる。前の晩には生後11ヵ月になる男の子が亡くなった。その子は体重が約2.5kgしかなかった。
欧米では(サウジの凶行として)ジャマル・カショギ氏殺害事件のことばかりが話題になっているのが、マハディ医師には解せない。
「イエメンでは何百万人もの子供たちがサウジのせいで苦しんでいるのに、なぜ誰もまったく気にかけないのでしょう。カショギ事件はあんなにも注目を集めたのに」
眠ったように横たわっている痛々しいほど痩せた7歳の少女のたるんだ皮膚をつまみながら、マハティ医師は言った。
アマル・フセイン(享年7)。この写真が米紙「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された数日後に息を引き取り、イエメン内戦のアイコニック的な存在になった
Photo: Tyler Hicks / The New York Times
「見て、骨と皮しかないのよ」
“人為的”な物資不足
ワシントンにある在米サウジアラビア大使館は、同国のイエメン政策に関する質問には答えてくれなかった。
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サウジアラビアは、色々な意味で注目していた。
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