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外国から見た日本
◎アメリカのマンハッタン計画の翌年に、本格的な研究が開始された。
しおりを挟むアメリカ合衆国によるマンハッタン計画が開始された翌年の1943年5月に、理化学研究所の仁科博士を中心にニ号研究(仁科の頭文字から[10])が開始された。
この計画は天然ウラン中のウラン235を熱拡散法で濃縮するもので、1944年3月に理研構内に熱拡散筒が完成し、濃縮実験が始まった。
原爆の構造自体も現在知られているものとは異なり、容器の中に濃縮したウランを入れ、さらにその中に水を入れることで臨界させるというもので、いわば暴走した軽水炉のようなものであった[11]。
10%程度の濃縮ウラン10kgで原爆が開発できるとされていたが、原爆開発原理には基本的な誤りがあったことが、黒田和夫の保管していた旧陸軍内部文書[注 6]により発見された[12]。
しかし、同様の経緯である1999年9月の東海村JCO臨界事故により、殺傷力のある放射線が放出されることは明らかとなっている。
理化学研究所の研究体制
理化学研究所におけるニ号研究では、仁科研究室にウランを供給するため飯盛研究室も参加した。
主任研究員の飯盛里安は、ウランが核エネルギー源になることが知られる以前の1922年からウラン鉱の探索を行っていた実績を買われたためである。
当時ウランの用途はほとんど無く、飯盛の探索はウランが目的でなく放射化学の研究に必要なラジウムを得ることが目的であった(ラジウムは常にウランと共存している)。
仁科研究室の体制は、木越邦彦が六フッ化ウランの製造、玉木英彦がウラン235の臨界量の計算、武谷三男と福田信之が熱拡散分離の理論、竹内柾が熱拡散分離装置の開発、山崎文男がウラン235の検出を受け持ち、陸軍航空本部から物理化学系大学出の若い10人の将校が派遣され研究テーマごとの班に配属されていた[9][13]。
仁科研究室の全員がニ号研究に参加したわけではない。
宇宙線、理論、サイクロトロンの担当者はノータッチであった。
朝永振一郎が協力を申し出たが、仁科は必要ないと言って断った[14]。
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