裸の王様社会🌟

鏡子 (きょうこ)

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生物兵器について

性病実験と女性マルタ

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731部隊では、性病実験も頻繁に行われた。戦時中の性病治療法は極めて限られており、主な方法は注射しかなかったが、性病の蔓延は陸軍内部で深刻なほど拡大していた。例えばシベリアでは、多くの日本兵が現地のロシア人女性を強姦したために性病が蔓延し、1個師団相当の兵力が失われたとされ、軍紀が乱れる大きな原因となった。

司令部は、731部隊がこの問題を解決するよう期待したのである。

当初、731部隊では注射で女性マルタに梅毒を感染させていたが、現実に即した実験結果が得られなかったため、マルタを強制して性行為を行わせることで梅毒を感染させ、梅毒にかかった男女を小部屋に入れて再び性行為を強制した。性行為に立ち会ったという元隊員は、西野瑠美子とのインタビューの中で、「目の所だけが開いている白い袋のような帽子を、頭からすっぽりかぶり、白衣を着て、まわりに立っておった。

4、5人が見ている前で、セックスをさせたんですよ。拒否することはできない。モーゼル拳銃を構えているわけですからね。」と語っている。

また、元隊員の上田弥太郎の証言記録によれば、1942年4月に行われたマルタを使った毒ガス演習で、小林という隊員が「それはもったいないことをした。俺の子供まで殺しちゃった。」と言っていることから、隊員による女性マルタの強姦もあったものと西野瑠美子は推測している。

マルタが性病に感染すると、その経過を丹念に観察して、1週間後、3週間後、1ヶ月後における病気の進行状態を確認した。

研究者は性器の状態など外部的兆候を観察するだけでなく、生体実験を行って様々な内部器官の病気がどの段階に達しているかを検査した。

また、731部隊の研究員だった吉村寿人(のちの京都府立医科大学の学長)が戦後に発表した論文には、乳児を氷水の中に漬けた際の温度変化が記録されていることから、実験中のレイプにより生まれた乳幼児、あるいは731部隊に捕えられる前から妊娠中だった女性マルタが出産した多くの乳幼児が凍傷実験で消費されたものと西野は考えている。
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