裸の王様社会🌟

鏡子 (きょうこ)

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レオナルド作品が、品格を失ったことを、視覚で切々と感じる私たち

アングロサクソン系の民族が、いかに悪知恵を働かせようが、私たちは、こう思う。

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専門家達が何を言おうが、私達はこう思う。



◎ロンドン、ナショナルギャラリーで、『サルバトール・ムンディ』を実際に観た方の感想を探した。

疑わしい「新発見」のレオナルド・ダ・ヴィンチ : 私たちは20世紀に生まれた。

↓↓↓↓


全文はこちら。

https://numabe.exblog.jp/237991625/


※  文章の一部分を紹介させて頂きます。



パリとロンドンの二つの《岩窟の聖母》が同じ部屋に並ぶという夢のような展示に、心ときめく思いだったが、ロンドンの観客の間では、ポーランドから来た《チェチリア・ガッレラーニ》(カタログの表紙になった)と、「新発見」の呼び物《サルヴァトール・ムンディ》の二作品がとりわけ評判になっていたように記憶する。

さてその《サルヴァトール・ムンディ》だが、一見した印象は「これが本当にレオナルドの真作なのか?」というものだ。

なんというか、画面全体に力がなく、きわめて影の薄い、存在感が希薄な作品に思えた。

色調は精彩と輝きをまるで欠き、くすんで沈んだ調子に終始しており、あたかもモノクローム作品のように見えた。

絵の前でかなり時間をかけ、じっくり凝視したが、最初の感想は少しも変わらなかった。

キリストの顔には生気がなく、まるで亡霊のようで薄気味悪いし、衣裳の襞の扱いにレオナルドらしい技量の冴えがみられず、随所でもたついている。

左手に持った水晶の玉の描写にも、水際立った手腕が発揮されておらず、いつもの科学者らしい鋭い観察眼はさほど認められない。

唯一この絵でレオナルドらしさが感じられるのは、祝福の仕草で掲げられたキリストの右手の描写だ。

ここには例えばルーヴルの《洗礼者ヨハネ》に近いも技巧が認められるが、それとても《チェチリア・ガッレラーニ》の手にみる息を呑む迫真性とは程遠い。


これはレオナルドの真作でないか、もし真作だとしても、全面的にひどく傷んだ作品か、そのいずれかだろうという気が強くした。とにかく、これは展覧会で目にした上述の十作品のなかで、最も印象の希薄な絵画だった。レオナルドならではの呪縛的なオーラがまるで備わっていない。同じく真筆性が疑わしい《糸巻きの聖母》のほうが、まだしもレオナルドらしい精妙さと気品を漂わせているではないか。

こんな弱々しい作品を展覧会に並べるなんて、主催者の見識が疑われるではないか――そんな憤りすら憶えつつ展示室を後にしたものだ。

これだったら、もう一点の「新発見」レオナルドとして喧伝された話題作《美しき姫君 La Bella Principessa》のほうを展示してほしかった。
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