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時々、記事が白紙になっているのが気になります。
続き
しおりを挟む内部告発の直後、非難の連続だったわけですね。当時はインターネットもさほど普及していませんでしたが、ネットやSNSが隆盛する現在ならもっとすさまじかったかもしれません。こうした反応は予想していたのでしょうか。
それらの手紙だけではありません。嫌がらせの電話も来ました。道警内では「原田のおやじは狂った」とずいぶん言われたようです。札幌の高級住宅街・円山地区に裏金で豪邸を建てたとか、愛人がいるとか。そんなうわさも流されました。
当然ながら、誹謗中傷があることは覚悟していました。警察関係者からの、です。
私は在職中に裏金の一部を受け取っていましたし、必ずしも品行方正な模範的な警察官ではありませんでした。道警がやろうと思えば、犯罪をでっち上げて私の身柄を拘束することもできたでしょう。
ですから、弁護士の助けが必要でした。実際、裏金告発の記者会見をやる前は弁護士と入念に打ち合わせました。
むしろ、嫌がらせよりも心配だったのは、裏金を立証する物証を持っていなかったことです。報道機関や道民が信用してくれるかどうかも心配でした。在職時代から書いていた日記はありましたが、(真実のお金の流れを記した)裏帳簿とは性質が違う。日記は裏金の存在を直接裏付けるものではありません。立証価値は低いのです。
のちに道警は内部調査を実施しましたが、ベースにしたのは道警に保存されていた正規の会計書類です。正規の書類には真実が書かれていないのですから、それをいくら調べても裏金システムの真実は解明できません。
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