1 / 2
仙吉の猫
しおりを挟む
「あら、仙さん、こんな時分から珍しい」
夕暮れ近かった。
「仕事よ、神田久右衛門町のお得意までね。どうしても今日中に、寸法を測っておきたくてさ」
「繁盛は良いことだね。気をつけて」
「ありがとうさんよ」
井戸端を通り過ぎた仙吉に、長屋の女房の一人が労いの言葉を掛けた。
「仙さんにも、また良い人が現れるといいんだろうけどねえ」
いねが、そう皆に水を向けるが、軽口を返す者は無い。
仙吉の女房みつが亡くなって、もう、五年になる。
あんなに好き合っていた、夫婦の鏡のような二人だったことを、忘れた者など、この長屋には居なかった。
皆、みつの死を悲しんだものだった。
そして、残された仙吉の心を慮らない者も居ない。
だから、余計な口出しもしない。
しないが気に掛かる。掛かるが、何もできない。だって、あんなに仲の良かった夫婦だったのだから、後妻の縁談など、持ち込めるはずがなかった。
それでも、であった。
みつが亡くなって、変わったことと言えば、仙吉が大工をやめ、指物師になったことと、一年前頃から、仙吉が猫を飼いだしたことくらいだった。
真面目で腕の良い大工だった仙吉は、棟梁にも可愛がられていた。
みつが死んでも、真面目な仕事ぶりは変わらなかったが、仕事場での口数が圧倒的に少なくなった。
見かねた棟梁が指物師の道を勧めた。
よく知った指物師の親方が隠居を望んでいて、後継ぎがなく困っていたのだった。
それなら、仙吉の細工の上手さを活かせるし、今の仙吉の気性にも合っていると、棟梁は考えたのである。
それに、仙吉ももうすぐ四十になる、と。
力仕事も徐々にできなくなるし、かと言って、独立して大工をかかえる親方という気質でもない、とも棟梁は気遣ったのである。
棟梁の読みは正しかった。
まだ、指物師を始めて、一年足らずだが、良いお得意を、二つほど任されるほどになっていた。
仕事の上では順調。ただ一人住まいだけが心配。
傍目には、そう見える。
しかし、仙吉の内心は、全く違っていた。
元より、後を娶るなどということは考えたこともない。
それは、みつの事が忘れられねえ、などという話ではなかった。
「俺はな、残りの命は、みつの供養に充てる、と心に決めたんだよ。そうしないと、俺だって死んでも成仏なんてできやしねえ、そう思ってんのさ。わかるか、サブ」
「にゃあ」
「俺は寂しくなんてねえさ、サブ。おめえが居るもんよお」
サビ猫の「サブ」。
みつの三回忌が過ぎた頃、神田石坂(現、男坂)の下あたりの道横にうずくまっていたのを拾ってきたのだった。
脇腹に切り傷があって、そこにウジがたかっていた。
仙吉は、猫を長屋に連れて帰ると、オトギリソウを煎じた湯を冷まして、サラシに含ませ、猫の傷にあてて看病した。
一月ほど、そうしているとすっかり猫は元気を取り戻し、そのまま、仙吉が飼っている、というわけである。
自分が喰うより先に、猫の餌を用意して与え、どこか遠出をして留守をした時は、猫にお土産を買って帰ってくるという可愛がりようだった。
「まったく、仙さんらしいねえ。あたいだって、たまにはお土産を買ってきてほしいわさ」
「おやおや、そんな事、あんた、旦那に聞こえたらえらいこったよ」
そんな噂話が絶えないくらい、仙吉の猫の愛玩ぶりは有名だった。
そんな暮らしが続き、時は過ぎ、仙吉は四十二になった。
厄年であった。
その夏のある日、仙吉は大事な得意の仕事で失敗をした。
黄蘗の小箱箪笥の引き出しの修繕でだった。
失敗、と言っても、不出来だったとか、そういうことではなかった。
そもそもの寸法の測り間違い。
これまでの仙吉には、ありえない失態である。
すぐに作り直して、事なきを得たが、仙吉には、内心大きな痛手だった。
思い当たるフシがあったのだ。
半年ほど前からか、目が霞むのである。
効き目であるはずの、右目だった。
歳のせいもあろうが、眼病は様々な要因がからむこともある。
栄養状態や、内蔵疾患、生活環境など。
目に効く、という薬草を、長屋の女房たちが分けてくれたが、ほとんど、効かないようで、霞みの度合いは、だんだんひどくなっているようであった。
その事が、その失敗で、完全に露見したわけで、かと言って、良い医者のあてもなく、途方に暮れるしかないのであった。
そんなある夜、何やら悪い夢にうなされて、仙吉がふと目を覚ますと、サブが枕元に居て、仙吉の顔を覗き込んでいた。
「なんだ、サブか。俺、変な夢を見たようだな。起きた途端に忘れちまったがよ。それで俺、唸り声でも上げたかい。驚かせて悪かったなあ」
仙吉は、一言詫びを言って再び寝なおそうと、目を閉じた。
ところが、サブは仙吉の横を離れる様子もない。
「どうしたい、サブ。お前もまた寝な」
そうして、再び、仙吉が目を閉じると、サブが仙吉の顔に、自分の顔を近付け、仙吉の瞼を舐め始めた。
ひんやりと、なめらかで、快い感覚だった。
仙吉は、目を閉じたまま、サブに声を掛けた。
「サブ、ありがとよお。おめえは、良いやつだなあ。ちゃんと、分かってたのかい。ありがとよ」
サブが、夜な夜な、仙吉の瞼を舐めるようになって、半月ほど経った。
気がつけば、仙吉の右目は完治したようであった。
「サブよ、おめえのお陰だよ。ありがとうよ。ほんと恩に着るぜ」
「にゃあ」
仙吉は、サブを抱き上げ、頬を寄せて喜んだ。
「悪かったよ、長い間。今夜からは、おめえもぐっすり寝ておくんなよ。ありがとうよ、ほんとによ。おめえは、俺の命の恩人だ。ああそうだともよ、目は職人の命だからよ」
仙吉は、サブを前に抱え、頭を下げ、感謝の気持ちを表した。
その時、ふと、仙吉は気付いたのである。
「おめえ、その目は、どうしたい」
見れば、サブの右目、眼球の表面全体が白く濁っている。
「おめえ、まさか」
そのまさかであった。
サブの右目は、もはや使い物にはならなくなっていた。
それどころか、よく見ると、左目の方も白っぽくなり始めているのだった。
その夜、仙吉の目を、もはや舐めることがなくなったサブは、それでも、サブの枕元に横になってぐっすり眠っていたが、逆に仙吉は朝方まで眠ることができなかった。
涙が、止まらない。
おまえは、俺の身代わりになって、それで、自分の目が見えなくなちまったのか。
一晩中、サブのこれまでのことを思い返し、泣き通しだった。
そしてついに泣きつかれて、仙吉は、空が白んできた頃、迂闊にも眠りに落ちた。
ほんの四半刻(約三十分)くらいだったろう。
「しまったあ」
仙吉は、ある予感に、飛び起きた。
やはり、サブが居なくなっていた。
仙吉は、長屋を飛び出した。
井戸端には、すでに女房たちが集まっている。
「どうしたの、仙さん、そんなに慌てて」
「サブ、見なかったか」
「いや、誰か見たかい」
皆、頭を横にふる。
仙吉は駆け出した。
夕暮れ近かった。
「仕事よ、神田久右衛門町のお得意までね。どうしても今日中に、寸法を測っておきたくてさ」
「繁盛は良いことだね。気をつけて」
「ありがとうさんよ」
井戸端を通り過ぎた仙吉に、長屋の女房の一人が労いの言葉を掛けた。
「仙さんにも、また良い人が現れるといいんだろうけどねえ」
いねが、そう皆に水を向けるが、軽口を返す者は無い。
仙吉の女房みつが亡くなって、もう、五年になる。
あんなに好き合っていた、夫婦の鏡のような二人だったことを、忘れた者など、この長屋には居なかった。
皆、みつの死を悲しんだものだった。
そして、残された仙吉の心を慮らない者も居ない。
だから、余計な口出しもしない。
しないが気に掛かる。掛かるが、何もできない。だって、あんなに仲の良かった夫婦だったのだから、後妻の縁談など、持ち込めるはずがなかった。
それでも、であった。
みつが亡くなって、変わったことと言えば、仙吉が大工をやめ、指物師になったことと、一年前頃から、仙吉が猫を飼いだしたことくらいだった。
真面目で腕の良い大工だった仙吉は、棟梁にも可愛がられていた。
みつが死んでも、真面目な仕事ぶりは変わらなかったが、仕事場での口数が圧倒的に少なくなった。
見かねた棟梁が指物師の道を勧めた。
よく知った指物師の親方が隠居を望んでいて、後継ぎがなく困っていたのだった。
それなら、仙吉の細工の上手さを活かせるし、今の仙吉の気性にも合っていると、棟梁は考えたのである。
それに、仙吉ももうすぐ四十になる、と。
力仕事も徐々にできなくなるし、かと言って、独立して大工をかかえる親方という気質でもない、とも棟梁は気遣ったのである。
棟梁の読みは正しかった。
まだ、指物師を始めて、一年足らずだが、良いお得意を、二つほど任されるほどになっていた。
仕事の上では順調。ただ一人住まいだけが心配。
傍目には、そう見える。
しかし、仙吉の内心は、全く違っていた。
元より、後を娶るなどということは考えたこともない。
それは、みつの事が忘れられねえ、などという話ではなかった。
「俺はな、残りの命は、みつの供養に充てる、と心に決めたんだよ。そうしないと、俺だって死んでも成仏なんてできやしねえ、そう思ってんのさ。わかるか、サブ」
「にゃあ」
「俺は寂しくなんてねえさ、サブ。おめえが居るもんよお」
サビ猫の「サブ」。
みつの三回忌が過ぎた頃、神田石坂(現、男坂)の下あたりの道横にうずくまっていたのを拾ってきたのだった。
脇腹に切り傷があって、そこにウジがたかっていた。
仙吉は、猫を長屋に連れて帰ると、オトギリソウを煎じた湯を冷まして、サラシに含ませ、猫の傷にあてて看病した。
一月ほど、そうしているとすっかり猫は元気を取り戻し、そのまま、仙吉が飼っている、というわけである。
自分が喰うより先に、猫の餌を用意して与え、どこか遠出をして留守をした時は、猫にお土産を買って帰ってくるという可愛がりようだった。
「まったく、仙さんらしいねえ。あたいだって、たまにはお土産を買ってきてほしいわさ」
「おやおや、そんな事、あんた、旦那に聞こえたらえらいこったよ」
そんな噂話が絶えないくらい、仙吉の猫の愛玩ぶりは有名だった。
そんな暮らしが続き、時は過ぎ、仙吉は四十二になった。
厄年であった。
その夏のある日、仙吉は大事な得意の仕事で失敗をした。
黄蘗の小箱箪笥の引き出しの修繕でだった。
失敗、と言っても、不出来だったとか、そういうことではなかった。
そもそもの寸法の測り間違い。
これまでの仙吉には、ありえない失態である。
すぐに作り直して、事なきを得たが、仙吉には、内心大きな痛手だった。
思い当たるフシがあったのだ。
半年ほど前からか、目が霞むのである。
効き目であるはずの、右目だった。
歳のせいもあろうが、眼病は様々な要因がからむこともある。
栄養状態や、内蔵疾患、生活環境など。
目に効く、という薬草を、長屋の女房たちが分けてくれたが、ほとんど、効かないようで、霞みの度合いは、だんだんひどくなっているようであった。
その事が、その失敗で、完全に露見したわけで、かと言って、良い医者のあてもなく、途方に暮れるしかないのであった。
そんなある夜、何やら悪い夢にうなされて、仙吉がふと目を覚ますと、サブが枕元に居て、仙吉の顔を覗き込んでいた。
「なんだ、サブか。俺、変な夢を見たようだな。起きた途端に忘れちまったがよ。それで俺、唸り声でも上げたかい。驚かせて悪かったなあ」
仙吉は、一言詫びを言って再び寝なおそうと、目を閉じた。
ところが、サブは仙吉の横を離れる様子もない。
「どうしたい、サブ。お前もまた寝な」
そうして、再び、仙吉が目を閉じると、サブが仙吉の顔に、自分の顔を近付け、仙吉の瞼を舐め始めた。
ひんやりと、なめらかで、快い感覚だった。
仙吉は、目を閉じたまま、サブに声を掛けた。
「サブ、ありがとよお。おめえは、良いやつだなあ。ちゃんと、分かってたのかい。ありがとよ」
サブが、夜な夜な、仙吉の瞼を舐めるようになって、半月ほど経った。
気がつけば、仙吉の右目は完治したようであった。
「サブよ、おめえのお陰だよ。ありがとうよ。ほんと恩に着るぜ」
「にゃあ」
仙吉は、サブを抱き上げ、頬を寄せて喜んだ。
「悪かったよ、長い間。今夜からは、おめえもぐっすり寝ておくんなよ。ありがとうよ、ほんとによ。おめえは、俺の命の恩人だ。ああそうだともよ、目は職人の命だからよ」
仙吉は、サブを前に抱え、頭を下げ、感謝の気持ちを表した。
その時、ふと、仙吉は気付いたのである。
「おめえ、その目は、どうしたい」
見れば、サブの右目、眼球の表面全体が白く濁っている。
「おめえ、まさか」
そのまさかであった。
サブの右目は、もはや使い物にはならなくなっていた。
それどころか、よく見ると、左目の方も白っぽくなり始めているのだった。
その夜、仙吉の目を、もはや舐めることがなくなったサブは、それでも、サブの枕元に横になってぐっすり眠っていたが、逆に仙吉は朝方まで眠ることができなかった。
涙が、止まらない。
おまえは、俺の身代わりになって、それで、自分の目が見えなくなちまったのか。
一晩中、サブのこれまでのことを思い返し、泣き通しだった。
そしてついに泣きつかれて、仙吉は、空が白んできた頃、迂闊にも眠りに落ちた。
ほんの四半刻(約三十分)くらいだったろう。
「しまったあ」
仙吉は、ある予感に、飛び起きた。
やはり、サブが居なくなっていた。
仙吉は、長屋を飛び出した。
井戸端には、すでに女房たちが集まっている。
「どうしたの、仙さん、そんなに慌てて」
「サブ、見なかったか」
「いや、誰か見たかい」
皆、頭を横にふる。
仙吉は駆け出した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
桔梗一凛
幸田 蒼之助
歴史・時代
「でも、わたくしが心に決めた殿方はひとりだけ……」
華族女学校に勤務する舎監さん。実は幕末、六十余州にその武名を轟かせた名門武家の、お嬢様だった。
とある男の許嫁となるも、男はすぐに風雲の只中で壮絶な死を遂げる。しかしひたすら彼を愛し、慕い続け、そして自らの生の意義を問い続けつつ明治の世を生きた。
悦子はそんな舎監さんの生き様や苦悩に感銘を受け、涙する。
「あの女性」の哀しき後半生を描く、ガチ歴史小説。極力、縦書きでお読み下さい。
カクヨムとなろうにも同文を連載中です。
小童、宮本武蔵
雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
兵法家の子供として生まれた弁助は、野山を活発に走る小童だった。ある日、庄屋の家へ客人として旅の武芸者、有馬喜兵衛が逗留している事を知り、見学に行く。庄屋の娘のお通と共に神社へ出向いた弁助は、境内で村人に稽古をつける喜兵衛に反感を覚える。実は、弁助の父の新免無二も武芸者なのだが、人気はさっぱりだった。つまり、弁助は喜兵衛に無意識の内に嫉妬していた。弁助が初仕合する顚末。
備考 井上雄彦氏の「バガボンド」や司馬遼太郎氏の「真説 宮本武蔵」では、武蔵の父を無二斎としていますが、無二の説もあるため、本作では無二としています。また、通説では、武蔵の父は幼少時に他界している事になっていますが、関ヶ原の合戦の時、黒田如水の元で九州での戦に親子で参戦した。との説もあります。また、佐々木小次郎との決闘の時にも記述があるそうです。
その他、諸説あり、作品をフィクションとして楽しんでいただけたら幸いです。物語を鵜呑みにしてはいけません。
宮本武蔵が弁助と呼ばれ、野山を駆け回る小僧だった頃、有馬喜兵衛と言う旅の武芸者を見物する。新当流の達人である喜兵衛は、派手な格好で神社の境内に現れ、門弟や村人に稽古をつけていた。弁助の父、新免無二も武芸者だった為、その盛況ぶりを比較し、弁助は嫉妬していた。とは言え、まだ子供の身、大人の武芸者に太刀打ちできる筈もなく、お通との掛け合いで憂さを晴らす。
だが、運命は弁助を有馬喜兵衛との対決へ導く。とある事情から仕合を受ける事になり、弁助は有馬喜兵衛を観察する。当然だが、心技体、全てに於いて喜兵衛が優っている。圧倒的に不利な中、弁助は幼馴染みのお通や又八に励まされながら仕合の準備を進めていた。果たして、弁助は勝利する事ができるのか? 宮本武蔵の初死闘を描く!
備考
宮本武蔵(幼名 弁助、弁之助)
父 新免無二(斎)、武蔵が幼い頃に他界説、親子で関ヶ原に参戦した説、巌流島の決闘まで存命説、など、諸説あり。
本作は歴史の検証を目的としたものではなく、脚色されたフィクションです。
鵺の哭く城
崎谷 和泉
歴史・時代
鵺に取り憑かれる竹田城主 赤松広秀は太刀 獅子王を継承し戦国の世に仁政を志していた。しかし時代は冷酷にその運命を翻弄していく。本作は竹田城下400年越しの悲願である赤松広秀公の名誉回復を目的に、その無二の友 儒学者 藤原惺窩の目を通して描く短編小説です。
科学的考察の及ばぬ秘密ノ誘惑
月見里清流
歴史・時代
雨宿りで出会った女には秘密があった――。
まだ戦争が対岸の火事と思っている昭和前期の日本。
本屋で出会った美女に一目惚れした主人公は、仕事帰りに足繁く通う中、彼女の持つ秘密に触れてしまう。
――未亡人、聞きたくもない噂、彼女の過去、消えた男、身体に浮かび上がる荒唐無稽な情報。
過去に苦しめられる彼女を救おうと、主人公は謎に挑もうとするが、その先には軍部の影がちらつく――。
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません
空蝉
横山美香
歴史・時代
薩摩藩島津家の分家の娘として生まれながら、将軍家御台所となった天璋院篤姫。孝明天皇の妹という高貴な生まれから、第十四代将軍・徳川家定の妻となった和宮親子内親王。
二人の女性と二組の夫婦の恋と人生の物語です。
帰る旅
七瀬京
歴史・時代
宣教師に「見世物」として飼われていた私は、この国の人たちにとって珍奇な姿をして居る。
それを織田信長という男が気に入り、私は、信長の側で飼われることになった・・・。
荘厳な安土城から世界を見下ろす信長は、その傲岸な態度とは裏腹に、深い孤独を抱えた人物だった・・。
『本能寺』へ至るまでの信長の孤独を、側に仕えた『私』の視点で浮き彫りにする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる