上 下
189 / 211
二つの死闘

第百八十九話 迫る試合

しおりを挟む
 話はソフィアにひととき変わる。彼女は佑月たちとはぐれた後、速やかに彼女のパートナーであるクラリーナの元に急いだ。彼女が心配だったのもあるが、エイミアが佑月につぶやいた言葉、「佑月、あなた、気づかないの……?」という文言がどうしても気になった。

 あの黒騎士には何かある。実はクラリーナも不思議がっていた。”あれほどの実力ならそれこそ名が売れたエインヘリャルだろうに”。何故誰も“彼“の能力がつかめないのか。きっと彼は私をも超える力の持ち主であると。

 アウティスや審問官の推薦によって、彼はやってきた、と。いったいどこの誰なのか。おそらくアウティスやエイミアなどごく一部しか知られていないだろう。きっとこれには何かある。

 考えながらアメリーのこもった家にたどり着く。無論周りは騎士でいっぱいで、ほかのエインヘリャルを寄せ付けないよう、騎士団のエインヘリャルまで動員されていた。彼らは命令があるまで、内部に侵入してはならないとクラリーナは厳命した。

 オーチカ共同組の者も近づいた形跡がない。奴らにとって予定通りなのだろう。それよりも、周りの騎士たちに、現状を報告させた。

「ねえ、貴方たち、クラリーナの様子、どう? 何か異変あった?」
「いえ、特に何も。隊長は単独救出にこだわっているようで、連絡をよこしても、ただ待機を命じるだけでした」

 傍にいた若い騎士がため息をつきながら嘆いた。彼らも待つだけの仕事に飽きてきたのだろう。

「そう……、あのはまだ、相手の実力を測っているの。ということは一向に相手の動きはなさそうね。ところで審問官たちに要請した援護や、上層部にオーチカ共同組のルール違反で失格にするよう求めたのは、どうなったの?」
「それについては私が説明します」

 ソフィアが後ろを見ると参謀長のリチャードが深刻そうな顔で彼女の問いに答えた。

「まず、審問官の動向です、彼らは比較的協力的でありました。クラリーナ殿下が差配した、ララァ様の説得がきいたのでしょう、珍しく騎士団と対立する様子はありませんでした。ただ……」

「ただ?」
「審問官からの援軍は却下されました、あくまで聖騎士たちで事を処理せよと。それどころか、証拠をつかむために、アメリー一味を逮捕せよと逆に要請されました」

「ちょっとまって、大司教の汚職の証拠の書類をあっちに送ったはずよね?」
「はい、ですが、むしろ、大司教の異端裁判に必要な証拠を欲しがっているようです、困ったものです」

「そんな場合じゃないでしょう、現に幼い女の子が人質に取られて、一刻も早く救出できるようするのが教会団の務めでしょ。まったく政治家にでもなった気かしら。で、上層部はどういってるの?」

「残念ですが、オーチカ共同組の失格は認められませんでした。彼らの言い分ではアメリーが勝手にやったことで自分たちは関係ないと、上層部はそれを認めました。大会を開いた以上なるべく公平に扱うべきだとのことです」

「無茶苦茶だわ、これじゃあ、ルールを守るのが馬鹿らしいじゃないの、後々に響くでしょうね」
「困ったものです、我々としては立つがありません」

「大体はつかめた、じゃあ、クラリーナに会っていい?」
「もちろん貴女のご自由に、ソフィア様」

 そう言って軽くリチャードはウインクをした。まったく、とつぶやきながら引きつった顔で空き家へと入るソフィアだった。

 彼女はクラリーナとアメリーがいる部屋に向かうと、クラリーナは目をつぶり、足を組んで椅子に座っていた。対して、アメリーは威風堂々と深々と椅子に座り、さやのついた剣を立てていた。

 どうやら我慢比べが繰り広げられていたらしい。お互いに、隙を見せるわけにはいかなかったのだろう。それを察したソフィアはアメリーに気づかれないよう虚波を送った。

『クラリーナ応答して、隣に今いるのわかる?』
『ええ、貴女の気配は独特ですから、どうしました?』

『あなたに報告することがたくさんあるわ、まず、私たちの試合は完勝だったわ、エインヘリャル2人でも十分だったわね、黒騎士がいれば』
『そうですか、彼の実力はわかりましたか?』

『全然よ、つかみどころが全くなし、あそこまで行くと達人の域に達しているわね。本当に恐ろしい者は殺気すら出さず、相手が死んだことすら悟らせずに、殺すから』
『貴女から見てもそう見えましたか。いったい彼は誰なんでしょう?』

『わからないけど、そこにいたエイミアが気になることを言ってたわ』
『なんです?』

『佑月にむかって、何故正体がわからないのかとむしろ尋ねていたのよ、貴女、どう思う?』
『意図はわかりませんが、エイミアは何か彼の正体を知っていたようでした、その上で敵視していたようです。しかし佑月さんとの関係はわかりませんね、アウティスはいったい何を考えているのでしょうか』

『それに加えてさっき聞いた情報だけど、審問官の奴ら本気で協力する気はないらしいわね』
『ララァはしくじったのです?』

『いいえ、好感触だったけど、むしろ大司教の失態について興味があるそうよ』
『それは……、おそらく審問官たちは粛清を求めているのでしょう。彼らにとって身分の高い欲深な神職者は汚物だと考えているんでしょうね。もう、終末が近いというのに、身内同士で、まったく』

『もしかして、貴女の騎士団長の件、審問官たちにはめられたんじゃ。貴女不思議がっていたでしょう、あまりにも証拠がそろいすぎて、逆に怪しいと』

『団長は、常に神に忠実で教会団にもあつく忠誠を誓う誠の騎士でした。反乱なんて起こすはずがありません、しかも闘技大会が差し迫る中、あの方が神に背く真似などするでしょうか。ましてや、もともと彼が選手として戦うはずだったのです、あの方はとても楽しみにしていました。

 自分が引退する前に騎士としてこれ以上はないほまれを預かったと。そもそも上層部が彼を反逆者と認めること自体がおかしいのです。教会団結成から聖帝猊下せいていげいかのお傍に仕えていた、あの方を討つなど、到底考えられません、やはり……』

『クラリーナ、その上層部だけど、オーチカ共同組の失格を認めなかったわ』
『何ですって! マレサ様はご存じなのですか⁉ あの方自ら今回のルール変更を求めたと聞きます、それがなぜ……』

『不自然よね、あの頑固なマレサ様が和を乱す奴を放っておくなんて。むしろ、過激な処置を求めるような人なのに』

『キーはアウティスですね、彼は最近不自然な行動ばかりしています。日向直子が死んでから、特に』
『……いつか戦う必要がありそうね』

『まずは証拠をつかまなければ。ところで、佑月さんは元気でしたか? 娘さんがこのような状況になって、メリッサさんも気が気でないでしょう』
『メリッサちゃんはともかく佑月は冷静そのものだったわ、流石、日向直子を倒した男ね、肝がすわっているわ』

『惚れましたか? ソフィア』
『貴女が彼を略奪したら、私も分け前をもらうわ』

『失礼な、私は純粋に彼のことを想って……』
『あーはいはい、そういうのいいから、いいから。あ、そうそうちゃんと食事食べてる? 女の子は健康に気をつけないと、一気に老けるわよ』

『食べますよ、今から、とりあえず甘いシチューを──』

 クラリーナとソフィアは、目をつぶりながらコミュニケーションをとり続けた。しかし、アメリーの方は気が気でないのか、目の前に危険人物がいたまま一歩も動けずに待つしかなかった。そうやってクラリーナはナオコの安全を守っていたのだった。

────────────────────────────
────



「へくしっ!」

 僕は教会団の試合が終わって館に帰り、そのまま寝てしまっていた。その時メリッサは作戦を練りこんでいたのだろう、かなり夜遅くまで起きていたみたいだ。黒騎士の件を相談したかったが今彼女に負担になることはしたくない。

 ただでさえ急に試合の指揮をまかせて、大変なんだ。だから僕はそっとしておいた。

 その次の日、僕はメリッサの訓練指導を見つめていた。彼女たちは意気盛んに訓練に励んでいた。しかしなんだ、今の寒気は、思わずくしゃみをしてしまったが、まさかよからぬ予兆か?

 いや考えても仕方あるまい。僕はメリッサからチーム全体への叱咤しったに聞き耳を立てていた。

「佑月とエイミアがいない分、陣形をコンパクトにしろ! スペースを敵に与えるな!」

 どうやら陣形を組みなおしているらしい、当然だろう、そのままでは連携に支障が出る、しかも主戦力が抜けてしまうんだ、戦力がガタ落ちしたままで戦わなければならない。どういう手段をとるか僕はメリッサから聞いていない。

 彼女は必要以外のことはわざわざ僕に告げないのが日常だ。おそらく、試合はあっちが面倒みるから、僕はナオコの救出に集中しろということだろう。

「ブライアン! 何をしている、お前が動いて皆をガードしなくて、どうする! それで勝つつもりか!」

「レイラ! お前がエインヘリャルのストライカーだ! 戦わず逃げてどうする! 銃を構えろ!」

 どうやら、ブライアンとレイラが期待通りの動きをしないらしい。ブライアンは一回戦で見せたように、試合になれば戦う姿勢をとってくれたから、メリッサの指揮次第で力を発揮するだろうが、レイラは別だ。なら、あとでフォローが必要だな。

 しかしメリッサの策とはなんだ、相手の能力がつかめないままでどうやって勝つつもりだろうか、自分がこの状況を選んでおきながら、今更ながら、彼女に重責を負わせていることを後悔していた。

 メリッサに何かあったら……、いや、今はナオコを救うために、考えを巡らせることに集中しないと、エイミアをバディーに選んだものの、彼女は何をするかわからない。頼れるのは自分だ。エイミアを選んだのは、彼女ならアメリーと渡り合えることと、メリッサが心配だったからだ。

 何せ相手はメリッサの師だ。クラリーナの件で計算違いが生まれたが、本来なら、もっと優れた手段を打ってくるはずだ。また、メリッサの手の内を読まれる可能性がある。アンタッチャブルなエイミアを選んだのはそのためだ。

 良い意味でも悪い意味でも予想を上回る彼女なら策をろうするアメリーにうってつけだ。少なくともアメリーを封じてくれることを期待できる。戦術家のメリッサにはアメリーは危険すぎるんだ。策を逆手に取られる可能性がある。

 口にはしなかったが、メリッサを選ばなかったのはそのためだ。とりあえずリーダーの責任としてレイラの様子を見てみるか。

 訓練が終わった後、レイラは廊下でヤカバのルミコを抱いて、夕焼けを見つめていた。僕はそっと彼女に近づく。

「ルミコちゃん、どうしよう、私……。本当に戦わなきゃいけないのかしら……。嫌だなあ……」
「いやでも戦わなきゃいけない時があるさ」

「誰⁉ あっ、佑月さん……」

 そう言って彼女はうつむいて、僕と視線を合わせづらくしている。僕はそっと彼女の肩を抱く。

「人間いつかは戦わなきゃいけない。もちろん、逃げたっていい。でもね、生きる上で、負けてはならない戦いがあるんだ。君の人生はどうだったかはすべて知っているつもりはない。

 だけどね、誰かに頼ってばかりじゃあ、自分の運命を変えられない、ずっと誰かの奴隷さ」

「奴隷……」

 彼女は生前、性奴隷だったのを踏まえてあえてその言葉を選んだ。彼女の心を引き裂くセリフだろう、だが彼女のことを考えて乗り越えなければいけないことがある。

「君は教師になりたかったのだろう、それなのに子どもたちに自分の背中を見せられないって、それって本当の先生になれるのかい?」

「本当の……ですか、よくわからないです、私、馬鹿ですから」

「いや、君は知っているはずだ、子どもたちには見本となる大人が必要なんだ。その人たちが支えてくれて、立派な人間になることができる。君が今逃げたら、その子どもたちにも逃げることを教えるのかい。

 自分の運命は自分で変えなければならない、誰かの言いなりで解決できることなんて何一つない。そうじゃないかい?」

「そんなのわかってますよ! でも……、いざ戦うとなると足が震えて、手が動かなくなって、頭がぐしゃぐしゃになってしまって、もう、どうしたらいいか……」

「わかった、なら、魔法の呪文を君に教えるよ」
「え、どういう……あっ⁉」

 僕はそっと彼女を抱きしめた。彼女が小刻みに震えていたのがよく分かった。だから僕はそっと優しくつぶやいた。

「僕だって本当は強くはない、でも、誰かと絆があったから、ここまで戦ってこられた。君も信じてくれないか。僕を、自分を……」
「わ、私……」

 そう言って彼女は僕の胸の中に納まった、野に置き去りにされた子ウサギ、それを寂しくないよう、強く抱きしめた。

「えっ……!」

 彼女はそっと声を上げた、僕の力と心臓の鼓動が伝わったからだ。僕だって強くない、この動かないはずの心臓だって、ナオコのこと、メリッサのことで不安がいっぱいだった。それをレイラも悟ったのだ。今度は彼女は力強く「佑月さん……!」と答える。

 その声の力強さを確認したあと、静かに肩に手を当てなおし、わずかな距離をとって、まっすぐレイラのうるんだ瞳を見つめ、一言だけ彼女に伝えた。

「メリッサを頼む。強がってはいるが、あいつも僕と同じで不安なんだ。君の助けが必要だ」
「私の助けが……必要……?」

「そうだ、君しか頼めないんだ、お願いだ、頼む」

「……わ、わかりました、私なんかが何ができるのかわかりませんが、やってみます。佑月さんもナオコちゃんのことをお願いします。あのは私にとっても、可愛い娘さんみたいなものです。どうか、頼みます」

「ああ、もちろんだ」

 そして僕たちはわずかに笑って見つめあっていた。その時だ……! 僕はいきなり顔を片手で絞め上げられて体が宙に浮いた。何が起こったのか確認するため手の先を見てみると、銀色の悪魔様が降臨していて、彼女に無言かつ無音で僕たちの部屋に連れ去られた。

 まずい! 現場を押さえられてしまった、108回ぐらい殺される! 彼女は無表情で僕を壁にたたきつけて低い声でこう言った。

「ナオコの前でやったら、お前の減らず口をい合わせて、手癖の悪い腕をたたき折ってやる……!」

 目がマジだ! この女ならマジでやる! そのうえで、コンクリ詰めにして、海に流す! こいつならやり遂げる! そう恐怖を感じていた瞬間、手を離し、僕の唇にメリッサはそっと口づけをして、ただ一言こういった。

「ナオコのこと、頼むぞ……」

 その瞬間、僕も彼女の決意を知ったので、「みんなのことを頼む」と答えた。そのあとプロレス技をかけられて、僕の全身がボロボロになったのは言うまでもないだろう。

 ──こうして試合当日になったのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】キズモノになった私と婚約破棄ですか?別に構いませんがあなたが大丈夫ですか?

なか
恋愛
「キズモノのお前とは婚約破棄する」 顔にできた顔の傷も治らぬうちに第二王子のアルベルト様にそう宣告される 大きな傷跡は残るだろう キズモノのとなった私はもう要らないようだ そして彼が持ち出した条件は婚約破棄しても身体を寄越せと下卑た笑いで告げるのだ そんな彼を殴りつけたのはとある人物だった このキズの謎を知ったとき アルベルト王子は永遠に後悔する事となる 永遠の後悔と 永遠の愛が生まれた日の物語

初恋が綺麗に終わらない

わらびもち
恋愛
婚約者のエーミールにいつも放置され、蔑ろにされるベロニカ。 そんな彼の態度にウンザリし、婚約を破棄しようと行動をおこす。 今後、一度でもエーミールがベロニカ以外の女を優先することがあれば即座に婚約は破棄。 そういった契約を両家で交わすも、馬鹿なエーミールはよりにもよって夜会でやらかす。 もう呆れるしかないベロニカ。そしてそんな彼女に手を差し伸べた意外な人物。 ベロニカはこの人物に、人生で初の恋に落ちる…………。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

処理中です...