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闘技大会開幕
第百五十六話 神階第一階層
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男が襲い掛かり、炎をまとったサーベルがエイミアに襲い掛かる! しかし彼女は何事もなかったかのようにわずかに後ろに下がって避けた、燃え盛る炎がはじけ飛ぶように火が舞い上がり、煙が一瞬立ち込めるが、火が消えると無傷のエイミアがそこに屹立していた。
「なに⁉」
平然とするエイミアに動揺する男だった。しかし、エイミアは冷めた目で、「エインヘリャルか……」とつぶやいたいただけで、興味を持った様子はなかった。
「はあああ──!」
鎧をまとった女性、きっとヴァルキュリアだろうがエイミアに斬りかかると彼女は静かに笑みを浮かべる。鋭い剣戟! あわやエイミアが切られるかと思ったが何事もなく彼女は直立していた。剣を手でつかんで。
──そして彼女は静かに笑い、片手で剣を握りつぶし、刃を一気に粉々にした。
「なっ!」
あまりものことに相手のヴァルキュリアは今起こった出来事を認識できないようだ、だが、エイミアは構わずそのヴァルキュリアの首を掴み、上へと片手で持ち上げる、そして首を絞め続ける。
「あ、が、ぐ……!」
もがくヴァルキュリアを氷のような表情で見つめて、そしてエイミアが一言。
「つぶれろ」
そう言った瞬間骨の折れる音がして握りつぶしたようだ、ヴァルキュリアは口から唾液を垂らしながらこと切れた。そしてエイミアはその体をもって、大きく振りかぶり試合場の周りの壁へと投げ飛ばした!
コンクリートでできた壁は粉々に砕け、ヴァルキュリアの死体がどうやら衝撃で頭が潰れたようで、そこは血で真っ赤に染まっていた。
「え……? え?」
相手チームは一瞬の出来事に唖然としていた、エイミアは殺気をまとった笑みでこう告げる。
「さあ、次に私に殺されたいのは誰? 死にたい奴から殺してあげる……!」
恐れをなした相手らは、ひるんで微動だにしなくなった。ユリアがこれを好機と見たのか、
「エイミアさんを援護しましょう! 一気に畳みかけるのです」
「ユリア待て」
と申し出があったが、僕はそれを制止した。
「何故です!」
「このまま戦闘に突入するとこちらにも混乱をまねく恐れがある、それに……」
「それはエイミアが許さないだろう、戦士にとって売られた喧嘩だ、気が済むまで放っておくんだ、あいつなら心配ない」
僕の言葉にメリッサが付け加える。エイミアは僕たちの中でもイレギュラーだ、なりゆきで協力しているだけでもともとアウティスのヴァルキュリアだ。彼女ともめるのはまずい。また彼女がどんな力を秘めているかこの目で確かめる必要がある。
ある意味これはチャンスなのだ、エイミアを知るための。
「おい、みんな一斉にかかるぞ、あの女は危険だ、一気に潰すぞ!」
「おおっ!」
相手はやっとエイミアを脅威の敵と認識して、大雑把な作戦をつくって、全員で襲いかかるようにしたようだ。エイミアはこの状況を楽しんでいるのか笑みを浮かべている。そしてさっきの考え通り、一気に全員で襲いかかる!
繰り広げられる乱戦、しかしエイミアはエインヘリャルの能力やヴァルキュリアの戦闘力をものともせず、冷静にそれをかわしていた。氷の能力で彼女の動きを止めようとしたが、彼女はそれを片手で受け、瞬時にそれを溶かした。
どういうことだ、エイミアには僕がわからない能力が備わっているか? メリッサと違い刃物に対しての耐久力も異常だ、彼女には何か秘密がある。
それはさておき、ヴァルキュリアが襲い掛かったのでその振りかかる剣を片腕ではねのけて、首を掴み持ち上げた。今度は同時に敵が襲ってくるので、暇がないせいかすぐさまヴァルキュリアを地面に叩きつけた!
エインヘリャルの光線の攻撃をエイミアはかわし、叩きつけたヴァルキュリアの胸を右腕で貫いた! そして心臓を取り出し、真っ赤な血に染まってその手で、心臓を握りつぶす。
戦いはどんどん狂気をはらんでいく、雄たけびを上げながらさっきの炎のサーベルの男が襲い掛かるが悠々とかわし、炎も消し去るさまを見て、だんだん恐怖に顔が歪んでいく。
ヴァルキュリアが斬りかかってくるとなると、今度はエイミアも剣を出し、身長より長く細い長剣を自分の手足の如くあやつり、瞬時にそのヴァルキュリアの首をはねた。
真っ赤に染まるエイミアの周辺に、相手は錯乱状態に陥り、無謀にも風をまとった槍で突進してきた! だがエイミアはその風の保護を通り抜け槍の柄を握り、槍を奪い取り、相手がエインヘリャルでありながらもその首をつかみ片手で悠々と持ち上げた。
「いいかげんうっとうしいわね、どうせ被害を受けるのは私ではないし、なんならエインヘリャルであろうと、私が殺してあげようか……?」
「ひいっ⁉」
あまりにも恐怖で槍のエインヘリャルの男はがたがたと震え始めた、それを鼻で笑ったエイミアは彼を投げ捨てて、戸惑い身動きできなくなっていたヴァルキュリアであろう女性を、走って距離を詰め長剣で喉を一突きし、絶命させる。
狂気の一瞬の出来事に会場は息を呑んで見守っていた。残った相手のエインヘリャルたちは恐怖で戦慄く。それを氷のような瞳でエイミアは眺め、興がそがれたのか、そいつら敗北者に背を向けた。
「──佑月、メリッサ、後はお願い、無駄な汗をかいちゃったわ」
そう言って作戦通りのポジションに戻りエイミアが不機嫌そうに座り込んだ。強すぎる……! 神階第一階層、最強のヴァルキュリアは伊達ではないということか、彼女の力の片りんだけで、相手のチームを壊したのだ。恐ろしい女性だ、エイミアは。
会場は事の流れを悟り、歓喜の大歓声を浴びせた!
「おおおおおお──!」
──異様な雰囲気に包まれながら、まだまだ初戦は続くのであった。
「なに⁉」
平然とするエイミアに動揺する男だった。しかし、エイミアは冷めた目で、「エインヘリャルか……」とつぶやいたいただけで、興味を持った様子はなかった。
「はあああ──!」
鎧をまとった女性、きっとヴァルキュリアだろうがエイミアに斬りかかると彼女は静かに笑みを浮かべる。鋭い剣戟! あわやエイミアが切られるかと思ったが何事もなく彼女は直立していた。剣を手でつかんで。
──そして彼女は静かに笑い、片手で剣を握りつぶし、刃を一気に粉々にした。
「なっ!」
あまりものことに相手のヴァルキュリアは今起こった出来事を認識できないようだ、だが、エイミアは構わずそのヴァルキュリアの首を掴み、上へと片手で持ち上げる、そして首を絞め続ける。
「あ、が、ぐ……!」
もがくヴァルキュリアを氷のような表情で見つめて、そしてエイミアが一言。
「つぶれろ」
そう言った瞬間骨の折れる音がして握りつぶしたようだ、ヴァルキュリアは口から唾液を垂らしながらこと切れた。そしてエイミアはその体をもって、大きく振りかぶり試合場の周りの壁へと投げ飛ばした!
コンクリートでできた壁は粉々に砕け、ヴァルキュリアの死体がどうやら衝撃で頭が潰れたようで、そこは血で真っ赤に染まっていた。
「え……? え?」
相手チームは一瞬の出来事に唖然としていた、エイミアは殺気をまとった笑みでこう告げる。
「さあ、次に私に殺されたいのは誰? 死にたい奴から殺してあげる……!」
恐れをなした相手らは、ひるんで微動だにしなくなった。ユリアがこれを好機と見たのか、
「エイミアさんを援護しましょう! 一気に畳みかけるのです」
「ユリア待て」
と申し出があったが、僕はそれを制止した。
「何故です!」
「このまま戦闘に突入するとこちらにも混乱をまねく恐れがある、それに……」
「それはエイミアが許さないだろう、戦士にとって売られた喧嘩だ、気が済むまで放っておくんだ、あいつなら心配ない」
僕の言葉にメリッサが付け加える。エイミアは僕たちの中でもイレギュラーだ、なりゆきで協力しているだけでもともとアウティスのヴァルキュリアだ。彼女ともめるのはまずい。また彼女がどんな力を秘めているかこの目で確かめる必要がある。
ある意味これはチャンスなのだ、エイミアを知るための。
「おい、みんな一斉にかかるぞ、あの女は危険だ、一気に潰すぞ!」
「おおっ!」
相手はやっとエイミアを脅威の敵と認識して、大雑把な作戦をつくって、全員で襲いかかるようにしたようだ。エイミアはこの状況を楽しんでいるのか笑みを浮かべている。そしてさっきの考え通り、一気に全員で襲いかかる!
繰り広げられる乱戦、しかしエイミアはエインヘリャルの能力やヴァルキュリアの戦闘力をものともせず、冷静にそれをかわしていた。氷の能力で彼女の動きを止めようとしたが、彼女はそれを片手で受け、瞬時にそれを溶かした。
どういうことだ、エイミアには僕がわからない能力が備わっているか? メリッサと違い刃物に対しての耐久力も異常だ、彼女には何か秘密がある。
それはさておき、ヴァルキュリアが襲い掛かったのでその振りかかる剣を片腕ではねのけて、首を掴み持ち上げた。今度は同時に敵が襲ってくるので、暇がないせいかすぐさまヴァルキュリアを地面に叩きつけた!
エインヘリャルの光線の攻撃をエイミアはかわし、叩きつけたヴァルキュリアの胸を右腕で貫いた! そして心臓を取り出し、真っ赤な血に染まってその手で、心臓を握りつぶす。
戦いはどんどん狂気をはらんでいく、雄たけびを上げながらさっきの炎のサーベルの男が襲い掛かるが悠々とかわし、炎も消し去るさまを見て、だんだん恐怖に顔が歪んでいく。
ヴァルキュリアが斬りかかってくるとなると、今度はエイミアも剣を出し、身長より長く細い長剣を自分の手足の如くあやつり、瞬時にそのヴァルキュリアの首をはねた。
真っ赤に染まるエイミアの周辺に、相手は錯乱状態に陥り、無謀にも風をまとった槍で突進してきた! だがエイミアはその風の保護を通り抜け槍の柄を握り、槍を奪い取り、相手がエインヘリャルでありながらもその首をつかみ片手で悠々と持ち上げた。
「いいかげんうっとうしいわね、どうせ被害を受けるのは私ではないし、なんならエインヘリャルであろうと、私が殺してあげようか……?」
「ひいっ⁉」
あまりにも恐怖で槍のエインヘリャルの男はがたがたと震え始めた、それを鼻で笑ったエイミアは彼を投げ捨てて、戸惑い身動きできなくなっていたヴァルキュリアであろう女性を、走って距離を詰め長剣で喉を一突きし、絶命させる。
狂気の一瞬の出来事に会場は息を呑んで見守っていた。残った相手のエインヘリャルたちは恐怖で戦慄く。それを氷のような瞳でエイミアは眺め、興がそがれたのか、そいつら敗北者に背を向けた。
「──佑月、メリッサ、後はお願い、無駄な汗をかいちゃったわ」
そう言って作戦通りのポジションに戻りエイミアが不機嫌そうに座り込んだ。強すぎる……! 神階第一階層、最強のヴァルキュリアは伊達ではないということか、彼女の力の片りんだけで、相手のチームを壊したのだ。恐ろしい女性だ、エイミアは。
会場は事の流れを悟り、歓喜の大歓声を浴びせた!
「おおおおおお──!」
──異様な雰囲気に包まれながら、まだまだ初戦は続くのであった。
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