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ウェディングロード
第百三十五話 これで二十八人目か……
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街中の人々が戦闘から逃れようとする中、僕は教会の鐘楼塔に RPG-32を向けてトリガーを引く、榴弾が発射され鐘楼塔が破壊されて街道に倒れ落ちていく。
敵のエインヘリャルが巻き込まれたことを確認したあと、時間をとって、メリッサに僕は「――ヴァルキュリア、僕に力を貸せ」と言った。SG552アサルトライフルを手にした僕は、敵のエインヘリャルを探し出してフルオートで肉の塊にする。
「これで殺害数27人目か」
メリッサはぼそりとつぶやく。そこにはうんざりしたと言うよりも、淡々としており、冷徹なヴァルキュリアの顔つきが垣間見える。
「すっげえ、また敵を仕留めやがった!」
「流石です佑月さん! 今回も鮮やかな戦闘でした!」
アデルとレイラは素直に感嘆の声を上げた。自分で敵を倒す能力がない二人には羨ましいのだろう、そこに嫌みなどない。ああ……今回も負け戦か、たいしたことのない相手だった。
──僕は乾いていた、いつからだろう人が死んでも何も感じなくなったのは。せめて感動か同情がわけば、命への冒涜とならないというのに……。早く闘技大会に出たい、僕が僕であるうちに。
「もうすこし、歯ごたえのある敵がいないものか……」
僕はぼそりとつぶやく。
「じゃあ、手加減すればいいんじゃないの?」
何気なくアデルは言った、そうだな、そういう方法があったな、初手で本気を出すからあっさり決まってしまう、なら最初手を抜いて相手の出方を見てから行動に移すか。仕事が終わると僕たちは宿に引き返していく、ナオコはいい子にしているかな。
「パパ~! お人形さんがいっぱい!」
嬉しそうなナオコが僕に駆け寄ってきた。
「ただいま、ナオコ!」
「おかえり!」
ナオコを抱きかかえた僕は宿の部屋をくるくる回る。ナオコは「わーい」と言いながら素直に笑顔を見せてくれる、やっぱり家族っていいな、癒やされる。
「お帰りなさい」
サラが、ビニール製人形である金髪のドールをぺこりと頭を下げさせる。これはアデルが作ったものだ。メリッサが僕たちの世界で売られている人形の形、素材、服飾の説明をすると、なんとアデルがそれを能力で作って見せた。
エイミアを含め女子勢に大人気となり、アデルは調子にのっていろんな人形を作りまくっている。その出来の良さにエイミアがそれを商人に売ったりしてこの大所帯の路銀を稼いでいた。ホントたくましい人だ。
僕はサラに「ただいま」というと何やら恥ずかしそうにナオコの後ろに隠れる。「サラ姉ちゃんって、お人形持っているといっぱいしゃべるんだよ!」と、サラに抱きついたナオコは、嬉しそうにお友達自慢をする。
「サラ、ナオコの面倒を見てくれてありがとう」
「ありがとうございます」
金髪のドールをぺこりと頭を下げさせる。サラの顔は赤い。ずいぶんとシャイなヴァルキュリアだ。
「あらら、お姉さんにありがとうは?」
この流れに乗ろうと色っぽい目つきのエイミアが上目遣いで唇を尖らせる。彼女に基本子守を任せていた。この人は信じられないかもしれないが、子ども好きで面倒見が良い。子どもに対してはいいお姉さんで居続ける意外な面がある。
ただし大人相手になると、もはやフリーダム過ぎて子どもより手が焼けるが。
僕は、そっとエイミアの頭に手を乗せて「エイミアもありがとう」とやり過ごす。エイミアはちょっと不満そうだけどなんか上機嫌だった。うかつにエイミアに対して下手なことはできない、何故ならメリッサの視線が痛いからだ。
「パパのいけず~」
「パパのいけず~!」
調子に乗ってエイミアがナオコの口癖をまねして、その後ナオコとサラがハーモニーを重ねた。はいはい、僕はいけずですよ。
日が落ち夜がやって来た。ナオコがベッドで寝る中、大人たちは今の状況を整理する。
「今どこまで来ているんです?」
夜、目を覚めた茶髪のユリアがメリッサに状況確認をする。
「今はコルドまで低い山を一つ越えたところだから、あと一つ山を越えれば到着する」
エイミアがそれに付け加えた。
「次の山は結構高いからね、まあ、途中で農村はあるけどちゃんと登山の準備したほうが良さそうね」
登山か……厳しい旅路だな。でも男手が二人になっただけでもましだ。今まで手荷物以外はみんな僕が荷物を背負っていたからなあ。エイミアあたりは、力があるし身長もあるから荷物を持って欲しいんだけど、「女に持たせる気?」とすごまれたときは怖かった。
そう考えにふけっていた中エイミアが「私たち女も荷物を分担して持ったほうが良さそうね」と言ったときは驚いた。つまり、それほど登山が困難なところか。自然は恐ろしい、アニメでしか登山の知識はないけれど、よほどの準備が必要なようだな。
方針が決まると街で手分けして買い物をする、僕とメリッサは食料担当だ、どんどんリュックが重くなっていくと足取りがおぼつかなくなる。ちなみに、このリュックは、メリッサが旅の最初の時作ってくれたもので、技法をこらして重量のかかる中身でも破けないように工夫されている。
中世にはリュックがないから色々と旅の装備はメリッサのお手製である。たまに、旅の途中であった旅人に売ってくれとねだられることがあるほどだ。
準備が済み一夜を街で過ごし、いざ、登山に向かう。みんな足取りが重い。その時だった、メリッサが「敵がいる」とつぶやいたのは。荷物を他のみんなに預けて迎撃態勢に入り、仲間から敵を引き離し、僕は相手を確認しようとする。だがその前に木が倒れ込んできた。
僕は全力で走って黒い影をかわした。後10センチおくれていたら巨木の下敷きだった、……危ないな。
「──おいおい佑月、もうお疲れかな、そんなことでこの先生き延びられるとは思わない方がいいな」
楽しそうに僕を煽るメリッサは上機嫌だった。また、彼女はいつの間にか武装していた。
「わかっているさ、今どうするか考えている」
どうせ相手は強化系だろう、そこらかしこから岩や木が飛んでくる。このくらいなら手を抜いても楽に勝てそうだ。相手はおそらく若いな、こんな単純な戦い方をするとは、芸がない。今年35の僕は頭をボリボリかく。白髪が落ちてきたぞ、やだなあ。
大きな石が5つほどそこらかしこから飛んでくる。これは牽制だな、何をしてくるか楽しみにしながら、相手の動きを見る。筋力を強化した相手とまともにやり合う気はない。僕向けの戦い方に引きずり込む。
「ふう、ここらへんで詰めか……お前も所詮この程度だったということだな……」
笑顔の彼女、手を抜いているとわかっていて言っているな。そんな冗談をメリッサとかわしながら相手の動きを見る。銃で制圧射撃をして、あぶり出すのは簡単だが、もう少し様子を見よう。この段階で五分五分。さあどう出てくる?
息を静めると、水の音が聞こえてくる。僕ははっと目を開ける。これは川だ!
近くに川がある、しかもかなりの激流らしい。いいこと思いついた、川の上で長槍で殴ってやろう。
少々戦いに飽いてきた僕にいい刺激になるだろうとわざと自分向けではない作戦を考える。こういう戦い方もしないとつまらないからね。
「――ヴァルキュリア! 僕に力を貸せ!」
「――イメージしろ、お前は何を思い描く――」
長い槍を持って川の元へ走り抜けようとすると予想外のことが起きた。しまった、 崖だった! 足の先に地面はない。宙に浮いていた。僕はとっさに崖側に長い槍を突き刺し、メリッサとともに崖に刺さった槍にぶら下がった。
──重い……決して彼女がじゃないよ、ご心配なく。
遠くの方で「うわああ────!」と大きな声を上げて人が飛び越えて崖に落ちていく。なんだこれでおしまいか。けりがついたことを理解すると僕は槍を揺らして、しならし、それを崖から抜いて、重力の方向へと槍先を向けて僕たちは落ちていく。
これは意外と握力がいるぞ、必死にしがみついて敵のエインヘリャルへと急降下、相手を貫き、息絶えた。……これで終わりか。
ふと自分が殺した人物を見ると少年だった、少し嫌な感情が出てくる。それを察したメリッサは、
「忘れたか? 私たちが生き残るには今何千といるエインヘリャルの中から十二人だけが生き延びる権利が与えられる、相手が誰であろうと、生きるためなら、無用なつまらない憐憫は捨てろ」
と言った。これはメリッサ流の優しさから出た言葉で、慰めで言っているんだ、お前のせいじゃないと。
「わかっている。これは生存戦争だ。心の甘えはすでに捨てている」
そう、僕は答えた。その様子を見て大丈夫だと思ったのか、こうたたみかける。
「しかし慣れたものだな――佑月、これで28人目だ。お前も立派な人殺しだな」
そう言いつつ何故か嬉しそうなメリッサ。それに対して僕は軽く皮肉で返す。
「ありがとう、メリッサ。君のおかげだよ」
そう僕が言うとメリッサは僕の腕をとって胸を当ててきた。こんな歪な家族生活、異常な日常。もう、これが僕の生活になってしまったんだ。殺人という日々が当たり前のことになってしまった。
僕ももう、ああだこうだとぐちぐち言って彼女を悲しませたくない。少なくても表向きは残りの感情を胸の奥底にしまおう。
メリッサはというと民謡みたいな鼻歌を歌っていた。僕は上機嫌な彼女を丁寧にエスコートして、みんなの元に帰る。……もはや子どもを殺すことすら迷わなくなったのか、僕は……。
敵のエインヘリャルが巻き込まれたことを確認したあと、時間をとって、メリッサに僕は「――ヴァルキュリア、僕に力を貸せ」と言った。SG552アサルトライフルを手にした僕は、敵のエインヘリャルを探し出してフルオートで肉の塊にする。
「これで殺害数27人目か」
メリッサはぼそりとつぶやく。そこにはうんざりしたと言うよりも、淡々としており、冷徹なヴァルキュリアの顔つきが垣間見える。
「すっげえ、また敵を仕留めやがった!」
「流石です佑月さん! 今回も鮮やかな戦闘でした!」
アデルとレイラは素直に感嘆の声を上げた。自分で敵を倒す能力がない二人には羨ましいのだろう、そこに嫌みなどない。ああ……今回も負け戦か、たいしたことのない相手だった。
──僕は乾いていた、いつからだろう人が死んでも何も感じなくなったのは。せめて感動か同情がわけば、命への冒涜とならないというのに……。早く闘技大会に出たい、僕が僕であるうちに。
「もうすこし、歯ごたえのある敵がいないものか……」
僕はぼそりとつぶやく。
「じゃあ、手加減すればいいんじゃないの?」
何気なくアデルは言った、そうだな、そういう方法があったな、初手で本気を出すからあっさり決まってしまう、なら最初手を抜いて相手の出方を見てから行動に移すか。仕事が終わると僕たちは宿に引き返していく、ナオコはいい子にしているかな。
「パパ~! お人形さんがいっぱい!」
嬉しそうなナオコが僕に駆け寄ってきた。
「ただいま、ナオコ!」
「おかえり!」
ナオコを抱きかかえた僕は宿の部屋をくるくる回る。ナオコは「わーい」と言いながら素直に笑顔を見せてくれる、やっぱり家族っていいな、癒やされる。
「お帰りなさい」
サラが、ビニール製人形である金髪のドールをぺこりと頭を下げさせる。これはアデルが作ったものだ。メリッサが僕たちの世界で売られている人形の形、素材、服飾の説明をすると、なんとアデルがそれを能力で作って見せた。
エイミアを含め女子勢に大人気となり、アデルは調子にのっていろんな人形を作りまくっている。その出来の良さにエイミアがそれを商人に売ったりしてこの大所帯の路銀を稼いでいた。ホントたくましい人だ。
僕はサラに「ただいま」というと何やら恥ずかしそうにナオコの後ろに隠れる。「サラ姉ちゃんって、お人形持っているといっぱいしゃべるんだよ!」と、サラに抱きついたナオコは、嬉しそうにお友達自慢をする。
「サラ、ナオコの面倒を見てくれてありがとう」
「ありがとうございます」
金髪のドールをぺこりと頭を下げさせる。サラの顔は赤い。ずいぶんとシャイなヴァルキュリアだ。
「あらら、お姉さんにありがとうは?」
この流れに乗ろうと色っぽい目つきのエイミアが上目遣いで唇を尖らせる。彼女に基本子守を任せていた。この人は信じられないかもしれないが、子ども好きで面倒見が良い。子どもに対してはいいお姉さんで居続ける意外な面がある。
ただし大人相手になると、もはやフリーダム過ぎて子どもより手が焼けるが。
僕は、そっとエイミアの頭に手を乗せて「エイミアもありがとう」とやり過ごす。エイミアはちょっと不満そうだけどなんか上機嫌だった。うかつにエイミアに対して下手なことはできない、何故ならメリッサの視線が痛いからだ。
「パパのいけず~」
「パパのいけず~!」
調子に乗ってエイミアがナオコの口癖をまねして、その後ナオコとサラがハーモニーを重ねた。はいはい、僕はいけずですよ。
日が落ち夜がやって来た。ナオコがベッドで寝る中、大人たちは今の状況を整理する。
「今どこまで来ているんです?」
夜、目を覚めた茶髪のユリアがメリッサに状況確認をする。
「今はコルドまで低い山を一つ越えたところだから、あと一つ山を越えれば到着する」
エイミアがそれに付け加えた。
「次の山は結構高いからね、まあ、途中で農村はあるけどちゃんと登山の準備したほうが良さそうね」
登山か……厳しい旅路だな。でも男手が二人になっただけでもましだ。今まで手荷物以外はみんな僕が荷物を背負っていたからなあ。エイミアあたりは、力があるし身長もあるから荷物を持って欲しいんだけど、「女に持たせる気?」とすごまれたときは怖かった。
そう考えにふけっていた中エイミアが「私たち女も荷物を分担して持ったほうが良さそうね」と言ったときは驚いた。つまり、それほど登山が困難なところか。自然は恐ろしい、アニメでしか登山の知識はないけれど、よほどの準備が必要なようだな。
方針が決まると街で手分けして買い物をする、僕とメリッサは食料担当だ、どんどんリュックが重くなっていくと足取りがおぼつかなくなる。ちなみに、このリュックは、メリッサが旅の最初の時作ってくれたもので、技法をこらして重量のかかる中身でも破けないように工夫されている。
中世にはリュックがないから色々と旅の装備はメリッサのお手製である。たまに、旅の途中であった旅人に売ってくれとねだられることがあるほどだ。
準備が済み一夜を街で過ごし、いざ、登山に向かう。みんな足取りが重い。その時だった、メリッサが「敵がいる」とつぶやいたのは。荷物を他のみんなに預けて迎撃態勢に入り、仲間から敵を引き離し、僕は相手を確認しようとする。だがその前に木が倒れ込んできた。
僕は全力で走って黒い影をかわした。後10センチおくれていたら巨木の下敷きだった、……危ないな。
「──おいおい佑月、もうお疲れかな、そんなことでこの先生き延びられるとは思わない方がいいな」
楽しそうに僕を煽るメリッサは上機嫌だった。また、彼女はいつの間にか武装していた。
「わかっているさ、今どうするか考えている」
どうせ相手は強化系だろう、そこらかしこから岩や木が飛んでくる。このくらいなら手を抜いても楽に勝てそうだ。相手はおそらく若いな、こんな単純な戦い方をするとは、芸がない。今年35の僕は頭をボリボリかく。白髪が落ちてきたぞ、やだなあ。
大きな石が5つほどそこらかしこから飛んでくる。これは牽制だな、何をしてくるか楽しみにしながら、相手の動きを見る。筋力を強化した相手とまともにやり合う気はない。僕向けの戦い方に引きずり込む。
「ふう、ここらへんで詰めか……お前も所詮この程度だったということだな……」
笑顔の彼女、手を抜いているとわかっていて言っているな。そんな冗談をメリッサとかわしながら相手の動きを見る。銃で制圧射撃をして、あぶり出すのは簡単だが、もう少し様子を見よう。この段階で五分五分。さあどう出てくる?
息を静めると、水の音が聞こえてくる。僕ははっと目を開ける。これは川だ!
近くに川がある、しかもかなりの激流らしい。いいこと思いついた、川の上で長槍で殴ってやろう。
少々戦いに飽いてきた僕にいい刺激になるだろうとわざと自分向けではない作戦を考える。こういう戦い方もしないとつまらないからね。
「――ヴァルキュリア! 僕に力を貸せ!」
「――イメージしろ、お前は何を思い描く――」
長い槍を持って川の元へ走り抜けようとすると予想外のことが起きた。しまった、 崖だった! 足の先に地面はない。宙に浮いていた。僕はとっさに崖側に長い槍を突き刺し、メリッサとともに崖に刺さった槍にぶら下がった。
──重い……決して彼女がじゃないよ、ご心配なく。
遠くの方で「うわああ────!」と大きな声を上げて人が飛び越えて崖に落ちていく。なんだこれでおしまいか。けりがついたことを理解すると僕は槍を揺らして、しならし、それを崖から抜いて、重力の方向へと槍先を向けて僕たちは落ちていく。
これは意外と握力がいるぞ、必死にしがみついて敵のエインヘリャルへと急降下、相手を貫き、息絶えた。……これで終わりか。
ふと自分が殺した人物を見ると少年だった、少し嫌な感情が出てくる。それを察したメリッサは、
「忘れたか? 私たちが生き残るには今何千といるエインヘリャルの中から十二人だけが生き延びる権利が与えられる、相手が誰であろうと、生きるためなら、無用なつまらない憐憫は捨てろ」
と言った。これはメリッサ流の優しさから出た言葉で、慰めで言っているんだ、お前のせいじゃないと。
「わかっている。これは生存戦争だ。心の甘えはすでに捨てている」
そう、僕は答えた。その様子を見て大丈夫だと思ったのか、こうたたみかける。
「しかし慣れたものだな――佑月、これで28人目だ。お前も立派な人殺しだな」
そう言いつつ何故か嬉しそうなメリッサ。それに対して僕は軽く皮肉で返す。
「ありがとう、メリッサ。君のおかげだよ」
そう僕が言うとメリッサは僕の腕をとって胸を当ててきた。こんな歪な家族生活、異常な日常。もう、これが僕の生活になってしまったんだ。殺人という日々が当たり前のことになってしまった。
僕ももう、ああだこうだとぐちぐち言って彼女を悲しませたくない。少なくても表向きは残りの感情を胸の奥底にしまおう。
メリッサはというと民謡みたいな鼻歌を歌っていた。僕は上機嫌な彼女を丁寧にエスコートして、みんなの元に帰る。……もはや子どもを殺すことすら迷わなくなったのか、僕は……。
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