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僕とメリッサの戦い
第三十一話 戦いの夜明け前
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目を覚ますとメリッサの顔が見えた。
「おはよう佑月」
いきなりあまりにも間近に顔が見えたのでドギマギしてしまい、顔をそむけて横向くとメリッサの股間部に顔をうずめてしまう。
「何やっているバカ者……!」
メリッサはツンツンとボクの頬を指で押して、彼女の腰元に僕の顔があることを恥じらう。僕は膝枕されていることに気づいて、慌てて顔を元の位置に戻す。
「おはよう」
彼女は笑顔で言うがなんとなくプレッシャーを感じる。危険だ、話をそらそう。
「僕は負けたんだな」
「そうらしい、私は勝ったがな」
そうかやはりメリッサは勝ったか、その場面を見たかったが、僕にはその資格もないだろう。
「どうしてこの状態に?」
「私が黒いヴァルキュリアを倒して、とどめを刺そうとした。その前にあの女は大男を連れて逃げた。だから、私は佑月を探したんだ」
男っぽいメリッサらしい簡潔な答えだ。
「で、ほどなくして左腕をなくして道ばたに倒れているお前を見つけた。ということで、私が背負ってここまで連れてきたと、そういうわけだ」
「ここはどこだい?」
「フリューナグの中心の教会の鐘楼塔だ。簡単に言うと教会で鐘を鳴らす塔だ。ここは高さがあるため街を見渡せる。エインヘリャルがきたらすぐわかるからな。膝枕しているのは恋情だ。気にするな」
そうか僕は左腕を……。しかし、僕の左腕には腕がしっかりとついていた、不死身の体は便利だな。辺りは夜中だ、ずいぶんの間、眠っていたんだな、体が回復するぐらいに。
「静かだね」
僕が言う。辺りは静かで木々が風で揺れる音しか聞こえない。
「このまま朝までじっとしているか? 私は別にそれでもかまわないが」
「あとでそうするさ、その前に作戦を練り直そう」
メリッサは僕の髪の毛を優しくなでてくれた。
「何か思いついたか?」
そう言いながらあさっての方向をメリッサは見る。
「ああ、完璧だ」
そう、僕が告げると彼女はいぶかしげな顔で、
「大丈夫か? ボロボロに負けたばっかりだぞ」
「簡単な作戦だ」
大丈夫かとメリッサは興味深そうに僕を見つめてきた。
「作戦は大筋において変更しない。僕は奴を……ラミディを倒せる」
僕の言葉にがっかりしたのかメリッサはため息をつく。
「なあ、私を頼ってみたらどうだ。囮ぐらいにはなれるぞ」
「それはダメだ。メリッサが前に立つと黒いヴァルキュリアが妨害してくる」
そして、一息ついて、続ける僕だった。
「僕がそれを上手く仕留めれば良いが、そうはさせずにあっという間にメリッサに集中攻撃されてやられてしまうだろう。僕は武器を失い万事休すになる。よくて今回の二の舞、悪くいけば死」
その言葉に彼女は同意をした。
「黒いヴァルキュリアは手強い相手だ。二対一では分が悪いな、お前が正しい」
「具体的に作戦を説明するとね……」
――――――――――――――――――――
「そうかそれなら、足を狙え」
僕が説明し終わったあと思いもしなかった指摘を受けた。
「膝から下。日本で言うと弁慶の泣き所は筋肉がついていない」
「なるほど、確かに、足を鈍らせるし的を二つにできるので戦術に幅が出る」
さすがはメリッサ実戦的な意見を差し入れてくれる。前線向きな性格かと思っていたら、意外と参謀役も似合っているのではないか、思いがけない収穫に僕は満足そうに胸に手を当てた、作戦は決まった後は実行するのみ。
「なあメリッサ」
「なんだ? 佑月」
「キスしてくれ」
僕がそう言うと膝枕から僕の頭をゆっくり下ろし塔の地面に二人寝そべった。そして、お互いに抱き寄せ熱いキスをする。
「メリッサ、どうしてだとか聞かないのかい?」
「戦いに出る者、常に恐怖を持ち合わせている、私も同じだ。こうやって触れ合うと緊張がほぐれ冷静になっていく」
「愛してるよ、メリッサ」
「その前に」
急にメリッサが顔を赤らめモジモジし出す。
「すまなかったな首をはねるとか言ってしまって、感情が高ぶるとどうも暴力的な言葉出てしまう。私の悪い癖だ。すまない」
なんだそんなことか。子どもができたのかと思ったじゃないか。まだそういうコトしていないけど。もしかしたら、キスで妊娠する神様かもしれないから。
「気にしてないよメリッサ。悪いと思ったら僕の頼み事を聞いてくれないか」
僕の言葉に満足したのかメリッサは優しく微笑みかける。
「どうしたんだ改まって」
僕はこれから言うことに躊躇したがここははっきり言おう。
「メリッサ。胸を触らせてくれ」
彼女はとても苦そうな顔をして、
「ええ~ここでか? もっとムードのあるところで言ってくれ。お前はすぐ変なことを考える。スケベ」
「すごく触りたいんだ。メリッサのことをもっと知りたい」
「なんだそんな言い方をされると母性本能がうずくではないか。そうか、まあいい、……わかった……いいよ」
メリッサは胸の部分を触りやすいように胸部を突き出してくれた。 前みたいにセクハラじゃなく今度はメリッサと気持ちが通じ合っている。僕はその柔らかな胸を優しくタッチする。
「……ん……」
彼女が怖がらないように優しくなで回す。
「……ん……んん……」
僕がしだいに揉もうとした瞬間。
「ダメ! やっぱ、ここじゃ……恥ずかしい」
と、メリッサがあっち向く。僕は少し唖然としていたが、その可愛らしい姿に頬が緩んだ。
「無理にはしないよ。ゆっくり進もう」
僕がそう言うと彼女はこちらを向いて。
「ありがとう、そういうところ好きだぞ。佑月」
と、満面の笑顔で僕の優しい選択を歓迎してくれた。その笑顔が欲しかったんだ。
僕も大好きさ。メリッサ……。
「おはよう佑月」
いきなりあまりにも間近に顔が見えたのでドギマギしてしまい、顔をそむけて横向くとメリッサの股間部に顔をうずめてしまう。
「何やっているバカ者……!」
メリッサはツンツンとボクの頬を指で押して、彼女の腰元に僕の顔があることを恥じらう。僕は膝枕されていることに気づいて、慌てて顔を元の位置に戻す。
「おはよう」
彼女は笑顔で言うがなんとなくプレッシャーを感じる。危険だ、話をそらそう。
「僕は負けたんだな」
「そうらしい、私は勝ったがな」
そうかやはりメリッサは勝ったか、その場面を見たかったが、僕にはその資格もないだろう。
「どうしてこの状態に?」
「私が黒いヴァルキュリアを倒して、とどめを刺そうとした。その前にあの女は大男を連れて逃げた。だから、私は佑月を探したんだ」
男っぽいメリッサらしい簡潔な答えだ。
「で、ほどなくして左腕をなくして道ばたに倒れているお前を見つけた。ということで、私が背負ってここまで連れてきたと、そういうわけだ」
「ここはどこだい?」
「フリューナグの中心の教会の鐘楼塔だ。簡単に言うと教会で鐘を鳴らす塔だ。ここは高さがあるため街を見渡せる。エインヘリャルがきたらすぐわかるからな。膝枕しているのは恋情だ。気にするな」
そうか僕は左腕を……。しかし、僕の左腕には腕がしっかりとついていた、不死身の体は便利だな。辺りは夜中だ、ずいぶんの間、眠っていたんだな、体が回復するぐらいに。
「静かだね」
僕が言う。辺りは静かで木々が風で揺れる音しか聞こえない。
「このまま朝までじっとしているか? 私は別にそれでもかまわないが」
「あとでそうするさ、その前に作戦を練り直そう」
メリッサは僕の髪の毛を優しくなでてくれた。
「何か思いついたか?」
そう言いながらあさっての方向をメリッサは見る。
「ああ、完璧だ」
そう、僕が告げると彼女はいぶかしげな顔で、
「大丈夫か? ボロボロに負けたばっかりだぞ」
「簡単な作戦だ」
大丈夫かとメリッサは興味深そうに僕を見つめてきた。
「作戦は大筋において変更しない。僕は奴を……ラミディを倒せる」
僕の言葉にがっかりしたのかメリッサはため息をつく。
「なあ、私を頼ってみたらどうだ。囮ぐらいにはなれるぞ」
「それはダメだ。メリッサが前に立つと黒いヴァルキュリアが妨害してくる」
そして、一息ついて、続ける僕だった。
「僕がそれを上手く仕留めれば良いが、そうはさせずにあっという間にメリッサに集中攻撃されてやられてしまうだろう。僕は武器を失い万事休すになる。よくて今回の二の舞、悪くいけば死」
その言葉に彼女は同意をした。
「黒いヴァルキュリアは手強い相手だ。二対一では分が悪いな、お前が正しい」
「具体的に作戦を説明するとね……」
――――――――――――――――――――
「そうかそれなら、足を狙え」
僕が説明し終わったあと思いもしなかった指摘を受けた。
「膝から下。日本で言うと弁慶の泣き所は筋肉がついていない」
「なるほど、確かに、足を鈍らせるし的を二つにできるので戦術に幅が出る」
さすがはメリッサ実戦的な意見を差し入れてくれる。前線向きな性格かと思っていたら、意外と参謀役も似合っているのではないか、思いがけない収穫に僕は満足そうに胸に手を当てた、作戦は決まった後は実行するのみ。
「なあメリッサ」
「なんだ? 佑月」
「キスしてくれ」
僕がそう言うと膝枕から僕の頭をゆっくり下ろし塔の地面に二人寝そべった。そして、お互いに抱き寄せ熱いキスをする。
「メリッサ、どうしてだとか聞かないのかい?」
「戦いに出る者、常に恐怖を持ち合わせている、私も同じだ。こうやって触れ合うと緊張がほぐれ冷静になっていく」
「愛してるよ、メリッサ」
「その前に」
急にメリッサが顔を赤らめモジモジし出す。
「すまなかったな首をはねるとか言ってしまって、感情が高ぶるとどうも暴力的な言葉出てしまう。私の悪い癖だ。すまない」
なんだそんなことか。子どもができたのかと思ったじゃないか。まだそういうコトしていないけど。もしかしたら、キスで妊娠する神様かもしれないから。
「気にしてないよメリッサ。悪いと思ったら僕の頼み事を聞いてくれないか」
僕の言葉に満足したのかメリッサは優しく微笑みかける。
「どうしたんだ改まって」
僕はこれから言うことに躊躇したがここははっきり言おう。
「メリッサ。胸を触らせてくれ」
彼女はとても苦そうな顔をして、
「ええ~ここでか? もっとムードのあるところで言ってくれ。お前はすぐ変なことを考える。スケベ」
「すごく触りたいんだ。メリッサのことをもっと知りたい」
「なんだそんな言い方をされると母性本能がうずくではないか。そうか、まあいい、……わかった……いいよ」
メリッサは胸の部分を触りやすいように胸部を突き出してくれた。 前みたいにセクハラじゃなく今度はメリッサと気持ちが通じ合っている。僕はその柔らかな胸を優しくタッチする。
「……ん……」
彼女が怖がらないように優しくなで回す。
「……ん……んん……」
僕がしだいに揉もうとした瞬間。
「ダメ! やっぱ、ここじゃ……恥ずかしい」
と、メリッサがあっち向く。僕は少し唖然としていたが、その可愛らしい姿に頬が緩んだ。
「無理にはしないよ。ゆっくり進もう」
僕がそう言うと彼女はこちらを向いて。
「ありがとう、そういうところ好きだぞ。佑月」
と、満面の笑顔で僕の優しい選択を歓迎してくれた。その笑顔が欲しかったんだ。
僕も大好きさ。メリッサ……。
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