幼女救世主伝説-王様、私が宰相として国を守ります。そして伝説へ~

琉奈川さとし

文字の大きさ
上 下
177 / 178
魔族大戦

第百七十七話 ノリッチ会戦

しおりを挟む
 私たち第三軍はアバディーンラインの少し後方で一度、第一軍、第二軍の司令部と合流した。現場で戦っている軍人の意見を聞いて、さらに精密に士官は戦場を把握しなければならないし、情報を整理共有しないといけない。

 いきなり戦場に行ってこいってやるほどブラック企業じゃないのだ、統一軍は。いや、軍人はブラック企業なところだけど。戦場で死んじゃうし。

 私は将軍として初の戦場に何故かワクワクしていた。戦争だから人が死ぬことはわかっているけど、私自身何度も従軍しているし、戦場に慣れてきたのかもしれない。

 というのも今度は一将として軍司令官として、戦場を運命を握る。女性であっても、というか、女性が男性優位の軍という環境の中で、自分の力を発揮できるって名誉なことだ。

 女性であっても、男性であっても、現場では一人の人間としてベストを尽くすべきと考えているので、私をきっかけに様々な女性が社会で活躍することを心から望んでいる。

 第一軍、第二軍の合同司令部と合流し、ここプリストンに統合参謀本部を置くこととなった。そこで作戦会議を行う予定だったけど、気になることがあった。ウェリントンがいないということだ。

 いくら好戦的な王だとは言え、本部にいないのは気になったが、まず軍情報の報告を聞くこととなった。参謀長のリッチモンドは状況を語り始める。

「まず、統一宰相および、第三軍リーガン軍司令官閣下と、統一軍務司令官、ならびにテットベリー軍司令官閣下にお伝えします。

 現在、東部戦線での統一海軍による、魔族船の強襲に成功。船を4隻拿捕だほし、魔族船の構造など、海軍力および航海技術の技術レベル調査をおこないました」

 そのことばに私はテットベリー軍司令官ジェラードに、

「やった、こちらの海軍もやるわね、ジェラード」

 と言ったのに対し、ジェラードは私に、

「これもお前がこれまで宰相として海軍編成など、着実に海軍力の向上を行ったおかげだ。ところで、リッチモンド参謀長、こちらの被害と相手の被害は?」

 と言ったあとリッチモンドに聞いたので、軍事報告は軍務卿である、ジェラードが受け取ることとして、私は一時黙ることにした。リッチモンドはメガネを光らせながら、冷静に述べていく。

「敵軍は82名死亡、122名捕虜にしました、我が軍は12名死亡、負傷53名です。これは我が海軍の大砲の威力および、艦船技術改良により32ポンド砲の安定した発射技術によるものだと報告があります。

 しかし、まだまだ魔族船の海戦能力は侮れず、もし、いつも通り魔族海軍が攻撃した場合、どうなるかはわからないと、指揮をとったホーク提督は申しておりました」
「そうか、まだ我が軍は海戦は不慣れなところがあるのか」

 とジェラードが言ったのに加えて、私は魔族軍の状況を彼に尋ねた。

「こちらは進軍中だから、統一宰相府からの知らせを受けてないけど、そちらは魔王エターリアが動いたとか聞いていない?」
「国務卿バーナード殿が申すには、魔王は魔族船が襲撃を受けたことに対し、こちらが関知しないところだ、と繰り返し述べた模様です」

「まだ関知しないということは、エターリアはしらを切るってことね、魔族船が陸軍の補給を行っていたことを。でもやはり、彼女は統一軍と全面戦争をする気はないということね。

 だったら、このまま補給妨害と海上制圧のためこのまま我が海軍に仕事をさせて。エターリアは魔族海軍を送るつもりはなさそうだから」
「了解しました。宰相閣下」

 あとでバーナードに言って、海戦で獲得した魔族の捕虜数名を魔王の前に引きずり出して、関与しているかどうか尋ねるよう言っておこう。多分また白を切るでしょうけど、良い外交圧力になる。おいそれと魔族船を送れないように。

 納得し黙っていると、また、ジェラードがリッチモンド参謀長に尋ねた。

「陸の方はどうなっている、第一軍と第二軍の様子はどうだ、敵の状況は?」
「現在魔族軍は東部中央にひいて二手に分かれて、我が軍を攻撃する構えを見せているようです。こちらの中央側は魔将軍ヴェルドーが率いる15万の兵、左翼側は魔侯爵カウテスが率いる12万の兵です。

 カウテス側は西をぐるりと迂回し、こちらの側面をとろうとしているようです。対し、ヴェルドーは中央から攻め入る構え。

 それに対し、第一軍と第二軍を合同編成しなおしたエジンバラ王が率いる15万の軍が左翼に、中央20万の軍がウェリントン統一王陛下が直々に率いて、相手にするようです。残りの兵はそこまでの補給線を確保するようつとめています。

 無論当初の作戦通り、補給線を構築しながら、防御態勢でじっくり腰をすえて、我が軍は戦線を押し上げながら東部領土を奪還しながら進軍中です」
「そうか、上手くいってるか、何も問題ないな……」

 ジェラードと話し合って決めた戦略だけど何も問題なくて私は逆に心配になった。あのヴェルドーが相手なのに、こうも上手くいっていいのかな。なにかあいつに考えがあるのかも。

 そう思っていると、突然走ってくる足音が聞こえて、入り口のドアが開くのを見た。ウェリントンについている精鋭親衛隊の伝令係、ほわほわ金髪天然ドジっ娘パステルだ。

「た、たたたた、た、大変です!」

「どうしたの?」
「何かありましたか?」
「確か親衛隊のパステルか?」

 と中にいた3人が一斉に返事したので彼女は頭をかきむしりながら、困った風に答えた。

「うわああ、一斉に返事しないでください、ややこしい! ですから、大変なんです。ウェリントン陛下がヴェルドーと野戦に挑むこととなって! 急ぎ私が統一司令部に送られたんです!」

「何!?」
「陛下が!」
「なんですって!」

 という私たちの驚きに、さらにパステルが混乱する!

「だから一斉に答えないでください! 誰に報告すればいいんですか!? 誰か一人がしゃべってください!」

 ああもう、パニくっちゃてるよこの娘。とりあえず私はジェラードに、

「こういう軍事は軍務卿であるジェラードが報告を受けるべきじゃない?」

 というと彼は冷静に、

「いや、直接報告を受けるのは私より参謀長の方が適しているだろう」

 とリッチモンドに言うと、彼は眉一つ動かさず、

「いえ、この三人の立場から考えて、統括とうかつするのは統一宰相閣下が一番かと」

 そう言ったので、ますます混乱するパステル!

「うわああああ。ややこしい! 軍隊ややこしい! 指揮系統ややこしい! 誰か早く一人に決めてえ!!」

 泣きそうだなこの娘。しょうがないから私が受け答えするか。

「じゃあ、宰相として報告を受け取るわ。パステル、どうして陛下はヴェルドーと対決することになったの。ヴェルドーとは野戦を避けるよう、あらかじめ決めてあったはず。そうでしょ?」
「そうなんです、そうなんですよ! でも、陛下がヴェルドーは許しておくわけにはいかないってきかなくて!」

「どういうこと、あの陛下が取り乱しておられるの……? 何があったか詳しく説明して、パステル」
「そうです、えっと……。最初は陛下も防御線を築き、防戦するつもりで敵が放置した要塞に入って、ヴェルドーに対して待ち望む構えでした。

 そこにヴェルドーがやってきて、やれ、腰抜けや、臆病者やとかほざいていて、必死に皆こらえていたんですけど、こちらが動かないのを見ると、今度は周辺地域の村人たちをみんなが見ている目の前で、くし刺しにしたり焼いたりして、処刑し出したんですよ。

 陛下も流石に我慢できなくて、『関係のない無実の我が民をむざむざ見殺しになどできん!』とおっしゃって、ヴェルドーを倒すため15万の軍を率いて野戦に挑む計画をみんなに言ったんです。

 お止めしたんですけど結局みんな折れちゃって、とりあえずジョセフさんが司令部に確認してくれとわたしに言って、つかわされたんですけど、だめですよねこれって……?」

「まずい! 陛下がヴェルドーの罠にかけられた!」

 と私が声をあげるとジェラードは、

「ああ、おそらく罠だ。陛下をお止めしなければ」

 と言ったので、私は考え始めた。ウェリントンは普段は冷静に判断できる優秀な王だけど、優しいところと勇ましいところがあるから、興奮して事態を把握していないだろう。

 誰かが説得して、野戦を止めないといけないけど、それに適した人材は……、やはり私か。仲が良いし、なによりこれまでいろんなことがあったけど、何とか私が彼を補佐をして、バランスよく政治を行ってきた。

 なら直接私が止めに行ったほうがいいわね……。考えをまとめてジェラードに相談した。

「いきなり陛下のことをお止めしたら角が立つわ、ここは援軍と称して私が2個軍団を率いて、陛下を直接説得するつもりだけど、問題ないかしら?」
「私が行った方がいいんじゃないか、相手はヴェルドーだぞ何を考えているのか……。お前の身に危険が及ぶかもしれない」

「でも、陛下あっての統一軍よ、陛下に何かあったことを最優先に考えるべきよ。貴方は東部西側左翼方向の、エジンバラ王の援軍に向かって。

 あちらも罠にはめられるかもしれない。貴方とエジンバラ王とはしこりがあるけど、それを解消したいでしょ?」
「気づかいすまないな、ミサ……」

「ということよ、パステル。そう言えばこちらに来るまで何日かかったの?」

 と話がまとまったので、パステルに話しを振ると彼女は嬉しそうに答えた。

「ああ、よかった、ミサ様が陛下を説得してくれるんだ。伝令の仕事終了。私の責任じゃなくなった。ええっと、あれから……七日です」
「七日!? 一週間も!」

「えっ、だって、なぜか女魔族が空を飛んで私を襲ってくるから、逃げるのに大変だったんですよ。なぜか無事ですけど」

「……。ジェラード、私は兵をまとめてすぐにここを出発するわ。このままだと戦いが始まってしまうかもしれない、なるべく急がないと」
「わかった、陛下を頼む」

 とパステルがヴェルドーの妨害を受けているのを考えて、ヴェルドーの策にはまっていることを確信し、ジェラードにすぐに私が行くことを伝えて、この場を後にした。ウェリントンに何かあったら遅い、私が止めないと……!

 リーガン兵を中心に2個軍団約6万の軍勢を率いて私はウェリントンがいるノリッチ平野に急ぎ向かった。早くいかないとウェリントンの命が危ない。

 途中、森に差し掛かったところだ。私は軍を急停止させて、こちらの軍となった、元レクス隊の女魔族を飛兵として森の中に伏兵がいないか調べさせた。そしてレクスに彼女らは報告し、続いてレクスが私に見解を述べた。

「いますね、マイレディ、敵が」
「流石はレクス、特殊部隊出身。すぐにわかったようね」

「いえ、というのも、上空の偵察から隠すための隠ぺい工作がされていなかったようです」
「ということは、ヴェルドーはエターリアから情報共有してないってことね。わかった。なら、レクス、竜騎兵ドラグーンと工兵小隊を率いて、分かれ道から敵の後方を断って。私は何も知らないふりして、このまま進む」

「なるほど、了解です、マイレディ」

 彼は嬉しそうに不敵に笑みを浮かべながら言った。竜騎兵ドラグーンとは銃を持った騎兵。馬ですぐさま移動し、戦うときは馬から降りて銃を撃つのが基本。

 日本ではいない兵科だけど、偵察や先に陣地確保したり、相手を偽装攻撃したりするのに持ってこいの兵種。日露戦争のとき、日本海海戦の策を考えた海軍参謀の秋山真之さねゆきの兄、陸軍の秋山好古よしふるが、騎兵中心の支隊を率いてロシア軍のコサック隊を食い止めていた時、似たような運用をしていた。

 意図を理解した横で見ていたミリシアは私に落ち着いた様子で言った。

「よく見ているわね、そして、よく判断したわ、ミサ」
「ええ、慣れたものだわ」

「ということは、私が言った癖の練習のアドバイスのことを続けているようね」
「うん、おかげで快適だわ」

「やはり、貴女は……。なんでもない、良かったわ」

 お互いうなずいた後、作戦は始まった。まず私たち歩兵が何食わぬ顔で、伏兵のもとへと進む。でもこれはこっちの罠。というのも罠にかけるつもりのヴェルドーの兵が森に潜んでいるんだけど、知っててしかも万全の態勢で向かい討つ。

 もちろんいることがばれた伏兵なんて、待ち構えている最新技術にアップグレードしたマスケット兵の敵ではない。威力のある銃弾に、固い男魔族の肌も貫かれてしまう。

 予想外の反撃に驚いた魔族の伏兵はすぐさま崩れて逃げ始める。でも、ここからが孔明こうめいの罠。なんと、逃げ道がふさがれて、そこには銃を持った我が軍が待ち構えていたのだ。

 種明かしはこう、竜騎兵や騎兵は工兵小隊と機材を乗せて分かれ道からいち早く敵の後方に移動する。森では騎兵は使いづらいから、敵の伏兵に騎兵なんていない、歩兵ばかりだ。こっちの方が早くつく。

 我が軍が早くついた分、時間ができ、その間馬から降ろされた工兵が周りの木を切って、道をふさぎ、その上から馬から降りた竜騎兵が銃を構えてじっと待つ。じゃっじゃーん、これで敵の後方に陣地にこもった銃兵が登場ー!

 相手は罠にかけようと構えてたぶん、挟み撃ちにされると兵の心はぽっきり折れやすい。ほとんどけが人は出ないまま、敵の歩兵を倒すか捕虜にした。計捕虜80名、うめー。

 レクスが厳しく捕虜を尋問したが、裏切り者! と叫ぶばかりの魔族兵にミリシアが間に入って尋ねた。

「ねえ私がだれかわかる?」
「貴女は……、魔公爵ミリシア様! 楽師である貴女がなぜここに!」

「実はね、魔族軍を裏切ったふりをして、魔王の特命を受けて、ヴェルドーを止めに来たのよ」
「特命!? まさか、しかし……」

 魔族兵が口々に話すが、戸惑いは広がるばかり。その様子にミリシアはにこりと笑った。

「思い当たる節があるでしょ、貴方たち」
「それでは、魔王様は勝手に東部で進軍したことにお怒りを……!」

「ええそうよ、ヴェルドーを内偵していた結果、彼は危険人物だと判断したわ。魔王の命に従わない、魔族の真の敵を排除するよう、私に言ったわ。

 ねえ、じゃあ、聞かせてくれない? ヴェルドーは何故進軍したの。今どこにいるの、正確な規模は? 作戦は?」
「……将軍は、今ネーザン王を討たなければ、こちらに勝ち目はなくなるため、急ぎ進軍を始めたと述べました。また、いまはノリッチ平野にて統一王との会戦準備を、12万の兵でたしか明後日に始めるとか聞いております。

 作戦は我々は聞かされておりません。我々はここで敵の援軍を食い止め、時間を稼ぐ、できなければすぐに戻って、敵の援軍の規模を報告して来いと言われました」
「そう良かったわ。私が魔王様との仲を取り持ってあげる。しばらくは捕虜として待遇するから、ネーザンで待っててね」

「ははっ!」

 彼らを兵たちが連れて行ったあと。私はミリシアにこういった。

「時間がないわ。明後日までにノリッチに到着しないと」
「ええ、急ぐわよ、ミサ!」

 私たちは寝る間も惜しんで、急ぎノリッチ平野に向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

夫のかつての婚約者が現れて、離縁を求めて来ました──。

Nao*
恋愛
結婚し一年が経った頃……私、エリザベスの元を一人の女性が訪ねて来る。 彼女は夫ダミアンの元婚約者で、ミラージュと名乗った。 そして彼女は戸惑う私に対し、夫と別れるよう要求する。 この事を夫に話せば、彼女とはもう終わって居る……俺の妻はこの先もお前だけだと言ってくれるが、私の心は大きく乱れたままだった。 その後、この件で自身の身を案じた私は護衛を付ける事にするが……これによって夫と彼女、それぞれの思いを知る事となり──? (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

女神様の使い、5歳からやってます

めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。 「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」 女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに? 優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕! 基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。 戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた

小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。 7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。 ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。 ※よくある話で設定はゆるいです。 誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。

処理中です...