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魔族大戦
第百六十七話 みんなでお風呂
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私たちリーガン軍が新装備にアップデートして、ジェラードの指導のもと合同訓練を行うことになった。ジェラードや私の声掛けで少しずつ騎士たちも集まり始め、一個中隊の騎兵ができたことは上々。子飼いの騎兵がいないと、戦いで勝てないものね。
私の一の騎士レクスが騎兵を率い、傭兵の砲兵小隊、女執事のレミィの家人隊、家政婦のミリシアがメイド隊などをそれぞれ率いて、実践訓練を実戦さながらの様子で近くの平地にて行う。
ジェラードの助言の元、私が指揮官として、実際に指揮をすることになった。私が命令を伝えていく。
「野戦砲兵隊!」
私の声のもと、砲兵隊が野戦砲の発射準備をする。
「撃ち方良し!」
「発射!!」
砲兵隊長のもと空砲が平野に鳴り響く。ジェラードが私へと説明をしてくれた。
「まずは砲撃から野戦は始まる。近づいてくる敵、もしくは陣地にこもった敵の態勢を崩さないと、主力である歩兵が敵へと近づけない。マスケットの射撃範囲まで敵の攻撃を砲撃によって弱めていく」
「なるほどね、砲兵の援護なしに今の戦争は勝てないのね」
「ああそうだ、ナターシャが開発した野戦砲が小さくなったおかげで、戦闘中でも移動もしくは方向を変えることが容易になった。
これにより、多くの大砲を戦場に導入できて絶え間なく敵に砲撃を加えることが出来る。これからの時代火力がものを言うようになるな」
確かに、時代は変わっていくものね。次に私は歩兵に命令を出した。
「銃歩兵隊!」
「前進!」
私の声のあと歩兵部隊長であるレミィとミリシアが歩兵隊を率いて、目標地点に戦列を組んで一糸乱れず前進をしていく。
そこに訓練のためジェラードが連れてきたテットベリー小隊が彼女らに近づいてきた。ジェラードはタイミングを見計らって適切に私に説明を加えた。
「銃剣がつけられるようになったことで、マスケット兵だけで防御が可能になった。戦列歩兵により、陣形を維持したまま敵騎兵正面へと剣の盾を作る。
ここからあとは各部隊長の判断に任せられる。まあミサは見ておけ。レミィとミリシアの腕の見せ所だ」
敵騎兵が突撃してきたところに、マスケット兵が訓練用に空砲の銃撃を加えた後も、加速をつけて近づいてくる騎兵に隙間なく、銃剣で剣の盾を作り出す。
「剣の盾!!」
レミィとミリシアの掛け声の元、銃剣で壁を作る。一列目はまっすぐ横に銃剣を騎兵に向けて、二列目は斜め方向に、馬に乗った敵の視線を遮るように銃剣を構える。そして三列目は少し傾けながら、斜め上方向に構えて剣の盾が出来上がる。
胸甲騎兵が勢いよく突撃してくるなか、見事銃剣で壁で馬は動けず突撃を止めることが出来た。馬は銃剣のようなとんがった先が付いているものを目へと向けられると足を止めてしまう習性がある。
動きが止まり、騎兵が停止したところに一列目の銃歩兵が銃剣で突いて、二列目からは敵を銃剣で叩いていく。騎兵の体形が崩れていき、相手が逃げ始めたところを、マスケット銃で後ろから絶え間なく銃撃を行う。
これも空砲だが、実戦だったら騎兵はたまったものじゃないだろう。ナターシャが銃剣を革命だと言ったわけがわかった。パイク兵がいらなくなって、マスケット兵を数多く編成が可能になった。
それにより銃撃を行う数が増えて、火力が高まりどんどん敵を撃ち殺していけるだろう。
隊形を整え直し、目標地点、相手の陣地へと近づいていく。土で作った堡塁の後ろに傭兵の歩兵たちが待ち構えていた。私たちの歩兵は敵に銃撃を一小隊ずつ交代交代で銃撃を加えていき、空砲の音が鳴り響いていく。
ここでジェラードは私に助言をした。
「実戦の場合、火力と練度が上回っている方が銃撃戦を勝つ。こちらが不利なら、援護部隊を寄こし、敵の防御を崩していかないといけない。野戦砲が軽くなったおかげで、砲兵が戦場でも楽に移動でき、近寄って支援砲撃ができる。
まあ、崩れたと仮定して、ミサ、実際に騎兵を指揮してみたらどうだ?」
「わかったわ、ジェラード。胸甲騎兵!!」
「前進」
私の指示にレクスが騎兵を率いて、敵陣地に側面から近づいていく。かなり陣地に近寄った騎兵が靴に入れていた短銃を取り出して構え、射撃範囲に入ったところで銃を撃つ。
勢いのまま、レクスは次の行動に移った。
「突撃!!」
レクスを筆頭に敵の側面からサーベルチャージを食らわし、相手がドンドン散っていく。実戦だったら、敵は撤退するしかないだろう。ジェラードはさらに解説を加えてくれた。
「重騎兵が廃れた後、銃を装備した騎兵は旋回運動を行って、銃撃を加えた後は前列は後列に戻って弾を装填して、前から順番に撃っていたが、火力や攻撃回数、射程で上回る敵に陣形を破ることが出来ず、敗退することも多かった。
だから、全身鎧から胸甲に変わって装備が身軽になった現在、衝撃力を保ったまま、勢いに乗って、突撃した方が相手の歩兵を破ることが出来る。
もちろん騎兵はもろいから、使い勝手が悪い。ここぞというときに上手く使うと、一気に勝敗を決することも可能だ。
──これらが、新装備のもと実戦に役に立ちそうな戦術だが、ミサ、理解できたか?」
「ええ、助言ありがとう、ジェラード。今度は私自身で判断させて。指揮に慣れるよう頑張るわ」
「その意気だ、お前も立派な貴族だな、ミサ女伯。いや、正しくはリーガン女伯か」
「どっちでもいいわよ、そんなの。じゃ、みんな元の位置に戻ってー!」
私は兵士皆を集め、ほめてねぎらった後、2、3回同じ、実践訓練を行った。指揮官は戦争中にちょうどいいタイミングを見計らって、部隊を動かさないといけない。
クラウゼヴィッツとかの戦略論でも指揮官の才能で勝敗を大きく左右すると書かれている。私も頑張んなきゃね。
こうして合同訓練が無事終わり、私が軍の指揮をすることに確かな手ごたえを感じて、日々を過ごしていく。
私はまず余った現金1000万リーガンの使い道について考えていた。というのも私は貴族的な豪華な趣味を持ち合わせていない。投資会社社長ラームに貴族らしい贅沢をしろと言われても、あまり興味がなかった。
そこで思いついたのが、風呂やプールを作ろうってことだった。中世・近世では水は贅沢品だった。平民は井戸で水を汲んで生活用水としているのも多く、現在の日本みたいに水道があって、水があって当たり前という時代じゃない。
前回言ったけど、中世ヨーロッパにも風呂屋があった。でも、水が貴重である以上、結構金がかかる。ローマ帝国時代なら赤字垂れ流しで、安い入浴料金で巨大な大浴場を作っていたけど、あんなんは普通に考えたら出来なかった。
維持費すごいんだよ、あれ。近世になって欧州諸国の多くが社会の風潮で風呂が滋養、病気の治療目的以外使われなくなってきたが、近世後期、衛生学的に風呂に入ることが重要という言説が流行り、少しずつ見直されていき、風呂が復活。
19世紀に現代のシャワーができて、個人でも風呂に入ることが出来た。といったざっと西洋の風呂の歴史を語ったけど、私はこの世界で水資源を散々開発したので、贅沢に豪華な風呂を領主自ら堂々ともつことで、みんなの衛生観念を復活させようとの試みようとした。
近世の時代、風呂に入る文化が廃れて、水恐怖症になってる。水は怖くないよー。みんなの宝だよーってことをみんなに広める。こっちの世界では最近まで戦争していて、仲良く風呂に入る習慣が廃れていた、それどころじゃないから。これじゃあ衛生など福祉に投資が集まらない。
ということでみんなでお風呂タイムだあ! 幸い、ミリシア、レミィ、ナターシャに加えて、メアリーが豪華な風呂ができたと聞いて、風呂に入りに、もとい、お祝いに駆け付けてくれたのでお風呂にレッツゴー。
メイドたちがフリルがついた裸エプロンドレスで私たちを出迎えてくれる。
「ようこそ、いらっしゃいました、ご主人様方」
「うんうん! 良きにはからえ」
「はーい、では、ご主人様、お背中流しまーす」
「よいぞ、よいぞ、苦しゅうない、苦しゅうない!」
私たちは裸エプロンで、ソープ、じゃなかった、お風呂でメイドたちに体を洗われる。なんか裸よりエロイぞ、裸エプロン。いかんいかん、こんなこと考えているから、メアリーに同性愛者だって言われるんだ。
でも女の子をエロい目で見て何が悪いんだ! 切なる言葉を私は心より叫んだ。いいじゃん、えっちってかわいいしカッコいいじゃん。好きだよ私。私もエロカッコいい女の子になりたーい。
と思ったら、隣で立ち上がった美女軍団のスタイルを見て私はビビってしまった。ロリータ体形のナターシャは別として、ミリシア、レミィ、メアリーはホントスタイルがいい。かっこいい、冷静に見たら裸エプロンなのに、スタイルがいいとカッコいいんだこれが。
ミリシアが私の熱視線に気づいたようで、からかってくる。
「何見てんの、ミサ?」
「えーと、富士山」
「なにそれ。ふふ、わかるわよ。やっぱり好きなのね。女のカ・ラ・ダ」
「そ、そ、そんなことないよお」
「ふーん。そうなの。じゃあ、私が洗ってあげようか、ミサのカラダ。私は好きだよ、ミサの事」
「な、な、なんですとー!」
ミリシアが笑顔で、胸を押し付けながら、私のカラダを洗い始めた。まてまて、ホントにソープじゃないんだから! 行ったことないけど! やばいから! 全年齢向けだから、これ! メアリーもこっちに気づき、楽しそうに近づいてくる。
「あら、ミサ。イイことしてんじゃん、私たちもいっしょに洗いっこしよ」
「ええー!? まじですか」
「マジよ、おおマジ。ねえ、ミリシア、背中のほうお願い、私、前のほうするから」
「いいわねそれ。じゃあいっしょにミサを洗いっこしましょ。よいしょ」
裸エプロンの美女二人にサンドウィッチ状態にされ、私はあまりのことに体中が火を噴いたように、熱くなってしまった。後ろも前もえっちな女の人……。こ、これは……!
「ちょ、ちょ、女同士でもやばいって、メアリー、ミリシア!」
と言ったことにメアリーは、
「私のミサの仲じゃない。貴女も私の前を洗ってよ、ミサの前洗ってあげるから」
「わ、わ、わ、おっぱい、近い。一枚の布切れごしのおっぱいが目の前に」
水にぬれていてメアリーのカラダにしっとりと張り付いているもん。とんでもなくエロ仕上がりのメアリーとミリシアは私の意を介さずに、
「ごしごしー、ミサごしごしー」
と鼻歌交じりに私のカラダを丁寧に洗っていく。ああ、胸を押し付けられていく。やわらけえ。ママぁ……。な、なんてことだ……! これはハーレムなのか、それとも襲われているのか、どっち!?
ドキドキのさなか、レミィがなんか遠くから見ていたようで、寂しそうに駄々をこね始めた。
「もう、ミサ、私が執事でしょ。ミサの体を洗うのは私なのが筋じゃない。この浮気者!」
「ちょ、待ってレミィ、話せばわかる。わ、わ、わ!」
彼女は無理やりミリシアとメアリーの間に入っていき、ミリシアが「あっ、石鹸落とした」と言ったのを期に、みんなが「え、どこ?」と美しい手で、私の下の方をまさぐり始めた。あ、あかんぞ、それは。それはあかん。ダメダメダメ、ダメ―!!!
「児ポだよ、それは!!」
と私がいきなり大声出したあとみんなびっくりして、「変なミサねー」「女同士だよー」「ミサ、照れちゃってカワイイ」と言いながら笑いあった。
ああ、もう、恥ずかしい目に合った。ミリシア、メアリーがそっちなのは知っているけど、レミィまでそっちのケがあるのかしら。ミーサ、どきどき!
まさか、お兄ちゃんのレクスが主食で、私はデザートなの!? うーん、それもいいかも。なーんてね。
全員で入浴した後、今度は蒸気風呂にみんなで入った。体がさっぱりした後、もう一回汗をかくのだ。
中世ヨーロッパでは都市で浴槽よりも一般的な公衆蒸気風呂があった、つまりサウナだ。私はもわっとした湯気のなかで木の椅子に座って風呂を浴びる。
レミィが流石に低体温の魔族のカラダだから、「私これ、無理……」と言ったので私は「じゃあ、外で待っててレミィ」と伝えて、ミリシア、メアリーとナターシャで蒸気風呂の我慢比べを始めた。
あちい……。汗をだらだらかき始めると、ナターシャが私に対してからかってきた。
「あら、ミサ、もう限界ですの? 私は全然! まだまだいけますわ」
「くう、負けるもんか、絶対勝つ!」
ミリシアとメアリーも私たちと同じように我慢比べをしているようだった。
「あら? ミリシア、貴女の肌、真っ赤ね」
「まあ、メアリー、古代では風呂はレジャーだったのよ。こんなの当たり前、平気。貴女こそ、汗がすごいわよ」
「ミ、ミリシアこそ」
「ふふふ……」
「ふふふ……」
二人が目の前に座っているから、裸エプロンの美女がたらりと汗を流しているのを、食い入るように見てしまう。汗がしたたるボディ。えっちだ……。立体感がすごい、ボリュームが。じー。はあはあ。いや、これサウナのせいね。ナターシャがひまなのかまだ私をあおってくる。
「どうしたのかしら、息を切らして。貴女のような子どもではもう無理なの、ミサ?」
「な、何でもない、大丈夫。私ノーマルだから。そっちこそ、息切れがすごいよ、ナターシャ」
「まさか。余裕余裕ですわ。貴女もう降参ですのよね?」
「別に、サウナ好きだし」
「えっ、そ、そう……。もう、こ、降参しません……?」
「なんで?」
「だって、だって……そんにゃきょといはれても、あつくへ、あつくへ、……きゅー」
「え、ちょ、ちょっとナターシャ!」
いきなりナターシャが倒れたのでみんなびっくりしてしまった。
レミィが外から見ていたようで、「ナターシャは魔族と人間のハーフだから、高温のところで長くいると死んじゃうよ」と言ったのを聞いて、みんな、しまった! と言って、ナターシャを担いで、急いで、ぬるま湯のバスタブに入れた。
近世ではバスタブは超上級貴族でしか持てない貴重品。マリーアントワネットとか、オーストリアから持ってきたバスタブにつかりながら、お風呂サロンを開いていたらしい。優雅だね。
ともかく、ぬるま湯に入ったナターシャは顔色が戻り、徐々にもとに戻っていった。私たちは湯船につかりながら、お風呂を再度楽しむ。
「無想転生のロリータ伯爵ふっかーつ!!! ほーほほほほ」
「そういえば、ナターシャ、前もそうだったけど、ロリータ服脱ぐと性格が変わるんじゃなかったの?」
「あら、わたくし現在もロリータ武装ですわ」
「はい? エプロンしか着ていないじゃない」
「ここをご覧あそばせ」
と彼女はエプロンのフリルの部分を引っ張って見せる。
「ええ……っ。フリルがあればロリータなの……」
「そうですわ! 水着のときもフリフリのワンピース! 今のエプロン姿もくぁわいい、フリフリフリル! これぞロリータの神髄!」
「じゃあ、その布切れをとれば、私のきゃわいい、シャイなナターシャちゃんが現れるわけね、ふふふ……!」
「キャー何をしてますの! あらーおやめになってくださいましー」
「よいではないかー、よいではないかー」
「あれー」
と無理やりナターシャのエプロンをはぎ取ると、彼女はもじもじしながら、頬を赤く染めて、恨めしそうにつぶやいた。
「み、ミサ、ひどい……! 私のエプロン、か、か、かっ、返してください……」
「やだ、そっちの方が可愛い」
「ひーん」
というおふざけをしている中メアリーが楽しそうにワインを転がしながら、果物をつまみ私の風呂の感想を述べ始めた。
「はあー、こんな大きな浴槽あるなんて羨ましいわ、ミサ」
「え、王宮にないの?」
「風呂はあるけど、小さいもん。こんなに皆で入るなんて初めて、いいなあ、憧れる。風呂は美容の宝。みんなでワイワイしながら入るのはやったことないもの」
「もうすぐプールできるけど、もしかしてメアリーはプールに入ったことないの?」
「噴水で遊んだことはあるけど、プールはないかな。昔は王宮にもあったらしいけど、教会がうるさくてね。水は堕落のもとだ! とかわけのわからないこと言って」
「それ貴族みんなそうなの?」
「私の知っている限りそうね。みんながこんないいお風呂があるって聞いたら、こぞって寄ってくるでしょうね……」
「それだ!」
「へっ……?」
「そうよ、この時代バスタブもプールもないなら、貴族たちの注目の的になるはず。私あまり貴族とコネクションがないから、投資資金を集めるのに顔がきかない。だからサロン作る予定だったし、プールお風呂完備のサロンを開きましょう!」
「いいわねそれ! これからの時代、女が外に出て活発に動くために、運動しないと。プールで運動不足も解消できて、汗をかいた後、お風呂で美を磨く。ご婦人方が喜ぶわよー」
「よーし! さっそく、レオに……。って私、今、裸エプロンじゃん! このままだと変態ロリになってしまう! しまった!」
「あっははは……」
とまあ、みんなに笑われて恥ずかしがりながらゆっくり私は湯船につかることにした。投資資金の使い道も思いついたし、楽しい女同士のカラダの付き合いができたし、なんて気持ちいいんだろう。私、し・あ・わ・せ。
私の一の騎士レクスが騎兵を率い、傭兵の砲兵小隊、女執事のレミィの家人隊、家政婦のミリシアがメイド隊などをそれぞれ率いて、実践訓練を実戦さながらの様子で近くの平地にて行う。
ジェラードの助言の元、私が指揮官として、実際に指揮をすることになった。私が命令を伝えていく。
「野戦砲兵隊!」
私の声のもと、砲兵隊が野戦砲の発射準備をする。
「撃ち方良し!」
「発射!!」
砲兵隊長のもと空砲が平野に鳴り響く。ジェラードが私へと説明をしてくれた。
「まずは砲撃から野戦は始まる。近づいてくる敵、もしくは陣地にこもった敵の態勢を崩さないと、主力である歩兵が敵へと近づけない。マスケットの射撃範囲まで敵の攻撃を砲撃によって弱めていく」
「なるほどね、砲兵の援護なしに今の戦争は勝てないのね」
「ああそうだ、ナターシャが開発した野戦砲が小さくなったおかげで、戦闘中でも移動もしくは方向を変えることが容易になった。
これにより、多くの大砲を戦場に導入できて絶え間なく敵に砲撃を加えることが出来る。これからの時代火力がものを言うようになるな」
確かに、時代は変わっていくものね。次に私は歩兵に命令を出した。
「銃歩兵隊!」
「前進!」
私の声のあと歩兵部隊長であるレミィとミリシアが歩兵隊を率いて、目標地点に戦列を組んで一糸乱れず前進をしていく。
そこに訓練のためジェラードが連れてきたテットベリー小隊が彼女らに近づいてきた。ジェラードはタイミングを見計らって適切に私に説明を加えた。
「銃剣がつけられるようになったことで、マスケット兵だけで防御が可能になった。戦列歩兵により、陣形を維持したまま敵騎兵正面へと剣の盾を作る。
ここからあとは各部隊長の判断に任せられる。まあミサは見ておけ。レミィとミリシアの腕の見せ所だ」
敵騎兵が突撃してきたところに、マスケット兵が訓練用に空砲の銃撃を加えた後も、加速をつけて近づいてくる騎兵に隙間なく、銃剣で剣の盾を作り出す。
「剣の盾!!」
レミィとミリシアの掛け声の元、銃剣で壁を作る。一列目はまっすぐ横に銃剣を騎兵に向けて、二列目は斜め方向に、馬に乗った敵の視線を遮るように銃剣を構える。そして三列目は少し傾けながら、斜め上方向に構えて剣の盾が出来上がる。
胸甲騎兵が勢いよく突撃してくるなか、見事銃剣で壁で馬は動けず突撃を止めることが出来た。馬は銃剣のようなとんがった先が付いているものを目へと向けられると足を止めてしまう習性がある。
動きが止まり、騎兵が停止したところに一列目の銃歩兵が銃剣で突いて、二列目からは敵を銃剣で叩いていく。騎兵の体形が崩れていき、相手が逃げ始めたところを、マスケット銃で後ろから絶え間なく銃撃を行う。
これも空砲だが、実戦だったら騎兵はたまったものじゃないだろう。ナターシャが銃剣を革命だと言ったわけがわかった。パイク兵がいらなくなって、マスケット兵を数多く編成が可能になった。
それにより銃撃を行う数が増えて、火力が高まりどんどん敵を撃ち殺していけるだろう。
隊形を整え直し、目標地点、相手の陣地へと近づいていく。土で作った堡塁の後ろに傭兵の歩兵たちが待ち構えていた。私たちの歩兵は敵に銃撃を一小隊ずつ交代交代で銃撃を加えていき、空砲の音が鳴り響いていく。
ここでジェラードは私に助言をした。
「実戦の場合、火力と練度が上回っている方が銃撃戦を勝つ。こちらが不利なら、援護部隊を寄こし、敵の防御を崩していかないといけない。野戦砲が軽くなったおかげで、砲兵が戦場でも楽に移動でき、近寄って支援砲撃ができる。
まあ、崩れたと仮定して、ミサ、実際に騎兵を指揮してみたらどうだ?」
「わかったわ、ジェラード。胸甲騎兵!!」
「前進」
私の指示にレクスが騎兵を率いて、敵陣地に側面から近づいていく。かなり陣地に近寄った騎兵が靴に入れていた短銃を取り出して構え、射撃範囲に入ったところで銃を撃つ。
勢いのまま、レクスは次の行動に移った。
「突撃!!」
レクスを筆頭に敵の側面からサーベルチャージを食らわし、相手がドンドン散っていく。実戦だったら、敵は撤退するしかないだろう。ジェラードはさらに解説を加えてくれた。
「重騎兵が廃れた後、銃を装備した騎兵は旋回運動を行って、銃撃を加えた後は前列は後列に戻って弾を装填して、前から順番に撃っていたが、火力や攻撃回数、射程で上回る敵に陣形を破ることが出来ず、敗退することも多かった。
だから、全身鎧から胸甲に変わって装備が身軽になった現在、衝撃力を保ったまま、勢いに乗って、突撃した方が相手の歩兵を破ることが出来る。
もちろん騎兵はもろいから、使い勝手が悪い。ここぞというときに上手く使うと、一気に勝敗を決することも可能だ。
──これらが、新装備のもと実戦に役に立ちそうな戦術だが、ミサ、理解できたか?」
「ええ、助言ありがとう、ジェラード。今度は私自身で判断させて。指揮に慣れるよう頑張るわ」
「その意気だ、お前も立派な貴族だな、ミサ女伯。いや、正しくはリーガン女伯か」
「どっちでもいいわよ、そんなの。じゃ、みんな元の位置に戻ってー!」
私は兵士皆を集め、ほめてねぎらった後、2、3回同じ、実践訓練を行った。指揮官は戦争中にちょうどいいタイミングを見計らって、部隊を動かさないといけない。
クラウゼヴィッツとかの戦略論でも指揮官の才能で勝敗を大きく左右すると書かれている。私も頑張んなきゃね。
こうして合同訓練が無事終わり、私が軍の指揮をすることに確かな手ごたえを感じて、日々を過ごしていく。
私はまず余った現金1000万リーガンの使い道について考えていた。というのも私は貴族的な豪華な趣味を持ち合わせていない。投資会社社長ラームに貴族らしい贅沢をしろと言われても、あまり興味がなかった。
そこで思いついたのが、風呂やプールを作ろうってことだった。中世・近世では水は贅沢品だった。平民は井戸で水を汲んで生活用水としているのも多く、現在の日本みたいに水道があって、水があって当たり前という時代じゃない。
前回言ったけど、中世ヨーロッパにも風呂屋があった。でも、水が貴重である以上、結構金がかかる。ローマ帝国時代なら赤字垂れ流しで、安い入浴料金で巨大な大浴場を作っていたけど、あんなんは普通に考えたら出来なかった。
維持費すごいんだよ、あれ。近世になって欧州諸国の多くが社会の風潮で風呂が滋養、病気の治療目的以外使われなくなってきたが、近世後期、衛生学的に風呂に入ることが重要という言説が流行り、少しずつ見直されていき、風呂が復活。
19世紀に現代のシャワーができて、個人でも風呂に入ることが出来た。といったざっと西洋の風呂の歴史を語ったけど、私はこの世界で水資源を散々開発したので、贅沢に豪華な風呂を領主自ら堂々ともつことで、みんなの衛生観念を復活させようとの試みようとした。
近世の時代、風呂に入る文化が廃れて、水恐怖症になってる。水は怖くないよー。みんなの宝だよーってことをみんなに広める。こっちの世界では最近まで戦争していて、仲良く風呂に入る習慣が廃れていた、それどころじゃないから。これじゃあ衛生など福祉に投資が集まらない。
ということでみんなでお風呂タイムだあ! 幸い、ミリシア、レミィ、ナターシャに加えて、メアリーが豪華な風呂ができたと聞いて、風呂に入りに、もとい、お祝いに駆け付けてくれたのでお風呂にレッツゴー。
メイドたちがフリルがついた裸エプロンドレスで私たちを出迎えてくれる。
「ようこそ、いらっしゃいました、ご主人様方」
「うんうん! 良きにはからえ」
「はーい、では、ご主人様、お背中流しまーす」
「よいぞ、よいぞ、苦しゅうない、苦しゅうない!」
私たちは裸エプロンで、ソープ、じゃなかった、お風呂でメイドたちに体を洗われる。なんか裸よりエロイぞ、裸エプロン。いかんいかん、こんなこと考えているから、メアリーに同性愛者だって言われるんだ。
でも女の子をエロい目で見て何が悪いんだ! 切なる言葉を私は心より叫んだ。いいじゃん、えっちってかわいいしカッコいいじゃん。好きだよ私。私もエロカッコいい女の子になりたーい。
と思ったら、隣で立ち上がった美女軍団のスタイルを見て私はビビってしまった。ロリータ体形のナターシャは別として、ミリシア、レミィ、メアリーはホントスタイルがいい。かっこいい、冷静に見たら裸エプロンなのに、スタイルがいいとカッコいいんだこれが。
ミリシアが私の熱視線に気づいたようで、からかってくる。
「何見てんの、ミサ?」
「えーと、富士山」
「なにそれ。ふふ、わかるわよ。やっぱり好きなのね。女のカ・ラ・ダ」
「そ、そ、そんなことないよお」
「ふーん。そうなの。じゃあ、私が洗ってあげようか、ミサのカラダ。私は好きだよ、ミサの事」
「な、な、なんですとー!」
ミリシアが笑顔で、胸を押し付けながら、私のカラダを洗い始めた。まてまて、ホントにソープじゃないんだから! 行ったことないけど! やばいから! 全年齢向けだから、これ! メアリーもこっちに気づき、楽しそうに近づいてくる。
「あら、ミサ。イイことしてんじゃん、私たちもいっしょに洗いっこしよ」
「ええー!? まじですか」
「マジよ、おおマジ。ねえ、ミリシア、背中のほうお願い、私、前のほうするから」
「いいわねそれ。じゃあいっしょにミサを洗いっこしましょ。よいしょ」
裸エプロンの美女二人にサンドウィッチ状態にされ、私はあまりのことに体中が火を噴いたように、熱くなってしまった。後ろも前もえっちな女の人……。こ、これは……!
「ちょ、ちょ、女同士でもやばいって、メアリー、ミリシア!」
と言ったことにメアリーは、
「私のミサの仲じゃない。貴女も私の前を洗ってよ、ミサの前洗ってあげるから」
「わ、わ、わ、おっぱい、近い。一枚の布切れごしのおっぱいが目の前に」
水にぬれていてメアリーのカラダにしっとりと張り付いているもん。とんでもなくエロ仕上がりのメアリーとミリシアは私の意を介さずに、
「ごしごしー、ミサごしごしー」
と鼻歌交じりに私のカラダを丁寧に洗っていく。ああ、胸を押し付けられていく。やわらけえ。ママぁ……。な、なんてことだ……! これはハーレムなのか、それとも襲われているのか、どっち!?
ドキドキのさなか、レミィがなんか遠くから見ていたようで、寂しそうに駄々をこね始めた。
「もう、ミサ、私が執事でしょ。ミサの体を洗うのは私なのが筋じゃない。この浮気者!」
「ちょ、待ってレミィ、話せばわかる。わ、わ、わ!」
彼女は無理やりミリシアとメアリーの間に入っていき、ミリシアが「あっ、石鹸落とした」と言ったのを期に、みんなが「え、どこ?」と美しい手で、私の下の方をまさぐり始めた。あ、あかんぞ、それは。それはあかん。ダメダメダメ、ダメ―!!!
「児ポだよ、それは!!」
と私がいきなり大声出したあとみんなびっくりして、「変なミサねー」「女同士だよー」「ミサ、照れちゃってカワイイ」と言いながら笑いあった。
ああ、もう、恥ずかしい目に合った。ミリシア、メアリーがそっちなのは知っているけど、レミィまでそっちのケがあるのかしら。ミーサ、どきどき!
まさか、お兄ちゃんのレクスが主食で、私はデザートなの!? うーん、それもいいかも。なーんてね。
全員で入浴した後、今度は蒸気風呂にみんなで入った。体がさっぱりした後、もう一回汗をかくのだ。
中世ヨーロッパでは都市で浴槽よりも一般的な公衆蒸気風呂があった、つまりサウナだ。私はもわっとした湯気のなかで木の椅子に座って風呂を浴びる。
レミィが流石に低体温の魔族のカラダだから、「私これ、無理……」と言ったので私は「じゃあ、外で待っててレミィ」と伝えて、ミリシア、メアリーとナターシャで蒸気風呂の我慢比べを始めた。
あちい……。汗をだらだらかき始めると、ナターシャが私に対してからかってきた。
「あら、ミサ、もう限界ですの? 私は全然! まだまだいけますわ」
「くう、負けるもんか、絶対勝つ!」
ミリシアとメアリーも私たちと同じように我慢比べをしているようだった。
「あら? ミリシア、貴女の肌、真っ赤ね」
「まあ、メアリー、古代では風呂はレジャーだったのよ。こんなの当たり前、平気。貴女こそ、汗がすごいわよ」
「ミ、ミリシアこそ」
「ふふふ……」
「ふふふ……」
二人が目の前に座っているから、裸エプロンの美女がたらりと汗を流しているのを、食い入るように見てしまう。汗がしたたるボディ。えっちだ……。立体感がすごい、ボリュームが。じー。はあはあ。いや、これサウナのせいね。ナターシャがひまなのかまだ私をあおってくる。
「どうしたのかしら、息を切らして。貴女のような子どもではもう無理なの、ミサ?」
「な、何でもない、大丈夫。私ノーマルだから。そっちこそ、息切れがすごいよ、ナターシャ」
「まさか。余裕余裕ですわ。貴女もう降参ですのよね?」
「別に、サウナ好きだし」
「えっ、そ、そう……。もう、こ、降参しません……?」
「なんで?」
「だって、だって……そんにゃきょといはれても、あつくへ、あつくへ、……きゅー」
「え、ちょ、ちょっとナターシャ!」
いきなりナターシャが倒れたのでみんなびっくりしてしまった。
レミィが外から見ていたようで、「ナターシャは魔族と人間のハーフだから、高温のところで長くいると死んじゃうよ」と言ったのを聞いて、みんな、しまった! と言って、ナターシャを担いで、急いで、ぬるま湯のバスタブに入れた。
近世ではバスタブは超上級貴族でしか持てない貴重品。マリーアントワネットとか、オーストリアから持ってきたバスタブにつかりながら、お風呂サロンを開いていたらしい。優雅だね。
ともかく、ぬるま湯に入ったナターシャは顔色が戻り、徐々にもとに戻っていった。私たちは湯船につかりながら、お風呂を再度楽しむ。
「無想転生のロリータ伯爵ふっかーつ!!! ほーほほほほ」
「そういえば、ナターシャ、前もそうだったけど、ロリータ服脱ぐと性格が変わるんじゃなかったの?」
「あら、わたくし現在もロリータ武装ですわ」
「はい? エプロンしか着ていないじゃない」
「ここをご覧あそばせ」
と彼女はエプロンのフリルの部分を引っ張って見せる。
「ええ……っ。フリルがあればロリータなの……」
「そうですわ! 水着のときもフリフリのワンピース! 今のエプロン姿もくぁわいい、フリフリフリル! これぞロリータの神髄!」
「じゃあ、その布切れをとれば、私のきゃわいい、シャイなナターシャちゃんが現れるわけね、ふふふ……!」
「キャー何をしてますの! あらーおやめになってくださいましー」
「よいではないかー、よいではないかー」
「あれー」
と無理やりナターシャのエプロンをはぎ取ると、彼女はもじもじしながら、頬を赤く染めて、恨めしそうにつぶやいた。
「み、ミサ、ひどい……! 私のエプロン、か、か、かっ、返してください……」
「やだ、そっちの方が可愛い」
「ひーん」
というおふざけをしている中メアリーが楽しそうにワインを転がしながら、果物をつまみ私の風呂の感想を述べ始めた。
「はあー、こんな大きな浴槽あるなんて羨ましいわ、ミサ」
「え、王宮にないの?」
「風呂はあるけど、小さいもん。こんなに皆で入るなんて初めて、いいなあ、憧れる。風呂は美容の宝。みんなでワイワイしながら入るのはやったことないもの」
「もうすぐプールできるけど、もしかしてメアリーはプールに入ったことないの?」
「噴水で遊んだことはあるけど、プールはないかな。昔は王宮にもあったらしいけど、教会がうるさくてね。水は堕落のもとだ! とかわけのわからないこと言って」
「それ貴族みんなそうなの?」
「私の知っている限りそうね。みんながこんないいお風呂があるって聞いたら、こぞって寄ってくるでしょうね……」
「それだ!」
「へっ……?」
「そうよ、この時代バスタブもプールもないなら、貴族たちの注目の的になるはず。私あまり貴族とコネクションがないから、投資資金を集めるのに顔がきかない。だからサロン作る予定だったし、プールお風呂完備のサロンを開きましょう!」
「いいわねそれ! これからの時代、女が外に出て活発に動くために、運動しないと。プールで運動不足も解消できて、汗をかいた後、お風呂で美を磨く。ご婦人方が喜ぶわよー」
「よーし! さっそく、レオに……。って私、今、裸エプロンじゃん! このままだと変態ロリになってしまう! しまった!」
「あっははは……」
とまあ、みんなに笑われて恥ずかしがりながらゆっくり私は湯船につかることにした。投資資金の使い道も思いついたし、楽しい女同士のカラダの付き合いができたし、なんて気持ちいいんだろう。私、し・あ・わ・せ。
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