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魔族大戦

第百四十一話 ミリシアの憂鬱

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 時間が過ぎ、ネーザン国内が安定化して、私はジェラードとともに西部戦線へと援軍に向かう。途中で寄った街々で歓迎を受けながら地方を眺めて、ネーザンの王都周辺と地方とはインフラ格差が大きいと改めて思い知った。

 同行している官僚たちに命じて、地方の実態と物資輸送効率化のための施政方針を私は決める。まあ、砕けて言っちゃえば、こんな地方の田舎道を通って戦線を無事に維持できるような大量の食い物運ぼうって言っても、そりゃ無理だよねって話。

 日本だって本当のド田舎は、中心街と離れたところじゃまともに整備されてない道路がいっぱいある。この前まで中世ヨーロッパのネーザンじゃあ、もう地方格差がすごいよねってこと。

 はあーあ、問題は山積みだ。

 そうやってウェストヘイムに向かうさなかで、私とジェラードは談笑していた。いつもの事だけど私は馬に乗れないから、彼に乗せてもらっていっしょに2ケツしてる。昔は馬に乗るのが怖かったけど、最近慣れてきたから、スリルがあって楽しい。あとジェラードとだし、ね!

 私が旅行気分を満喫していると、ジェラードは気さくに話しかけてきた。

「どうだ、物資輸送戦略の見直しは目処めどがつきそうか?」
「実は言うとちょっと困ってる」

「ほう、何故だ?」
「国王領と地方につなぐ道は大通りに限られていて、そこから中心に街々や経済が発展して行ってるんだけど、軍事的に強靭な道づくりをするには、道路再計画が必要になりそう。

 私はもとから、地方を発展させるために都市をターミナル化して、そこから蜘蛛の巣のように網の目に道路を発展する計画を進めているんだけど、いま早急に、軍事路として使うにはまだまだだいぶ時間がかかりそう。

 土木企業に頼もうにも、どこも再開発建設ラッシュで人手が足りないし、また、人手不足で経済的に価値があるところがどうしても優先度が高くなる。

 再改革で増えて行く物資を輸送するための計画があるんだけど、現場の状況見るとかなり食い違ってるところがあるから、軍事的に必要な道路を優先して舗装工事をしないとね。
 
 はあ、こんな状況どうしようかなあと」
 
「あら、それなら難民を使えばいいじゃない」
 
 ジェラードのセリフじゃないよ、彼はとても男っぽいから、オネエになったりはしない。ミリシアだ。ここ最近は国内でごたごたしていて、その話ばっかり繰り広げていたけど、ミリシアは宰相府以外私に付きっきりだ。
 
 そりゃあミリシアは楽師としても優秀だし、私が困ったときはこそっと助言をしてくれていた。今までの事でも彼女に相談して、アイディアをもらったこともある。意外とミリシアは陰謀とかが向いてるのかも。

 地味だけど長年魔王を補佐しているだけあって、彼女の言葉はかなり現実的で、的を射たところが多い。今回も私は彼女の言葉に感心した。

「それよ! ミリシア。今、魔族との戦争中で、大陸の半分くらいが魔族の支配領域になっているから、元の国から戦火を逃れようとネーザンにやってきた大量の難民がいるわ。

 一応国費で衣食住を最低限を賄うようにしているけど、戦時下だから不十分だって声がいっぱい上がっているし、ただ飯食わしてもネーザン国民への税負担が大きくなるだけ。

 なら、彼らに仕事を与えるために、土木工事勤務へと政府が斡旋することにしよう! 土木建築は、経済絶賛回復中の今はネーザン国民だけでは人材が賄いきれないし、難民を使って彼らを働かせましょう。

 まあ、強制労働は禁止するけど、今の不安定な暮らしをさせるより、ネーザンで仕事して金稼いでもらって、再び彼らの国が平和に戻ったとき、彼らが貯めた金で諸国の戦後経済を任せられる。

 ほうっておいたら結局、金持ち国のネーザンが支援金を払うことになるんだから、その手間も省けて一石二鳥。ミリシア、ナイスアイディア!」

「ありがと、ミサ」

 と優雅にほほ笑むミリシア。美人だから、そんな顔で笑顔を向けられると、女の私でもどぎまぎしてしまう。やめてよね。本気で勝負したら、私がミリシアに敵うはずないでしょ。

 私たちの会話を聞いてジェラードは納得している様子だった。

「そうか……これで、テットベリー領民たちも貧しい暮らしをせずに済みそうだな。領主として私からも頼むミサ、難民たちに仕事をくれ。もちろん我がテットベリー領が復興した暁には、借りは十倍にして返させてもらう」

「貴方も賛同してくれてうれしい。地主の了解を得ないと難民を働かすのは難しいから助かるわ。ネーザンでは農民は自由農民になっているけど、他の国じゃあ、農民は領主の所有物だから、法的に難しいところがあるもの。

 貴族院にも法案成立に協力してもらって、貴族の縁で領主たちを説得してもらいましょ。うん、それがいい」
「もちろん私も協力するぞ、ミサ。北方に縁がある貴族たちに手紙を送っておく」

「ありがと」

 私とジェラードが仲良くしているのをミリシアは穏やかにほほ笑んでいる。ほんと無駄なことを言わないし、的確な助言しかしないなあ、彼女。魔族を裏切ったというのが信じられない。

 そのことを聞いても全然話してくれないし、いつかその時になったらとしか言わないもん、彼女。ミリシアに何があったんだろうか。私がじっと見つめていると、かえって不思議な表情を返された。

 ちょっとキョトンとした感じが可愛い。素敵な表情が見せられなくて残念ね、男の諸君! いや、男の読者がいるのか知らないけど。そういえば私の話を女性が読んでいるのか……? そもそも誰が読んで……や、なんでもない。どうでもいいメタ妄想はよそう。

「かわいい! ミリシアさんったら、キョトンとした表情が母性本能をくすぐられる!」

 私が言ったわけじゃないよ、このセリフ。彼女は役に立たないから放っておいたけど、パステルの声だ。西部戦線の主戦力の親衛隊たちへの連絡係兼、私の郵便ポストとして彼女もついてきている。べ、別に私のペットじゃないんだからね!!! 勘違いしないでよね、フン!

 で、そんな感じのパステルに私は尋ねた。

「食っちゃべってないで、親衛隊たちの状況を報告してよ、パステル。貴女も一応、親衛隊員だから、何か聞いてるでしょ?」
「ああ、それなら、この先のソールズベリーの町でジョセフさんが私たちを歓迎してくれるみたいですよ、その時に聞けばいいじゃないですか。

 ああ、ジョセフさんたちがどんなお土産をくれるか楽しみですねー」

「それを早く言いなさいよ。ジェラード、ソールズベリーに向かって」
「了解した。皆の者、ソールズベリーで旅の疲れをいやすとしよう!」

「おおっ!!!」

 っと彼らテットベリー軍たちは声をあげる。援軍のために編成されたこの軍は、テットベリー騎士を中心とした北部および西部諸国の騎士たちだ。ジェラードはこの援軍の総指揮を任されている。

 こういった経緯で、私たちはソールズベリーでジョセフたち、西部戦線で戦っている軍の一部と合流した。大きな家を借りたのか、徴収したのかはわからないけど、ジョセフはそこで私たちや上級士官を歓待する。

 ということは軍事的な話の土産か。パステルがあとで駄々こねそう。ジョセフは地図を広げ、ジェラードに顔を向けた。

「テットベリー伯爵、この度の大軍勢の援軍、我ら親衛隊およびウェストヘイムの騎士たちはもろ手を挙げて貴方がたを歓迎いたします」
「うむ。この時を待ってはるばるやってきた甲斐があると言うもの。して、戦況は如何に?」

「では、ご報告します。まず、我々はミリシア殿のご助言通り魔族軍の占領下にあったゴート方面の補給基地を攻撃し、激戦の末、敵の補給線をずたずたにさせてもらいました」
「で、敵はどう出た?」

「当時、魔族側はウェストヘイムの南方まで占領地を広げていましたが、守るには難しいと判断した模様。前線への補給路が断たれたので、一度戦線を引き直したようでチチェスタ―地方に撤退。

 どうやら要塞を中心に、南西にあるブラックプール港を使い、船で補給を賄って戦線を再構築しているようです。従って……、いえ……」
「どうした?」

 ジェラードらとの軍議の言葉を遮ったジョセフはちらりとミリシアの方を見た。その様子に私が口を挟んだ。

「ミリシアは完全に私たち統一国側よ。私が保証する。余計な気遣いはいらないわ、ジョセフ」
「失礼しました。私とあろうものが美しき姫君を疑ってしまうとは、申し訳ありません。謝ります、レディ・ミリシア」

 ジョセフの言葉に、当のミリシアはすごく冷たい目で、彼をにらんだ。えっ、何? 恐いんだけど。ミリシアみたいな美人が黙ってにらんでいると、やたらビビってしまう。ひいいい。おねがいします、おねがいします。今日はアンパンしか買ってないんです!

 アンパンなんてお姉さまは食べないでしょ? ええっ、それもとっちゃうんですか!? うわあ、お姉さま、私の昼ご飯が……。もとい、ミリシアは満足したのか表情を緩め始めたので、私は正気に戻ったぞ!

 事態がややこしくならないようなので、ジェラードは話を進めようとジョセフに催促した。

「続けてくれ」
「はっ、それでは続けます。ブラックプール港からのチチェスタ―方面への補給線を皆さんには絶ってもらいたいのです。

 我らは私たち親衛隊を中心にチチェスタ―地方の攻略に尽力します。のち、テットベリー伯爵が率いるの皆さんは、ウェストヘイム西方からぐるりと回り、我らとともに敵を挟撃してもらいたいのです」
「相分かった。こちらからは兵を割かなくていいのか? お前たちも長い戦いで疲れているだろう」

「一個師団をお貸しいただければ十分です。ウェストヘイムでの反旗の兆しを見て、各地方に散らばっていた諸国の騎士たちが集まってきています。兵力自体はこれで大丈夫です」
「よし、なら、貴公からサンダーランド公によろしくと伝えてくれ」

「いえ、今、サンダーランド公爵は……」

 サンダーランド公爵とはネーザンの大貴族だ。カールトン会戦で騎兵を率いて、大戦果を挙げた人物。西部戦線の総司令官だ。ジェラードは真剣な表情でジョセフに尋ねた。

「公爵様に何かあったのか?」
「相次ぐ戦闘で傷を受けてしまい、とある場所で療養中です。場所は今は明言することはできませんが、生きております。重体なので、今はそっとしていただけるようお願いいたします」

「場所を隠匿しなければならないほどの傷か。わかった、で、今の指揮は誰がとっている?」
「便宜上、ウェストヘイムの公爵殿にお願いして司令官代理とさせてもらってますが、実質、我ら親衛隊の隊長、ルーカス卿が差配しております」

「ではルーカスに伝えよ。我らが来るまで勝ちに急ぐなよ、と」
「ふっ、承知しました。隊長も喜ぶでしょう」

 とジョセフは不敵に笑い、この場みんなで笑いあった。ジェラードはウィットのきいたジョークが上手いんだから。こういうやり取りをして軍議は終わった。

 私たちはソールズベリーで数泊したあと、ある森で一泊をした。夕食が終わり、夜の星空が綺麗なので、私はミリシアを誘って少し開けたところで星を眺めることにした。

「綺麗ね……」

 ミリシアは髪を夜風になびかせる。黒く漆を塗ったような長い髪が、星明かりのもと漆黒の天の川のように流れていた。星空も素敵だけど、隣にいる織姫の方が気になってしまった。

「ねえ、ミリシア?」
「どうしたの、ミサ?」

「なんで、ジョセフに怒っていたの、軍議のとき。貴女らしくなく返事もしないで、じっと彼をにらんでいた。理由を聞かせてくれたら嬉しいな」
「ああ、そんなこと……」

 彼女は前のときとは打って変わって、少女のようにあどけなく、たおやかに笑った。

「私ね、実は姫って呼ばれるのが嫌いなの」
「えっ、なんで、嬉しいじゃん」

「昔ね、嫌なことがあってね、そういうときに限って、姫、姫って、男の人は呼ぶの。本当は頭を下げつつ舌を出しているくせに。

 そんな光景が何度も続いて、私はもう嫌になっちゃったの。姫様とかは私の柄じゃないって。ただそれだけ。別にミサが気にすることじゃないわ」
「あの、さ。もし……よかったら、貴女の昔話を私に教えてほしいな。貴女、何かずっと抱えているでしょ。別に私は興味本位で言っているわけじゃないの。

 ただ貴女の事が心配で……。時々思いつめたような表情をするから……」
「ふふっ、ありがと。なんでもないよ、なんでもない。ミサは元気に皆をあれこれとこき使っていればいいの。そう、それでいい。ほんと、なんでもない……」

「そう……」

 彼女の満面の笑顔に何も言えなくなってしまう。男の人だったら、何か出来たのかな……。私、なんかジェラードとかジョセフとかがうらやましい。

 彼らには、ミリシアのような大人の美しい女性が泣いてしまっても、この星空の光からそっと涙を隠せるような、彼女を包み込める大きな胸があるから。

 私が少し落ち込んでいると、急にミリシアの目が険しくなったのでびっくりした。

「どうしたの、ミリシア?」
「誰か、いる……!」

「えっ!?」

 彼女が見つめる森の暗がりで、ざわざわと葉が騒ぎ始めた。えっ、うそ……敵……? 対し、ミリシアが凛とした声で私に言った。

「私の後ろに隠れて、ミサ!」
「う、うん!」
「そこにいるのは誰! 出てきなさい!」

 ミリシアが短刀を前にかざし、気配がする方向に刃をむける。そして、急に長い草がかき分けられて、人の影が見えた──

「──いったーい、ですわ」
「なんだナターシャか……て、なんであんたがいるの?」

 私は彼女に当然の疑問をぶつける。武器研究のため王都レスターに置いてきた学者兼科学者のナターシャが、白ロリータ服を黒くしながらこちらにやってきて嘆き始める。

「ああ、これはひどいですわ! わたくしのきゃわいらしい、ドレスがまっくろくろに。これでは白ロリータ失格ですわ!!!」
「それは後でいいから、なんでここに……」

「まあ、靴も泥だらけ、全くこんなところに森があるなんて、信じられませんわ! ヴェスペリアってホント不便ですわね! 私の飛行機が木に引っ掛かってしまったじゃないですの! 領空域を安全になさいな!」
「いや、話が見えないんだけど……」

「ああ……、わたくしのバッグがつぶれてしまってる。お気に入りだったのに……」

「ちょっとナターシャ、説明して!!!」

 私じゃないミリシアの声だ。彼女が大声出すなんて私は初めての経験だったので、震えあがってしまった。ナターシャも白い肌がさらに青白くなったようで、まごつき始めた。少し黙っていると、ぽつぽつと捨てられた子犬のように状況を説明してくれた。

「み、ミリシア様……ご、ごきげん……よう。えーと、これはですね。わたくしは武器の研究を任された、学者兼科学者兼、無想転生のロリータ伯爵ですので、いっちょ、空を長距離、飛んでみたいなーなんて……思っただけで、その……」
「もしかして、私たちについてきたの?」

 私の言葉に、急に頬を染めてきょどりながら、もじもじしだすナターシャだった。

「ち、ちがいますわ! わたくしが、みんながいなくて寂しいとか、そんなこと考えるわけがありませんもの! あくまで研究のための、フロンティアスピリットですわ! ほら、空をとんでみたいでしょ! 夢見るロリータなら!」

 彼女の言い訳に私たちは吹いてしまい、ナターシャは真っ赤な顔で怒り始めた。

「違いますわ! 違います、違います! わたくしは無想転生のロリータ伯爵。ええ、孤独なんて慣れっこ。いつも置いてけぼりですもの。ええそう、わたくしは学者ですから! 慣れてて当然ですわ!」

「はいはい、わかった。こっちにいらっしゃい。顔が汚れているわよ」

 バブみを見せるミリシアにつられて、私もうさぎロリータさんに声をかける。

「いいよ、何も言わなくて。そうだ、ずっと飛行していたのなら、おなか空いているでしょ。夕食残っていたけど、食べる? 早く行かないと片付けられるわよ」
「な、なによ、わたくしが飯につられるとでも思ってらっしゃるの?」

「そうそう、あれはおいしかったわね、ミサ。あのイノシシ鍋は」

「──さあ、いきましょ、ミリシア様。ほらミサもぼうっとしてないで、鍋が冷めてしまいますわよ!」

「ふふ、単純ね。ふふふ」
「うふふ、はは……」

 ミリシアと私は顔を見合わして笑い合った。ナターシャは不満げな表情を浮かべながらも、「おいていきますわよ!」といって、明後日の方向に歩く。そっちじゃないよと私たちは笑い合いながら、寂しがり屋のウサギさんをイノシシ鍋へとエスコートしたのだった。
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