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魔族大戦
第八十五話 要塞防衛戦②
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大砲の砲弾が魔族の大軍へ撃ち込まれていく、しかし魔族は崩れなかった。士気が高い……! ドンドンと要塞の壁に張り付こうと、距離を縮めていく。ルーカスはすぐさま命令した。
「超弩弓!」
「はっ!」
「発射用意」
「撃て!」
弩弓に撃ち込まれて、魔族たちが倒れていくが、立ち上がって、壁へと張り付いた。なにこれ……。これが魔族!? 食らっても食らっても立ち上がってくる、そんな中、敵から獅子に乗った魔族たちが猛スピードで押し寄せてくる! 騎兵がいるの!?
魔族たちはこちら側に先手をとられる前に大きな鏡をかざした。そうすると、城壁にいた我が兵士が石にされていく──! そんな兵器、アリなの! ルーカスは壁に張り付く魔族たちに対して、弓矢を放つよう命令した。
「矢や銃を浴びせろ! とにかく撃ちまくれ!」
「はっ!」
「構え」
そのときだ、壁の防御兵が混乱する中、女魔族が空を悠々と飛び、城壁の兵を鋭い爪で切り裂いていく! 私は思わず「嘘よ!」と叫んでしまった。あまりに連携された、攻城戦。現場の兵も混乱を極め、兵がどんどん持ち場を離れていく!
「うわあああ!」
「持ち場を離れるな! 死にたいのか!」
当の指揮官は必死だが、次々と飛兵の女魔族に狩られていき、ついには正門を開ける装置室に侵入し、正門が開かれる!
「まずい!」
「宰相閣下!」
「何? ルーカス!?」
「要塞は落ちます、その上で進言します、兵たちを要塞に内部に伏せるようご命令くださいませ、ゲリラ作戦で何としても敵を食い止めます」
「でもこの要塞が落ちたら……!」
「いえ、相手はまとまった敵に対して、戦術的に攻略できることが確認されました。これには要塞内部に引き込み、相手を分散させて、抵抗し、時間を稼ぐよう、作戦計画があります。親衛隊士官が指揮をして、相手がこれ以上大軍を動かせないよう、抵抗作戦を試みます」
「それが可能なの……?」
「……閣下、ご決断を」
私は少し悩んだが、緊急事態だ、一応ここの要塞の責任者である以上、私が決断する必要がある。私は軍事に関して素人だ、ここは専門家のルーカスに任せた方がいいのだと思う。
「わかった、貴方に任せるわ」
「はっ」
ルーカスがあれこれ士官たちを集めて指示をする。まさに緊迫したその瞬間、獅子に乗った魔族が要塞内を縦横無尽に駆け回り、兵を殺していく、その中で黒髪の大男が大剣を振り回し兵たちをどんどん狩っていく。
「俺はヴェルドー! 雑魚どもが! この俺を妨げようなど、一切の無駄! 俺様が愚かな人類を一人残らず殺しつくしてやる! くはははは──!」
あの男……魔族じゃないじゃない!? だってどう見ても人間だし、肌は白い。耳も人間と一緒、何、何なのあの男は!? 兵たちが死んでいくのを眺めることしかできず、体が硬直していると、私にジョセフが近寄ってきた。
「ミサ様、頃合いです」
「えっ……」
「要塞を脱出し、ウェストヘイムに向かいます」
「ちょっとまって、ここの兵たちはどうなるの!?」
「貴女がここにいてどうにかなりますか?」
「……!」
「ミサ様、脱出というのはタイミングが重要で、下手に決断を遅らせると、ここ、司令部が包囲されて、脱出が難しくなります。そうなれば、後退するにはもっと多くの兵の犠牲が必要になります。
安全に脱出できる今こそ速やかに貴女は後退すべきでしょう。ここの士官たちを信頼してください。彼らは立派にヴェスペリアのために戦います。そのためには貴女が生きなければなりません。貴女はネーザン国民の希望なんです」
「……」
「貴女はネーザンの、ヴェスペリアの宰相。生きなければ、彼らの犠牲が無駄になりますよ」
「……」
「ミサ様!」
「わかった……貴方に任せるわ」
「了解!」
私はそうして、要塞を脱出するよう、準備し兵を連れて、地下坑道を通り要塞から脱出した。まさか、こんな簡単にレッドヴァレイ要塞が落ちるなんて……。それにあの男、ヴェルドーと名乗ったあの男は何……?
この戦い、死に物狂いで戦わなければ、勝てない……!
「超弩弓!」
「はっ!」
「発射用意」
「撃て!」
弩弓に撃ち込まれて、魔族たちが倒れていくが、立ち上がって、壁へと張り付いた。なにこれ……。これが魔族!? 食らっても食らっても立ち上がってくる、そんな中、敵から獅子に乗った魔族たちが猛スピードで押し寄せてくる! 騎兵がいるの!?
魔族たちはこちら側に先手をとられる前に大きな鏡をかざした。そうすると、城壁にいた我が兵士が石にされていく──! そんな兵器、アリなの! ルーカスは壁に張り付く魔族たちに対して、弓矢を放つよう命令した。
「矢や銃を浴びせろ! とにかく撃ちまくれ!」
「はっ!」
「構え」
そのときだ、壁の防御兵が混乱する中、女魔族が空を悠々と飛び、城壁の兵を鋭い爪で切り裂いていく! 私は思わず「嘘よ!」と叫んでしまった。あまりに連携された、攻城戦。現場の兵も混乱を極め、兵がどんどん持ち場を離れていく!
「うわあああ!」
「持ち場を離れるな! 死にたいのか!」
当の指揮官は必死だが、次々と飛兵の女魔族に狩られていき、ついには正門を開ける装置室に侵入し、正門が開かれる!
「まずい!」
「宰相閣下!」
「何? ルーカス!?」
「要塞は落ちます、その上で進言します、兵たちを要塞に内部に伏せるようご命令くださいませ、ゲリラ作戦で何としても敵を食い止めます」
「でもこの要塞が落ちたら……!」
「いえ、相手はまとまった敵に対して、戦術的に攻略できることが確認されました。これには要塞内部に引き込み、相手を分散させて、抵抗し、時間を稼ぐよう、作戦計画があります。親衛隊士官が指揮をして、相手がこれ以上大軍を動かせないよう、抵抗作戦を試みます」
「それが可能なの……?」
「……閣下、ご決断を」
私は少し悩んだが、緊急事態だ、一応ここの要塞の責任者である以上、私が決断する必要がある。私は軍事に関して素人だ、ここは専門家のルーカスに任せた方がいいのだと思う。
「わかった、貴方に任せるわ」
「はっ」
ルーカスがあれこれ士官たちを集めて指示をする。まさに緊迫したその瞬間、獅子に乗った魔族が要塞内を縦横無尽に駆け回り、兵を殺していく、その中で黒髪の大男が大剣を振り回し兵たちをどんどん狩っていく。
「俺はヴェルドー! 雑魚どもが! この俺を妨げようなど、一切の無駄! 俺様が愚かな人類を一人残らず殺しつくしてやる! くはははは──!」
あの男……魔族じゃないじゃない!? だってどう見ても人間だし、肌は白い。耳も人間と一緒、何、何なのあの男は!? 兵たちが死んでいくのを眺めることしかできず、体が硬直していると、私にジョセフが近寄ってきた。
「ミサ様、頃合いです」
「えっ……」
「要塞を脱出し、ウェストヘイムに向かいます」
「ちょっとまって、ここの兵たちはどうなるの!?」
「貴女がここにいてどうにかなりますか?」
「……!」
「ミサ様、脱出というのはタイミングが重要で、下手に決断を遅らせると、ここ、司令部が包囲されて、脱出が難しくなります。そうなれば、後退するにはもっと多くの兵の犠牲が必要になります。
安全に脱出できる今こそ速やかに貴女は後退すべきでしょう。ここの士官たちを信頼してください。彼らは立派にヴェスペリアのために戦います。そのためには貴女が生きなければなりません。貴女はネーザン国民の希望なんです」
「……」
「貴女はネーザンの、ヴェスペリアの宰相。生きなければ、彼らの犠牲が無駄になりますよ」
「……」
「ミサ様!」
「わかった……貴方に任せるわ」
「了解!」
私はそうして、要塞を脱出するよう、準備し兵を連れて、地下坑道を通り要塞から脱出した。まさか、こんな簡単にレッドヴァレイ要塞が落ちるなんて……。それにあの男、ヴェルドーと名乗ったあの男は何……?
この戦い、死に物狂いで戦わなければ、勝てない……!
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