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番外編 のんきな兎は強い
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「え、風邪?風邪が流行っているの?」
「そうっす。それで孤児院が今やばいらしくて。休暇もらったんで、俺看病しに行ってきます」
ソニーが休暇を取ったと聞いて、どこか行くのかと尋ねてみると、そう返ってきて驚く。
「そうなの?じゃあ僕も行く!」
「え!?いやいや、駄目っすよ!ウルル君も感染っちゃいますから!」
「僕もね、明日休みだから。お手伝いするね。みんな元気かなぁ」
「いや、だからみんな風邪ひいてるから、元気ではないから……」
ソニーは感染るから駄目だと言ってくるけれど、そんなに遠慮しなくてもいいのに。僕は大人だからね、子どもの風邪なんて感染らないよと笑うと、苦笑されてしまった。
「……じゃあ、隊長がいいって言えばいいっすよ」
そう言われたため、休憩時間にソニーを引っ張って団長部屋へ。丁度、ロイも休憩らしく、出てきたところに鉢合わせた。
「ロイ!明日ね、孤児院に行ってくるね!」
「大切なこと何も言えてないっすよ!?隊長、あの……」
「あ?……あぁ、ウルルも看病しに行くってことか?じゃあ明日は俺も遅くなるから、迎えに行くまでそこで待ってろ」
頭を撫でながら言われて、分かった!と元気良く返事した。何故か苦笑される。ちゃんと返事したのに、どうしてそんな顔するの?と首を傾げるが、何もねぇよと言われる。
「え?え?いいんすか?隊長?孤児院、今やばくて……」
「人手が多いに越したことねぇだろ。ウルルが行きたいなら構わねぇよ」
ソニーが何故かびっくりしたようにポカンとしているが、僕はぴょんぴょん飛びながらご飯食べに行こう!と食堂までロイとソニーの腕を引っ張る。
「んん~。うぅ、重い……。二人とも重い……。自分で歩いてよぉ……」
だが、二人とも重くて、引っ張ってもなかなか動かせない。悲しくなってきて、しくしく泣きながらそう言うと、
「お前が勝手に引っ張ったんだろうが、この馬鹿うさぎ」
ロイに呆れたようにそう言われる。口調とは裏腹に、しょぼくれている兎耳を優しく撫でてくれて、気分が上がる僕。
「いいんすか本当に。いや、確かに人手が多いに越したことはないスけど……」
ソニーはぶつぶつ言いながら、下を向いて考えこんでいる。どうしたんだろう、お腹空いていないのかな。今日は野菜たっぷりのシチューだって言ってたから、僕は朝からずっと楽しみだったのに。
「ソニー、いらなかったら僕が食べるね。ニンジンちょうだいね」
「いや、飯は食べるっす。ニンジン欲しいならあげますけど」
苦笑してそう言ったソニーに、わぁいと兎耳をピコピコして喜ぶ僕だったが、ガシッとそれを掴まれて止められる。
「おい、ソニーの飯を取ろうとするな」
ロイに怒られて、掴まれた兎耳が力を失くす。
「うぅ、取らないもん、貰うんだもん……」
「俺のをやるから、他のやつから貰おうとするな」
「くれるの?わぁい」
すぐに立ち上がる耳に、手を離したロイはため息をついて優しく撫でてくれた。嬉しい!と跳ねる僕に、ソニーは「甘いっすねぇ」と苦笑した。
食堂では、しっかりロイからニンジンを貰った僕。周りは何故か驚いていたけれど、みんなニンジンが欲しかったのかもしれない。僕だけが貰っていてずるいと思ったのかも。と、みんなに他の野菜をあげようとしたら、苦笑されて、
「いらねぇよ、しっかり食え、小さいんだから」
「そうだぞ、あげるな、自分の飯は守れ。小さいんだから」
「食べて大きくなれよ、小さいんだから」
と、口々に言われてしまった。
「うぅ、小さくないもん、兎族の中では大きいもん。ちゃんと大人だもん」
シクシク泣きながら食べるはめになってしまった。ロイは笑って、あれも食え、これも食えってどんどん分けてくるから、お腹がいっぱいになったのだった。
ーーー
「……本当に行くんすね?」
「うん?行かないの?」
「よろしく頼む」
ソニーが、迎えに来るって言うから待っていた僕だったが、来て早々にそう言われて首を傾げる。ロイが返すと、ソニーは分かりましたと頷いて、一緒にロイを見送った。
「僕、一人でも行けるよ?」
「迷子の前科がある子が何を言っているんすか。いいんすよ、遠回りにもなってませんし」
僕が迷子になると思っているソニーに苦笑して言われる。さすがにもう迷わないと思うんだけどなぁ。
「それより、そのリュックは何が入ってるんすか?俺持つっすよ」
「うん?いいの、これは。そんなに重たくないから大丈夫だよ」
そう言った時、小石に躓いて転びそうになったが、リュックの重みで横へと倒れそうになる。ガシッとソニーに腕を掴まれ、なんとか体勢を整える。
「危なかった~。ありがとう、ソニー」
「うん、やっぱり俺が持つっす。確かに、そんなに重くはないっすけど、ウルル君には重いでしょ」
ソニーはそんな僕からリュックを奪うと、そう言って、転ばないようにと注意し始めた。僕は兎耳を垂らして、ちょっと躓いただけなのに……としくしく泣いた後、荷物を持ってくれてありがとうとお礼を言った。
そして、久しぶりに孤児院に来た僕。入ると、元気な子たちが歓迎してくれた。
「わぁ!遊びに来たの?遊ぼう!」
「ウルルだ!遊ぼう!」
「おい、病み上がりだろ。お前はまだ熱あるだろ!寝ないと」
寄ってきてくれる子たちに、ソニーが慌ててそう言い、寝室へと連れて行った。残った僕は、他の子に案内してもらい、キッチンへ。リュックの中から、材料を取り出すと、スープを作り始める。
「何を作るの?美味しいもの?」
可愛い子どもたちが興味津々に覗き込んでくる。可愛いな~と思いながら、顔色や息遣いを確認する。ふむふむ、ここにいる子たちは熱が引いたのか、多少は元気になった子たちらしい。
「そうだよ、温かくて美味しいもの作るよ~」
そう言うと、キャッキャと嬉しそうに笑ってくれるため、僕も嬉しくなる。材料は切ってきたし、味付けもしたものを持ってきたから、後は煮るだけだと、弱火にして蓋をする。そして、ソニーを追って子どもたちの部屋へ。ソニーが小さい子を寝かしつけたり、泣いている子をあやしたりしていた。僕もそこにそろそろと入る。
「あっ、ウルル君、ちょっとここみんなグズってるんで……」
「うん、そうだね、苦しいね。呼吸できないね、ぬりぬりしようね~」
ソニーが言いかける前に、ぐずぐずと泣きながらベッドで寝転んでいる子に話し掛けて、胸元に薬草で作った薬を塗った。キョトンとするその子に、スーハーってしてごらん、と言うと、素直に深呼吸してくれて、すぐにウトウトし始めた。頭を撫でてあげると、すうっと眠りにつく。うんうん、スッとしたね~。
「……え、寝た?ウルル君、それ、何すか?」
「これ?これはねぇ、薬草を煎じたもので、スッとするから息がしやすくなるの。あ、熱が高い。えーっと、あったあった、これ飲んで。甘くしたからね、大丈夫だよ」
びっくりしたように聞いてくるソニーに返しながら、他の子に触れると体が熱くて、慌てて解熱効果のある薬を飲ませる。僕は苦いのが苦手だから、なるべく甘くして作っている。それが今回は役に立った。恐る恐るだがしっかり飲んでくれた。よしよし、良い子だね、と氷枕を変えてあげる。別の子は咳がひどいから咳止めを、頭が痛いと言う子には痛み止めを飲んでもらう。なんとかみんな寝静まって、何故か呆然と立っているソニーの腕を引いて下へ。煮込んでいたスープは、いい具合にコトコトと煮られていて、美味しそうな匂いが漂っていた。火を止めて、興味津々の病み上がりだろう子たちによそってあげる。もうお昼だし、丁度いいね。
「ゆっくり飲むんだよ。フーフーしてね」
そう言って渡していくと、みんなふーふーと息を吹きかけて、はふはふと食べ始めた。
「おいしい、ウルル兄ちゃん、これおいしいよ!」
「とろとろしてる。のど、痛くないよ」
「ぽかぽかする」
たどたどしくも、思い思いに感想を言ってくれて嬉しくなる。ソニーにもよそってあげると、呆然としながら食べてくれた。
「これ、何すか?なんか、すごい体が温まるっす」
「うーんとね、風邪引いた時に食べるスープだよ。体が温まるし、喉にもいいんだよ。いっぱい食べてね」
そう言いながら、おかわりをしてくれた子によそっていると、ガチャッと扉が開く。そっちを見ると、ボーッとした様子のテイル君が。
「なんか、美味そうな匂いがして……」
僕より大きな体だが、どこか幼く感じる様子に、やっぱり子どもだなぁと思いながら、テイル君にもスープを入れてあげる。テイル君はさっきの部屋にはいなかったから、別の部屋で休んでいたのだろう。いっぱいお食べ、とたくさん入れてあげた。
「あれ、そういえば大人の人は?」
「あぁ、先生はダウンしてるっす。昨日まではなんとか踏ん張ってチビたちの面倒見てたらしいけど、今日の朝にぶっ倒れたって」
「先生ね、頭がぐるんぐるんってなってたんだよ」
「それでね、バターンって倒れたの」
「みんなで運んだんだよ」
代わる代わる教えてくれて、はわわ、と心配になる。それは大丈夫なのかな、看病しなくていいのかな。
「あ~、いいっす、あの人今死んだように寝てるんで」
苦笑しながら言われて首を傾げる。どうも、今はとにかく寝たいらしく。放っておいたら回復するタイプだからいいのだと。そうなんだと、そんな人もいるんだなぁと感心する。僕なら、病気になった時はとにかく構って欲しくなるから、ロイにずっと抱っこしていて欲しいもん。
「あ~……、なんだかまた眠くなってきた。俺、もうちょっと寝てくる。……ソニー兄ちゃん、まだいる?」
何処か不安そうにそう言ったテイル君に、
「今日は俺泊まるから、しっかり寝ろ」
ソニーは笑ってそう返した。テイル君はホッとしたように表情を緩めると、そのまま部屋へと戻った。
「ソニー、お兄ちゃんだね。すごいね、みんなソニーが大好きなんだね」
「そう面と向かって言われると照れるっす。あぁ、ほら、眠たくなったならベッド行くぞ」
食べながらウトウトしている子に、ぐらぐら揺れている頭を慌てて支えながら言ったソニーは、抱き上げて、寝かせてくるっす、と行ってしまった。
「ウルル、僕も、抱っこ」
同じように眠たいのか目をこすりながら服を引っ張られて、抱っこする。猫耳がふわふわと頬に当たってくすぐったい。小さくて温かい体に、可愛いなぁと頬が緩む。他の子も、服を掴んできて、歩けると言ってくれたため、僕たちも一緒に部屋へ。それぞれ寝かせて出ると、今まで寝ていた子たちが起きてきたためスープを食べてもらう。そして、また部屋へ。なんとかみんなを寝かせて、僕も服を掴んで離さない子と一緒にベッドに寝転ぶと、いつの間にか眠ってしまっていたのだった。
ーーー
「……んん……はっ!寝ちゃってた!」
寝ていたことに気付いて、慌てて起き上がると、まだ外は暗くなる前だった。周りを見ると、まだみんな眠っていて、そーっとベッドから降りる。部屋を出ると、ソニーが僕に気付いて、
「あ、起きたっすか?まだ隊長は来てませんよ。チビらも腹が膨れたからか、あれからずっと寝てるっす」
手招きするとお茶を入れてくれた。
「ごめんね、手伝いに来たのに寝ちゃった……。そうだ、今日は僕も泊まるよ!朝まで看病するね!」
「いや、気持ちだけで十分っす!みんな、寝息が穏やかになったし、もう大丈夫っす。ウルル君がいてくれて、すごく助かったっす。あ、そうだ、薬代いくらっすか?」
ソニーが、そう言いながら財布を出してきて、キョトンとする。
「あれは僕が育ててるものだからいらないよ。庭でね、育てられるようになったから、たくさん育てているの。あのね、熱は上がりすぎると良くないからね、これ渡しておくね。あとはね、これが咳止めで、これが……」
「え!?いやいや、それは駄目っすよ!薬は貴重なんすから!」
持ってきていた薬を渡しておこうと、机に並べ始めた僕に、ソニーが慌てたように言ってストップをかけてきた。
「うん?薬草は誰でも作れるから、別に貴重じゃないよ?」
「いや、そりゃ兎族はそうかもしれないすけど……」
「薬草は頑丈だからね、誰でも育てられるよ!」
「薬草って頑丈なんすか?いや、でも薬は買うと高価だし……」
「薬草は高価じゃないよ?」
「ええ、まぁ、そりゃ薬草で買うとまだお手頃かもしれないけど……」
「お手頃じゃないよ、育てられるから無料だよ」
「無料ではない、と思うっす……」
混乱しているソニーに首を傾げる。どうしたんだろう。薬草は庭からむしってきたやつだし、煎じたり、煮たり、干して乾燥させて粉状にしたりと飲みやすいようにしているだけだし、そもそも家には何個もストックがあるから、使っても支障はない。そうだというのに、ソニーはお金を払うと言ってくる。
「いや、やっぱり駄目っすよ、薬代払うっす!」
「どうして?薬代なんてかかってないのに、そんなの貰ったら、強盗になっちゃう。はっ、僕犯罪者になる……?うぅ、怖い、お手伝いに来ただけなのに……」
違法にお金を請求したと捕まって牢屋に入れられる想像をして、怖くなってしくしく泣き始める僕。ソニーは、どうしてそうなるっすか!と慌てたように慰めてくれる。
「……おい、何してんだ」
すると、後ろから呆れたような声が聞こえて振り向くと、ロイが立っていて僕たちを見下ろしていた。
「た、隊長!お疲れ様っす!これは違……!」
「悪いな、呼び鈴鳴らしたんだが、鳴らなかったから入らせてもらった。いい、世話掛けたな。ウルル、どうした」
ソニーが慌てて立ち上がったが、ロイは手で制してそう言うと、僕の頭を撫でながら聞いてきて、促されるまま説明する。
「……あぁ?どこから捕まる話になるんだよ。ソニー、薬代は別にいらねぇ。薬草作りはこいつの趣味だ、ありがたく貰っとけ。そろそろ帰るぞ」
「っありがとうございます!」
ロイがそう言うと、ソニーは納得したのか、ガバっと頭を下げて礼を言った。僕には払うって譲らなかったのに、どうして?はっ、もしかして僕、貧乏だと思われている?
「ソニー、僕もう3食ちゃんと食べられるぐらいお給料貰っているから、お金はあるよ!」
だから、そんなに貧乏じゃないよ!と続けると、
「あ?3食どころか、間食もできてるだろうが。まだ足りてねぇなら言え」
ソニーじゃなくてロイが返してきた。
「違うよ、僕が貧乏だから、ソニーが薬代を……」
「あぁ?まだ貧乏だと思ってんのか?次の休み、買い物に行くぞ。お前が好きなもん、片っ端から買ってやる」
「お出かけするの?一緒に?行く!楽しみだねぇ」
「……話が噛み合ってないっす」
苦笑したソニーに言われて、そうだ、僕は貧乏じゃないって話をしていたんだと思いだすと、それじゃないっす、と返された。首を傾げる僕に、ロイに帰るぞと腕を引かれて、ソニーにまだスープいっぱいあるから飲んでね!と伝えると、孤児院を後にしたのだった。
ーーー
「ウルル、お前は大丈夫なのか?」
口々に、騎士たちからそう聞かれる僕。後日、孤児院の子どもたちも先生も元気になったとソニーが帰ってきたのだけど、仕事中、顔が赤いことに気付いて医務室に行くと熱があることが発覚したらしく。今は療養中だ。それに比べて、僕はケロッとしているから、みんな不思議そうに言ってくるのだ。
「僕は強いからね、大丈夫なんだよ」
胸を張って言うと、苦笑されて、「熱出たら言えよ」「無理すんなよ?」「辛かったら休めよ?」と気遣われる。どうしてだろう、僕こんなに元気なのに。
「あぁ?ウルルは大丈夫かって?あいつは風邪なんぞ引かねぇよ。兎族がどうして薬草を育てられると思う。病気や怪我が怖いからだよ。ウルルは普段から料理で薬草も使うからな、免疫力高いんだよ。」
ロイと一緒にいる時にも聞かれて、ロイがそう応えると、
「あぁ!だから行くの許したんですね。なるほど、そう言われると確かに。予防もばっちりってわけですか。なるほど~」
騎士たちは、すごく納得した!と言わんばかりに、なるほどと繰り返して行ってしまった。
「僕が強いって話?」
ロイにそう聞くと、笑って「間違ってはねぇな、そうだ」と言ってくれたため、胸を張る僕。
「あのね、薬草はあれを使ってね、あ、あっちの薬草は熱を下げるのに効果があって……」
家に帰ると、褒められた事が嬉しくて兎耳をピンと立てながらロイに薬草の説明をし始める僕。ロイは、相槌を打ちながら聞いてくれていたけれど、薬草の育て方の説明をしようとした時に、腕を引かれて口を塞がれた。
「んん……はぁっ……」
「薬草の話はまた今度な」
離れた唇を追う僕に、兎耳を撫で下ろすように指を滑らせながらそう言ったロイは、再び合わせてくれる。もっと、もっと、とロイに抱き着く僕に獰猛に笑うと、抱き上げて寝室へと運ばれる。
「ロイ好き、大好き。好き……」
「口開けろ、ウルル」
ロイの首に腕を回し、言われるまま少し唇を開くと、そこを割って入ってくるロイの舌に、気持ち良くなってくる。
「もっと、ロイ。もっと……」
「ふっ。ウルル、愛してる」
もっと可愛がって、とロイに甘える僕に、小さく笑ったロイはそう言って存分に愛してくれるのだった。
「そうっす。それで孤児院が今やばいらしくて。休暇もらったんで、俺看病しに行ってきます」
ソニーが休暇を取ったと聞いて、どこか行くのかと尋ねてみると、そう返ってきて驚く。
「そうなの?じゃあ僕も行く!」
「え!?いやいや、駄目っすよ!ウルル君も感染っちゃいますから!」
「僕もね、明日休みだから。お手伝いするね。みんな元気かなぁ」
「いや、だからみんな風邪ひいてるから、元気ではないから……」
ソニーは感染るから駄目だと言ってくるけれど、そんなに遠慮しなくてもいいのに。僕は大人だからね、子どもの風邪なんて感染らないよと笑うと、苦笑されてしまった。
「……じゃあ、隊長がいいって言えばいいっすよ」
そう言われたため、休憩時間にソニーを引っ張って団長部屋へ。丁度、ロイも休憩らしく、出てきたところに鉢合わせた。
「ロイ!明日ね、孤児院に行ってくるね!」
「大切なこと何も言えてないっすよ!?隊長、あの……」
「あ?……あぁ、ウルルも看病しに行くってことか?じゃあ明日は俺も遅くなるから、迎えに行くまでそこで待ってろ」
頭を撫でながら言われて、分かった!と元気良く返事した。何故か苦笑される。ちゃんと返事したのに、どうしてそんな顔するの?と首を傾げるが、何もねぇよと言われる。
「え?え?いいんすか?隊長?孤児院、今やばくて……」
「人手が多いに越したことねぇだろ。ウルルが行きたいなら構わねぇよ」
ソニーが何故かびっくりしたようにポカンとしているが、僕はぴょんぴょん飛びながらご飯食べに行こう!と食堂までロイとソニーの腕を引っ張る。
「んん~。うぅ、重い……。二人とも重い……。自分で歩いてよぉ……」
だが、二人とも重くて、引っ張ってもなかなか動かせない。悲しくなってきて、しくしく泣きながらそう言うと、
「お前が勝手に引っ張ったんだろうが、この馬鹿うさぎ」
ロイに呆れたようにそう言われる。口調とは裏腹に、しょぼくれている兎耳を優しく撫でてくれて、気分が上がる僕。
「いいんすか本当に。いや、確かに人手が多いに越したことはないスけど……」
ソニーはぶつぶつ言いながら、下を向いて考えこんでいる。どうしたんだろう、お腹空いていないのかな。今日は野菜たっぷりのシチューだって言ってたから、僕は朝からずっと楽しみだったのに。
「ソニー、いらなかったら僕が食べるね。ニンジンちょうだいね」
「いや、飯は食べるっす。ニンジン欲しいならあげますけど」
苦笑してそう言ったソニーに、わぁいと兎耳をピコピコして喜ぶ僕だったが、ガシッとそれを掴まれて止められる。
「おい、ソニーの飯を取ろうとするな」
ロイに怒られて、掴まれた兎耳が力を失くす。
「うぅ、取らないもん、貰うんだもん……」
「俺のをやるから、他のやつから貰おうとするな」
「くれるの?わぁい」
すぐに立ち上がる耳に、手を離したロイはため息をついて優しく撫でてくれた。嬉しい!と跳ねる僕に、ソニーは「甘いっすねぇ」と苦笑した。
食堂では、しっかりロイからニンジンを貰った僕。周りは何故か驚いていたけれど、みんなニンジンが欲しかったのかもしれない。僕だけが貰っていてずるいと思ったのかも。と、みんなに他の野菜をあげようとしたら、苦笑されて、
「いらねぇよ、しっかり食え、小さいんだから」
「そうだぞ、あげるな、自分の飯は守れ。小さいんだから」
「食べて大きくなれよ、小さいんだから」
と、口々に言われてしまった。
「うぅ、小さくないもん、兎族の中では大きいもん。ちゃんと大人だもん」
シクシク泣きながら食べるはめになってしまった。ロイは笑って、あれも食え、これも食えってどんどん分けてくるから、お腹がいっぱいになったのだった。
ーーー
「……本当に行くんすね?」
「うん?行かないの?」
「よろしく頼む」
ソニーが、迎えに来るって言うから待っていた僕だったが、来て早々にそう言われて首を傾げる。ロイが返すと、ソニーは分かりましたと頷いて、一緒にロイを見送った。
「僕、一人でも行けるよ?」
「迷子の前科がある子が何を言っているんすか。いいんすよ、遠回りにもなってませんし」
僕が迷子になると思っているソニーに苦笑して言われる。さすがにもう迷わないと思うんだけどなぁ。
「それより、そのリュックは何が入ってるんすか?俺持つっすよ」
「うん?いいの、これは。そんなに重たくないから大丈夫だよ」
そう言った時、小石に躓いて転びそうになったが、リュックの重みで横へと倒れそうになる。ガシッとソニーに腕を掴まれ、なんとか体勢を整える。
「危なかった~。ありがとう、ソニー」
「うん、やっぱり俺が持つっす。確かに、そんなに重くはないっすけど、ウルル君には重いでしょ」
ソニーはそんな僕からリュックを奪うと、そう言って、転ばないようにと注意し始めた。僕は兎耳を垂らして、ちょっと躓いただけなのに……としくしく泣いた後、荷物を持ってくれてありがとうとお礼を言った。
そして、久しぶりに孤児院に来た僕。入ると、元気な子たちが歓迎してくれた。
「わぁ!遊びに来たの?遊ぼう!」
「ウルルだ!遊ぼう!」
「おい、病み上がりだろ。お前はまだ熱あるだろ!寝ないと」
寄ってきてくれる子たちに、ソニーが慌ててそう言い、寝室へと連れて行った。残った僕は、他の子に案内してもらい、キッチンへ。リュックの中から、材料を取り出すと、スープを作り始める。
「何を作るの?美味しいもの?」
可愛い子どもたちが興味津々に覗き込んでくる。可愛いな~と思いながら、顔色や息遣いを確認する。ふむふむ、ここにいる子たちは熱が引いたのか、多少は元気になった子たちらしい。
「そうだよ、温かくて美味しいもの作るよ~」
そう言うと、キャッキャと嬉しそうに笑ってくれるため、僕も嬉しくなる。材料は切ってきたし、味付けもしたものを持ってきたから、後は煮るだけだと、弱火にして蓋をする。そして、ソニーを追って子どもたちの部屋へ。ソニーが小さい子を寝かしつけたり、泣いている子をあやしたりしていた。僕もそこにそろそろと入る。
「あっ、ウルル君、ちょっとここみんなグズってるんで……」
「うん、そうだね、苦しいね。呼吸できないね、ぬりぬりしようね~」
ソニーが言いかける前に、ぐずぐずと泣きながらベッドで寝転んでいる子に話し掛けて、胸元に薬草で作った薬を塗った。キョトンとするその子に、スーハーってしてごらん、と言うと、素直に深呼吸してくれて、すぐにウトウトし始めた。頭を撫でてあげると、すうっと眠りにつく。うんうん、スッとしたね~。
「……え、寝た?ウルル君、それ、何すか?」
「これ?これはねぇ、薬草を煎じたもので、スッとするから息がしやすくなるの。あ、熱が高い。えーっと、あったあった、これ飲んで。甘くしたからね、大丈夫だよ」
びっくりしたように聞いてくるソニーに返しながら、他の子に触れると体が熱くて、慌てて解熱効果のある薬を飲ませる。僕は苦いのが苦手だから、なるべく甘くして作っている。それが今回は役に立った。恐る恐るだがしっかり飲んでくれた。よしよし、良い子だね、と氷枕を変えてあげる。別の子は咳がひどいから咳止めを、頭が痛いと言う子には痛み止めを飲んでもらう。なんとかみんな寝静まって、何故か呆然と立っているソニーの腕を引いて下へ。煮込んでいたスープは、いい具合にコトコトと煮られていて、美味しそうな匂いが漂っていた。火を止めて、興味津々の病み上がりだろう子たちによそってあげる。もうお昼だし、丁度いいね。
「ゆっくり飲むんだよ。フーフーしてね」
そう言って渡していくと、みんなふーふーと息を吹きかけて、はふはふと食べ始めた。
「おいしい、ウルル兄ちゃん、これおいしいよ!」
「とろとろしてる。のど、痛くないよ」
「ぽかぽかする」
たどたどしくも、思い思いに感想を言ってくれて嬉しくなる。ソニーにもよそってあげると、呆然としながら食べてくれた。
「これ、何すか?なんか、すごい体が温まるっす」
「うーんとね、風邪引いた時に食べるスープだよ。体が温まるし、喉にもいいんだよ。いっぱい食べてね」
そう言いながら、おかわりをしてくれた子によそっていると、ガチャッと扉が開く。そっちを見ると、ボーッとした様子のテイル君が。
「なんか、美味そうな匂いがして……」
僕より大きな体だが、どこか幼く感じる様子に、やっぱり子どもだなぁと思いながら、テイル君にもスープを入れてあげる。テイル君はさっきの部屋にはいなかったから、別の部屋で休んでいたのだろう。いっぱいお食べ、とたくさん入れてあげた。
「あれ、そういえば大人の人は?」
「あぁ、先生はダウンしてるっす。昨日まではなんとか踏ん張ってチビたちの面倒見てたらしいけど、今日の朝にぶっ倒れたって」
「先生ね、頭がぐるんぐるんってなってたんだよ」
「それでね、バターンって倒れたの」
「みんなで運んだんだよ」
代わる代わる教えてくれて、はわわ、と心配になる。それは大丈夫なのかな、看病しなくていいのかな。
「あ~、いいっす、あの人今死んだように寝てるんで」
苦笑しながら言われて首を傾げる。どうも、今はとにかく寝たいらしく。放っておいたら回復するタイプだからいいのだと。そうなんだと、そんな人もいるんだなぁと感心する。僕なら、病気になった時はとにかく構って欲しくなるから、ロイにずっと抱っこしていて欲しいもん。
「あ~……、なんだかまた眠くなってきた。俺、もうちょっと寝てくる。……ソニー兄ちゃん、まだいる?」
何処か不安そうにそう言ったテイル君に、
「今日は俺泊まるから、しっかり寝ろ」
ソニーは笑ってそう返した。テイル君はホッとしたように表情を緩めると、そのまま部屋へと戻った。
「ソニー、お兄ちゃんだね。すごいね、みんなソニーが大好きなんだね」
「そう面と向かって言われると照れるっす。あぁ、ほら、眠たくなったならベッド行くぞ」
食べながらウトウトしている子に、ぐらぐら揺れている頭を慌てて支えながら言ったソニーは、抱き上げて、寝かせてくるっす、と行ってしまった。
「ウルル、僕も、抱っこ」
同じように眠たいのか目をこすりながら服を引っ張られて、抱っこする。猫耳がふわふわと頬に当たってくすぐったい。小さくて温かい体に、可愛いなぁと頬が緩む。他の子も、服を掴んできて、歩けると言ってくれたため、僕たちも一緒に部屋へ。それぞれ寝かせて出ると、今まで寝ていた子たちが起きてきたためスープを食べてもらう。そして、また部屋へ。なんとかみんなを寝かせて、僕も服を掴んで離さない子と一緒にベッドに寝転ぶと、いつの間にか眠ってしまっていたのだった。
ーーー
「……んん……はっ!寝ちゃってた!」
寝ていたことに気付いて、慌てて起き上がると、まだ外は暗くなる前だった。周りを見ると、まだみんな眠っていて、そーっとベッドから降りる。部屋を出ると、ソニーが僕に気付いて、
「あ、起きたっすか?まだ隊長は来てませんよ。チビらも腹が膨れたからか、あれからずっと寝てるっす」
手招きするとお茶を入れてくれた。
「ごめんね、手伝いに来たのに寝ちゃった……。そうだ、今日は僕も泊まるよ!朝まで看病するね!」
「いや、気持ちだけで十分っす!みんな、寝息が穏やかになったし、もう大丈夫っす。ウルル君がいてくれて、すごく助かったっす。あ、そうだ、薬代いくらっすか?」
ソニーが、そう言いながら財布を出してきて、キョトンとする。
「あれは僕が育ててるものだからいらないよ。庭でね、育てられるようになったから、たくさん育てているの。あのね、熱は上がりすぎると良くないからね、これ渡しておくね。あとはね、これが咳止めで、これが……」
「え!?いやいや、それは駄目っすよ!薬は貴重なんすから!」
持ってきていた薬を渡しておこうと、机に並べ始めた僕に、ソニーが慌てたように言ってストップをかけてきた。
「うん?薬草は誰でも作れるから、別に貴重じゃないよ?」
「いや、そりゃ兎族はそうかもしれないすけど……」
「薬草は頑丈だからね、誰でも育てられるよ!」
「薬草って頑丈なんすか?いや、でも薬は買うと高価だし……」
「薬草は高価じゃないよ?」
「ええ、まぁ、そりゃ薬草で買うとまだお手頃かもしれないけど……」
「お手頃じゃないよ、育てられるから無料だよ」
「無料ではない、と思うっす……」
混乱しているソニーに首を傾げる。どうしたんだろう。薬草は庭からむしってきたやつだし、煎じたり、煮たり、干して乾燥させて粉状にしたりと飲みやすいようにしているだけだし、そもそも家には何個もストックがあるから、使っても支障はない。そうだというのに、ソニーはお金を払うと言ってくる。
「いや、やっぱり駄目っすよ、薬代払うっす!」
「どうして?薬代なんてかかってないのに、そんなの貰ったら、強盗になっちゃう。はっ、僕犯罪者になる……?うぅ、怖い、お手伝いに来ただけなのに……」
違法にお金を請求したと捕まって牢屋に入れられる想像をして、怖くなってしくしく泣き始める僕。ソニーは、どうしてそうなるっすか!と慌てたように慰めてくれる。
「……おい、何してんだ」
すると、後ろから呆れたような声が聞こえて振り向くと、ロイが立っていて僕たちを見下ろしていた。
「た、隊長!お疲れ様っす!これは違……!」
「悪いな、呼び鈴鳴らしたんだが、鳴らなかったから入らせてもらった。いい、世話掛けたな。ウルル、どうした」
ソニーが慌てて立ち上がったが、ロイは手で制してそう言うと、僕の頭を撫でながら聞いてきて、促されるまま説明する。
「……あぁ?どこから捕まる話になるんだよ。ソニー、薬代は別にいらねぇ。薬草作りはこいつの趣味だ、ありがたく貰っとけ。そろそろ帰るぞ」
「っありがとうございます!」
ロイがそう言うと、ソニーは納得したのか、ガバっと頭を下げて礼を言った。僕には払うって譲らなかったのに、どうして?はっ、もしかして僕、貧乏だと思われている?
「ソニー、僕もう3食ちゃんと食べられるぐらいお給料貰っているから、お金はあるよ!」
だから、そんなに貧乏じゃないよ!と続けると、
「あ?3食どころか、間食もできてるだろうが。まだ足りてねぇなら言え」
ソニーじゃなくてロイが返してきた。
「違うよ、僕が貧乏だから、ソニーが薬代を……」
「あぁ?まだ貧乏だと思ってんのか?次の休み、買い物に行くぞ。お前が好きなもん、片っ端から買ってやる」
「お出かけするの?一緒に?行く!楽しみだねぇ」
「……話が噛み合ってないっす」
苦笑したソニーに言われて、そうだ、僕は貧乏じゃないって話をしていたんだと思いだすと、それじゃないっす、と返された。首を傾げる僕に、ロイに帰るぞと腕を引かれて、ソニーにまだスープいっぱいあるから飲んでね!と伝えると、孤児院を後にしたのだった。
ーーー
「ウルル、お前は大丈夫なのか?」
口々に、騎士たちからそう聞かれる僕。後日、孤児院の子どもたちも先生も元気になったとソニーが帰ってきたのだけど、仕事中、顔が赤いことに気付いて医務室に行くと熱があることが発覚したらしく。今は療養中だ。それに比べて、僕はケロッとしているから、みんな不思議そうに言ってくるのだ。
「僕は強いからね、大丈夫なんだよ」
胸を張って言うと、苦笑されて、「熱出たら言えよ」「無理すんなよ?」「辛かったら休めよ?」と気遣われる。どうしてだろう、僕こんなに元気なのに。
「あぁ?ウルルは大丈夫かって?あいつは風邪なんぞ引かねぇよ。兎族がどうして薬草を育てられると思う。病気や怪我が怖いからだよ。ウルルは普段から料理で薬草も使うからな、免疫力高いんだよ。」
ロイと一緒にいる時にも聞かれて、ロイがそう応えると、
「あぁ!だから行くの許したんですね。なるほど、そう言われると確かに。予防もばっちりってわけですか。なるほど~」
騎士たちは、すごく納得した!と言わんばかりに、なるほどと繰り返して行ってしまった。
「僕が強いって話?」
ロイにそう聞くと、笑って「間違ってはねぇな、そうだ」と言ってくれたため、胸を張る僕。
「あのね、薬草はあれを使ってね、あ、あっちの薬草は熱を下げるのに効果があって……」
家に帰ると、褒められた事が嬉しくて兎耳をピンと立てながらロイに薬草の説明をし始める僕。ロイは、相槌を打ちながら聞いてくれていたけれど、薬草の育て方の説明をしようとした時に、腕を引かれて口を塞がれた。
「んん……はぁっ……」
「薬草の話はまた今度な」
離れた唇を追う僕に、兎耳を撫で下ろすように指を滑らせながらそう言ったロイは、再び合わせてくれる。もっと、もっと、とロイに抱き着く僕に獰猛に笑うと、抱き上げて寝室へと運ばれる。
「ロイ好き、大好き。好き……」
「口開けろ、ウルル」
ロイの首に腕を回し、言われるまま少し唇を開くと、そこを割って入ってくるロイの舌に、気持ち良くなってくる。
「もっと、ロイ。もっと……」
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もっと可愛がって、とロイに甘える僕に、小さく笑ったロイはそう言って存分に愛してくれるのだった。
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