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最初に白い天井が見えたって大抵保健室か病院だよね
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白い天井が目に入った。
自分の状況を確認するに保健室か病院で眠っていて目覚めたってところだろうか。
消毒臭いにおいと視界の端で揺れるカーテンに目覚めたばかりの所為か真っ白なまま動き出さない思考に無心のまま天井を見上げて呆ける。
自分は先刻までVRの「ワンダー」の中にいたはずだ。
そして戦士職のチュートリアルを受けていた。
そこまでは思い出せる。
「気が付いた?」
カーテンが開き、女性がみのりの顔を覗き込む。保健の先生だった。その顔はあまり芳しいものではない。眉を下げたその顔がみのりの体調を心配する以上の何かをはらんでいる気がした。
嫌だな。
視線を天井に戻して、先生の告げるだろうその先の言葉を聞かずに済まないかなっと一瞬だけ考えて無理だと悟る。
「あのね、これから病院に行って正確な診断をしてもらわないといけないんだけど…」
ああ、多分その先は言わなくてもわかります。
みのりは目をつぶった。
「VRの中に入って気分が悪かったら先生に言うっていうのを忘れてた?無理をしちゃったのかしら?駄目よ、今回は軽度な症状だったことが幸いだけど…」
先生は長ったらしく話して確信をまだいわない
「貴方にはVRの非適合の疑いがあるわ。病院で検査しましょう。」
親御さんには連絡して、病院で付き添うそうだと先生は淡々と告げた。
「先生、ぼくは死に戻ったんですか?」
「…」
先生は目を泳がせる。
それはそうだと僕は思う。
僕の最後の記憶。
スライムに剣が当たらずやけになって振り回しまくって
気分が悪いのも忘れて夢中になってスライムを追いかけ走って
息を荒げて立ち止まった時には手遅れ。最悪の気分の悪さに胃からせりあがってくる何か。一瞬の制止もままならないままその場でゲロイン。
ゲロ吐いてうずくまった背後からスライムがアタックしてくる影が見えた。
それを最後にブラックアウト。
そして気づいたのが保健室の流れというのが僕に思い出せたすべてだ。
チュートリアルでゲロって最弱のスライムに一撃死。
あの場にはクラスメイトだけでなく他のクラスの戦士職を選んだ生徒もいた。
彼らはそれを見ていた。
僕、終わったな。
白い天井が目に入った。
自分の状況を確認するに保健室か病院で眠っていて目覚めたってところだろうか。
消毒臭いにおいと視界の端で揺れるカーテンに目覚めたばかりの所為か真っ白なまま動き出さない思考に無心のまま天井を見上げて呆ける。
自分は先刻までVRの「ワンダー」の中にいたはずだ。
そして戦士職のチュートリアルを受けていた。
そこまでは思い出せる。
「気が付いた?」
カーテンが開き、女性がみのりの顔を覗き込む。保健の先生だった。その顔はあまり芳しいものではない。眉を下げたその顔がみのりの体調を心配する以上の何かをはらんでいる気がした。
嫌だな。
視線を天井に戻して、先生の告げるだろうその先の言葉を聞かずに済まないかなっと一瞬だけ考えて無理だと悟る。
「あのね、これから病院に行って正確な診断をしてもらわないといけないんだけど…」
ああ、多分その先は言わなくてもわかります。
みのりは目をつぶった。
「VRの中に入って気分が悪かったら先生に言うっていうのを忘れてた?無理をしちゃったのかしら?駄目よ、今回は軽度な症状だったことが幸いだけど…」
先生は長ったらしく話して確信をまだいわない
「貴方にはVRの非適合の疑いがあるわ。病院で検査しましょう。」
親御さんには連絡して、病院で付き添うそうだと先生は淡々と告げた。
「先生、ぼくは死に戻ったんですか?」
「…」
先生は目を泳がせる。
それはそうだと僕は思う。
僕の最後の記憶。
スライムに剣が当たらずやけになって振り回しまくって
気分が悪いのも忘れて夢中になってスライムを追いかけ走って
息を荒げて立ち止まった時には手遅れ。最悪の気分の悪さに胃からせりあがってくる何か。一瞬の制止もままならないままその場でゲロイン。
ゲロ吐いてうずくまった背後からスライムがアタックしてくる影が見えた。
それを最後にブラックアウト。
そして気づいたのが保健室の流れというのが僕に思い出せたすべてだ。
チュートリアルでゲロって最弱のスライムに一撃死。
あの場にはクラスメイトだけでなく他のクラスの戦士職を選んだ生徒もいた。
彼らはそれを見ていた。
僕、終わったな。
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