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部屋に入って一番に首元に口元を隠すように巻いていたマフラーをはずしてベットへと投げる。まだマフラーという時期ではないのでストールほど薄い生地にのものをドラゴンブレスを放った後、すぐに身を隠して逃走するためにもぐりこんだまだ青々とした小麦畑の葉の中を掻き分けて道なき道を進むように城門まで走り、そこで泡ふたする一般人に紛れ自分たちも最初からいたとさも驚いていると振りまきながら新人冒険者であることを前面に出してこわいからもう戻ると門兵に訴えて中に入れてもらう。それでもしばし警戒のために時間をとられたが街に入れ、そのすぐ後にギルドまでの道にあった出店の中から顔を簡単に隠せるストールを見つけ購入し首に巻いた。
意識しすぎかもだが顔を覚えられないためで装備でもおしゃれでもないそれは急いで買ったために若干のんなぽいもので使うのが苦痛だった。
今日使って顔も割れてる様子がなかったので明日からはお払い箱を検討している。
ダガーは予想したとおり無駄口を一切しなくなり無言だ。
部屋に入り俺はすぐにベットに腰を下ろしたが、ダガーは少し警戒したようにドア前に立ったままこちらを見ている。
それに俺は一つ盛大に息を吐いた。
「土竜だ」
俺の言葉にすぐに理解いかないようにこちらに視線を向けただけのダガーを俺は正面から見据える。
こいつには嘘はつかない。付くのもめんどいし触れ回るようならその時対応するつもりだ。それも少々手荒い方法で。
自分のミスと言えど警報と泡ふたするこの国の塀を見て俺もヤバイと気が立っていたのかつい好戦的になっていた緊張感を実感して頭をかく。
こんな荒荒らした気持ちは土竜には似合わない。
「竜の中で一番気性の大人しい土属性の竜。それが俺だ。竜でももっとも出不精で動かない俺たちだから赤竜のように節操なく人間の前に現れないから珍しいだろうが、好戦的ではないし性格もずっといい。土竜はそもそも全体的に関心や興味がないからぼーとしているし眠るのが何より好きな穏健派だ。主食も草食で草ばかり食べているから肉食で雑食な赤竜よりよっぽど付き合いやすいぞ?」
ちょっとおどけた感じでダガーに土竜の特徴を教えてみる。目を見開いて俺を見るダガーにだんだんと理解の光が見えて、「土竜、やっぱりドラゴンなのか」と呟くのを俺はゆっくりと黙って見守り待つ。
誰だって考える時間は必要だ。
「ここらで一度腹を割って話そう。俺は人間の社会に馴染むまでお前を俺に付き合わせるつもりでいる。もちろん俺を売ったりする裏切り行為は許さない」
もし仮にそれを実行しようが俺は構わない。その時はこの土地が地図上から消え去るだけだ。国に拡大するかは分からないが。
俺は鷹揚に構えて余裕さを誇示する。
強者は最強種たる竜である俺である。
部屋に入って一番に首元に口元を隠すように巻いていたマフラーをはずしてベットへと投げる。まだマフラーという時期ではないのでストールほど薄い生地にのものをドラゴンブレスを放った後、すぐに身を隠して逃走するためにもぐりこんだまだ青々とした小麦畑の葉の中を掻き分けて道なき道を進むように城門まで走り、そこで泡ふたする一般人に紛れ自分たちも最初からいたとさも驚いていると振りまきながら新人冒険者であることを前面に出してこわいからもう戻ると門兵に訴えて中に入れてもらう。それでもしばし警戒のために時間をとられたが街に入れ、そのすぐ後にギルドまでの道にあった出店の中から顔を簡単に隠せるストールを見つけ購入し首に巻いた。
意識しすぎかもだが顔を覚えられないためで装備でもおしゃれでもないそれは急いで買ったために若干のんなぽいもので使うのが苦痛だった。
今日使って顔も割れてる様子がなかったので明日からはお払い箱を検討している。
ダガーは予想したとおり無駄口を一切しなくなり無言だ。
部屋に入り俺はすぐにベットに腰を下ろしたが、ダガーは少し警戒したようにドア前に立ったままこちらを見ている。
それに俺は一つ盛大に息を吐いた。
「土竜だ」
俺の言葉にすぐに理解いかないようにこちらに視線を向けただけのダガーを俺は正面から見据える。
こいつには嘘はつかない。付くのもめんどいし触れ回るようならその時対応するつもりだ。それも少々手荒い方法で。
自分のミスと言えど警報と泡ふたするこの国の塀を見て俺もヤバイと気が立っていたのかつい好戦的になっていた緊張感を実感して頭をかく。
こんな荒荒らした気持ちは土竜には似合わない。
「竜の中で一番気性の大人しい土属性の竜。それが俺だ。竜でももっとも出不精で動かない俺たちだから赤竜のように節操なく人間の前に現れないから珍しいだろうが、好戦的ではないし性格もずっといい。土竜はそもそも全体的に関心や興味がないからぼーとしているし眠るのが何より好きな穏健派だ。主食も草食で草ばかり食べているから肉食で雑食な赤竜よりよっぽど付き合いやすいぞ?」
ちょっとおどけた感じでダガーに土竜の特徴を教えてみる。目を見開いて俺を見るダガーにだんだんと理解の光が見えて、「土竜、やっぱりドラゴンなのか」と呟くのを俺はゆっくりと黙って見守り待つ。
誰だって考える時間は必要だ。
「ここらで一度腹を割って話そう。俺は人間の社会に馴染むまでお前を俺に付き合わせるつもりでいる。もちろん俺を売ったりする裏切り行為は許さない」
もし仮にそれを実行しようが俺は構わない。その時はこの土地が地図上から消え去るだけだ。国に拡大するかは分からないが。
俺は鷹揚に構えて余裕さを誇示する。
強者は最強種たる竜である俺である。
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