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ハガルミティ
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そこは真っ白なもので囲まれた居室だった。わたしの心臓の音は、その居室を取り囲む布にまで届きそうだ。その刺激に耐えられず、わたしは座布団に正座し、身を小さくしてしまう。そう、無意識に。
そのいたたまれない気持ちを叱責するかのように、戸が開いた。パタンと音が鳴り、それが閉まる。その音が合図だったのだろうか? その音が静まると同時に、静けさがその場を支配し、わたしの意識もその音でバチンと叩かれた気がした。
難しい顔をした中年の男性が、わたしの前――上座に座る。質素な麻の室内着を身にまとっているが、その姿は威厳に満ちている。
その男性こそ、わたしの一族の当主――ヘサーフ=ユーセフ様だった。黒と白の髪が混じってきた髪を清潔に整えていて、その年齢を感じさせる風貌とは裏腹に、黒曜石のような鋭い眼光がきらめく。その眼光はわたしの体を一身に貫いた。
わたしの動揺が伝わってしまったのだろうか? それを労わるかのように、一瞬空気が緩む。しかしそれもつかの間、ますます締め付けるような空気が流れる。極寒の吹雪ですら、もっと優しく感じるだろう――そう思わせる空気だ。
「楽にするがいい」
ヘサーフ様がそう仰るが、わたしの体は霜柱のようにピシリと固まって動かない。屋内にいるというのに、吹雪の中にいるようだ。それを気づいているのかいないのか、ヘザーフさまはこう続けられた。
「ラナー、お前はもう十六だ。しかしまだ成人できていない。分かるな?」
静かな声がわたしの体に、ひんやりと染みわたっていく。
「はい、分かっております。今年こそこの成人の儀を見事果たして、成人して祭りに参加できるようにいたします」
わたしは深々と頭を下げる。ヘサーム様がその私の姿に静かに視線を向けているのを感じる。その静けさが余計にわたしの体を冷やしていく。
ヘサーム様の視線が少しそれた。これは去年と一緒だ。ヘサーム様が去年と同じように、霊具をわたしの頭上で振っているのが分かった。
音叉のような形に、麻紙を取り付けられたような霊具がさらさらとなる。この音を聞くと、身と引き締めなければという気持ちがとけて、ただただ清々しい気持ちになる。これは今年の巫女が、わたしになったのだと氷の精霊様に報告するための儀式だ。
この麻紙が揺れ、霊具の金属のように高い音が響いたと思うと、全身に温かい水のようなものが入ってきたような気がした。わたしは感覚的にそれが氷の精霊様のお力だと認識する。去年と同じだというのに今まで忘れていた感覚に、不思議な心地になった。
その場からヘサーム様が退席してしばらくしても、わたしは頭を上げることが出来なかった。
ヘサームさまから言葉をいただいた翌朝、わたしは用意を済ませて家の前に出ていた。
村の子供たちが「今度こそ成人しろよーラナー姉ちゃん!」とか「まぬけなまねするなよー」という、声援というか野次というのか迷うような声を掛けられる。自分が気にしていることを、こうも無邪気に言われてしまうと、苦笑が漏れるばかりだ。
胸に直接刃が刺されているような感覚が刻まれているのを感じながら、みんなからの声援を背にして、昨年よりも心なしか重い荷を王都へ無事に届けるため、私は出発した。
この成人の儀はどんなものかというと、氷の精霊様の加護を受けて作った氷室にある、特別な溶けない氷を、この一族を代表する巫女として、王都にいらっしゃるバラドとマレカに、献上するというものだ。
バラドとマレカというのは、王様と王妃様の称号のことだ。この星の民には、公には名前は公表されていない。お名前を呼ぶのはご家族の中でだけだ。きっとお仕えしている人は知っているとは思うけれども。
この氷を夏至までにお届けして、王族の皆様がこの氷で涼をとることが、夏至の行事の一つになっている。その儀式が終わるとようやく、市場に氷の精霊様のご加護のある氷室で作られた氷が出回る。そうして初めてこの星の民も、霊験あらかたで暑気あたりによく効くといわれる氷を、味わうことが出来る。
本来なら去年にわたしは成人の儀を終えているはずだった。けれどもその氷が奪われてしまったがために、今年もこの大切な成人の儀を執り行うことになったのだった。
今度こそ奪われないようにしなきゃ…… わたしの胸中はその思いでいっぱいだった。
去年のわたしはすぐに精霊様の加護の力で、氷が奪われてしまったことを当主のヘサームさまに伝えた。そのためヘサーム様御自ら、氷を運ぶことになってしまったのだった。
本来なら三月は掛かると言われているこの王都までの道を、ヘサーム様は当主にしか使えない氷の精霊様のご加護で、十日にして運ばれた。本来なら災害が起こった時に使うはずのそのお力を、わたしのために使わせてしまった。他ならぬ去年の巫女であったはずの、わたしの代わりに。
わたしは一族の娘として、今度こそ成人の儀を成し遂げなければならない。一族だけではなく、この星の人々はこの氷を待ち望んでいるのだから。わたしは胸に装身具のようにぶら下げた、その年の巫女が扱える丸い球状の霊具を握って、気持ちを安定させながらも着実に進んだ。
この極寒のハガルミティを歩き始めてどの位経ったのだろう? 北部にあるハガルミティでは、氷の精霊様のご加護が隅々まで行き渡っているため、とても楽に進むことが出来る。 わたしはまるでスキーをしているかのように、すいすいと滑るかのように荷を運んでいく。まるで氷の精霊様が寄り添ってくださっているみたいだ。
いや、実際に頂いているのだけれども、お姿を見たこともないため、実感しにくい。恩恵を受けている身で、何を言っているのだろうと思うけれども。
わたしはすいすいと荷を運ぶこと一週間、ハガルミティとレサザデスの境界門周辺についた。わたしはまず、境界を超えるための許可証をみせた。
本当ならここで氷の巫女の霊具を境界の門番さんに提示して、今年の氷の巫女だということを伝えて協力を頼んでもいいのだけれども、去年のことが頭によぎって、言い出せずに終わってしまった。何も知らない門番の方は慎重に荷を運んでくれた。
わたしの住んでいるハガルミティは極寒の地域で、一部では雪が溶けることが滅多にない。この境界の付近になれば、夏の時期には地面の雪がとけるところもあるけれども。
今のわたしの恰好はハガルミティ仕様だ。この恰好で他の地域に入ったら、焼け死んでしまう。
レサザデスは風が強い地域で、この国イルケマラムでは、気温をみると平均的な地域だ。でも今着ているこんな毛皮の防寒着に身を包んでいけるところではない。勿論今の季節は夏だ。きっと絶対日差しが眩しいだろうし、焼けるような暑さだろう。
この世界は境界線で気候が変わる。精霊様がどの辺りで活動しているかで、環境がコロッと変わるのだ。精霊様の活動範囲は、精霊様同士の取り決めで引かれている境界線に準じるのが普通で、その境界線内なら思う存分力をふるうことを、バラドから許されている。そのため境界線を越えるだけで真冬から真夏に代わってしまう場所もあるのだった。
そのため境界線を監視する門の周囲には、色んなお店が並んでいる。境界を超えるときに必要なものが揃えられるように、色んなお店があるのが常だった。
貿易も境界門を通して行われるので、その地域にないものが売られていることも多いのが特徴だ。わたしは服屋でレサザデス用の服を身繕うことにした。
そのいたたまれない気持ちを叱責するかのように、戸が開いた。パタンと音が鳴り、それが閉まる。その音が合図だったのだろうか? その音が静まると同時に、静けさがその場を支配し、わたしの意識もその音でバチンと叩かれた気がした。
難しい顔をした中年の男性が、わたしの前――上座に座る。質素な麻の室内着を身にまとっているが、その姿は威厳に満ちている。
その男性こそ、わたしの一族の当主――ヘサーフ=ユーセフ様だった。黒と白の髪が混じってきた髪を清潔に整えていて、その年齢を感じさせる風貌とは裏腹に、黒曜石のような鋭い眼光がきらめく。その眼光はわたしの体を一身に貫いた。
わたしの動揺が伝わってしまったのだろうか? それを労わるかのように、一瞬空気が緩む。しかしそれもつかの間、ますます締め付けるような空気が流れる。極寒の吹雪ですら、もっと優しく感じるだろう――そう思わせる空気だ。
「楽にするがいい」
ヘサーフ様がそう仰るが、わたしの体は霜柱のようにピシリと固まって動かない。屋内にいるというのに、吹雪の中にいるようだ。それを気づいているのかいないのか、ヘザーフさまはこう続けられた。
「ラナー、お前はもう十六だ。しかしまだ成人できていない。分かるな?」
静かな声がわたしの体に、ひんやりと染みわたっていく。
「はい、分かっております。今年こそこの成人の儀を見事果たして、成人して祭りに参加できるようにいたします」
わたしは深々と頭を下げる。ヘサーム様がその私の姿に静かに視線を向けているのを感じる。その静けさが余計にわたしの体を冷やしていく。
ヘサーム様の視線が少しそれた。これは去年と一緒だ。ヘサーム様が去年と同じように、霊具をわたしの頭上で振っているのが分かった。
音叉のような形に、麻紙を取り付けられたような霊具がさらさらとなる。この音を聞くと、身と引き締めなければという気持ちがとけて、ただただ清々しい気持ちになる。これは今年の巫女が、わたしになったのだと氷の精霊様に報告するための儀式だ。
この麻紙が揺れ、霊具の金属のように高い音が響いたと思うと、全身に温かい水のようなものが入ってきたような気がした。わたしは感覚的にそれが氷の精霊様のお力だと認識する。去年と同じだというのに今まで忘れていた感覚に、不思議な心地になった。
その場からヘサーム様が退席してしばらくしても、わたしは頭を上げることが出来なかった。
ヘサームさまから言葉をいただいた翌朝、わたしは用意を済ませて家の前に出ていた。
村の子供たちが「今度こそ成人しろよーラナー姉ちゃん!」とか「まぬけなまねするなよー」という、声援というか野次というのか迷うような声を掛けられる。自分が気にしていることを、こうも無邪気に言われてしまうと、苦笑が漏れるばかりだ。
胸に直接刃が刺されているような感覚が刻まれているのを感じながら、みんなからの声援を背にして、昨年よりも心なしか重い荷を王都へ無事に届けるため、私は出発した。
この成人の儀はどんなものかというと、氷の精霊様の加護を受けて作った氷室にある、特別な溶けない氷を、この一族を代表する巫女として、王都にいらっしゃるバラドとマレカに、献上するというものだ。
バラドとマレカというのは、王様と王妃様の称号のことだ。この星の民には、公には名前は公表されていない。お名前を呼ぶのはご家族の中でだけだ。きっとお仕えしている人は知っているとは思うけれども。
この氷を夏至までにお届けして、王族の皆様がこの氷で涼をとることが、夏至の行事の一つになっている。その儀式が終わるとようやく、市場に氷の精霊様のご加護のある氷室で作られた氷が出回る。そうして初めてこの星の民も、霊験あらかたで暑気あたりによく効くといわれる氷を、味わうことが出来る。
本来なら去年にわたしは成人の儀を終えているはずだった。けれどもその氷が奪われてしまったがために、今年もこの大切な成人の儀を執り行うことになったのだった。
今度こそ奪われないようにしなきゃ…… わたしの胸中はその思いでいっぱいだった。
去年のわたしはすぐに精霊様の加護の力で、氷が奪われてしまったことを当主のヘサームさまに伝えた。そのためヘサーム様御自ら、氷を運ぶことになってしまったのだった。
本来なら三月は掛かると言われているこの王都までの道を、ヘサーム様は当主にしか使えない氷の精霊様のご加護で、十日にして運ばれた。本来なら災害が起こった時に使うはずのそのお力を、わたしのために使わせてしまった。他ならぬ去年の巫女であったはずの、わたしの代わりに。
わたしは一族の娘として、今度こそ成人の儀を成し遂げなければならない。一族だけではなく、この星の人々はこの氷を待ち望んでいるのだから。わたしは胸に装身具のようにぶら下げた、その年の巫女が扱える丸い球状の霊具を握って、気持ちを安定させながらも着実に進んだ。
この極寒のハガルミティを歩き始めてどの位経ったのだろう? 北部にあるハガルミティでは、氷の精霊様のご加護が隅々まで行き渡っているため、とても楽に進むことが出来る。 わたしはまるでスキーをしているかのように、すいすいと滑るかのように荷を運んでいく。まるで氷の精霊様が寄り添ってくださっているみたいだ。
いや、実際に頂いているのだけれども、お姿を見たこともないため、実感しにくい。恩恵を受けている身で、何を言っているのだろうと思うけれども。
わたしはすいすいと荷を運ぶこと一週間、ハガルミティとレサザデスの境界門周辺についた。わたしはまず、境界を超えるための許可証をみせた。
本当ならここで氷の巫女の霊具を境界の門番さんに提示して、今年の氷の巫女だということを伝えて協力を頼んでもいいのだけれども、去年のことが頭によぎって、言い出せずに終わってしまった。何も知らない門番の方は慎重に荷を運んでくれた。
わたしの住んでいるハガルミティは極寒の地域で、一部では雪が溶けることが滅多にない。この境界の付近になれば、夏の時期には地面の雪がとけるところもあるけれども。
今のわたしの恰好はハガルミティ仕様だ。この恰好で他の地域に入ったら、焼け死んでしまう。
レサザデスは風が強い地域で、この国イルケマラムでは、気温をみると平均的な地域だ。でも今着ているこんな毛皮の防寒着に身を包んでいけるところではない。勿論今の季節は夏だ。きっと絶対日差しが眩しいだろうし、焼けるような暑さだろう。
この世界は境界線で気候が変わる。精霊様がどの辺りで活動しているかで、環境がコロッと変わるのだ。精霊様の活動範囲は、精霊様同士の取り決めで引かれている境界線に準じるのが普通で、その境界線内なら思う存分力をふるうことを、バラドから許されている。そのため境界線を越えるだけで真冬から真夏に代わってしまう場所もあるのだった。
そのため境界線を監視する門の周囲には、色んなお店が並んでいる。境界を超えるときに必要なものが揃えられるように、色んなお店があるのが常だった。
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