ヤンキーくんは怖い?

みーみ

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桃side

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俺が隼人さんと出会ったのは、夜の繁華街だ。
その時の俺は毎日が喧嘩づくしで、怪我なんかしょっちゅうだった。
けど、ある時喧嘩の途中で油断しちまって、鉄で頭を殴られた。
俺を殴った奴はやばいと思ったのか逃げていくし、俺も意識が朦朧としてきていた。

あぁ死ぬのかって思った。まぁ、別に死んでもいいか…って思いながら意識が遠のいていったとき、誰かの声がうっすら聞こえた。

俺が目を覚したのは、病院のベットの上だった。
なんでこんなとこにいんだよ。ってか…生きてる…
1人でそんなことを考えていたら、部屋のドアが開いた。

?「あ、やっと目が覚めたのか!」

…こいつ誰だよ…。なんかキラキライケメンきたんですけど。

?「あぁ、俺は小牧隼人。お前が路地裏で倒れてんの見つけてここまで運んで来たんだよ。」

「別に…助けてなんて言ってねぇだろ。」
隼「たとえお前がそう思ってても、怪我してる奴を目の前にして助けないほど、俺は落ちぶれてないぞ。それに、お前、けっこうやばい状態だったんだよ。血がドバドバ出てたし。けっこう縫ったんだぞ。」

「……まじかよ…。」

ってか金どうすんだよ…。そんな金ねぇんだけど…。
またバイト増やさねぇと……。
そんなことを考えていたら、俺の考えがわかったのか、

隼「あぁ、金の心配はしなくていいぞ。俺が勝手に助けたんだし。まぁ…お前も訳ありみたいだし」

「…けど見ず知らずの奴に金を借りるのは…」

すると男は少し考えて、いいこと思いついた!みたいな顔をした。

「な、なんだよ。」

隼「お前は金借りっぱなしがいやなんだろ?じゃあさ、俺の会社でバイトしないか?そしたら、お前は金返せるし、俺は仕事が減るし!一石二鳥じゃねーか!」

………それってただ仕事したくねぇだけじゃね…?
けど…バイト探す手間省けるし……

「……わかった……。」
隼「まじで!じゃあお前が退院する時、迎えにくるからな!」

そういってその男…隼人さんは部屋を出ていった。


そして退院の日、本当に隼人さんは迎えにきた。
しかもめっちゃ高そうな車で。
……絶対これ高級車だろ……めっちゃ周りから見られてんですけど!
まぁ、当の本人は気にしてない様子だったけどな。

隼「おっ。退院おめでとう。んじゃ、早速行くぞ。」
で、つれて来られたのがこの会社だ。俺でも知ってるくらいの有名な会社。

いやいや、まて。
「……ほんとに俺がバイトしていいのかよ……」
自分でも顔の怖さは自覚してるし、誰も近寄って来ない。
そんな俺がいたら迷惑なんじゃ……

隼「…何考えてるか知らんが、俺は人を見る目はあるつもりだ。その俺が認めたんだから、自信もて!」

俺にとってその言葉がどんだけ嬉しかったか。
それから俺は隼人さんの期待に応えられるように、一生懸命仕事をした。

中はきれいだし、集中して仕事に取り組める。何も不満はなかった。
なのに、そんな日々を崩す奴が現れた。
赤城京。誰からも人気があって、面倒みがいい。
そんな奴がわざわざ俺に話しかけてきた。

しかも、俺が1番聞かれたくないことまで聞いてきやがった。
別に親の事なんてもう気にしてないし、興味もない。…けど、やっぱり思い出したら気持ちはよくない訳で。

次の日からどうしても会いたくなくて、避けてしまった。
それでも赤城は話しかけてきた。

初めてだったんだ。そんな奴は。
大抵の奴は1回冷たくしたら絶対話しかけてこない。

気づいたら赤城を目で追うようになっていた。
それでもどう接していいかわからなくて、つい逃げてしまう。

ある日の朝、赤城の顔色が悪かった。気になって仕方なかったが、俺にはどうする事もできないし仕事に集中することにした。

そしたら隼人さんから、『京が仮眠室にいるからこれ届けてきてくれ』って言われて、俺は走って仮眠室に向かった。

なんでそんな無理してまで……。

仮眠室で赤城が話したいって言ってきたから、まぁいいかと思って話し相手になってやった。
そしたらだ。
いきなりキ、キ、キスしてきやがった。しかも舌まで!

意味わかんねぇし!……なんか頭真っ白になって気持ちよかったけど……

そこから、俺は今まで以上に顔見れなくなってしまった。


そんな事があってから数日がたつ。最近、よく視線を感じる。
それは昔の俺がよく感じてた敵意のこもったものだ。

気にはなるが…さすがに会社で問題起こす訳にはいかない。
隼人さんに迷惑がかかってしまう…。

そんな時、声をかけられた。

?「あの~すみません。今ちょっと時間いいですか?」




なんか見覚えが……たしか……こいつは……
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