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第五章 ルキソミュフィア救援
第94話 セレスの言葉
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ミカゲの勝利のポーズを見た所でセレスは、ソラ・ルデ・ビアスやソフィアステイルを押しのけて、天空図書館の大司書の目の前に現れた。
コレットに頭を下げ終わって直立の姿勢に戻った所に、今度は赤髪で緑色の目をした娘が立ちはだかったのを見ると、今度は何をも恐れる事無くむしろ、自分の孫でも見る様な雰囲気でセレスに向き直った。
「ふぉっふぉっふぉ!お前さん、ソラ・ルデ・ビアスの娘じゃろ。実はお前さんがまだこ~ん位の頃にワシと会った事がるんじゃが、覚えとらんよのぅ?」
大司書は言いながら手を、自分の胸の高さ位の位置でヒラヒラさせながら目を細めた。
「ええ?!マジすか??アタシ大司書に会った事があるんですか・・・・」
セレスは言いながら、ちょっと後方に立つソラ・ルデ・ビアスに目をやる。
すると、
「ま、まぁね。昔むか~しにちょ~っとだけ連れて来た事がありましてですね・・・・いや、言ってなくて申し訳無い!!」
最初は言い訳して誤魔化そうとした様だったが、良い感じの言い訳が思いつかなかったのか諦めて平謝りしてきた。
「素直でよろしい!」
セレスは、自分の父親でもあるソラ・ルデ・ビアスに対しても容赦無く、仲間やそこいらの子供をい成す様な扱いをした。
それを見ていた大司書は、
「何だお主、娘の尻に敷かれているのか・・・情けない事よのぅ。」
と言って、小さくため息をついた。
この、ソラ・ルデ・ビアスが実は書架の主の割には書架に集まるメンバーの中ではほぼ最下位と言うか、立場がイマイチよろしく無さそうな事に、娘と父親とのやり取りだけである程度は気付いてしまったかな?と、周囲の面々は内心ヒヤヒヤしながら見ていた。
そんな微妙な空気が漂う中、
「うぇっふん!さて、遠路はるばる蒼壁の大陸の南の端っこにあるメルヴィ・メルヴィレッジからアタシ達がやって来た理由をお話ししましょう!」
と、やっとセレスが本題を切り出した。
「実はアタシらは、今現在窮地に立たされている銀狼族を救うためにココまで来たのです。」
「はて・・・お前さんたちが、ワシの同族を救うじゃと?ワシらとお前さんたちとでは、何の関係も無さそうに見受けられるが?」
セレスの言う銀狼族を救うの意図を測りかねた大司書は、素朴な疑問を投げかける。
「仰る事はごもっともですが、実はアタシはその昔・・・・100年ほど前までメルヴィ・メルヴィレッジの前身国であるトトアトエ・テルニアの国王を務めてまいりました。」
「トトアトエ・テルニア・・・・知っておるぞ。ワシの同胞が何人も移住して、それは楽しい暮らしをしていた国じゃったの・・・・」
昔の記憶を思いだして、懐かしい仲間の顔を思い出していた大司書だったが、突如として暗い面持ちになる。
「そうです。トトアトエ・テルニアは100年前に、突如として侵攻してきたソルフゲイルの手に落ち、多くの銀狼族を失ったのです。」
セレスが、当時の状況について軽く説明した。
「ソルフゲイルが何故銀狼族を大勢攫って行ったのか理由は、今まで知られていませんでしたが、アタシらはその理由解明しています。今、ソルフゲイルに多く存在している黒竜族を知っていますね。彼等は元々この蒼壁の大陸には存在していない種族でしたが、今から約80年前に突如として現れたのです。」
「・・・・・・!」
ソルフゲイルが銀狼族を大勢連れて行った後、しばらくしてから急に謎の新しい黒竜族が現れたと言う話だけで、天空図書館の大司書は何か重大な秘密に気付いた様だった。
「もしや・・・黒竜族はまさかワシらの魔力を利用して生み出されたのじゃろうか・・・・」
「おそらく。アタシらもそう、仮定しています。」
と、セレスは大司書の言葉に正とする返答をした。
大司書は、セレスの話に疑問を感じながらも、連れ去られて行った銀狼族の仲間達が終ぞ帰ってくることが無かった事実と擦り合わせて行くうちに、ソルフゲイルの悪魔のような所業に徐々に腹が立ってきた様で、
「ソラの娘さん!先程、ワシら銀狼族を救いたいと言っておったが、銀狼族は今ソルフゲイルと戦争をしていると言っておったの?」
「そうです。」
「で、今窮地に立たされておると!」
徐々に大司書に焦りが見えはじめ、今にもセレスの胸ぐらを掴みそうな勢いになっていた。
「先日、多分大司書も何度か会った事があるかも知れませんが、疾風の技を使える銀狼族の一人であるニーアーライルから聞いたんですよ。今、ソルフゲイルが攻めてきていて、ルキソミュフィアの世界樹を守護する守護竜が狙われていると。でも、その理由は隠れ蓑で、実際は銀狼族を狩る事が目的なんじゃないかとアタシは思っているんですよね。」
セレスはまだ、書架のメンバーに伝えていなかった事実と憶測を口にした。
ルキソミュフィアにある世界樹の守護竜が今襲われていて、でも銀狼族にも危機が迫っている事を大司書に包み隠さず伝えた。
「アタシは、彼等を救いたい。トトアトエ・テルニアの二の舞は踏ませない!でも、アタシ達だけでは効果的な救出方法を見出せなかった所に、このオヤジが赤の孤島の小屋の話を持ってきたんだ!」
近くに居る、ソラ・ルデ・ビアスを指差しながらセレスは必死に訴えた。
偶然なのか運命なのか、赤の孤島はかつて幼少期のコレットが住んでいた島で、更に小屋には常時鍵をかけたりする事も無く出入りが出来ていた事実があった。
「ジィさん、アンタのその疾風の技を使って、ルキソミュフィアに居る銀狼族全員を赤の孤島に移動させたいんだ。ソルフゲイルの野望が潰えるまで、赤の孤島に避難していてもらいたいんだ!」
セレスは、仲間と共にこの天空図書館に来た目的の全てを、大司書に伝えた。
コレットに頭を下げ終わって直立の姿勢に戻った所に、今度は赤髪で緑色の目をした娘が立ちはだかったのを見ると、今度は何をも恐れる事無くむしろ、自分の孫でも見る様な雰囲気でセレスに向き直った。
「ふぉっふぉっふぉ!お前さん、ソラ・ルデ・ビアスの娘じゃろ。実はお前さんがまだこ~ん位の頃にワシと会った事がるんじゃが、覚えとらんよのぅ?」
大司書は言いながら手を、自分の胸の高さ位の位置でヒラヒラさせながら目を細めた。
「ええ?!マジすか??アタシ大司書に会った事があるんですか・・・・」
セレスは言いながら、ちょっと後方に立つソラ・ルデ・ビアスに目をやる。
すると、
「ま、まぁね。昔むか~しにちょ~っとだけ連れて来た事がありましてですね・・・・いや、言ってなくて申し訳無い!!」
最初は言い訳して誤魔化そうとした様だったが、良い感じの言い訳が思いつかなかったのか諦めて平謝りしてきた。
「素直でよろしい!」
セレスは、自分の父親でもあるソラ・ルデ・ビアスに対しても容赦無く、仲間やそこいらの子供をい成す様な扱いをした。
それを見ていた大司書は、
「何だお主、娘の尻に敷かれているのか・・・情けない事よのぅ。」
と言って、小さくため息をついた。
この、ソラ・ルデ・ビアスが実は書架の主の割には書架に集まるメンバーの中ではほぼ最下位と言うか、立場がイマイチよろしく無さそうな事に、娘と父親とのやり取りだけである程度は気付いてしまったかな?と、周囲の面々は内心ヒヤヒヤしながら見ていた。
そんな微妙な空気が漂う中、
「うぇっふん!さて、遠路はるばる蒼壁の大陸の南の端っこにあるメルヴィ・メルヴィレッジからアタシ達がやって来た理由をお話ししましょう!」
と、やっとセレスが本題を切り出した。
「実はアタシらは、今現在窮地に立たされている銀狼族を救うためにココまで来たのです。」
「はて・・・お前さんたちが、ワシの同族を救うじゃと?ワシらとお前さんたちとでは、何の関係も無さそうに見受けられるが?」
セレスの言う銀狼族を救うの意図を測りかねた大司書は、素朴な疑問を投げかける。
「仰る事はごもっともですが、実はアタシはその昔・・・・100年ほど前までメルヴィ・メルヴィレッジの前身国であるトトアトエ・テルニアの国王を務めてまいりました。」
「トトアトエ・テルニア・・・・知っておるぞ。ワシの同胞が何人も移住して、それは楽しい暮らしをしていた国じゃったの・・・・」
昔の記憶を思いだして、懐かしい仲間の顔を思い出していた大司書だったが、突如として暗い面持ちになる。
「そうです。トトアトエ・テルニアは100年前に、突如として侵攻してきたソルフゲイルの手に落ち、多くの銀狼族を失ったのです。」
セレスが、当時の状況について軽く説明した。
「ソルフゲイルが何故銀狼族を大勢攫って行ったのか理由は、今まで知られていませんでしたが、アタシらはその理由解明しています。今、ソルフゲイルに多く存在している黒竜族を知っていますね。彼等は元々この蒼壁の大陸には存在していない種族でしたが、今から約80年前に突如として現れたのです。」
「・・・・・・!」
ソルフゲイルが銀狼族を大勢連れて行った後、しばらくしてから急に謎の新しい黒竜族が現れたと言う話だけで、天空図書館の大司書は何か重大な秘密に気付いた様だった。
「もしや・・・黒竜族はまさかワシらの魔力を利用して生み出されたのじゃろうか・・・・」
「おそらく。アタシらもそう、仮定しています。」
と、セレスは大司書の言葉に正とする返答をした。
大司書は、セレスの話に疑問を感じながらも、連れ去られて行った銀狼族の仲間達が終ぞ帰ってくることが無かった事実と擦り合わせて行くうちに、ソルフゲイルの悪魔のような所業に徐々に腹が立ってきた様で、
「ソラの娘さん!先程、ワシら銀狼族を救いたいと言っておったが、銀狼族は今ソルフゲイルと戦争をしていると言っておったの?」
「そうです。」
「で、今窮地に立たされておると!」
徐々に大司書に焦りが見えはじめ、今にもセレスの胸ぐらを掴みそうな勢いになっていた。
「先日、多分大司書も何度か会った事があるかも知れませんが、疾風の技を使える銀狼族の一人であるニーアーライルから聞いたんですよ。今、ソルフゲイルが攻めてきていて、ルキソミュフィアの世界樹を守護する守護竜が狙われていると。でも、その理由は隠れ蓑で、実際は銀狼族を狩る事が目的なんじゃないかとアタシは思っているんですよね。」
セレスはまだ、書架のメンバーに伝えていなかった事実と憶測を口にした。
ルキソミュフィアにある世界樹の守護竜が今襲われていて、でも銀狼族にも危機が迫っている事を大司書に包み隠さず伝えた。
「アタシは、彼等を救いたい。トトアトエ・テルニアの二の舞は踏ませない!でも、アタシ達だけでは効果的な救出方法を見出せなかった所に、このオヤジが赤の孤島の小屋の話を持ってきたんだ!」
近くに居る、ソラ・ルデ・ビアスを指差しながらセレスは必死に訴えた。
偶然なのか運命なのか、赤の孤島はかつて幼少期のコレットが住んでいた島で、更に小屋には常時鍵をかけたりする事も無く出入りが出来ていた事実があった。
「ジィさん、アンタのその疾風の技を使って、ルキソミュフィアに居る銀狼族全員を赤の孤島に移動させたいんだ。ソルフゲイルの野望が潰えるまで、赤の孤島に避難していてもらいたいんだ!」
セレスは、仲間と共にこの天空図書館に来た目的の全てを、大司書に伝えた。
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