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第四章 ソルフゲイルの謀略
第55話 作戦会議
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魔力質量の反転でコレットの家に展示されている『アリエルシアの弓』を模造品とすり替え作戦を実行するに当たり、セレスはその実行を今からやってしまえないか?と考えていた。
「今からですか?出来ればその前に私は家に戻ってすり替えの準備しておいた方が良いと思ってるんですが?」
コレットが、何事も急展開でやり始めようとするセレスを少し制しながら提案する。
「確かに、セレスお前はいつもちょっと考える前に行動しようとするクセがあるな。もう少し考えてから行動した方が良いぞ?儂はちょっと考えすぎるとすぐ数十年経ってしまって困るがの!」
レオルステイルが自身の欠点を暴露しながら提案する。
その場に居たメンバーは、ここは笑っていい所なのか?と模索しながら苦笑いした。
「早くやってしまいたいのには理由があるんだ。実はさっき書架に何者かが来店したらしい。グレが無難に対応して事なきを得たようだが、予期せぬ来訪でしかもアタシが知らない人物ぽいんだコレが。だから、何かオカシな事が起きそうな気がしてならないんだよ。」
セレスは苦笑いも程々に、すり替え作戦を早々にやってしまいたい理由を話した。
「それは確かに、私も感じたよ。書架のドアがグレアラシル君の手によって開かれた感触があったからね。いつもの商店街のメンバーなら良かったのだが、私も見知らぬ輩だったよ。これは早めに事に移した方が良さそうだな。」
いつもは反対してくる側にいるソフィアステイルも、書架の異変に気付いていた様でセレスの提案には賛成の様だった。
「あの、オンボロ書架に新規の客?それはかなり怪しいな。僕もちょっと気になるね。あと、留守番君が無難に対応した?ってのも、ちょっと引っかかるな。人見知りそうな彼が無難に対応出来るって事は、もしかすると彼に会いに来た客ってセンもあるかも知れない。」
ベルフォリスは意外と洞察力が鋭い事に、セレスはハっと思い出す。
そうでないとベルフォリスは、半分インチキみたいな占いで未来を予見すると言う最大のハッタリを商売にしていられなかったりするのだ。
「今、セレス、僕の占いをインチキハッタリとか思ったりしたでしょ?」
セレスの気付きに対して、妙に鋭いアンテナ力を発揮するベルフォリスだったが、
「何を偉そうに自分の力だけだと言わんばかりだな、ベル。その力の半分位は私の力のお陰だと言う事は、骨身までは染み込んでいなかったか?」
と、ソフィアステイルに種明かしと圧力をかけられて、強烈に身震いした。
そんな光景を、ほほえましく見守っていた面々だったが、もしベルフォリスの言っている事が本当なら、今後グレアラシルの身にも危険が降りかかる事になる可能性が高まっているのだろう。
「とにかく、今は『アリエルシアの弓』をすり替えることが先決だ!」
セレスは仲間たちに呼びかけた。
「じゃあ、これからコレットの家にて『アリエルシアの弓すり替え作戦』を実行する!」
セレスはそう宣言すると、皆に指示を出して行く。
とりあえずコレットは、護衛でコレット送迎も兼ねるミカゲと共にコレットの家に向かい、『アリエルシアの弓』すり替えをサポートしに行く。
ミカゲが現地に着けば、ミカゲの魔力を頼りにソフィアステイルの『慟哭の門』を移動させる事が出来る。
移動してきた『門』は、質量を反転させて極小にしてから開いて、持参した『弓』の複製と本物?とをすり替えて、『門』をこの赤い月の平原に展開させれば任務は終了だ。
「この進行予定通りに進めば良いが、邪魔や妨害を仕掛けてくる輩が出てくる可能性も否定できない。また、今書架に高魔力の者が戻ると予期せぬ来訪者側に嗅ぎつけられる可能性があるから、書架には誰も戻らない事。」
セレスのこれからの方針を聞き終えた面々は、首を縦に振りつつ神妙な面持ちで、これからの作戦に対しての不安を払拭して行った。
そうだ、ここに集うメンバーは皆、志と言うかセレスの意思を尊重する事を決めた者達なのだ。
セレスがこれから成そうとしている事に協力をする事を誓った仲間達なのだから、何事も恐れる事は無い。
それに、この世界でも屈指の魔力を持つ者達が集まっているのだ。
過信と言われたとしても、過信で何が悪いのか?と言っても誰も責める事は出来ないだろう。
セレスは自身の不安をかき消す様に自問自答した。
この、『アリエルシアの弓』は絶対にソルフゲイルに渡してはならないのだ。
グレアラシルが予期せぬ客を追い払った?あと、1階の長椅子に横たわって慣れない接客の疲れを癒していた。
「ああ~、何だったんだ本当。何でオヤジの事を知ってる口ぶりだったんだ?ハサット先生って何だよ?」
色々と自分の知らない情報を突きつけてきたヤツの事を思い出しながら、そろそろ眠りに落ちようとしていた。
バン!!
突然、2階のドアのたくさんある通路の方から、勢いよくドアが開かれる音がしてグレアラシルは目を覚ます。
「お!誰か戻って来たのか?」
そう言いながら2階に上がる階段の方に目を向けると、コレットを背におぶった状態のミカゲが階段を使わずして1階に降り立ち、そのままドアを開けて外に飛び出して行った。
グレアラシルとすれ違いざまに一瞬目を合わせたが、本当に一瞬過ぎてグレアラシルにはその真意を読み取ることが出来なかった。
「おいおい・・・・2階では一体何をやっているんだ?」
グレアラシルの頭の中には、また新たな疑問が追加された。
「今からですか?出来ればその前に私は家に戻ってすり替えの準備しておいた方が良いと思ってるんですが?」
コレットが、何事も急展開でやり始めようとするセレスを少し制しながら提案する。
「確かに、セレスお前はいつもちょっと考える前に行動しようとするクセがあるな。もう少し考えてから行動した方が良いぞ?儂はちょっと考えすぎるとすぐ数十年経ってしまって困るがの!」
レオルステイルが自身の欠点を暴露しながら提案する。
その場に居たメンバーは、ここは笑っていい所なのか?と模索しながら苦笑いした。
「早くやってしまいたいのには理由があるんだ。実はさっき書架に何者かが来店したらしい。グレが無難に対応して事なきを得たようだが、予期せぬ来訪でしかもアタシが知らない人物ぽいんだコレが。だから、何かオカシな事が起きそうな気がしてならないんだよ。」
セレスは苦笑いも程々に、すり替え作戦を早々にやってしまいたい理由を話した。
「それは確かに、私も感じたよ。書架のドアがグレアラシル君の手によって開かれた感触があったからね。いつもの商店街のメンバーなら良かったのだが、私も見知らぬ輩だったよ。これは早めに事に移した方が良さそうだな。」
いつもは反対してくる側にいるソフィアステイルも、書架の異変に気付いていた様でセレスの提案には賛成の様だった。
「あの、オンボロ書架に新規の客?それはかなり怪しいな。僕もちょっと気になるね。あと、留守番君が無難に対応した?ってのも、ちょっと引っかかるな。人見知りそうな彼が無難に対応出来るって事は、もしかすると彼に会いに来た客ってセンもあるかも知れない。」
ベルフォリスは意外と洞察力が鋭い事に、セレスはハっと思い出す。
そうでないとベルフォリスは、半分インチキみたいな占いで未来を予見すると言う最大のハッタリを商売にしていられなかったりするのだ。
「今、セレス、僕の占いをインチキハッタリとか思ったりしたでしょ?」
セレスの気付きに対して、妙に鋭いアンテナ力を発揮するベルフォリスだったが、
「何を偉そうに自分の力だけだと言わんばかりだな、ベル。その力の半分位は私の力のお陰だと言う事は、骨身までは染み込んでいなかったか?」
と、ソフィアステイルに種明かしと圧力をかけられて、強烈に身震いした。
そんな光景を、ほほえましく見守っていた面々だったが、もしベルフォリスの言っている事が本当なら、今後グレアラシルの身にも危険が降りかかる事になる可能性が高まっているのだろう。
「とにかく、今は『アリエルシアの弓』をすり替えることが先決だ!」
セレスは仲間たちに呼びかけた。
「じゃあ、これからコレットの家にて『アリエルシアの弓すり替え作戦』を実行する!」
セレスはそう宣言すると、皆に指示を出して行く。
とりあえずコレットは、護衛でコレット送迎も兼ねるミカゲと共にコレットの家に向かい、『アリエルシアの弓』すり替えをサポートしに行く。
ミカゲが現地に着けば、ミカゲの魔力を頼りにソフィアステイルの『慟哭の門』を移動させる事が出来る。
移動してきた『門』は、質量を反転させて極小にしてから開いて、持参した『弓』の複製と本物?とをすり替えて、『門』をこの赤い月の平原に展開させれば任務は終了だ。
「この進行予定通りに進めば良いが、邪魔や妨害を仕掛けてくる輩が出てくる可能性も否定できない。また、今書架に高魔力の者が戻ると予期せぬ来訪者側に嗅ぎつけられる可能性があるから、書架には誰も戻らない事。」
セレスのこれからの方針を聞き終えた面々は、首を縦に振りつつ神妙な面持ちで、これからの作戦に対しての不安を払拭して行った。
そうだ、ここに集うメンバーは皆、志と言うかセレスの意思を尊重する事を決めた者達なのだ。
セレスがこれから成そうとしている事に協力をする事を誓った仲間達なのだから、何事も恐れる事は無い。
それに、この世界でも屈指の魔力を持つ者達が集まっているのだ。
過信と言われたとしても、過信で何が悪いのか?と言っても誰も責める事は出来ないだろう。
セレスは自身の不安をかき消す様に自問自答した。
この、『アリエルシアの弓』は絶対にソルフゲイルに渡してはならないのだ。
グレアラシルが予期せぬ客を追い払った?あと、1階の長椅子に横たわって慣れない接客の疲れを癒していた。
「ああ~、何だったんだ本当。何でオヤジの事を知ってる口ぶりだったんだ?ハサット先生って何だよ?」
色々と自分の知らない情報を突きつけてきたヤツの事を思い出しながら、そろそろ眠りに落ちようとしていた。
バン!!
突然、2階のドアのたくさんある通路の方から、勢いよくドアが開かれる音がしてグレアラシルは目を覚ます。
「お!誰か戻って来たのか?」
そう言いながら2階に上がる階段の方に目を向けると、コレットを背におぶった状態のミカゲが階段を使わずして1階に降り立ち、そのままドアを開けて外に飛び出して行った。
グレアラシルとすれ違いざまに一瞬目を合わせたが、本当に一瞬過ぎてグレアラシルにはその真意を読み取ることが出来なかった。
「おいおい・・・・2階では一体何をやっているんだ?」
グレアラシルの頭の中には、また新たな疑問が追加された。
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