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第三章 世界樹の守護者
第40話 『門』
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願っても無い事を言われたベルフォリスだったが、あまり嬉しそうな顔をしなかった。
「そんなに僕を見くびらないでよ!確かに僕はセレスとまた一緒に世界を旅出来そう!って言うのは嬉しいけど、ソフィアステイルの掌の上でクルクル回っていられる程ヒマじゃないんだ。もし、僕がセレスの所に行くとしたら、自分の力で行くよ。」
ベルフォリスは以外にもソフィアステイルの誘いを断り、毅然とした態度を見せた。
その様子を見ていたセレスは、
「何だ、ベルフォリス見直したぞ!アタシはてっきり『門』に行く行く!とか言うものだと思っていたのに。」
セレスがベルフォリスの態度に感心すると、ベルフォリスは少し嬉しそうに照れていた。
「へ~~え、私としても意外だね。まさかベルが私の誘いに乗って来ない事があるなんて。ベルとの魔界歴200年に渡る付き合いの中でも、初めての事かも知れないな。これは祝いの席を設けて、今日から3日間飲めや歌えの大騒ぎをしたい気分だよ。」
ソフィアステイルはセレスの予想に反して、意外なほどにベルフォリスを褒め称えていたが、3日間と言う日程が腑に落ちないセレスは、
「って言う事は、アタシの要求には答えてくれないって事か?さりげなく誘導して『門』を使うのを回避させようとしていないか?」
そう言って、ソフィアステイルの策に真っ向から対抗した。
「分かった分かった、私の負けだよ。と言っても、どこからが勝負だったか忘れたけどな。とりあえず早速『門』を使う事にしよう。ベルはセレスの所に行くなら、あの書架に行くといい。メルヴィの寂れた商店街の先にある3階建ての建物だ。ただ、行ったら行ったで先客が居ると思うけど喧嘩を売ったりするなよ?何せ彼らは脆弱な人間なのだからな。」
ソフィアステイルはそう言って、ベルフォリスに釘を刺した。
ベルフォリスは、
「セレスの仲間?なら僕にとっても仲間だよね?当然僕は彼らと友好的な関係を築くつもりだよ。」
と、言うと、早速身支度をし始めた。
「ベルフォリス、アタシは出来るだけ『門』の力を使ってお前が店に入るタイミングで戻る様にするから、なるべく単独で店に入らないで欲しい。これだけは守ってくれ!」
セレスは、半ば懇願に近い感じにベルフォリスに忠告した。
ベルフォリスはにっこり笑って、「大丈夫」と言って手を振った。
ソフィアステイルが『門』を、そのままベルフォリスの店の中で展開した。
『門』の中は真っ暗で、一度入ってしまったら出られない様な程に深く、その口をぽっかりと開けている。
その黒い世界の奥は異空間になっていて、魔力の少ない人間は短時間で干からびてしまうと言う。
「さて、入りたまえ!セレス。久しぶり過ぎて慄いたか?確かに、毎日入っている私とは違って恐怖感も生まれて来るかも知れないが、そんなに大したことじゃないさ。」
ソフィアステイルはセレスの手を引きながら『門』に誘導した。
セレスは成すがままに『門』の中に入って行く。
水の様な空気の様な、ねっとりとした空間の中に溶け込む多くの人の声が頭の中を巡ったが、それは空間の狭間特有の感覚て、セレスは幾度と無く体感していた気分の悪い感覚だった。
「アタシは『門』はさほど嫌いじゃないんだけどね、この感覚だけはどうも好きになれないな。何て言うか、毎日死体処理上の中を通っている様な感覚があるよ・・・」
セレスは頭を抱えながらその狭間を通過すると、ようやく安定した空間に辿り着いた。
「まぁ、これがかの『慟哭の門』と呼称される所以だね。仕方が無いんだよ『門』を維持するにはあの狭間も必要な空間なんだ。では、さて。まずはどこに行ったら良いかな?」
ソフィアステイルは首をかしげながら『門』を最初に移動させる軸を選択しようとしていた。
『門』の移動には2つの軸である時間と空間を想定して動かさないと、思い通りの場所には出られないと言うのだが、こればっかりは力を行使するソフィアステイルにしか分からない感覚なので、『門』にただ入っているだけのセレスには窺い知る方法は皆無だった。
「まぁ、とりあえずは50年前位の母さんの居る所に出してよ。その時に、あと50年以内に蒼壁の大陸に戻って来て!ってアタシが叫ぶから。」
セレスがそう言うと、
「ふむふむ、50年前か。確かあの頃は白壁の大陸で巨大な白クジラと戦闘していた頃だが・・・・まぁイイか、連れてってやろう。ただし瞬きをしている一瞬で着くがな。」
ソフィアステイルは『門』を動かした。
ベルフォリスの店の中派一瞬にして元の平穏な店の中に戻った。
一人残されたベルフォリスは、しばらく店を休む張り紙を作ったり、鞄に荷物を詰めたりしてメルヴィレッジに行く準備をしていく。
鞄に荷物を詰めている途中でふと何かを思い出し、店の奥にある本棚から1冊の本を持ってきた。
その本のタイトルは、「人間との上手い付き合い方」。
著者はセレスの父である、ソラ・ルデ・ビアス・クロスフィル・トトアトエだった。
「そんなに僕を見くびらないでよ!確かに僕はセレスとまた一緒に世界を旅出来そう!って言うのは嬉しいけど、ソフィアステイルの掌の上でクルクル回っていられる程ヒマじゃないんだ。もし、僕がセレスの所に行くとしたら、自分の力で行くよ。」
ベルフォリスは以外にもソフィアステイルの誘いを断り、毅然とした態度を見せた。
その様子を見ていたセレスは、
「何だ、ベルフォリス見直したぞ!アタシはてっきり『門』に行く行く!とか言うものだと思っていたのに。」
セレスがベルフォリスの態度に感心すると、ベルフォリスは少し嬉しそうに照れていた。
「へ~~え、私としても意外だね。まさかベルが私の誘いに乗って来ない事があるなんて。ベルとの魔界歴200年に渡る付き合いの中でも、初めての事かも知れないな。これは祝いの席を設けて、今日から3日間飲めや歌えの大騒ぎをしたい気分だよ。」
ソフィアステイルはセレスの予想に反して、意外なほどにベルフォリスを褒め称えていたが、3日間と言う日程が腑に落ちないセレスは、
「って言う事は、アタシの要求には答えてくれないって事か?さりげなく誘導して『門』を使うのを回避させようとしていないか?」
そう言って、ソフィアステイルの策に真っ向から対抗した。
「分かった分かった、私の負けだよ。と言っても、どこからが勝負だったか忘れたけどな。とりあえず早速『門』を使う事にしよう。ベルはセレスの所に行くなら、あの書架に行くといい。メルヴィの寂れた商店街の先にある3階建ての建物だ。ただ、行ったら行ったで先客が居ると思うけど喧嘩を売ったりするなよ?何せ彼らは脆弱な人間なのだからな。」
ソフィアステイルはそう言って、ベルフォリスに釘を刺した。
ベルフォリスは、
「セレスの仲間?なら僕にとっても仲間だよね?当然僕は彼らと友好的な関係を築くつもりだよ。」
と、言うと、早速身支度をし始めた。
「ベルフォリス、アタシは出来るだけ『門』の力を使ってお前が店に入るタイミングで戻る様にするから、なるべく単独で店に入らないで欲しい。これだけは守ってくれ!」
セレスは、半ば懇願に近い感じにベルフォリスに忠告した。
ベルフォリスはにっこり笑って、「大丈夫」と言って手を振った。
ソフィアステイルが『門』を、そのままベルフォリスの店の中で展開した。
『門』の中は真っ暗で、一度入ってしまったら出られない様な程に深く、その口をぽっかりと開けている。
その黒い世界の奥は異空間になっていて、魔力の少ない人間は短時間で干からびてしまうと言う。
「さて、入りたまえ!セレス。久しぶり過ぎて慄いたか?確かに、毎日入っている私とは違って恐怖感も生まれて来るかも知れないが、そんなに大したことじゃないさ。」
ソフィアステイルはセレスの手を引きながら『門』に誘導した。
セレスは成すがままに『門』の中に入って行く。
水の様な空気の様な、ねっとりとした空間の中に溶け込む多くの人の声が頭の中を巡ったが、それは空間の狭間特有の感覚て、セレスは幾度と無く体感していた気分の悪い感覚だった。
「アタシは『門』はさほど嫌いじゃないんだけどね、この感覚だけはどうも好きになれないな。何て言うか、毎日死体処理上の中を通っている様な感覚があるよ・・・」
セレスは頭を抱えながらその狭間を通過すると、ようやく安定した空間に辿り着いた。
「まぁ、これがかの『慟哭の門』と呼称される所以だね。仕方が無いんだよ『門』を維持するにはあの狭間も必要な空間なんだ。では、さて。まずはどこに行ったら良いかな?」
ソフィアステイルは首をかしげながら『門』を最初に移動させる軸を選択しようとしていた。
『門』の移動には2つの軸である時間と空間を想定して動かさないと、思い通りの場所には出られないと言うのだが、こればっかりは力を行使するソフィアステイルにしか分からない感覚なので、『門』にただ入っているだけのセレスには窺い知る方法は皆無だった。
「まぁ、とりあえずは50年前位の母さんの居る所に出してよ。その時に、あと50年以内に蒼壁の大陸に戻って来て!ってアタシが叫ぶから。」
セレスがそう言うと、
「ふむふむ、50年前か。確かあの頃は白壁の大陸で巨大な白クジラと戦闘していた頃だが・・・・まぁイイか、連れてってやろう。ただし瞬きをしている一瞬で着くがな。」
ソフィアステイルは『門』を動かした。
ベルフォリスの店の中派一瞬にして元の平穏な店の中に戻った。
一人残されたベルフォリスは、しばらく店を休む張り紙を作ったり、鞄に荷物を詰めたりしてメルヴィレッジに行く準備をしていく。
鞄に荷物を詰めている途中でふと何かを思い出し、店の奥にある本棚から1冊の本を持ってきた。
その本のタイトルは、「人間との上手い付き合い方」。
著者はセレスの父である、ソラ・ルデ・ビアス・クロスフィル・トトアトエだった。
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