10 / 114
第一章 ライカンスロープとの決戦
第10話 本当の敵は
しおりを挟む
グレアラシルが恥ずかしさのあまり礼拝堂遺跡の中に駆け込んだのを確認したセラスは、このトトアトエ遺跡群に元々かかっていた関係者のみ立ち入り禁止的な結界を、普段よりも強固にかけなおした。
そして、
「はいはいはいはい!!コレット!、アタシもアイツに続いてあの礼拝堂の建物の中に入るんだ。」
と言いながら、コレットの背中を押す。
コレットは、強引に自分をあの建物の中に連れて行こうとするセレスに疑問を抱いて、
「セレスさん!何でミカゲは置いて行くんですか?!」
と、詰め寄った。
セレスは、コレットがミカゲに固執する理由が良く分からないと言うか、もしかしてこの子は感覚器官が愚鈍なのかな?とか思いながらも、とりあえず素人に説明するかの様に、誰でも分かる様な簡単な言い回しで説明する。
「イイかい?さっきも少し感じたかも知れないが、アイツはタダの小娘じゃない。普段はその力が強大過ぎるので力の封印も兼ねた拘束具を付けていないと、普通に街で暮らせない様なヤツなんだ。それを、さっき一つ威嚇のためとは言え、外してしまった。しかも更に、これから来るって言うソルフゲイル軍に対しても、更なる威嚇のために拘束具をあと2つは外してもらおうと思ってるんだ。」
そう言って、一つため息をついた。
これで理解してくれない様なら、コレットは魔法が使えるだけのポンコツだ、とセレスは思っていた。
当のコレットは?と言うと、少しの間考えている間の様なものがあったが、首を横に2~3回振った後口を開いた。
「はい、分かりました。ミカゲは何か凄い力を持っていて、これから来るソルフゲイル軍にも対抗しうる力を持っているから、私達が逃げて隠れ続けて居られる様に、囮として残る・・・と言う事ですね。」
そう言いながらセレスの目を見据えた。
セレスは、何だ分かってるじゃん?と言いたげな目をコレットに向けた後、
「そー言う訳だ、だから急ぐんだ!ソルフゲイル軍はね、もう結構長らくアタシを追い詰めたくてウズウズしていたと思うんだよね。今回派兵されているメンバーは、アタシの魔法を警戒するあまり、かなりの高位の対魔法戦を想定したメンバーを連れている可能性がある。そいつらとアタシが正面切って相対したら、アタシは多分早々に投降する事になるんだよね・・・・」
と言いながら、礼拝堂の中に入った。
続いてコレットも中に入る。
礼拝堂の入り口のドアは壊れて、完全に封鎖する事が出来なくなって使えなくなっているのでセレスは、更にソルフゲイル軍に感づかれない様に新しい別の結界を張り始めるが、完全に結界が閉じる寸前にミカゲに最終指示を与えた。
「と言う訳だからミカゲ!拘束具はあと2つは外していいから!!今すぐ!!」
と、叫んだ後、完全に礼拝堂は外との行き来を絶たれる程に強固な結界が築かれた。
ミカゲの状況を見る事は出来ても、ミカゲに何かしらの言葉をかける事は一切できない状態になっていた。
拘束具を外して良い!と言われた当のミカゲは、あと2つは~のくだりがあまりよく聞こえなかった様で、角のもう片方の拘束具を始めに、次には両腕の腕輪のアクセサリーの様な拘束具も両方外し、更に両足に付けていたモノも外して地面に放り投げた。
放り投げられた拘束具は、先程の角の拘束具の時と同様に、ミカゲの手から放物線を描きながら地面に落ちた後は、鈍い音を立てながら地面にジワジワと沈み込んで行った。
その様子は、もうあと数メルトの距離に来ていたソルフゲイル軍にも察知出来る様になっており、目の前に佇む亜人風の少女の気配が尋常ではない生命体のモノになっている事に、かなり戦慄を感じていた。
「全体~止まれ!!」
ソルフゲイルの軍勢が、先頭に立つ隊長らしい者の指示でその場で止まる。
ミカゲまでの距離をかなり取って止まっていた。
隊長らしき男は軍勢をその場に待機させて、とりあえず自分だけ先行して相手の様子を見てくると言い残し、一人ミカゲの近くに歩み寄ろうとした。
所が、歩み寄ろうとするその足が、全く動かなかった。
何か、足の動きを遅らせる魔法でもかかっているのか?と、待機を命じられた軍勢のメンバーは思っていたが、そんな 生易しいモノでは無かった。
隊長らしき男の足の前に進もうとする足の歩みを止めていたのは、そう言う魔法でも何でも無くて、ただのその男の恐怖心から来るモノだったのだ。
隊長があまりにも戦慄し過ぎているのを見かねた隊のメンバーの数人が、隊長に自分らが見て来ますよ?と言って隊長の前に歩み出ようとするも、彼等もまた隊長と同じ様に足がすくみ、前に進む事が出来なくなっていた。
「これは・・・・マジでヤバいっすよ・・・・アイツ、あの小娘一体何者なんすかね・・・・」
ミカゲから滲み出て来る気配は、ドロドロとした憎悪の様な混沌とした世界への入り口を開いてしまった魔界の使者の様な、そんな雰囲気をソルフゲイル軍の全員が感じ取っていた。
セレスの予想通り今回は、対魔法戦に長けている者が多かった所為か、このドロドロした気配を持つ目の前の亜人の少女の正体について、少々知識のある者も居た。
「俺・・・昔祖父に聞いたんですがね、まだこの国がトトアトエ・テルニアだった頃、この国の王が使役していた竜の話を思い出したんすよ。王が使役していた竜は、何でも魔界の王の影武者もこなせる程の実力者で、その本体は大きな山と同じ位の巨体の竜だって聞いた事があるんすよね・・・・」
と言いながら、博識な者は涙を流していた。
あまりの恐怖と戦慄と威圧によって、精神が崩壊しそうになっていた。
つまりミカゲは、この博識君の説明通りなら、魔王の影武者『御影』の竜と言う事になるのだろう。
そうして、ミカゲの正体?らしき情報が派兵されてきたソルフゲイル軍の面々に伝わる頃には、彼らの戦意など消え去り、早くこの場から撤退する方法を模索するに留まる、ただの一般市民の様に成り果てていた。
「ひっ!!ひぇぇぇぇええええーーー!!!」
隊の一人が恐怖感に耐え切れず、一人この場から走って撤退して行った。
他のメンバーも、誰一人そいつを臆病者!と罵る事もなく、むしろそれに習う様に続々とその場から全速力ともいえる速度で走って街の方に逃げ去って行く。
隊長らしき男は、その場で足がすくんで動けなくなっていたが、隊長に歩み寄っていた数人に支えながらその場を後にした。
進行してセレス一味を一網打尽にしてやろうと目論んでいた軍勢は、アリの子を散らすように散りじりになりながら撤退して行った。
そして、
「はいはいはいはい!!コレット!、アタシもアイツに続いてあの礼拝堂の建物の中に入るんだ。」
と言いながら、コレットの背中を押す。
コレットは、強引に自分をあの建物の中に連れて行こうとするセレスに疑問を抱いて、
「セレスさん!何でミカゲは置いて行くんですか?!」
と、詰め寄った。
セレスは、コレットがミカゲに固執する理由が良く分からないと言うか、もしかしてこの子は感覚器官が愚鈍なのかな?とか思いながらも、とりあえず素人に説明するかの様に、誰でも分かる様な簡単な言い回しで説明する。
「イイかい?さっきも少し感じたかも知れないが、アイツはタダの小娘じゃない。普段はその力が強大過ぎるので力の封印も兼ねた拘束具を付けていないと、普通に街で暮らせない様なヤツなんだ。それを、さっき一つ威嚇のためとは言え、外してしまった。しかも更に、これから来るって言うソルフゲイル軍に対しても、更なる威嚇のために拘束具をあと2つは外してもらおうと思ってるんだ。」
そう言って、一つため息をついた。
これで理解してくれない様なら、コレットは魔法が使えるだけのポンコツだ、とセレスは思っていた。
当のコレットは?と言うと、少しの間考えている間の様なものがあったが、首を横に2~3回振った後口を開いた。
「はい、分かりました。ミカゲは何か凄い力を持っていて、これから来るソルフゲイル軍にも対抗しうる力を持っているから、私達が逃げて隠れ続けて居られる様に、囮として残る・・・と言う事ですね。」
そう言いながらセレスの目を見据えた。
セレスは、何だ分かってるじゃん?と言いたげな目をコレットに向けた後、
「そー言う訳だ、だから急ぐんだ!ソルフゲイル軍はね、もう結構長らくアタシを追い詰めたくてウズウズしていたと思うんだよね。今回派兵されているメンバーは、アタシの魔法を警戒するあまり、かなりの高位の対魔法戦を想定したメンバーを連れている可能性がある。そいつらとアタシが正面切って相対したら、アタシは多分早々に投降する事になるんだよね・・・・」
と言いながら、礼拝堂の中に入った。
続いてコレットも中に入る。
礼拝堂の入り口のドアは壊れて、完全に封鎖する事が出来なくなって使えなくなっているのでセレスは、更にソルフゲイル軍に感づかれない様に新しい別の結界を張り始めるが、完全に結界が閉じる寸前にミカゲに最終指示を与えた。
「と言う訳だからミカゲ!拘束具はあと2つは外していいから!!今すぐ!!」
と、叫んだ後、完全に礼拝堂は外との行き来を絶たれる程に強固な結界が築かれた。
ミカゲの状況を見る事は出来ても、ミカゲに何かしらの言葉をかける事は一切できない状態になっていた。
拘束具を外して良い!と言われた当のミカゲは、あと2つは~のくだりがあまりよく聞こえなかった様で、角のもう片方の拘束具を始めに、次には両腕の腕輪のアクセサリーの様な拘束具も両方外し、更に両足に付けていたモノも外して地面に放り投げた。
放り投げられた拘束具は、先程の角の拘束具の時と同様に、ミカゲの手から放物線を描きながら地面に落ちた後は、鈍い音を立てながら地面にジワジワと沈み込んで行った。
その様子は、もうあと数メルトの距離に来ていたソルフゲイル軍にも察知出来る様になっており、目の前に佇む亜人風の少女の気配が尋常ではない生命体のモノになっている事に、かなり戦慄を感じていた。
「全体~止まれ!!」
ソルフゲイルの軍勢が、先頭に立つ隊長らしい者の指示でその場で止まる。
ミカゲまでの距離をかなり取って止まっていた。
隊長らしき男は軍勢をその場に待機させて、とりあえず自分だけ先行して相手の様子を見てくると言い残し、一人ミカゲの近くに歩み寄ろうとした。
所が、歩み寄ろうとするその足が、全く動かなかった。
何か、足の動きを遅らせる魔法でもかかっているのか?と、待機を命じられた軍勢のメンバーは思っていたが、そんな 生易しいモノでは無かった。
隊長らしき男の足の前に進もうとする足の歩みを止めていたのは、そう言う魔法でも何でも無くて、ただのその男の恐怖心から来るモノだったのだ。
隊長があまりにも戦慄し過ぎているのを見かねた隊のメンバーの数人が、隊長に自分らが見て来ますよ?と言って隊長の前に歩み出ようとするも、彼等もまた隊長と同じ様に足がすくみ、前に進む事が出来なくなっていた。
「これは・・・・マジでヤバいっすよ・・・・アイツ、あの小娘一体何者なんすかね・・・・」
ミカゲから滲み出て来る気配は、ドロドロとした憎悪の様な混沌とした世界への入り口を開いてしまった魔界の使者の様な、そんな雰囲気をソルフゲイル軍の全員が感じ取っていた。
セレスの予想通り今回は、対魔法戦に長けている者が多かった所為か、このドロドロした気配を持つ目の前の亜人の少女の正体について、少々知識のある者も居た。
「俺・・・昔祖父に聞いたんですがね、まだこの国がトトアトエ・テルニアだった頃、この国の王が使役していた竜の話を思い出したんすよ。王が使役していた竜は、何でも魔界の王の影武者もこなせる程の実力者で、その本体は大きな山と同じ位の巨体の竜だって聞いた事があるんすよね・・・・」
と言いながら、博識な者は涙を流していた。
あまりの恐怖と戦慄と威圧によって、精神が崩壊しそうになっていた。
つまりミカゲは、この博識君の説明通りなら、魔王の影武者『御影』の竜と言う事になるのだろう。
そうして、ミカゲの正体?らしき情報が派兵されてきたソルフゲイル軍の面々に伝わる頃には、彼らの戦意など消え去り、早くこの場から撤退する方法を模索するに留まる、ただの一般市民の様に成り果てていた。
「ひっ!!ひぇぇぇぇええええーーー!!!」
隊の一人が恐怖感に耐え切れず、一人この場から走って撤退して行った。
他のメンバーも、誰一人そいつを臆病者!と罵る事もなく、むしろそれに習う様に続々とその場から全速力ともいえる速度で走って街の方に逃げ去って行く。
隊長らしき男は、その場で足がすくんで動けなくなっていたが、隊長に歩み寄っていた数人に支えながらその場を後にした。
進行してセレス一味を一網打尽にしてやろうと目論んでいた軍勢は、アリの子を散らすように散りじりになりながら撤退して行った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
幼馴染を起点とする異世界ハーレム
いあっち
ファンタジー
中学三年生の鈴木海斗と渡辺愛花はトラックに轢かれ異世界へ行くことになる。転生した場所で出会った内気な姉と元気な妹の猫耳姉妹奴隷を始め、とある依頼の報酬としてもらったエルフの女の子、闇市にいた絶世の美少女吸血鬼など色んな仲間を手に入れて冒険していく物語。王族や公爵家とも繋がりが出来て順風満帆!かと思いきや厄介事に巻き込まれたり……。だけどそんなこと皆で力を合わせて万事解決!いざ異世界冒険者ライフ!日本じゃ体験出来なかったことを体験して、思うがままにやってみる。やっぱり人生は楽しいほうがいい!これは幼馴染の二人による異世界冒険(とハーレム)の物語である。
「異世界って、本当にあるんだな」
「せっかく来たんだし、楽しまないとね」
※小説家になろう様でも投稿しております。
最難関ダンジョンで裏切られ切り捨てられたが、スキル【神眼】によってすべてを視ることが出来るようになった冒険者はざまぁする
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【第15回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作】
僕のスキル【神眼】は隠しアイテムや隠し通路、隠しトラップを見破る力がある。
そんな元奴隷の僕をレオナルドたちは冒険者仲間に迎え入れてくれた。
でもダンジョン内でピンチになった時、彼らは僕を追放した。
死に追いやられた僕は世界樹の精に出会い、【神眼】のスキルを極限まで高めてもらう。
そして三年の修行を経て、僕は世界最強へと至るのだった。
アイテムボックスだけで異世界生活
shinko
ファンタジー
いきなり異世界で目覚めた主人公、起きるとなぜか記憶が無い。
あるのはアイテムボックスだけ……。
なぜ、俺はここにいるのか。そして俺は誰なのか。
説明してくれる神も、女神もできてやしない。
よくあるファンタジーの世界の中で、
生きていくため、努力していく。
そしてついに気がつく主人公。
アイテムボックスってすごいんじゃね?
お気楽に読めるハッピーファンタジーです。
よろしくお願いします。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
さようなら竜生、こんにちは人生
永島ひろあき
ファンタジー
最強最古の竜が、あまりにも長く生き過ぎた為に生きる事に飽き、自分を討伐しに来た勇者たちに討たれて死んだ。
竜はそのまま冥府で永劫の眠りにつくはずであったが、気づいた時、人間の赤子へと生まれ変わっていた。
竜から人間に生まれ変わり、生きる事への活力を取り戻した竜は、人間として生きてゆくことを選ぶ。
辺境の農民の子供として生を受けた竜は、魂の有する莫大な力を隠して生きてきたが、のちにラミアの少女、黒薔薇の妖精との出会いを経て魔法の力を見いだされて魔法学院へと入学する。
かつて竜であったその人間は、魔法学院で過ごす日々の中、美しく強い学友達やかつての友である大地母神や吸血鬼の女王、龍の女皇達との出会いを経て生きる事の喜びと幸福を知ってゆく。
※お陰様をもちまして2015年3月に書籍化いたしました。書籍化該当箇所はダイジェストと差し替えております。
このダイジェスト化は書籍の出版をしてくださっているアルファポリスさんとの契約に基づくものです。ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
※2016年9月より、ハーメルン様でも合わせて投稿させていただいております。
※2019年10月28日、完結いたしました。ありがとうございました!
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる