ソラ・ルデ・ビアスの書架

梢瓏

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第一章 ライカンスロープとの決戦

第4話 仕組まれた罠

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められた?私が?」

 今度はコレットが驚きを隠せない状態になっていた。

まさか、今の今まで追われて命からがら逃げ込んだこの書架で、自分は嵌められたのかも知れないと言われて平然として居られる程器が大きくはなかったので、コレットは普通にかなり驚いていた。

「どうして私が嵌められなければならないんですか?!」

コレットは、事の真相を聞くためにセレスに詰め寄った。

セレスは、

「まぁ、落ち着け。事の真相はこうだ。と言っても、アタシのこの話はあくまでもアタシの推理だからな、真実と言う所までは追っかけて来ているであろう犯人?いや仕掛け人に訊くしか無いだろうな。」

そう言ってコレットを一旦落ち着かせる。

「多分コレットは、配置に付かされた位置に若干不審めいた感覚を感じたかも知れない。けれども命令だから仕方なくその位置に付いたんだと思う。」

「そうです!何故か建物の屋根のしかも密会風景が見える位置でした!」

セレスに指摘された通り、コレットの配置は誰かに仕組まれたモノだった。

「で、いざ警備していると視線の先の窓の部屋で、御三家と総務大臣が密会をしていた所をバッチリ目撃してしまう。それもほぼ全部の状況を把握出来る程に見てしまったんだ。」

「はい、そうです!本当~セレスさんの方こそ、どこかで見てたんですか?って位に正確ですよ!」

コレットは目を輝かせながら、セレスの次の言葉に耳を傾ける。

「多分コレットは、現メルヴィ政権に対して反発している輩に、総務大臣と御三家の密会を阻止するどころか容認している売国奴だ!とか言われて、捉えられた挙句拷問される可能性があるとアタシは見ているんだけど・・・・」

と、言いながらセレスはコレットに目をやると、コレットは今にも倒れそうな程に青白い顔をしていた。

「わ、私・・・そんな事に巻き込まれそうになっていたんですか・・・・?」

「とりあえず、その真意は追っかけて来ている当の本人に聞こうじゃないの?ねぇミカゲ!」

急にセレスはミカゲに話を振った。
全然今の話には入って来なかったミカゲだったのに何故?とコレットは思ったが、それも一瞬で理解した。

「追手は何か獣人ポイね!何か結構しらみつぶしに商店街の店の扉を開けまくっているお!ココに留まってたら、あと半刻もすると来ちゃうけど、どうするち?」

二人が推理談義していた頃にミカゲは、天性の才能?で追跡者の動向を探っていたのだった。

 追跡者は結構近くまで来ているとの事だったので、3人は店から出て追跡者を迎え撃つ場所まで移動する事にした。

セレスは出かけに小さな鞄を持ちだして、肩から背負って行った。
コレットは、「その鞄は?」と聞こうと思ったが、後に分かるだろうと思って口にする事は無かった。

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