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今日もまた、外を眺める。
声がかかることは、今日もない。
僕は、この館で仕事をする事はないのかな…。
あの時だけ…。
僕のお客様は皆様、可愛らしい。
僕のお客様は皆様、美しい。
僕のお客様は皆様、優しい。
僕のお客様は皆様、ちょっと意地悪。
僕のお客様は皆様、寂しいお方。
僕のお客様は皆様、涙もろい。
僕のお客様は皆様、僕の体が好きだと言ってくれる。
僕のお客様は皆様、僕の事をぎゅっと、抱き締めてくれる。
ごつごつとしているのに…「痛くないですか?」って、申し訳ないので言ったら、皆様微笑みながら。
「そこがいいじゃない。なかなかないわ。(普通の男じゃこの肉体と体位)」
この体と体力のお陰で、僕を呼んでくれる。
せめて、もう少し僕のご面相がよかったら、もっと喜んでもらえて、良かったのにと思う。
「その冷たそうな瞳が、いいんじゃない。」
そうなの?っと、いつも思う。
僕のお客様は、皆様女性だ。
初めては、男性だった。
優しくいろいろと教えてくれた方。
初めて「お声がかかったよ。」と、言われて連れていかれたのは、どこかのお屋敷だった。
初めてだったので、世話役が一緒に部屋まで行ってくれた。
「どうぞ、良しなに。初めてですので。」
世話役が、頭を下げながら言ってくれた。
「よろしくお願いします。」
僕も頭を下げた。
世話役は、僕の背中を軽くさすると部屋から出ていった。
僕は、食われた。
僕は、男になった。
水揚げで、処女を失い。
食われて、童貞を捨てた。
夜に着る着物が、僕には一枚しかない。
手鞠の柄のこの一枚。
可愛らしいと思ったけど、子供っぽいかな…。
などと思いながら、格子の外を眺める。
みな、楽しそうに行き交っている。
声がかかることは、今日もない。
僕は、この館で仕事をする事はないのかな…。
あの時だけ…。
僕のお客様は皆様、可愛らしい。
僕のお客様は皆様、美しい。
僕のお客様は皆様、優しい。
僕のお客様は皆様、ちょっと意地悪。
僕のお客様は皆様、寂しいお方。
僕のお客様は皆様、涙もろい。
僕のお客様は皆様、僕の体が好きだと言ってくれる。
僕のお客様は皆様、僕の事をぎゅっと、抱き締めてくれる。
ごつごつとしているのに…「痛くないですか?」って、申し訳ないので言ったら、皆様微笑みながら。
「そこがいいじゃない。なかなかないわ。(普通の男じゃこの肉体と体位)」
この体と体力のお陰で、僕を呼んでくれる。
せめて、もう少し僕のご面相がよかったら、もっと喜んでもらえて、良かったのにと思う。
「その冷たそうな瞳が、いいんじゃない。」
そうなの?っと、いつも思う。
僕のお客様は、皆様女性だ。
初めては、男性だった。
優しくいろいろと教えてくれた方。
初めて「お声がかかったよ。」と、言われて連れていかれたのは、どこかのお屋敷だった。
初めてだったので、世話役が一緒に部屋まで行ってくれた。
「どうぞ、良しなに。初めてですので。」
世話役が、頭を下げながら言ってくれた。
「よろしくお願いします。」
僕も頭を下げた。
世話役は、僕の背中を軽くさすると部屋から出ていった。
僕は、食われた。
僕は、男になった。
水揚げで、処女を失い。
食われて、童貞を捨てた。
夜に着る着物が、僕には一枚しかない。
手鞠の柄のこの一枚。
可愛らしいと思ったけど、子供っぽいかな…。
などと思いながら、格子の外を眺める。
みな、楽しそうに行き交っている。
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