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琥太朗くんの苦手なもの。
しおりを挟む「こたろー、今日学校は?」
ベッドに寝転がる俺に、佐光さんは怠そうに着替えつつ話しかけてくる。
佐光さんとせフレ関係になって早一ヶ月。
俺は毎晩のように佐光さんに抱かれていた。
お陰でそろそろ体がキシキシする。
「……んー……いかない……」
眠くて怠くて、そう言えば「じゃーご飯作ってね」と言ってきた。
佐光さんが仕事の日は俺がご飯を作って待つ。
あと、掃除と洗濯もする。
家事は瑛の家に居候してた時に、瑛のやり方で習ったから、瑛の方式で初めはやってたんだけど、佐光さんが、「他の男の気配がすんのはなんか気持ち悪い」とか言って、一から俺に佐光さん流の家事を教えてくれた。
だからもう瑛のやり方は忘れて佐光さんのやり方で家を綺麗にしてる。
料理も瑛は洋食派で味にうるさかったけど、佐光さんは和食派であっさりした物が好きで、失敗しても「そう?俺味よく分からないから」と言って涼しい顔で食べてくれた。
俺はもう佐光さんが好きで好きでたまらない。
昔から、好きって言ってくれる子は好きになったし、俺の好きなことをしてくれる人はみんな好きだった。
瑛も初めて出会った時は、優しくて穏やかでちょっと気性は荒かったけど、今みたいに派手に殴るような人じゃなかった。
会社でいっぱいストレス抱えてんだって。
だから俺も黙って殴られてたけど、段々痛みを感じるようになって痛みに意識がむくと、殴られるのが怖くて怖くて堪らなくなった。
手が怖い、瑛が怖い、痛みが襲ってくる、怖い。
怖さが爆発すると、俺は自分でも手が付けられないくらいに抵抗した。
物をなげつけ、腕を振り回して泣き叫んだ。
瑛は初めはビックリして俺を抱きしめて謝ってくれたけど段々めんどくさくなったのか、倍の怒りで俺をねじ伏せてくるようになった。
俺も馬鹿だから、気持ちいい事されると怒ってた気持ちがすぅ、って消えてっていつもなんであんな怒ったのか忘れてしまう。
けど佐光さんの家に来てからはそんなことはあまりなくなった。
時々、あるけど。
佐光さんは怖い事はしない。
俺を抱いてる時は何だかちょっと意地悪だし、苦しい事いっぱいするけど、それと同じくらい甘やかしてくれるから、すぐに不安よりも嬉しい気持ちが勝って、ぽわんってなる。
「こたろー、聞いてる?」
佐光さんはグイッと俺のデコを押さえつけ無理矢理目を合わせてくる。
「……さみつさん、……きょうもかっこいぃ……」
思わずそう言うと、佐光さんは「はぁ……」と溜息を吐いて、デコピンした。
「うるさいよ。それより今日の夕飯は肉じゃがが良いって言ってるの」
「うん!わかった!いっぱい作るぜ!」
「いや食べきれないでしょう。いつもの量にして」
「わかった!いつもの量にするぜ!」
こくこく頷けば佐光さんは、「じゃあ行ってくるから」と言って、家を出た。
「ふぇ~……かっくいぃ~……」
佐光さんの顔、凄いかっこいいんだ。
かっこいい~!!!!!
暫く、佐光さんの匂いに包まれてジタバタした。
[chapter:side 佐光]
妙な子を拾ってしまったと自分でも思う。
とても馬鹿な子だ。
初めは店に来た客がとんでもないDV男で、無理矢理琥太朗に自分と同じ刺青を彫ろうとしやがって、琥太朗が暴れた。
それを見た男は琥太朗をボコボコにしてあろう事かうちの従業員にまで手をあげた。
本当はそこで止めようと思ったが、既にボロボロだった琥太朗はずりずりと怯えながらもマリコに覆いかぶさって、必死に守っていた。
ごめんなさい、ごめんなさい、と謝りながら女を守っていた。
正直俺は自他ともに認める下半身クズなので、その辛そうな泣き顔に興奮した。
そんで余りにもドカバコうるさかったので普通に殴ったし警察呼んだ。
琥太朗の男は捕まり、俺はちゃっかり琥太朗をお持ち帰りした。
途中まで並んで歩いていたけれど、直前までキャピキャピマリコと笑いあっていた琥太朗がいきなりしゃがみこんで真っ青になるので流石にビックリしておぶった。
なんで言わなかったんだ、って言ったら、
─……いたみより、ふたりとはなすことに、集中してた
なんて馬鹿な事を言うので呆れた。
おぶりながらマリコを送り届け自分の家に琥太朗を持ち帰る。
優しくしてやる度に琥太朗はビックリするので、きっと優しくされ慣れて無いんだろうと思った。
琥太朗にセフレになれと言えば、引かれるか怒るか逃げるかのどれかだと思ったのに、琥太朗は嬉しいと顔を輝かせていた。
こっちが拍子抜けすると、琥太朗は俺を好きだと笑った。
正直混乱した。
いやあって24時間も経ってないし、俺は一応キミも殴ってるし、正直好きになられるところなんて……あ、顔か?
案の定、琥太朗は俺の顔をすきだと言った。
でもそれと同時に、頭を撫でてくれて嬉しかった、とも言った。
この子は嘘が付けない子だと何となく思ってたから、素直に信じた。
元来俺は他人に興味が無い。
泣こうが喚こうが他人だし、という感情で共感性が欠けている。
信用もしていない。
だから、琥太朗を全て信用したわけじゃないけど、琥太朗を抱くようになってから一ヶ月近く経って痛感する。
琥太朗は本気で俺を好きだとのたまわってるらしい。
人間が言われて嬉しいような事を言ってやれば、琥太朗はきゅんきゅん締め付けながらも頬を緩ませへにゃり、と力の抜けた顔で笑う。
そういう、夜の顔を知らなければ、ただ街で見かける琥太朗はヤンチャな男子高校生って感じで爽やかな男の子だ。
身長も178センチの俺と並ぶくらいはあったし、女の隣に居たらそれなりに彼氏に見える。
そしてそんな琥太朗と過ごして分かったことがいくつかあった。
琥太朗は『指示』されたらなんでも素直にやる。
それがどんな要求でもやろうとする。
逆に言えば、自分が何を出来ないのか把握しておらず無理難題押し付けてやらせると、苦しくて泣く。
この間はイラマチオさせたら苦手だったようで青い顔して嘔吐していた。
でも、「がんばる……」ってずびずび泣きながらしゃぶるのでその泣き顔に興奮して顔射した。
それから琥太朗は思った事をなんでも言う。
俺をかっこいいと思った時も隠さずに言う。
そしてそれを、恥ずかしいとも思わないらしくケロッとした顔で言う。
その不意打ちの言葉に、不覚にも可愛いと思う自分が居た。
そして最後は、琥太朗が『癇癪持ち』だということ。
初めに店で会った時も不思議に思ったが、琥太朗は不安や恐怖が募ると癇癪を起こして部屋の中をめちゃくちゃにしてしまう。
普段ニコニコで温厚で元気いっぱいの琥太朗からは想像出来ないほどに顔を歪めて泣き叫びながら、己が怪我をするのも厭わないくらいに物を投げ、殴り、蹴って、激しく暴れた。
そんな子を見た事がないし、症状の名前だけは知ってたから「まあそういう子もいるよね」ぐらいに煙草を吸ってボーッと眺めてたら、ふと我に返った琥太朗がえぐえぐ泣きながらよたよたとこちらに来た。
─……しゃみつさ、……なんで、おこんないの……ッ
自分のした事をちゃんと悪いと分かってる琥太朗は俺に縋るように泣いた。
俺は特にかける言葉は無かったので、「怪我した?手当する?」って聞けば、琥太朗はより一層泣いて「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝った。
まあ部屋はめちゃくちゃだけど、弱った琥太朗を抱く時、琥太朗は一層乱れるので俺のちんこは万々歳だ。
未だに何故琥太朗が癇癪を起こすのかは分からない。
原因は特定出来ていない。
急に「う゛~ッ」と頭をガシガシ掻き毟り、ボタボタと涙を流し始め抑えられなくなって暴れる。
この流れは変わらないんだけど、何で爆発してるのかが分からない。
俺は自分の発言に責任を持たないので、俺の言動なのか分からないが、ただのセフレでそれ以上の存在にするつもりは無いので、適当に見過ごしている。
多分それを琥太朗は「優しさ」だと思ってるんだろうけど違う。
どうでもいいんだよ、琥太朗。
俺はお前を抱ければそれでいい。
それ以外は正直めんどくさいよ。可愛いけど。
俺の性癖は歪んでいると付き合った事のある奴らは言う。
口々に言って、それが原因でいつも俺が振られる側だった。
まあ自覚している。
俺の趣味は、お前の元彼より酷いかもよ?琥太朗。
さっき指示された事を何でもやると、言ったが、もうひとつあった。
琥太朗は指示された事以外出来ない。
出来が悪いと言うべきか、自分で自分を「俺馬鹿なんだあ」とは言っていたけれど、それ程までに馬鹿だとは思わなくて正直驚いている。
琥太朗は学校をサボりがちで、俺は別に保護者でもなんでもないので家に居るなら家事をしろ、と指示をしたら琥太朗は嬉しそうに家事をした。
仕事から帰って家に入れば、なんだか違った空気を感じて疑問に思い琥太朗にきけば、掃除の仕方も服のたたみ方も食事の味も、全部元彼の好みとやり方だと言うので流石にイラッとはした。
これは嫉妬とかでは無く、自分で判断して自分で考えられない琥太朗にイラッときた。
まあでも仕事で疲れていたし、怒る気力も無くて次の休みの日琥太朗に一から「俺流」で教えてあげた。
すると琥太朗はしっかりとその通りにやってくれ、今では俺よりうまいかもしれない。
食事も俺好みの味をすぐに覚えてくれたし、たたみ方も物の置き場所も全部俺が普段やってる物を完全にコピーしてやってくれる。
ていのいい家政婦だ。
だから琥太朗はやればできる子なんだと勝手に思ってた。
でも琥太朗が出来るのは『それ』だけだった。
勉強をたまに見てやればどれだけ教えても絶対間違えるし、セックスしてる時も指示しても上手にやれないのが悔しいのかボロボロ泣き出すし、フェラだってド下手くそで教えてやっても絶対上手く出来なくて絶対吐く。
まあその泣き顔には全部興奮してるからいいんだけど。
それでも何となく琥太朗を手放す気にはならなかった。
今までの俺なら、上手く出来ないセフレとか面倒だしダルいし即捨て案件だったけど、何故か琥太朗にはそれが出来なかった。
それが、琥太朗が素直に俺を好いてくれているからなのか、料理が俺好みだからなのか、いつも一生懸命だからなのか、嘘が無いからなのか、は分からない。
ただなんとなく、琥太朗を手放して翌日死にましたなんて言われても納得してしまうくらいには、何処と無く危うい。
体は華奢では無いし、先に述べたように女の子と並べば普通にかっこいい男の子だ。
それでも危ういと思うのは、多分、琥太朗が自分の意思で生きていないからかもしれない。
琥太朗は指示されないと、動けない。
それはトイレに行けないとか風呂に入れないとかそういう事ではなくて、指示をしないと甘えにも来ない。
遠慮してる訳じゃなくて、頭の中に「頭を撫でてもらうようにする」とかいう考えが無いらしい。
時折、セックスの時はぶっ飛ぶのか「ちゅーして」だけは言えるらしいけど、それ以外は言ってこない。
それは元彼にそう躾られたからなのかもしれないし、癖なのかもしんないけど、あまりにも他人に求めなすぎる。
そのくせ、して欲しそうなことを察してやってあげれば、とびきり嬉しそうな顔で「だいすき!」と言ってくる。
彼の元来の性格なのか、何かがキッカケなのかは知らないけど俺はだいぶ気分屋だから望んだ時に望んだ反応が返ってくる琥太朗は可愛いと思う。
逆に構わなければ構わないでちょっとしょんぼりしてるけど、ワガママを言ってこないのでラクだ。
普通の人間はしょんぼりすると、駄々こねるか怒るか、察してオーラを出してうざったいけど、琥太朗は違った。
最初こそしょんぼりするものの、その寂しさを忘れてしまうのか少し目を離した隙に勝手にニコニコに戻ってる。
我慢してる風でもなく、心からニコニコになってて、ぱっと目が合うと、「なあさみつー!」って時々呼び捨てにされる。
多重人格かって思うほどコロコロ表情が変わる子だ。
だからだろうか。
もっと色んな顔を見たいと思う。(主に下系だが)
職場の休憩室でタバコを吸っていると、ガチャリとドアの音がした。
「佐光ちゃーん、あの後琥太郎くん大丈夫だった?」
頬に絆創膏を貼ったスタッフのマリコが申し訳無さそうに顔を出してきた。
「……うん」
「うん、ってそれだけぇ!?あんなに青い顔してたのに大丈夫なわけじゃないのよ!!」
……て思うなら回りくどく聞くなよな。
と、心の中で悪態つきつつもタバコの灰を灰皿に落とし、再びくわえる。
……あー、くわえるって、……あのちぃせぇ口にくわえられてぇな。
帰ろうかな。
「もー、どうせ佐光ちゃんの事だから琥太郎くんお持ち帰りしたんでしょうけど……。未成年よ?分かってる?アンタ、犯罪者なんだからね!」
マリコのぬるい説教を一瞥し、ため息を吐いた。
「……この業界で改めて犯罪者だって言われても、なんの意外性も無いよね」
「……アンタってほんと、顔だけの男よね。下半身クズヤリチンドスケベ野郎が」
「……長いな」
マリコはぷんすかしながら受付の方へと戻って行った。
今日は施術の予約は3件。
明日は2件。
明後日は……オフだ。
次の休みは琥太郎をどうしてやろうか。
頭の中で思案しつつ、ネットショッピングを見ながら客が来るのを待っていた。
佐光さんは微笑んだ。
「……じゃあ今からこれ挿れて俺が帰ってくるまで大人しくしててね」
「……そ、れ」
俺は見た事があった。
佐光さんが手に持っている黒くて、へんてこな形をしているもの。
今日は佐光さんはオフだと言うから、すごく嬉しくて後ろを着いて回っていたら、ピンポンチャイムが鳴って佐光さんは小さめな箱を抱えて戻ってきた。
手際よく開けていく佐光さんの手元をワクワクしながら見ていると、そう中から出てきたんだ。
忌々しい……えねまぐら、が。
「……俺ねぇ今日オフはオフなんだけど、元同僚と飲む約束しててさぁ。でも折角休みなのに琥太郎構ってあげられないの可哀想でしょう?だから、買ってみたの。つけてくれるよね?」
有無を言わさないその表情と物言いにバクバクと心臓が鳴る。
……どうしよう、……おれ、えねまぐら、あんまり好きじゃない……。
前、瑛に面白半分で突っ込まれて、気絶するまで外して貰えなくて、……ちょっとトラウマなのだ。
佐光さん、飲んで帰って来る時絶対終電逃して朝帰りだから、要するに朝まで放置って事だよね……
「……え、琥太朗もしかして出来ないの?淫乱なのに?」
ビックリされてしまい、余計に言い出せなくなる。
「……ふぅん。渋るって事はやった事あるんだぁ。あの暴れん坊の元彼くんと?」
佐光さんの問いに素直に頷くと、「へぇ」と返事しつつ佐光さんはエネマグラにローションを塗りつけた。
「なにボケッと見てるの。早く突っ込むよ。俺、そろそろ出なきゃいけないんだから」
冷たくそう言われて、俺はツンっと鼻の頭が痛くなる。
でも、指示されたのでズボンは脱いだしパンツも脱いだ。
「そうそう、やっぱりいい子だね、琥太郎」
ヨシヨシと頭を撫でられ心地よくなる。
けど、ぴとりと当てられた無機物の感覚にビクッと体が跳ね、思わず佐光さんの腕を掴んでしまった。
「……ねぇ、動けないよ」
低い声で呟かれ、サアッと血の気が引く。
震える手で腕をつかみつつ、意を決して伝える事にした。
「…………は、やく……かえってきて」
「え?」
驚く佐光さんに、もう一度口を動かした。
「…………こ、れ、……こわいから、……はやく、かえってきて……ください……」
そう伝えると、佐光さんは一瞬キョトンとした後「……いいね、それ。可愛い」とおでこにキスしてくれた。
「いいよ、今日は早く帰ってきてあげる。……気分が変わらなければね」
そう言って俺をころん、とベッドに寝かせてかぱりと足を開いた。
「……息吐いてね」
言われた通り、震える吐息を出せばグッとかたいゴムのような物がにゅる、と入ってきて「ひぅ」と声が出る。
「あーあー、萎え萎えじゃん。そんなに苦手なの?えっちだいすきな癖に。……どうせ、ろくな使い方されなかったんだろうね」
……アイツ馬鹿そうだし、と付け足して呟かれ、何が?とききたかったのに、口を開いたタイミングで思い切り挿入され、「あ゛ッ─……!」と汚い声が出た。
にゅるにゅると前を扱いてくれ、段々力が抜ける。
「……ねえ琥太朗。琥太朗は指示されたらちゃんとやれるいい子でしょう?なら、縛らなくても、俺が帰ってくるまでコレ……抜かないでいられるよね?」
「あ゛ッ、ひ……ッ」
ずぷん、と全て入れられ、目がチカチカする。
前立腺にあたってて、口が閉じれない。
「ほら、あふあふ言ってないで答えて、琥太朗。抜かないいい子でしょう?どれだけイッても良いし、意識飛ばしてもいいけど、コレは"絶対"抜いちゃダメ。抜いたら……お仕置するよ」
……おし、おき
……ぬいちゃ、だめ
「……ぁ、ッ、ふ、……わ、かた……」
こくこく、と頷くと、佐光さんは「いい子」と唇にキスしてくれた。
「そんないい子にはちょっとだけ気持ちよくしてあげるよ」
「……へ、……?」
佐光さんは俺と体を密着させて、耳元に口を寄せた。
「……俺の言葉、よく聞いてその通りにやってね」
「……う、ん」
佐光さんの声、甘くて、痺れる……
「……目瞑って、琥太朗のお尻の中にある物の形をよく意識して」
「……、」
おちんちんじゃない無機物の感触に集中すると、なんだか体が熱くなる。
「……琥太朗のお尻の中にある物は、琥太朗を気持ちよくさせてくれる物だよ。……ぎゅ、とお尻に力入れてごらん」
ぎゅ、と力を入れると前立腺が押されて「……あひッ」と情けない声が出る。
「そう、上手。……じゃあそのまま、ゆっくり息吐いて、……吸って、……吐いて……」
「あッあ、ぃやッあッ」
呼吸をする度に中のものを意識してしまい、自分で無駄に締め付けてしまう。
「……いい子だ。……ご褒美に、ココ、押してあげるね」
佐光さんはツーッ胸の間からへそまで指を滑らせると臍をクリクリとちょっと刺激して、そこから3本指分したら辺をグッと押した。
「い゛ッあ゛ぁ゛あ゛ぁ゛!!!!!」
前立腺をお腹からもお尻からも刺激されてしまい、ガクガクと痙攣してびゅくびゅく、と触らずにイッてしまった。
けれど、痙攣してる以上エネマグラに刺激され前立腺への刺激を自分で与えてしまう。
「……あー……ガクガクしてるね、かーわいい。これじゃあ1時間もつかな?……まあ持つよね。キミはいい子だから」
「い゛き゛ッ……ひッああッ!」
ガクガク腰を揺らして、佐光さんに縋る。
ボロボロ涙がこぼれて、佐光さんがよく見えない。
「……はは、腰振ってもお前の種は空気に触れて死ぬだけだよ。……滑稽だね」
「……あッあッ、ひ、きもち……ッ、さ、み……ッ、しゃみちゅ……ッさ……ッはぁ、ッあ」
喘ぎが止まらない俺は必死に佐光さんに手を伸ばす。
でももう全身が性感帯で、シーツに擦れる肌はどこもかしこも過敏で、辛い。
「うん、気持ちいいね。いいんだよ、沢山気持ちよくなりな。じゃあ俺は出かけてくるから、またね」
「あ゛、ま゛、さみ、つしゃ……ッ!!」
置いていかれると初めから分かっていたのに、もしかしたら飲み会は断ってくれるんじゃないかと淡い期待もした。
けど佐光さんはそんなの考えてもいなかったらしく、本当に俺を置いていった。
さみしいさみしいさみしい、
追いかけたい、でも、追いかけても、意味無い
「ぁうッ……う゛ぅ゛う゛~ッ」
シーツを噛んで、指を噛んで、必死にエネマグラを抜きたい衝動を抑える。
がまんする、がまんする、がまんする、
佐光さんかえってくるまで、がまんする
「……う゛ぅ゛……んぅ、ぁ……ッ」
擦れて気持ちいい……
うつ伏せになれば、自然と腰が上がってしまい、自分でヒクヒクと尻の穴を収縮してしまう。
その刺激でまたカクカク腰を振った。
「ぁ゛~ッ、さみつさ、……しゃみつさぁ……ッ」
ずびずびぐすぐす、鼻水を垂らしながら佐光さんを呼ぶけれど、来ない。
後どのくらい待てばいい?
佐光さん出てったばっかだ……
くるしい、きもちくて、くるしい……
「ぁふ、あッあ゛ッいくっい゛ぐぅ……ッ」
びゅく、とシーツに吐き出しハァハァと息付く間もなくまた刺激が来る。
いやだよ、やだよ、もういやだ、とりたいよ
「……ぁ゛あ゛ぁ゛ッ、い゛く゛ッ!!」
ビクンビクンッと大きく跳ね、また射精してしまう。
くるしい、いき、くるしい
「……ぁ゛、さみつさ、……やだぁッ、やだよ、ごわ゛ぃ゛、こ゛わ、い゛ぃ゛~ッあ゛ッあ゛ッイ゛ッ!!!」
大きく跳ねたけれど、多分、精子は出なかった。
今もずっとイッてる、イッてるのに、お尻がきもちくてたまらない。
「あ゛~ッ!!イ゛ッてる、イ゛ッでるのにぃ゛~!!やらぁ!!!」
大声でわんわん叫ぶのに、イクのは止まらないし佐光さんは帰ってこない。
お腹がへこへこするし、肺が苦しい
頭がぼーっとして来て、喉もカラカラ……
「……やらぁ……イ゛ぎだぐない゛ッ」
ボロボロ泣きながら叫んだ、
何度も、手が後ろに伸びて取ろうとしてしまう。
いけない手だ。
悪い手は佐光さんに怒られるからダメ。
グッと歯がくい込むのも気にせず噛み、後ろにいかないように両手を噛んだ。
血の味がする。
「あ゛ッひッいくいくいくいくッ!!」
何度目か分からない、時々、びゅくり、と精子が出るけれど勢いは無い。
どろり、と出るだけだ。
あとは、射精せずに、いってしまう、辛くて、くるしい。
でも、佐光さんにガッカリされたくない一心で俺はひたすら快感に耐え続けた。
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