みったろくん!

みやの

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佐光さんと琥太朗

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「ぁ゛ッ、ひ……ッ」

ぱちゅんぱちゅんと水音が室内に響き、全身に快感が押し寄せる。
意識が朦朧とする中、延々揺さぶられ続け息が苦しい。

「こたろー、トぶのはまだ早いでしょ~」

俺に突っ込んでいる男の人は、煙草を吹かせながら俺を見下ろして無表情で奥を突く。

「ひッあ゛ぁう゛」

気持ちいいところを何度も何度もつかれ、その度にぴゅ、ぴゅ、と元気の無い精子が情け程度に出て行く。

「もぉ~体力無いなぁ~。運動部助っ人してるんでしょう?もうちょっと頑張ってよ」

肩を掴まれ、仰向けにされる。

「……あ……ッ」

抜かれないままぐるりと向きを変えられてしまい、良いところを、強く抉られビクビクと腰が跳ねた。

「あー……もう水じゃん、うっす……」

腹に溜まった精子を手に取り、口の中に突っ込まれこすこす、と上顎を撫でられ背中がゾクゾクする。

「ねぇ琥太朗?俺の事好き、って言って?」

にっこり笑う"佐光(さみつ)さん"は優しくて穏やかで……冷たい人だ。







「……さみ、つさ……すき、です……ッ」









事の始まりは数ヶ月前。

俺は当時付き合っていた彼氏……瑛にフルボッコにされ、あまりの痛さに抵抗していたら「テメェに俺のもんだって解らしてやるよ」とかなんとか言われて、知らない店に連れて行かれた。

店内は色んな模様が描かれた髪や額や、色んな人の身体に刺青が入っている写真が飾ってあって、犬が2匹ウロウロしていた。

瑛から殴られるのは日常茶飯事だったので、もうその頃には俺は気にもしていなく犬2匹と遊んでいた。

俺のいい所は頭が悪いところだ。
自分で言うのもアレだけれど、俺はめちゃくちゃ頭が悪い。
学業で言ってもそうだし、なんかこう……地頭っつーの?
そういうのがめちゃくちゃ悪い。

だから、瑛の怒りにも慣れてるしもうなんとも思ってない。

けど、瑛はお店の可愛い女の子と何やら話しているうちに急に俺の腕を掴み女の子の前に差し出される。

女の子は何故か困ったような顔をして、「本当にいいんですか?」と俺に聞いてきた。

「頷け、琥太朗」

瑛の言葉に逆らう理由も無かったので、取り敢えず適当に頷いた。

ここでまたバカが発動してしまったらしい。

女の子は苦しそうに目線を逸らして、俺の手を優しく握った。
小さくてふわふわで、柔らかくて暖かい手にちょっとビックリした。

あれ、そういえば女の子に手握られるの初めてだ……!!

なんとなく、感動しつつ引っ張られるがまま奥の部屋へと行くと椅子に座って青い髪を1本に結って気だるげに雑誌を読んでいる男の人が居た。

それに、何だかよく分からない器具とベッドみたいなものがある。

……?なんだぁ?

「佐光ちゃん、施術お願いね。即日希望で絵はコレだって」

女の子は青髪の人を「佐光ちゃん」と呼んでいた。

呼ばれた佐光さんはゆっくりだるそうに振り向いて俺を見た。

「……!!」

わあ!綺麗な人!!

白い肌に細い体、整った顔がすっごく綺麗でビックリしてしまう。

「……場所は」

冷たげに俺に聞いてくるので、俺はこてん、と首を傾げる。

「……場所ってなんすか?」

そう訊けば、女の子は俺の手をぎゅっと握って見上げてくる。

「場所くらい、君が決め直していいんだよ?」

え?何?どういうこと?

さっぱり分からなくて、首を傾げまくる。

「……はぁ、めんどくさ。キミ、高校生でしょ。面倒事に巻き込まれたくないから、見えないとこにしてよ」

見えないとこ?どこ?死角?

それぐらい知ってるぞ!!馬鹿でも!!

「あの、よく分からないんですけど、もう帰っていいすか?」

女の子にそう言うと、女の子は気まづそうに佐光さんを見た。

「……こういうのは同意させろって何遍言わせるの、マリコ」

へぇ!この可愛い子マリコちゃんって言うんだ!
名前も可愛い~

「……で、でもあの人聞く耳持たなくて……」

「じゃあもうさっさとやるよ。俺が全部決めるから、マリコ準備させて」

「う、うん……あ、でも、私やっぱりもっかい話して……」

「いいよ面倒臭い。店荒らされんのやだし」

2人の会話の意味がわからずぽけーっとしているとマリコちゃんは俺の手を再びぎゅっと握ってくれて、何でかほっとした。




「……えっと、上着脱いで私にください。そしたら、この赤い椅子に座って、力抜いててくださいね……」

?なんで上着脱ぐの?
俺暑くないのに……。

不思議に思いつつも、"そう指示された"ので大人しく上着を脱いで半袖になる。

俺の腕を見たマリコちゃんは泣きそうに顔を歪めて、「ごめんなさい……」と呟いた。

「……?」

何がゴメンなさいなんだ?

よく分からないけど、取り敢えず言われた通り椅子に座った。

ちょっとの間ボーッとしていると、メガネをした佐光さんが戻ってきて白い紙?シール?を持っていた。

「……キミの彼氏、悪趣味だね。ストーカーかなんか?」

薄く笑われて、ポカンとする。

顔が綺麗だと微笑んでても綺麗だ!!すごい!!

「ねえキミ、ここがなんの店か本気でわからない?」

佐光さんは何故か電気シェーバーを持って、俺のTシャツを捲りあげた。

お腹が丸見えでビックリする。

……?なに?なんでまくられたの?

「……へぇキミ、毛薄いんだね。これならちょっと転がせばいいか」

なんの躊躇いもなく、カチリと電源ボタンを押し、ウィーンと音を立てて俺の下腹部からお腹側の陰毛をちょっとだけ剃った。

「……?なんでそるの?」

「今から彫るからでしょ」

佐光さんはアルコールで下腹部を拭いているらしい。
冷たくてビクリと震えた。

「彫るってなに?」

「刺青」

……?
刺青?刺青って?

「ほらこの柄、……悪趣味でしょう?」

佐光さんが見せて来たのは蛇にぐるぐるにされているドクロから血が流れていて、「A」の文字が入ってる物だった。

「束縛男ってこういうの選ぶんだよ。しかも自分のイニシャル付き。……ほーんと、気色悪い」

そんな事を言いつつ、佐光さんはテキパキ手を動かし俺の下腹部にぺたぺたのそのシールのようなものを貼り、剥がした時には模様が転写されていた。

俺の、腹に。

そして何故か先端が尖った持ち手がごつい黒い機械を持って、佐光さんは黒い手袋をしていた。

「じゃ彫るよ。言っとくけど、ここちょっと痛いと思うし血も出るかもだし、でも暴れないでね。事故るから」

え?なんで?なんで?

血?いたい?じこ?

なんで?

電源を入れたのか、少し高めの音でウィーンと鳴る機械。
それが段々佐光さんの手に寄って俺の腹に近づいて行く。

いやだ、

あれは?どうやってほるの?
ぐちゃぐちゃになる?どこまでささるの?

なんでおれ、こんなことされるの?



俺は、ばかだけど、

痛みは、嫌い



「……い、やだッ!!!!!!!」




ドンッと思い切り蹴飛ばして椅子から転がり落ちる。

「嫌だ!!!!!俺に触るな!!!!!!!!!!」

痛いのは嫌いだ、馬鹿でも、嫌いなんだ

頭悪くても、勉強覚えらんなくても、痛みは忘れられない
痛いのは大っ嫌いなんだ

「ッお前ね……」

俺が蹴ったせいで佐光さんの口の端がキレて不機嫌顔になっている。

でも今の俺にはそんな事どうでも良かった。
今はただただ、佐光さんの手が、怖い。

怖くて怖くて堪らない。

吐き出さなきゃ、いやだ、

「あ゛ぁ゛あ゛あ゛ッ!!!!!!!!!!」

ガシャンガシャンとよく分からない道具達を床に叩きつける。
壊れた物もあるかもしれない。
でも抑えられなかった、怒りと不安が、たまらなく俺を襲う。

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!!!!!」

ガンガンと椅子を蹴り佐光さんが読んでた雑誌を破って、飲んでたマグカップを叩きつけて割った。

息が上がる

それでもいい、それでも、逃げたい、逃げ出したい、苦しい、こわい、こわい─……


「おいクソガキ。これ以上は迷惑。痴話喧嘩に他人巻き込むんじゃないよ」


ばきっと音を立てて頬に痛みが走りそのまま腕を掴んで、椅子のある部屋からポイッと放り出された。

瑛の前に倒れ込む。

「おい糞ガキ共。ここは商売やってる真面目な店なんだ。お前らの性癖に付き合ってる暇はない。帰りな」

佐光さんはそう言い放ちまた奥の部屋へと戻って行った。

俺は呆然と瑛の前に倒れ込んだまま、ハァハァと息を吐く。

かえりたい、ここ、いたくない、かえりたい、瑛、瑛─……

「ッ、テメェはまた暴れたのかよ!!!なんで大人しく出来ねぇんだよ!!このクソがッ!!!!!」

ドカッと腹を蹴りあげられ、反射的にばしゃばしゃと吐瀉物が出た。

「い゛ッお゛ぇ……ッ」

バキッドゴッと体のあちこちを殴られ、蹴られる。

いたい、いたい、いたい、いたい、いたい

「……ごめ、ッごめ、なさ……ッゆるひ、……ッ」

もう痛い、どこが痛いとか分からない、いたい、いたい

「ちょっと!いい加減にしてください!!警察呼びますよ!!」

俺と瑛の間に割って入ったマリコちゃんは、瑛の拳を振り下ろされ顔面に食らってしまっていた。

ドサリと倒れ込んで、唸りながら泣いている。

ああ、どうしよう、おれのせいだ、おれのせいで女の子が、……

怒った瑛は手がつけられなくてマリコちゃんを蹴ろうとしていた。
俺は咄嗟にマリコちゃんに覆いかぶさり、ぎゅっと小さくて丸い頭を抱く。

「ひッ、ぃ、ごめんなさ……ぃ゛ッ」

必死に謝りながら瑛の機嫌を取ろうとするけど、まだ何やら怒鳴っている。

ごめんなさい、ごめんなさい、言う事聞かなくてごめんなさい

「……ねぇ。いい加減にしな、警察呼んだから」

これまで聞いてきたどの音よりも、1番大きくて惨い音がきこえ、気づけば俺に降り掛かってきていた痛みは無くなり、代わりに壁に頭を叩きつけて気を失っている瑛が居た。

「……あ、あきら……?」

ビックリして話しかけても、瑛はビクリともしない。

「……ビビんなくていいよ。気絶させただけだから」

涼しい顔をしてそんな事を言う佐光さんは、俺の下で蹲るマリコちゃんに「大丈夫?」と話しかけていた。
マリコちゃんは佐光さんを見て安心したのか、しがみついてわんわん泣いている。

佐光さんは面倒くさそうに、でも放っておくことはしなくて、マリコちゃんの頭を撫でていた。

……ああ、いいな。俺も、あんな風に撫でられたい

いいなぁ、いいなぁ

体中が痛くて痛くて堪らない。

堪らないけどここで泣いたところで、瑛は起きないし、そもそも瑛は俺を撫でてくれたことなんて1度もない。

……誰も撫でてなんて、

「キミは?病院行く?」

ぽすん、と頭に手が乗り反射的に体がビクついてしまった。
でも慌てて顔を上げると、無表情だけど俺の頭を少しだけ撫でてくれる佐光さんが居た。

あたま、なでてもらえた……?

うれしい……嬉しい……うれしい……うれしい!!



「……だいじょぶ……ありがとぉ」



嬉しくて、へにゃりと、笑った。




その後はまあ大変だった。
佐光さんは本当に警察を呼んでいて、器物破損は全部気絶してる瑛のせいにされていた。
俺も事情聴取をされたけど、馬鹿だからあんまり役に立たなかったっぽい。

それでやっと開放されたんだけど、あまりの体の痛さに途中で歩けなくなっちゃって、見かねた佐光さんが俺をおぶって家に連れ帰ってくれた。

俺は元々実家から見放された身だから家に帰らなくても何も言われない。

佐光さんの部屋はモノクロで揃えられていてすごくシンプルだった。

黒いソファにそっと降ろしてくれてホットミルクを出してくれた。

それを、こくこく飲んでいると「キミ、名前は?」ときかれた。

「……琥太朗」

「こたろーね。俺は佐光。よろしくね」

こくん、と頷くと佐光さんはヨシヨシと頭を撫でてくれた。
それが嬉しくてふにゃ、と頬が緩む。

「……こたろーは、頭撫でられるのが好きなの?」

……?そうだっけ?

「……たぶんすき!」

曖昧に答えると。佐光さんは「そっか」と言った。

「ねぇ琥太朗。キミが俺のセフレになってくれるなら、ここに好きなだけ居ていいよ」

「……え?」

まさかの佐光さんの言葉に俺はビックリした。

セフレ?
えっちすれば佐光さんのとこ居ていいの?

「俺、キミのことちょっと気に入ったから時々遊んであげるよ。学校も行っていいし実家も帰っていいけど週1回ここ来て抱かせて」

!!
そんな素敵な話がある!?

俺はパアッと表情を明るくした。
佐光さんはちょっとビックリしてた。

「おれ、俺、佐光さん好きだから、嬉しい!!」

思わずそう言うと、佐光さんは拍子抜けしたような顔をして俺を見る。

「……え、俺のこと好きなの?」

「好きだよ!!佐光さん、綺麗だし強くて、頭撫でてくれた!」

「………………キミ、いくつ?」

「17!」

佐光さんはちょっと黙り込んでその後、はぁ……とため息を吐いていた。

「ま、いっか。抱かせてもらえればなんでも」

そう言って佐光さんは、ちゅ、と軽いキスをしてくれる。

え!?キス!!キスだ!!

「ふへへ……」

あまりの嬉しさに笑い声がもれる。

「……キミ本当に思春期真っ只中の男子高校生?……反抗期と無縁そうだね……」

「なにー?」

なんかブツブツ言ってるので聞き返せば、「なんでもない」と言われた。

「まあ同意してくれんなら話が早いね。じゃあ早速抱かせて」

「!!うん!!」

佐光さんは再び、ぱちくりさせて、困ったように笑って俺の頭を撫でた。




ゆっくりとベッドに降ろされて、ちょっとドキドキしちゃう。

俺は、瑛といっぱいセックスしたけど、こんなに優しく寝かされたこと無かったし、ほとんど床だったからビックリする。

ぷちぷち、と汚れたワイシャツをはだけさせられてボーッと佐光さんの顔を見た。

「……琥太朗、そんなに見つめられると流石の俺もやりにくい」

顔を顰められ、「ご、ごめんなさい」と目を逸らした。

だって、だって、顔が綺麗なんだもん!!!

すごい綺麗で、ずーっと見ちゃう。

「……コレは、全部あの男にされたの?」

ツーッとお腹を撫でられ、ぴく、と反応してしまう。

コレ、って、体の傷のことかな?

「うん!」

「いやそんな元気に反応する事じゃあないでしょう」

呆れたように笑われて、笑って貰えたのが嬉しくて「へへ」と笑ってしまう。

「んっ」

カリッと胸の突起を引っかかれ、声が漏れた。

……おれ、きもちいいのダメだから、引かれたりするかな……?いやだな……

なんとなく、なるべく声を抑えようと思った。

「ふ、んッ……ぅ」

ぴちゃぴちゃと突起を舐められ、ガジガジ甘噛みされて頭がぽわわんとしてくる。

「……へぇ、こたろーって乳首好きなんだ」

佐光さんの言葉に、「……ちく、び、……すきぃ……」と返せば「はは、かーわいい」とキスをされる。

……素直に言ったら褒められた!!

嬉しくて、もっと、もっと、と手を伸ばす。

「んふふ、なぁに」

「……ちゅー、……したい」

ボーッと見上げれば、佐光さんは意地悪に微笑んで「いやだよ」と笑った。

ちゅー、したいのに……したい……

「あ゛ッ……!」

耳を舐められながら、いつの間にかパンツまで脱がされていて、俺のモノをくちゅくちゅと扱かれる。
我慢汁がいっぱい溢れているせいで、ぬるぬるが余計にきもちいい。

「すごい出てんじゃん。乳首ちょっと弄っただけなのにね。淫乱?」

い、いんらん……?
あでもよく、瑛にも言われたな……いんらんって……

「……そ、かも……ッ」

意味わからないままそう言えば、佐光さん「……はは、キミは筋金入りの馬鹿だね」とおでこにキスしてくれた。

ああ、やっぱり好きだな……キス。

唇が触れてくれたところからじんわりポカポカ暖かくなる。

「そんだけ淫乱ならこっちも平気そうだね」

グイッと腰を持ち上げられ唾液で濡らされた指を躊躇なくずぽり、といれられて「ひっ……!!」と声が出る。

そのまま中でクイッと指を曲げられ、「ぁ……う゛……」と声が漏れた。

「琥太朗。手、退けな」

佐光さんに指示されて、俺は言う通りに手を退ける。
でも手を退けたら声が溢れ出してしまう。
ギューッとシーツを握って、くちくちの中で動かされる快感に目を瞑る。

「んぅ……ひ、ぅ……ッ」

「……なぁんか、琥太朗の喘ぎって泣き声みたいで……すーごい、……そそる」

艶めかしく耳元で囁かれ、低くもなく高くもない声にビクリと身体が跳ねた。

ゾクゾク快感が背中をかけていき、ポロポロ涙がこぼれる。

きもちいい、きもちいい、きもちいい……ッも、っと……

「……ちゅー、……したいぃ……ッ」

尻の中を弄られて、切なさでどんどん涙が出てくる。
ぼろぼろ泣いてひぐひぐ息をしていると、佐光さんは「……しょうがない子だね」と言って、唇を合わせてくれた。

「ん……っ、ふ、……ぁ」

蕩けるような舌使い、温かさでどんどん脳が痺れてきた。

きす、きもちぃ……だいすき……だいすき、さみつさん……っ

「……ん、んぅ……ッ、」

 ぢゅっと舌先を吸われ、息が上がる。

「あー……飲みきれなかったの。ダメでしょ、僕のこと好きなら唾液も全部、飲んで?」

佐光さんの言葉に、こくこくと頷き、「もっかいぃ……」と手を伸ばした。




「……んっ、ふ、……ふぁ……ぅ」

さっきよりも深く舌がはいり込んでとろりとろり、と佐光さんと自分の唾液で口の中いっぱいになる。

言われた通りに頑張って飲み込みたいけど、仰向けだと苦しくて、噎せてしまう。

「……ひゅ、ゲホッゲホッ」

のめなかった……のめなかった……さみつさんにおこられる……

「あーあ……零しちゃったねぇ。下手くそ」

涙をちろり、と舐められてポカンとする。

……?……怒んない?さみつさん、おこんない?

「もっかい、飲んで」

とろり、佐光さんの赤い舌先から俺の口へ透明の液体が注ぎ込まれ、一生懸命、んくんく、と飲んだ。

「そうそう、上手上手。いい子だね、琥太朗」

ヨシヨシと撫でてもらえ、とろん、とする。

再び俺のウシロに指を入れられて、息をゆっくり吐いた。

「ぁう、……あっ、あん……ッ」

高い声が漏れる。

「琥太朗は手マン好きなんだぁ」

うん、すき、すき……

ちゅぽ、と指が引き抜かれて佐光さんは「じゃあそろそろいれるね」と穏やかに言った。

まるで性行為中では無いような涼し気な声。

くちゅり、と先端が当たって期待に胸が膨らむ。

「息吐いて、琥太朗」

佐光さんの言葉に、はぁ、はぁ……と息を逃がした。
逃がす度に、ずずっと佐光さんの質量が迫ってきて、嬉しくてきゅんきゅんする。

お腹の奥がずくんと、重くなる。
はやく、いっぱい、ついてほしい。

「琥太朗、平気そうだね」

ベシンッと尻を叩かれ、びくびくっと体が痙攣した。

おしり疼く、いやだ、ほしい、はやく、

「あ゛ッ!?ヒッ─……!!」

一気に奥までつかれ、目がチカチカしてガクガク震える。

「あれ?ドライ?器用だねぇ琥太朗」

精子は出てないのに、絶対イッた
イッたの気づいてて、佐光さんはピストンをし始めた。

「まッ、や、らぁ、しゃみ、つさ……っ、ま゛ッ」

きもちいきもちいいきもちいい……ッ
あたまがおかしくなる、きもちいいッ

動かされる度に、気持ちよくて仕方がない。
生理的な涙なのか、快感が苦しすぎての涙なのか分からないが、だらしなく口を開いてこぼれるヨダレも気付かぬまま、佐光さんに手を伸ばした。

「や、ぃやッ、しゃ、み、……ッさ、くる、しッ……」

ヒューヒューと苦しい息の合間に喘ぎと抵抗をするけれど、佐光さんはそんなのお構い無しに無言で突いてくる。

「さ、み、……ッ、しゃみつさぁ゛あ゛ッ!」

「……ッ」

どちゅんっと最奥までつかれ、全身がビリビリと甘く痺れる。

「ヒューッヒューッケホッ……ぁう……ぅ゛」

「苦しい?琥太朗」

心配して無さそうな佐光さんの声音を、気にもせず、コクコクと、頷く。

「まあでも処女じゃないんだし、頑張れよ」

「~~~~~~~~ッ!!!!!」

お腹側をグリッと抉られ声を出す事も出来ぬまま、びくうっと背を逸らす。
きゅうううううっと佐光さんのちんちんを締め付けてしまい、その締めつけに自分でも感じてしまっていた。

「ッはぁ、キツいよ、琥太朗」

苦しそうに言う佐光さんに、「ごめ、しゃ……、ごめ、ん、なしゃ……ッ」と謝るけど、きゅんきゅん締めつけが緩められない。

「そんなに僕の形にしたいの?変態」

クスリ、と笑われて、尚更締め付けてしまう。




「はは、本当に僕のこと好きなんだ。かーわいい。……ただのせフレなのにね」



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