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第13話 辺境へ
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「いらっしゃい。」が社交辞令だったらどうしよう。
ドキドキしながら、シャロン様からの返事を待つ。
シャロン様から、
『いらっしゃい。待ってるわ。』
と返事が届いた。
よかった。
レオンに会いに行ける。
両親へ報告し、旅の準備に取りかかる。
私が荷物を詰めていると、ルーカスがやってきた。
「お姉様、僕を置いていくなんてひどいです。僕もレオン様に会って、剣の稽古をつけて欲しいです。」
かわいい弟よ。
今回は連れていけない。
辺境は遠いし、いつ戦になるかわからない。
跡取りであるあなたを連れてはいけないんだよ。
弟は、両親へ直談判したようだが、やはり却下されていた。
私は、いそいそとお菓子を作る。
シャロン様に喜んでもらえるよう、日持ちするものを数点。
レオンも喜んでくれるといいな。
そうだ。
今は平和でも、戦になった時の為、美味しい保存食を作ろう。
きっとクリードの方々は喜んでくれる。
お土産の準備も終わり、さぁ出発。
馬車でクリードへ向かう。
クリードへの道は、全て舗装されているわけではなく、ガタガタだったり、細かったり。
初めての長旅は、ドキドキの連続だった。
長かった旅路も終わり、ようやくクリードへ着いた。
護衛としてランス、侍女のマーサもついてきている。
どちらも昔から我が家に仕えてくれていて、気心が知れている。
今回、私が初めての長旅に出るにあたり、両親がつけてくれたのだ。
クリード辺境伯オリバー様とシャロン様のもとへ挨拶に向かう。
二人とも快く迎えてくれた。
オリバー様は、ガッチリしていて威厳がある。すごい存在感だ。
シャロン様は、聡明で芯が強い女性。
すっかり元気になられて安心した。
とてもお似合いなご夫婦。
お土産のお菓子を渡す。
説明しながら保存食を差し出すと、オリバー様より「後日ゆっくり話がしたい。」と言われた。
保存食に興味を持ってもらえたようだ。
翌日、オリバー様の予定が空いたとのことで、執務室へ伺う。
そこには、オリバー様の他に、髭をはやした大柄の男性とレオンがいた。
久しぶりのレオンに、胸が高鳴る。
大柄の男性は、騎士団団長。
レオンは、副団長と紹介された。
レオンがそんな地位にいるとは…
自分はただの護衛だから、呼び捨てにするよう言ったじゃない。
シャロン様の意味深な笑顔。
あれは、そういうことだったのか。
名前を呼び捨てで呼ばせる。
私は、期待してもいいの?
オリバー様からの話は2つあった。
まずは、保存食。
作り方などを聞かれ、後日、料理人へレシピを教えることが決まった。
次に、フォックス男爵の話。
男爵の罪が暴かれ、ついに捕まったそうだ。
ドキドキしながら、シャロン様からの返事を待つ。
シャロン様から、
『いらっしゃい。待ってるわ。』
と返事が届いた。
よかった。
レオンに会いに行ける。
両親へ報告し、旅の準備に取りかかる。
私が荷物を詰めていると、ルーカスがやってきた。
「お姉様、僕を置いていくなんてひどいです。僕もレオン様に会って、剣の稽古をつけて欲しいです。」
かわいい弟よ。
今回は連れていけない。
辺境は遠いし、いつ戦になるかわからない。
跡取りであるあなたを連れてはいけないんだよ。
弟は、両親へ直談判したようだが、やはり却下されていた。
私は、いそいそとお菓子を作る。
シャロン様に喜んでもらえるよう、日持ちするものを数点。
レオンも喜んでくれるといいな。
そうだ。
今は平和でも、戦になった時の為、美味しい保存食を作ろう。
きっとクリードの方々は喜んでくれる。
お土産の準備も終わり、さぁ出発。
馬車でクリードへ向かう。
クリードへの道は、全て舗装されているわけではなく、ガタガタだったり、細かったり。
初めての長旅は、ドキドキの連続だった。
長かった旅路も終わり、ようやくクリードへ着いた。
護衛としてランス、侍女のマーサもついてきている。
どちらも昔から我が家に仕えてくれていて、気心が知れている。
今回、私が初めての長旅に出るにあたり、両親がつけてくれたのだ。
クリード辺境伯オリバー様とシャロン様のもとへ挨拶に向かう。
二人とも快く迎えてくれた。
オリバー様は、ガッチリしていて威厳がある。すごい存在感だ。
シャロン様は、聡明で芯が強い女性。
すっかり元気になられて安心した。
とてもお似合いなご夫婦。
お土産のお菓子を渡す。
説明しながら保存食を差し出すと、オリバー様より「後日ゆっくり話がしたい。」と言われた。
保存食に興味を持ってもらえたようだ。
翌日、オリバー様の予定が空いたとのことで、執務室へ伺う。
そこには、オリバー様の他に、髭をはやした大柄の男性とレオンがいた。
久しぶりのレオンに、胸が高鳴る。
大柄の男性は、騎士団団長。
レオンは、副団長と紹介された。
レオンがそんな地位にいるとは…
自分はただの護衛だから、呼び捨てにするよう言ったじゃない。
シャロン様の意味深な笑顔。
あれは、そういうことだったのか。
名前を呼び捨てで呼ばせる。
私は、期待してもいいの?
オリバー様からの話は2つあった。
まずは、保存食。
作り方などを聞かれ、後日、料理人へレシピを教えることが決まった。
次に、フォックス男爵の話。
男爵の罪が暴かれ、ついに捕まったそうだ。
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