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第43話 友人ができる
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翌日から午前中は先生がきてくれて勉強やレッスン。
午後は、だいたいお義母様と行動を共にし、辺境伯夫人としとの振る舞いや仕事を学ぶ。
そして時々、ジルと一緒に過ごす。
ジルは一緒の時間が短すぎると不服なようだが、彼だって忙しい。
学院を卒業後、辺境伯家の騎士団で鍛練しながら、お義父様の仕事を手伝い学んでいるのだ。
屈強な騎士団に鍛えられ、細いのに筋肉はしっかりあるというガチガチの体になってきている。
抱きしめられると硬い。
まぁ、ボヨンとしているよりはいいんだけど、もう少し柔らかさがあってもと思う。
私としては、今のまま細マッチョで、あまりバキバキしないで欲しい。
お義母様と一緒に騎士団の鍛練を見学に行くと、上着を脱いでいる兵士がいたりして、私には刺激が強い。
ジルに、ムキムキにならないでと言う勇気はないし、次代の辺境伯としては、ムキムキも必要なのかもしれない?
先日は模擬戦を見学した。
迫力があって…ドキドキ、ヒヤヒヤ
そんな中、彼の動きは俊敏で、しかも体が柔らかいのか滑らかで、まぁとにかくかっこよかった。
模擬戦の時には、兵士の家族や恋人も見学していて、賑やかだ。
応援に来ていた同年代の女性から
「あなたの瞳、あまり見ない色ね。とても神秘的。賢者様と間違えられない?」と言われた。
「そう。間違えられて大変なの。」と笑顔で返したところ、いろいろ話してくれて意気投合。
会話を楽しんだのだが、誰の恋人かと聞かれて、ジルの婚約者であることを告げると驚かれた。
「てっきり裕福な商家のお嬢様くらいかと…申し訳ございません。」となぜか謝られた。
貴族とは思われていなかったようだ。
せっかく仲良くなれたのに、他人行儀になるのは嫌だ。
彼女はエミリア。
大きな商家のお嬢様であった。
雰囲気からして似たような育ちだと思い、気さくに接してくれていたよう。
確かに育ちは普通なので、むしろ彼女のほうがお嬢様育ちのはず。
公式の場ではこうもいかないかもしれないが、ここは辺境伯騎士団の関係者だけ。
今後とも仲良くしてもらえると嬉しい。
「エミリアさん、私と友人になっていただけませんか?」
「ツムギ様、私なんかが友人でいいのですか?」
「友人は様付けなんてしないものよ。二人の時は敬語なしで、ツムギと呼んで欲しいな。」
「わかったわ。ツムギさん、これから仲良くしてね。」
「エミリアさん、こちらこそよろしくね。ところでエミリアさんの彼はどの人?」
「あっ、ちょうど今戦っている茶髪に茶色の瞳の背の高いほう。」
「まぁ、そうなの。背の高い方ね。」
エミリアさんの彼は、ムキムキ、バキバキてした。
誰かに黒い瞳のことを触れられるかと思ったが、誰にも指摘されなかった。
視線を感じることはあったが、直接話しかけられなければ気にすることもない。
茶や深い緑の瞳の人もいて、近くで見ない限り、そう目立たないようだ。
午後は、だいたいお義母様と行動を共にし、辺境伯夫人としとの振る舞いや仕事を学ぶ。
そして時々、ジルと一緒に過ごす。
ジルは一緒の時間が短すぎると不服なようだが、彼だって忙しい。
学院を卒業後、辺境伯家の騎士団で鍛練しながら、お義父様の仕事を手伝い学んでいるのだ。
屈強な騎士団に鍛えられ、細いのに筋肉はしっかりあるというガチガチの体になってきている。
抱きしめられると硬い。
まぁ、ボヨンとしているよりはいいんだけど、もう少し柔らかさがあってもと思う。
私としては、今のまま細マッチョで、あまりバキバキしないで欲しい。
お義母様と一緒に騎士団の鍛練を見学に行くと、上着を脱いでいる兵士がいたりして、私には刺激が強い。
ジルに、ムキムキにならないでと言う勇気はないし、次代の辺境伯としては、ムキムキも必要なのかもしれない?
先日は模擬戦を見学した。
迫力があって…ドキドキ、ヒヤヒヤ
そんな中、彼の動きは俊敏で、しかも体が柔らかいのか滑らかで、まぁとにかくかっこよかった。
模擬戦の時には、兵士の家族や恋人も見学していて、賑やかだ。
応援に来ていた同年代の女性から
「あなたの瞳、あまり見ない色ね。とても神秘的。賢者様と間違えられない?」と言われた。
「そう。間違えられて大変なの。」と笑顔で返したところ、いろいろ話してくれて意気投合。
会話を楽しんだのだが、誰の恋人かと聞かれて、ジルの婚約者であることを告げると驚かれた。
「てっきり裕福な商家のお嬢様くらいかと…申し訳ございません。」となぜか謝られた。
貴族とは思われていなかったようだ。
せっかく仲良くなれたのに、他人行儀になるのは嫌だ。
彼女はエミリア。
大きな商家のお嬢様であった。
雰囲気からして似たような育ちだと思い、気さくに接してくれていたよう。
確かに育ちは普通なので、むしろ彼女のほうがお嬢様育ちのはず。
公式の場ではこうもいかないかもしれないが、ここは辺境伯騎士団の関係者だけ。
今後とも仲良くしてもらえると嬉しい。
「エミリアさん、私と友人になっていただけませんか?」
「ツムギ様、私なんかが友人でいいのですか?」
「友人は様付けなんてしないものよ。二人の時は敬語なしで、ツムギと呼んで欲しいな。」
「わかったわ。ツムギさん、これから仲良くしてね。」
「エミリアさん、こちらこそよろしくね。ところでエミリアさんの彼はどの人?」
「あっ、ちょうど今戦っている茶髪に茶色の瞳の背の高いほう。」
「まぁ、そうなの。背の高い方ね。」
エミリアさんの彼は、ムキムキ、バキバキてした。
誰かに黒い瞳のことを触れられるかと思ったが、誰にも指摘されなかった。
視線を感じることはあったが、直接話しかけられなければ気にすることもない。
茶や深い緑の瞳の人もいて、近くで見ない限り、そう目立たないようだ。
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