【完結】賢者ではありませんが、私でいいのでしょうか?

青井 海

文字の大きさ
上 下
22 / 49

第22話 見直しましょう

しおりを挟む
あー、クリスティナ様、ダメだ。
全くわかってない。
はぁ、ついため息が。

「えっ、ツムギさん何故そんな顔するの?これくらい普通でしょう? お菓子は別腹と聞いたわ。食事と別腹なら食べても太らないでしょう。」

ええっ、どんな勘違いをしてるんだか。
クリスティナ様、何とも残念すぎる。
じとーとした目で彼女のお腹をみつめると、
「やめて、やめて。」と両手でお腹を隠したぞ。
なんだ自覚はあるんじゃない。

「クリスティナ様、食事はもっと食べていいんです。むしろ食べてください。栄養不足で肌ツヤが悪くなります。キレイになりたいんですよね?」

「はい。」

「では、お菓子を減らしましょう。」

「えー、そんなー。」

「キレイになりたいんですよね?」

「はい。」

まずは、ジョセフィーヌ様へ頼み、料理とお菓子の料理人を紹介してもらった。
そして私の食事の量を少しだけ減らしてもらうよう頼み、それと同じものをクリスティナ様へも出すようにしてもらう。

クリスティナ様は育ち盛り。
私よりも多く食べても何ら問題はない。
だが、彼女の運動量は少ない。
それならこのくらいでいいと思われる。

私は栄養士でも何でもないから、あくまでもだいたいだ。
それに、私よりも量が多いと、さすがに抵抗されそうだ。

お菓子も私と同じ量にしてもらう。
クリスティナ様はお菓子を食べ過ぎる。
これで口に入る量はまぁいいと思われる。
あくまでも私の感覚だけど。

次は、摂取した分に見合うだけ体を動かしてもらおう。
ストレッチやトレーニングもいいが、彼女には友達と遊ぶ経験も必要だと感じる。

貴族社会に身を置く彼女。
街の人や使用人に対する態度がイマイチ。
自分が伯爵令嬢だからと周りを見下しているよくに見える。
はっきり言うと、感じが悪いのだ。

いずれどこかの貴族へ嫁ぐのだとしても、この機会に、いろいろな人と接するのは、彼女にとってもいい経験となるはず。

ミリアにこの屋敷にクリスティナ様と年齢が近い人がいないのか聞いてみる。
クリスティナ様は14歳。

庭師見習いのロランが15歳。
料理人見習いのがオーブ16歳。
メイドのエメが17歳。
そして私が18歳。
クリスティナ様を入れると、男性2名に女性3名か。
あと1人欲しいな。

「他には誰かいない?」
ミリアは、う~んと首を捻って考えてくれたが思いつかないよう。

「ねぇねぇ、ミリアって何歳なの?」
「えっ、私ですか? 私は20歳です。」
私よりは年上かなと思ってたけど、2歳年上か。
クリスティナ様とは6歳離れるけれど、私と2歳違いなら、まぁ許容範囲でしょ。

「ミリア、ミリアも遊ぶ時には仲間に入って。みんな仕事があるだろうから、ジョセフィーヌ様に許可が取れたらになるんだけど。」

「ツムギ様、何か面白いことを考えてます? とても楽しそうです。」
「あら、わかっちゃった? きっと楽しいよ。」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

愛のゆくえ【完結】

春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした ですが、告白した私にあなたは言いました 「妹にしか思えない」 私は幼馴染みと婚約しました それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか? ☆12時30分より1時間更新 (6月1日0時30分 完結) こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね? ……違う? とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。 他社でも公開

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ

音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。 だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。 相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。 どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

婚約破棄してくださって結構です

二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。 ※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています

処理中です...