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第19話 何をすればいい?
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朝、窓から差し込む光で目が覚めた。
ううーんと伸びをして、ベッドを降りて立ち上がる。
コンコン
「おはようございます。ツムギ様、起きていらっしゃいますか?」
「ミリア、おはよう。」
ミリアがやって来て、朝の準備を手伝ってくれる。
「昨夜はあの後、眠れましたか?痛むところはありませんか?」
「うん、どごも痛くないし、よく眠れたよ。起こしてしまってごめんね。」
「いえ、それならよかったです。」
彼女が私の少し伸びた髪、サイドを編み込んでくれる。
朝食は部屋へ運んでくれた。
テーブルの上には、豪華な朝食が並んでいる。
「奥様より、今日の昼食はツムギ様もご一緒にと言われております。」
「ミリア、わかったわ。ありがとう。」
お昼はスパイア伯爵夫人と一緒。
クリスティナ様も一緒だと思ったほうがよさそうね。
はぁ~、クリスティナ様、苦手なんだよね。
夫人も何を考えてるのかわからないし。
「昼食まではどうしますか?」
「ミリア、庭を散策したりできる?」
「はい、もちろん。」
庭を散策しながら考える。
よく手入れされたキレイな庭だ。
植物に詳しくない私でも、葉っぱの形や幹の違いからいろいろな種類の樹木、花が植えられていることがわかる。
おそらく伯爵夫人と食事をする時に、賢者としての何かを示すよう言われるのではないかと思う。
いったい何をすればいいのだろう。
夫人に気に入られれば、身の安全も保証されると思うのだ。
スペイア伯爵は夫人には弱いようだ。
夫人は使用人の前では、しっかりと伯爵をたてていた。
だが、ふとした時に感じたあれ、夫を尻にひく母と同じ空気が漂っていた。
私は、直感を大切にしたいと思う。
この庭園が素晴らしいのも伯爵が、奥様やクリスティナ様を大事にしている証拠のように思う。
女性に指示されるといえば、美容系。
美容になんて気を使ってなかった私。
残念すぎる。
もっと女子力を磨いておくべきだった。
うーん、他に何かないかな。
結局、いいアイデアが浮かばぬまま散策を切り上げ、部屋へ戻る。
部屋でも必死に考えたが、何も決まらないまま、お昼の時間が来てしまった。
仕方がない。
その場その場で切り抜けるしかないか。
覚悟を決めた私は、パーンと頬を叩き、気合いを入れる。
意外と大きな音が響き、呼びに来たミリアに驚かれた。
案内された部屋に入り、ドキドキ緊張して待っていると、スペイア伯爵夫人とクリスティナ様が入ってきた。
「あら、お待たせしてしまったかしら。」
夫人がにこやかに微笑む。
「いえ、私も来たばかりです。」
ええ、待ちましたと言えるわけない。
「あらそう? それなら良かったわ。」
二人が席に着いたのを合図に、次々と料理が運ばれてくる。
豪華だった朝食とは比べられないほど、またまた豪華で、食べきれるだろうかと心配になる。
なぜかクリスティナ様の前に並ぶ料理だけ量が極端に少ない。
これは、配膳を間違えているのでは?
ううーんと伸びをして、ベッドを降りて立ち上がる。
コンコン
「おはようございます。ツムギ様、起きていらっしゃいますか?」
「ミリア、おはよう。」
ミリアがやって来て、朝の準備を手伝ってくれる。
「昨夜はあの後、眠れましたか?痛むところはありませんか?」
「うん、どごも痛くないし、よく眠れたよ。起こしてしまってごめんね。」
「いえ、それならよかったです。」
彼女が私の少し伸びた髪、サイドを編み込んでくれる。
朝食は部屋へ運んでくれた。
テーブルの上には、豪華な朝食が並んでいる。
「奥様より、今日の昼食はツムギ様もご一緒にと言われております。」
「ミリア、わかったわ。ありがとう。」
お昼はスパイア伯爵夫人と一緒。
クリスティナ様も一緒だと思ったほうがよさそうね。
はぁ~、クリスティナ様、苦手なんだよね。
夫人も何を考えてるのかわからないし。
「昼食まではどうしますか?」
「ミリア、庭を散策したりできる?」
「はい、もちろん。」
庭を散策しながら考える。
よく手入れされたキレイな庭だ。
植物に詳しくない私でも、葉っぱの形や幹の違いからいろいろな種類の樹木、花が植えられていることがわかる。
おそらく伯爵夫人と食事をする時に、賢者としての何かを示すよう言われるのではないかと思う。
いったい何をすればいいのだろう。
夫人に気に入られれば、身の安全も保証されると思うのだ。
スペイア伯爵は夫人には弱いようだ。
夫人は使用人の前では、しっかりと伯爵をたてていた。
だが、ふとした時に感じたあれ、夫を尻にひく母と同じ空気が漂っていた。
私は、直感を大切にしたいと思う。
この庭園が素晴らしいのも伯爵が、奥様やクリスティナ様を大事にしている証拠のように思う。
女性に指示されるといえば、美容系。
美容になんて気を使ってなかった私。
残念すぎる。
もっと女子力を磨いておくべきだった。
うーん、他に何かないかな。
結局、いいアイデアが浮かばぬまま散策を切り上げ、部屋へ戻る。
部屋でも必死に考えたが、何も決まらないまま、お昼の時間が来てしまった。
仕方がない。
その場その場で切り抜けるしかないか。
覚悟を決めた私は、パーンと頬を叩き、気合いを入れる。
意外と大きな音が響き、呼びに来たミリアに驚かれた。
案内された部屋に入り、ドキドキ緊張して待っていると、スペイア伯爵夫人とクリスティナ様が入ってきた。
「あら、お待たせしてしまったかしら。」
夫人がにこやかに微笑む。
「いえ、私も来たばかりです。」
ええ、待ちましたと言えるわけない。
「あらそう? それなら良かったわ。」
二人が席に着いたのを合図に、次々と料理が運ばれてくる。
豪華だった朝食とは比べられないほど、またまた豪華で、食べきれるだろうかと心配になる。
なぜかクリスティナ様の前に並ぶ料理だけ量が極端に少ない。
これは、配膳を間違えているのでは?
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