19 / 49
第19話 何をすればいい?
しおりを挟む
朝、窓から差し込む光で目が覚めた。
ううーんと伸びをして、ベッドを降りて立ち上がる。
コンコン
「おはようございます。ツムギ様、起きていらっしゃいますか?」
「ミリア、おはよう。」
ミリアがやって来て、朝の準備を手伝ってくれる。
「昨夜はあの後、眠れましたか?痛むところはありませんか?」
「うん、どごも痛くないし、よく眠れたよ。起こしてしまってごめんね。」
「いえ、それならよかったです。」
彼女が私の少し伸びた髪、サイドを編み込んでくれる。
朝食は部屋へ運んでくれた。
テーブルの上には、豪華な朝食が並んでいる。
「奥様より、今日の昼食はツムギ様もご一緒にと言われております。」
「ミリア、わかったわ。ありがとう。」
お昼はスパイア伯爵夫人と一緒。
クリスティナ様も一緒だと思ったほうがよさそうね。
はぁ~、クリスティナ様、苦手なんだよね。
夫人も何を考えてるのかわからないし。
「昼食まではどうしますか?」
「ミリア、庭を散策したりできる?」
「はい、もちろん。」
庭を散策しながら考える。
よく手入れされたキレイな庭だ。
植物に詳しくない私でも、葉っぱの形や幹の違いからいろいろな種類の樹木、花が植えられていることがわかる。
おそらく伯爵夫人と食事をする時に、賢者としての何かを示すよう言われるのではないかと思う。
いったい何をすればいいのだろう。
夫人に気に入られれば、身の安全も保証されると思うのだ。
スペイア伯爵は夫人には弱いようだ。
夫人は使用人の前では、しっかりと伯爵をたてていた。
だが、ふとした時に感じたあれ、夫を尻にひく母と同じ空気が漂っていた。
私は、直感を大切にしたいと思う。
この庭園が素晴らしいのも伯爵が、奥様やクリスティナ様を大事にしている証拠のように思う。
女性に指示されるといえば、美容系。
美容になんて気を使ってなかった私。
残念すぎる。
もっと女子力を磨いておくべきだった。
うーん、他に何かないかな。
結局、いいアイデアが浮かばぬまま散策を切り上げ、部屋へ戻る。
部屋でも必死に考えたが、何も決まらないまま、お昼の時間が来てしまった。
仕方がない。
その場その場で切り抜けるしかないか。
覚悟を決めた私は、パーンと頬を叩き、気合いを入れる。
意外と大きな音が響き、呼びに来たミリアに驚かれた。
案内された部屋に入り、ドキドキ緊張して待っていると、スペイア伯爵夫人とクリスティナ様が入ってきた。
「あら、お待たせしてしまったかしら。」
夫人がにこやかに微笑む。
「いえ、私も来たばかりです。」
ええ、待ちましたと言えるわけない。
「あらそう? それなら良かったわ。」
二人が席に着いたのを合図に、次々と料理が運ばれてくる。
豪華だった朝食とは比べられないほど、またまた豪華で、食べきれるだろうかと心配になる。
なぜかクリスティナ様の前に並ぶ料理だけ量が極端に少ない。
これは、配膳を間違えているのでは?
ううーんと伸びをして、ベッドを降りて立ち上がる。
コンコン
「おはようございます。ツムギ様、起きていらっしゃいますか?」
「ミリア、おはよう。」
ミリアがやって来て、朝の準備を手伝ってくれる。
「昨夜はあの後、眠れましたか?痛むところはありませんか?」
「うん、どごも痛くないし、よく眠れたよ。起こしてしまってごめんね。」
「いえ、それならよかったです。」
彼女が私の少し伸びた髪、サイドを編み込んでくれる。
朝食は部屋へ運んでくれた。
テーブルの上には、豪華な朝食が並んでいる。
「奥様より、今日の昼食はツムギ様もご一緒にと言われております。」
「ミリア、わかったわ。ありがとう。」
お昼はスパイア伯爵夫人と一緒。
クリスティナ様も一緒だと思ったほうがよさそうね。
はぁ~、クリスティナ様、苦手なんだよね。
夫人も何を考えてるのかわからないし。
「昼食まではどうしますか?」
「ミリア、庭を散策したりできる?」
「はい、もちろん。」
庭を散策しながら考える。
よく手入れされたキレイな庭だ。
植物に詳しくない私でも、葉っぱの形や幹の違いからいろいろな種類の樹木、花が植えられていることがわかる。
おそらく伯爵夫人と食事をする時に、賢者としての何かを示すよう言われるのではないかと思う。
いったい何をすればいいのだろう。
夫人に気に入られれば、身の安全も保証されると思うのだ。
スペイア伯爵は夫人には弱いようだ。
夫人は使用人の前では、しっかりと伯爵をたてていた。
だが、ふとした時に感じたあれ、夫を尻にひく母と同じ空気が漂っていた。
私は、直感を大切にしたいと思う。
この庭園が素晴らしいのも伯爵が、奥様やクリスティナ様を大事にしている証拠のように思う。
女性に指示されるといえば、美容系。
美容になんて気を使ってなかった私。
残念すぎる。
もっと女子力を磨いておくべきだった。
うーん、他に何かないかな。
結局、いいアイデアが浮かばぬまま散策を切り上げ、部屋へ戻る。
部屋でも必死に考えたが、何も決まらないまま、お昼の時間が来てしまった。
仕方がない。
その場その場で切り抜けるしかないか。
覚悟を決めた私は、パーンと頬を叩き、気合いを入れる。
意外と大きな音が響き、呼びに来たミリアに驚かれた。
案内された部屋に入り、ドキドキ緊張して待っていると、スペイア伯爵夫人とクリスティナ様が入ってきた。
「あら、お待たせしてしまったかしら。」
夫人がにこやかに微笑む。
「いえ、私も来たばかりです。」
ええ、待ちましたと言えるわけない。
「あらそう? それなら良かったわ。」
二人が席に着いたのを合図に、次々と料理が運ばれてくる。
豪華だった朝食とは比べられないほど、またまた豪華で、食べきれるだろうかと心配になる。
なぜかクリスティナ様の前に並ぶ料理だけ量が極端に少ない。
これは、配膳を間違えているのでは?
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

なにをおっしゃいますやら
基本二度寝
恋愛
本日、五年通った学び舎を卒業する。
エリクシア侯爵令嬢は、己をエスコートする男を見上げた。
微笑んで見せれば、男は目線を逸らす。
エブリシアは苦笑した。
今日までなのだから。
今日、エブリシアは婚約解消する事が決まっているのだから。

愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる