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第18話 脱出作戦
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ミリアさん、いい仕事をしてくれた。
私の知りたかった情報を与えてくれるなんて。
部屋の扉の前に警備がいるなら、扉から出るわけにはいかない。
窓辺に行くと部屋は二階であることがわかった。そしてなんとベランダがついていた。
ベランダからは月の光に照らされた庭が見える。
光が当たっていない場所は陰になり、こちらからはよく見えない。
ベランダのそばには大きな木が生えていて、飛び移ることさえできれば、あとは木を伝って降りられそうだ。
私の運動神経を持ってすれば楽勝ね。
庭までは行けるとして、門の前にも警備がいるのよね。
今夜は塀まで行ってみよう。
思いきって木へと飛び移る。
ガサガサ、木の枝葉が揺れる音が響く。
思いのほか大きな音にビクッとする。
葉の陰に隠れて、邸の様子をうかがうが、誰も窓を開けて確認してはいない。
近くの部屋に明かりが灯ってもいない。
少し木の上で待機してみたが、大丈夫そうだ。
慎重に音をできるだけたてないよう、ズルズルと滑り降りる。
光が当たらない場所をゆっくりと進み、塀の前までたどり着いた。
門から離れた場所にある塀を確かめる。
塀は高く、手足を引っかける場所もなさそう。
さすがに私でもよじ登れそうにない。
何か方法を考えないと。
しばらくは様子を見て、方法を考えるしかなさそうね。
私は薄暗い場所を音をたてないよう慎重に戻る。木の上まで戻ってきた。
あとはベランダへ飛び移るだけ。
だが、ベランダに移る時に大きな音をたててしまいそう。
どうする?
よし、一か八か、寝相が悪くベッドから落ちたことにしよう。
ベランダについたら、静かに窓を閉めて、ベッド横の床まで速やかに転がる。
床に転がった体制なら、いつ誰かが入ってきても、きっと誤魔化せる。
必殺寝ぼけたふりよ。
さあ、行くわよ。
飛び移ると、ドスンと大きな音が響いた。
足がジンジン痺れるのを耐えて、サッと窓を閉める。
床に転がり、ゴロゴロとベッドへ向かっていると、ドンドンと扉が叩かれ、「大丈夫ですか!!」男性の声。
わっ、まずい。
扉の前に警備がいるんだった。
「はい、大丈夫。大丈夫ですから。」
慌てて、声で伝える。
彼が扉を開けることはなく、ほっとしたところで、パーン、バタバタとミリアさんが駆け込んできた。
「ツムギ様、大丈夫ですか?」
うわー、ミリアさんを起こしてしまった。
「大丈夫、イテテ。」
「あら、ツムギ様、ベッドから落ちたんですか?まあまあ、大丈夫ですか?」
ミリアさんが私を支えて、ベッドに戻るのを手伝ってくれる。
「ミリアさん、ごめんなさい。起こしてしまって。」
「いえいえ、お気になさらず、私のことはミリアとお呼びください。さん付け不要です。これからは私がツムギ様に付くことになりましたので。」
「えっ、呼び捨てなんてできないよ。」
「いえ、ミリアでお願いします。」
私の知りたかった情報を与えてくれるなんて。
部屋の扉の前に警備がいるなら、扉から出るわけにはいかない。
窓辺に行くと部屋は二階であることがわかった。そしてなんとベランダがついていた。
ベランダからは月の光に照らされた庭が見える。
光が当たっていない場所は陰になり、こちらからはよく見えない。
ベランダのそばには大きな木が生えていて、飛び移ることさえできれば、あとは木を伝って降りられそうだ。
私の運動神経を持ってすれば楽勝ね。
庭までは行けるとして、門の前にも警備がいるのよね。
今夜は塀まで行ってみよう。
思いきって木へと飛び移る。
ガサガサ、木の枝葉が揺れる音が響く。
思いのほか大きな音にビクッとする。
葉の陰に隠れて、邸の様子をうかがうが、誰も窓を開けて確認してはいない。
近くの部屋に明かりが灯ってもいない。
少し木の上で待機してみたが、大丈夫そうだ。
慎重に音をできるだけたてないよう、ズルズルと滑り降りる。
光が当たらない場所をゆっくりと進み、塀の前までたどり着いた。
門から離れた場所にある塀を確かめる。
塀は高く、手足を引っかける場所もなさそう。
さすがに私でもよじ登れそうにない。
何か方法を考えないと。
しばらくは様子を見て、方法を考えるしかなさそうね。
私は薄暗い場所を音をたてないよう慎重に戻る。木の上まで戻ってきた。
あとはベランダへ飛び移るだけ。
だが、ベランダに移る時に大きな音をたててしまいそう。
どうする?
よし、一か八か、寝相が悪くベッドから落ちたことにしよう。
ベランダについたら、静かに窓を閉めて、ベッド横の床まで速やかに転がる。
床に転がった体制なら、いつ誰かが入ってきても、きっと誤魔化せる。
必殺寝ぼけたふりよ。
さあ、行くわよ。
飛び移ると、ドスンと大きな音が響いた。
足がジンジン痺れるのを耐えて、サッと窓を閉める。
床に転がり、ゴロゴロとベッドへ向かっていると、ドンドンと扉が叩かれ、「大丈夫ですか!!」男性の声。
わっ、まずい。
扉の前に警備がいるんだった。
「はい、大丈夫。大丈夫ですから。」
慌てて、声で伝える。
彼が扉を開けることはなく、ほっとしたところで、パーン、バタバタとミリアさんが駆け込んできた。
「ツムギ様、大丈夫ですか?」
うわー、ミリアさんを起こしてしまった。
「大丈夫、イテテ。」
「あら、ツムギ様、ベッドから落ちたんですか?まあまあ、大丈夫ですか?」
ミリアさんが私を支えて、ベッドに戻るのを手伝ってくれる。
「ミリアさん、ごめんなさい。起こしてしまって。」
「いえいえ、お気になさらず、私のことはミリアとお呼びください。さん付け不要です。これからは私がツムギ様に付くことになりましたので。」
「えっ、呼び捨てなんてできないよ。」
「いえ、ミリアでお願いします。」
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