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第3話 仲間ができる
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「ジルベールさんは怪我していませんか?」
彼は体を動かして、あちこち確認しているようだ。
「ん? どこも痛くないから怪我はしていないと思う。ところでツムギはいくつだ?」
「私は18歳。ジルベールさんは?」
「僕は16歳だ……」
「なんだ、やっぱり。年下なんですね。では、ジルベールくんで。」
「たった2歳違いじゃないか。これから一緒に旅をするのだから、呼び名を決めないか?僕のことはジルで。」
「そうですね。じゃあ私はツムギで。敬語もなしで、気楽に行きませんか?」
「ツムギ、了解!」
「ジル、これからよろしくね。」
「どうして意識を失っていたのかわかる?」
「う~ん、持病はない。怪我もないから、なぜ意識を失っていたのかわからない。」
「街までどのくらいかかるのかな。水は確保しておきたいね。ジルは水を入れられる容器持ってる?」
彼は自分の持ち物がないかを確認する。
「ごめん、持ってなさそうだ。」
水筒を持ち歩いていてよかった。
私は出かける時には水筒を持ち歩くようにしていた。
飲み物も買うと高いからね。
今 入ってる麦茶は飲んでしまって、川の水を満タンにしておこう。
麦茶を飲み干して、空になった水筒を川の水で洗い、そのまま水を入れる。
川の水は冷たくて意外と美味しかった。
スノーにも川で水を飲ませる。
これで水分はしばらく大丈夫ね。
「ジル、食べ物持ってる?」
「どうやら、僕は手ぶらみたいだ…」
「そっか。私は飴とクッキーを少しだけ持ってる。何か食べられるものをみつけたら確保しよう。ジルも頼むね。」
「うん、わかった。飴とは初めて聞くな。ツムギはしっかりしてるな。旅慣れてるの?」
「ううん、慣れてないよ。旅行は幼い頃に行ったっきり。今、一人暮らしで何でも自分でやってるから、先のことを考えて行動するようにしてるんだ。」
「なるほど。しっかりした相棒ができて助かるよ。暗くなる前に寝床を探さないとな。移動中、眠れそうな場所があれば、今日はそこに泊まろう。」
「だけど、私はあまりお金持ってないよ。」
「まずいな。僕もお金は持ち歩いてない。どこかで持ち物を換金できるといいんだが。」
いやいやほとんど何も持ってないと言ってたよね。
それに換金できる店が森にあるとは思えない。
誰か親切な人に泊めてもらうか、野宿かな。
今まで歩いてきたけど、誰ともすれ違わないし、民家も見当たらない。
「ねえ、あそこに見えるのって山小屋じゃない?」
「確かに、でもこの時間に煙が出てないから、人はいないな。」
「そうなの?電気やガスで調理すれば、煙は出てなくても… あっそうか、こんな山奥だと電気もガスもきてないか。じゃあ、火を起こす必要があるんだね。」
「電気?ガス?まぁいいか。ツムギ、山小屋に泊まれないか見に行ってみるか。」
「うん、野宿よりはいいはず。行ってみよう。」
彼は体を動かして、あちこち確認しているようだ。
「ん? どこも痛くないから怪我はしていないと思う。ところでツムギはいくつだ?」
「私は18歳。ジルベールさんは?」
「僕は16歳だ……」
「なんだ、やっぱり。年下なんですね。では、ジルベールくんで。」
「たった2歳違いじゃないか。これから一緒に旅をするのだから、呼び名を決めないか?僕のことはジルで。」
「そうですね。じゃあ私はツムギで。敬語もなしで、気楽に行きませんか?」
「ツムギ、了解!」
「ジル、これからよろしくね。」
「どうして意識を失っていたのかわかる?」
「う~ん、持病はない。怪我もないから、なぜ意識を失っていたのかわからない。」
「街までどのくらいかかるのかな。水は確保しておきたいね。ジルは水を入れられる容器持ってる?」
彼は自分の持ち物がないかを確認する。
「ごめん、持ってなさそうだ。」
水筒を持ち歩いていてよかった。
私は出かける時には水筒を持ち歩くようにしていた。
飲み物も買うと高いからね。
今 入ってる麦茶は飲んでしまって、川の水を満タンにしておこう。
麦茶を飲み干して、空になった水筒を川の水で洗い、そのまま水を入れる。
川の水は冷たくて意外と美味しかった。
スノーにも川で水を飲ませる。
これで水分はしばらく大丈夫ね。
「ジル、食べ物持ってる?」
「どうやら、僕は手ぶらみたいだ…」
「そっか。私は飴とクッキーを少しだけ持ってる。何か食べられるものをみつけたら確保しよう。ジルも頼むね。」
「うん、わかった。飴とは初めて聞くな。ツムギはしっかりしてるな。旅慣れてるの?」
「ううん、慣れてないよ。旅行は幼い頃に行ったっきり。今、一人暮らしで何でも自分でやってるから、先のことを考えて行動するようにしてるんだ。」
「なるほど。しっかりした相棒ができて助かるよ。暗くなる前に寝床を探さないとな。移動中、眠れそうな場所があれば、今日はそこに泊まろう。」
「だけど、私はあまりお金持ってないよ。」
「まずいな。僕もお金は持ち歩いてない。どこかで持ち物を換金できるといいんだが。」
いやいやほとんど何も持ってないと言ってたよね。
それに換金できる店が森にあるとは思えない。
誰か親切な人に泊めてもらうか、野宿かな。
今まで歩いてきたけど、誰ともすれ違わないし、民家も見当たらない。
「ねえ、あそこに見えるのって山小屋じゃない?」
「確かに、でもこの時間に煙が出てないから、人はいないな。」
「そうなの?電気やガスで調理すれば、煙は出てなくても… あっそうか、こんな山奥だと電気もガスもきてないか。じゃあ、火を起こす必要があるんだね。」
「電気?ガス?まぁいいか。ツムギ、山小屋に泊まれないか見に行ってみるか。」
「うん、野宿よりはいいはず。行ってみよう。」
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