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第41話 挨拶へ

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今日は彼のご実家へ挨拶に。
私は、前日から東京に来ている。
服装、手土産、大丈夫だろうかと朝からそわそわしている。
落ち着かない私に、「大丈夫。何も心配いらないから。」と颯真さんは言う。

私は、自分の実家へ挨拶に行くのにもすごく緊張した。
彼は、全く平気そうだ。
「一昨日の夜、様子を見に帰ったけど、みんな喜んでたよ。だから大丈夫。」

事前に様子を見てきてくれてたんだね。
彼の家族関係は、良好なようだ。

颯真さんの家族は、ご両親と弟さんが1人。
お義母様が気さくに話しかけてくれて、とても居心地がよかった。
そして、なんとお義母様の趣味のひとつが華道だった。
しかも私と同じ流派。
私は、まだまだ始めたばかりではあるけれど。
そんな偶然がすごく嬉しい。

歓迎され、結婚も無事に認めていただけた。

颯真さんの自宅へ戻り、ほっとする。
「ステキなご家族だね。」素直な感想を伝える。
彼は、「ありがとう。」と嬉しそう。

明日は、東京在住 同期の森ちゃんも一緒に3人で食事をする。
颯真さんと森ちゃんは幼なじみで、職場も同じ。
私たちが付き合ってることを、森ちゃんはまだ知らない。

「東京へ遊びに行くから会えない?」と私が誘ったのだ。
そこに颯真さんを連れていく予定。
森ちゃん、びっくりするかな?

颯真さんが予約してくれたお店で、森ちゃんに会う。
「久しぶり~。」とお土産を渡す。
「このお菓子は初めて。ありがとう。」と喜んでくれた。
地元の銘菓の期間限定バージョンなのだ。これにしてよかった。

少し話していると、颯真さんの姿がチラリと見えた。
彼は少し寄り道して遅れてくるようにしていた。
彼が入ってきて、私の横に立つ。
森ちゃんの目は、これでもかというくらい見開かれている。

彼に席についてもらい、森ちゃんに報告する。
「森ちゃん、私たちお付き合いしていて、もうすぐ結婚します。」

「えっ、えー。」
声が出て、しまったと思ったようで、慌てて口を押さえている。
森ちゃん、驚きすぎである。
そんなしぐさも森ちゃんだと美しい。

颯真さんと私が知り合ったのは、森ちゃんのおかげだからね。
今までの経緯を説明した。

急な部署異動で、困っていた私に、手を差しのべてくれた森ちゃん。
森ちゃんの紹介で、星野さんに仕事でわからない部分を助けてもらい、実際に会って、恋に落ちた。
会う前から、親切な彼の人柄にかなりやられてた感はあったけどね。

森ちゃんは、驚きながらも、
「そうなんだ。そんなこともあるんだね。おめでとう。」と祝ってくれた。
森ちゃん、本当にありがとう。








    
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