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第28話 会いたい

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今夜も颯真さんからの電話を待っている。
私は颯真さんのことが好きなのかな。
会ったこともないのにな。

今日はもうかかってこないだろうと、ベッドでウトウトしてると、電話が鳴った。
「こんばんは。雅ちゃん、遅くにごめんね。もう遅いから電話はやめようと思ったんだけど、少しだけでも声が聞きたくて…」

「こんばんは。まだ起きてたので、大丈夫。電話嬉しいです。」
颯真さんの声が聞けて嬉しい。

颯真さんには、私が寝ぼけていたのが、バレてたみたい。
何か変なこと言ったのかな?
それとも声が変だった?

少しだけ声を聞いて、眠るつもりが、いつものように、長電話。
いつからか電話を切る時の言葉は、
「会いたいな。」
「会いたいね。」になっていた。
寝不足だけど、幸せです。

もう2ヶ月、毎晩のように電話している私たち。
「雅ちゃん、来週の土日、空いてる?」と聞かれた。
これは期待していいのかな。

「うん、空いてる。」
ドキドキと、次の言葉を待つ。
「来週の土日、そっちへ会いに行ってもいい?」
うわぁ~、うわぁ~、颯真さんに会える。
わざわざ飛行機で会いに来てくれる。

今さらながら、颯真さんが既婚者だったら、どうしようと怖くなる。
「颯真さんは独身ですか?」と聞いてしまい、驚かれる。

本当ならもっと早くに確認するべきだった。
東京支店 同期の森ちゃんに確認するのが、確実だけど、プライベートで連絡取り合ってることを話してない。
支店は違っても、同じ会社。
森ちゃんへ話すかどうかも慎重になる。

「雅ちゃん、僕は独身だよ。結婚してるのに、雅ちゃんに会いに行くと思われてたんだ。ひどいな~。」と返ってきて、ほっとする。
よかった~。
「ごめんなさい。今さらながらも確認しておきたかったんです。」

颯真さんがやってくる土曜日、飛行機の到着時間に合わせ、到着ロビーまで迎えに行く。
携帯を忘れず、持って行かなければ。

次々と、人が出てくる。
どの人が颯真さんかわからない。
そういえば、特徴、目印など、何も聞いてなかった。
携帯があれば、会えるよね。

ジーッと人波を見ていると、辺りを見渡しながら、携帯を持つ右手を軽く挙げる人を発見。
見た感じは、30代前後。
身長は180cm近いんじゃないかな。
黒っぽい上下で、スタイルがいい。
はぁ~、顔も整ってるよ。

もし彼が颯真さんだとすれば、こんなイケメンだとは、聞いてないよ。
彼が外へ移動していく。
しばらくすると、私の携帯が鳴る。

そういえば、私も特徴、目印など、何も伝えていなかった。
会えるんだと舞い上がってたから。

やはり、さっきのイケメンが、颯真さんでした。
颯真さん、イケメンすぎると思います。

















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