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第四章第二部 落ち零れ領の改善政策進行

107話

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※レマイア領中央領公館 雷鉄のパーティと雇用相談実施中でっす

 さてサテですが、雷鉄のパーティが護衛騎士として働いて貰う訳だけど、先に従卒者の訓練と言われるくらいには騎士の内容を知ってはいない。その辺を飛ばして護衛騎士の職務に従事して貰うのだから、しっかりしたアドバイザーを用意する必要がある。
 その流れの話を持ち出すと、先に職務に就いてるフェインがすかさず目を逸らしたが、ここで逃したリしないからな。あんたが大将やで!思わず声を出して叫んでしまった。うん、言葉が通じない異世界感がここに合ったわ。エセ大阪人に悔いなし。即、ガラガラ閉店や。

 まあ、気を取り直しで再開するんだが俺事情で騎士の講義を受けさせる。講師も適当なフェインにお願いした。うん、適当で良かよ。護衛騎士なんぞ裏稼業みたいなものだからな。いざの必殺があればいい。三味線はお任せだ。こっちの俺もそこは知って無く、あっちから来た俺に解る訳ないし。

 あの時は若かった・・昨晩だけど。若さの実感も毎日だから問題無いし、ちゃんとした事だから良いのさ。だが大事な物だからここで出す、何か変な姿そのままの石だけど。馬鹿にしちゃいけないよ、加工技術の持ち合わせは無いから適当に切っただけの物。
 [アイテム①]にこの石を入れたら似てる何とかと表示されたあれです。その似てると言われた物の大きさから3割程を大きく切っているあれです。見ためだけで切ってるけど大体何とか成ったよ。<結界?X結界2>の最新版な奴をだね、何故がもっと大きい石に変えても結界の4や5に出来なかったけど。そこは容量じゃ無い何かの仕組みたいだな。俺自身は常時発動をするから、<結界X3>繰り返す奴のあれな。

 しかも魔力ゴリ押しする永続的な奴だから、自動発動と解除をする為の<結界X3>をセット装着にしている。そもそもが元は<障壁>の改造版なので、障壁と空間制御の合体物が今の<結界>何ですよ。信念は岩も通すとばかりに、良いとこ取りが出来ないかの成り果てた魔法。
 攻撃を1割までの衝撃に減らすから、その耐久値は10倍と思っている。その結界が3つのセット使用だから、一度に30倍の衝撃までなら凌げる目論見なんだな。受けてないから実の処は解らないけど、神様頼みなので信じてます。

 これが安心爆盛の要素なんだけど、声に出して確認しても神様が何も言ってこないから確実に大丈夫なんです。信じるものは救われるのだよ。爆乳神のシャワー設定も満喫しましたから。敢て・・強いたりしないけど、無いよりは合った方が眼福なんです。神達の下半身が生々しくないのは何故だ?現実を知っている俺の目が汚れてるからか。

 話を戻すけどこの石は魔法が付与してると説明しつつ、その回りを飾る装飾加工は俺には出来ないとやんわり拒絶しておいた。だがそこは熟練の冒険者パーティなので、それを入れる物を用意出来るそうだ。なのでお任せする、その費用は俺負担なので色が選べるならそこもお好きに。
 ペンダント仕様に出来ないかとフーリアが食いついているが、お前も持つ気ま・・頑張って頼みなさい。金の事は気にするな。でも入れ物じゃないとダメだよ、加工に削ると付与が消えそうだもの。そのさじ加減は解らん。失敗したら悔やまれるからな。これ装備で護衛を宜しく!

 彼等の雇用に関わる主な俸給の打ち合わせは、各々が納得する形で話は収まった。そう勝手に解釈したのが俺だけど、雇用者だから問題ないよね。メイビーってとこさ。それよりも取り急ぎな用件が、我が家への引っ越しから、騎士としての風体を整える事だ。まあその辺の防具は領公館に予備があるから、武器と一緒に与えておこう。

「少し前に護衛依頼でコノモブ領を通りました。そこでいつもの様に時間があったので、ギルドで変わった情報が無いか聞いたんです。特に注意喚起に合ったのが、領の騎士団の粗暴でしょうか。抑える上が不在な今ですから、男尊女卑に傾倒させた行動が隠されなくなりつつあります。それでも王国の制定法がそれを厳しく正しますから、大きな被害は聞こえてませんが今はどうなんですかね?」
「そうですか。元からその傾向があるらしく、あちらに女性騎士の就労者はいません。いざと成る前提でこちらの騎士団が先行しましたが、我等の仕事にも関わりますから早めに行く事にします。準備が整い次第直ぐに向かいましょう」

 そっちの準備じゃ無いんですけど!「お髪が乱れています」何故?ワンワン達に齧られても、<結界>使ってたから乱れない筈なのに・・ああー[空間転移]の中で何回も寝たから、寝起きのまま我が家からこっちに移動したんだっけ。
 サナーに見られなくて良かったよ。禿げるまで整えそうだからな。むしろ禿げて楽に成りたい。嫁が居るからそれも問題無いと思うもの。願わくばの癒しを求めて使用人達の休憩場所とお邪魔した俺が悪いんだけど。ええ、勿論いつもの賄賂をお持ちしたのですけども。

「坊ちゃま、油断せず無駄打ちはお控え下さい」「私が若ければ、1人や2人はお生みしたのに」「貴方、結局子供出来なかったでしょ?私はまだ産めます~」「若さも多産もフーリアが居ります~」最後の一人は、中々面倒な奴が混ざってた。傷がさらに深手に成るとは思わなかった。迷わずサナーの突進待ち受け場所へ行くべきだったか?お母様が重なってたら諦めよう。無駄とかいうな。

「・・そうか。噂が立つ程の事があるなら、準備を早めて向かってくれ。キュルスはあれで、冷徹に成り切れない所があるから、処理の判断はお前でいい。その辺の処は、文にして持たせよう。それを行えば遺恨が出るかも知れん、身辺警護を怠るな。家族と離れているのが幸しているな」

 あれよあれよと進んでますが「先に断って置くが、お前の今後の事もある」の方が、俺にとっては大事な事だったよ。近々の俺問題というのが世襲出来る子孫を円滑に育てる事なんだと。まあ良く有る話ではあるが、立派な貴族の子をしっかり教育するって奴だな。
 そこで希少な子を大事と考えず、ポコポコ生ませて良い選別をしなさいと。足りぬ子って何だ・・と思わなくも無いが、同じ教育を施したなら当人次第も加味される。ぶっちゃけ我が2人の嫁さんは、間違いなく脳筋種族だからな。終わった・・いやいや、まだ間に合うから焦らずじっくりと良い子作り?無駄感知がここに来るのか?

 世知辛いと思わなくも無いが、1代限りの貴族位に其れ也のお金が掛るのは看過出来ない。ましては相応の努力と期間を費やして、やっとこ叙爵に漕ぎつけた貴族位が普通だからだと。そこら辺の弊害は素養を託すまでには、干乾びたの疲弊者になり易い。
 散る寸前の老獪者に成って居れば、世襲が任せられる子を育てられるのか?子を成せるのか?未来亡き者には審査も厳しくなるのだ。だが俺は?となるとかなり違う、今はまだ種満タンじゃね?直ぐ懐妊させてるし!手当たりパコパコもお気楽諸行じゃないかと。

 腐ってる・・古種持ちじゃないからな。ジャックの豆くらいに凄いよ、ショートカットしながら時短でクリアする裏技持ちさ。巨大化?ノンノン、Bダッシュで一気駆けさ。キノコだろうが何だろうが全て飛び越えちゃう。裏面なしなのはレトロのスーパファミだったから。
 テトリ・・途中にあの!熊肉の話も紛れていた。それは物が物だけに、提供した量が微妙な少なさなのもバレる要因だっただろう。それの出何処を追及されはしなかったが、その代わりにもう少し寄こせって感じだな。だがこち等の都合もあるのだ、対価支払いに納得出来ない親子関係とか。黙って貰ってくれるのが良いに決まっている。元でゼロなんだよ。

 獣の掟に習えば、狩った物を分け合うのはおかしく無い筈。うん、王都の土産はお母様を中心に選んで買おう。だから熊肉・・料理長に預けて置けば、酢での漬け込みや熟成も済ませて置いてくれると。でもでも、俺が王都に行く頃に熟成されるんだよ。帰って来る頃には、存在どころかそんな出来事も消されてる筈。酒の肴の名のもとで。

「先日に訪れたキャレーング男爵は、早々に元マグサヤ子爵領に向かうようだ。冒険者ギルドに護衛としての随伴依頼を出している。次に行動を起こすのは、例の元マグサヤ子爵領にするのだろう。ここでの情報を持ち込めば、それ相応の待遇が得られると試算したのだろうな」
「あち等の領をどなたが収めると解ったのでしょうか?」
「その情報公開は直ぐに成らないが、決まった時に直ぐ動ける算段じゃないか。日が掛かり過ぎれば待ち続けるのも苦行だが、相応の俸給は貰い続けるからな。最も赴任場所が定められてない寄生貴族は、カスカスの生活しか出来ないから移動が重なるのは厳しい。蓄え次第だが窮地には違いない」
「お気の毒な事です」
「それよりお前は王都で頑張れ」
「ぐはぁ!」

 聞きたく無かった訃報に遜色ないよ。死ぬのは俺だけど我関せずの聞き耳だけとか親の威信はどうした?生身の衝撃なんて最近はほぼ無いけど、崩れ落ちそうなくらいにズッコケた。

「日ごとにご祖父様から、セブレスの叙爵に対する苦情が寄せられるのです。何度もリマイア家に入り婿を貰っていれば安泰だったと」

 ストープッウッのぷ!何気軽に言ってんの?未だに何がしたいか解らない婿貰いだよ?お尻がピキーンとしたわ。あのボケ老人達の頭の中じゃ、俺がドレスを着てウフフしてそうじゃんか。
 そんな妄想にびっくりだろ?俺もそれしか想像出来なく成ってるし、それが似合って見えるから恐ろしい。洗脳か?いつか何とか成りそうなこっちの世界だからって勘弁だぞ。

≪あるぞ。その設定で作られてる魔道具が、あるダンジョンの中に置かれている。必要なら情報を与えよう≫

(不要ですぅぅぅ!その物も噂も封印みたいな形で、世間に出ない様に頼みます。神様レシピに励みますから)

≪了解した。ついでで悪いが同僚が知りたがった事がある。メイサリス用特製調理とは何がどう違うのだ≫

(何卒お願いします。ああ、メイサリス用の味付けですね。彼女はお腹に子を持っていますから、今は普段の味覚と違ってます。それで今だけ好んでる味付けを、彼女だけが食べてる感じです。妊婦メイサリス専用ってとこです。妊婦でも人によりますから、そこはその都度に成りますね)

≪解った。好みの違いにして重複させよう。以外と好まれてるからな。いくらでも増やして貰って構わんからこれからも良しなにな。ではまた≫

 危なかった・・拍子は解らないけど、あれがポロっと取れたら最悪じゃん。そしていきなりおっぱいボンバーが炸裂するんだよ?それで貧乳だったら死ねる。おお、放置しとったわ。

「ご祖父様はまだ諦めていなかったのですね」
「ええ、ご祖母様の意向が最も強いのでしょうが、さらに増した意志を感じます」
「リマイア家の叙爵した時期が悪かった。一代限りの騎士貴族だったから弟も早々に政略結婚の相手を探して婿に入ったからな」
「ええ、リマイア家とレマイア家が同時期に叙爵されたと聞いています。ただ、リマイア家も領地持ちでしたら違っていましたでしょうに」

 それな!一代限りの騎士貴族家系だったからお父様は家から離れて士官し、その弟は男爵家の婿に入ったと聞いている。そして後に何やかんやを経て、お父様とその実家が男爵へ叙爵された。だがその実家は時遅しで、高齢と相続者不在から領地運営は辞退したんだよ。
 お父様の家系か叔父様の家系から相続者が育つのを待つには時間が必要だったからな。その状況下の中で領地経営を考えるのは、高齢に成りつつ合ったご祖父様には選択出来なかったのだ。

 そこから何年も経た今なんだけど、騎士貴族家からさっさと去った叔父様を快く思っていない祖父様達は、そっちの家系の者に貴族位を与えるのを嫌がっている。貴族位を与える代わりに老後の面倒を見て貰うのだから、そこは好んだ者を選びたいとの主張だった。
 お決まり監察なら、あっちもこっちも相続の権利が有るので決める者次第って奴さ。順位?知らん、興味も無いし聞く事も無かった。俺が冒険者に成ると決めてから、そっち一筋と考えてたからな。踏み外しで貴族に向かってるけど、世の中解らんものよ。
 そんな事を考えてたら、去年も王都の屋敷から必死に逃げ帰ったのを思い出した。気を抜けば遣られるくらいの危機だったわ。俺が王都へ向かう時には、サナーは敬礼をしながら送り出すだろう。生き残れと!







 なんとか帰宅しました。昼間のツノは何だったのか?そう思う程あざとく媚びるツノを抱えながら、領公館で合った事をメイサリスに報告する。雷鉄のパーティを護衛騎士に雇った事、帳簿の閲覧状況には食い付きが薄かったがサナーの敬礼場面は酷く食い付いた。
 「敬礼って何なの?」なら教えよう。あまりにも悲劇な過強へ無策で向かい、打開も出来ず打ちひしがれるダメ男ロマンがある。自業自得と笑われながら、絶対に助けないと突き放す時に敬礼で送るだと・・そしてメイサリスが暫く敬礼しつつ、俺を冷たい目で見ていた。グレていい?
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